September 06, 2004

「悪癖」の研究

ロシアでの占拠事件、犠牲になった方、またそのご親族、関係者の方々には深く哀悼の意を表します。人間のネガティブな感情の連鎖は、本当に悲しみしか生みませんね。何とかしてそれを断ち切れないものか。つくづく考えさせられてしまいます。

また、関西では大きな地震があったとのこと。みなさまお怪我などなかったでしょうか。

*******

さて、前回の考察は「ひとことで言えば『この2年は何だったの?』ってことですよね」というメールをいただいた。素晴らしい。どうも私の書くものは長くなっていけないなあ。

それはさておき、考察をさらに続けたい。

「五輪が終わったら山本監督をジーコジャパンの守備コーチに」という意見が、アテネ五輪前にけっこうあったのをご記憶だろうか?私は、「山本監督はけして守備の指導に長けているわけではない」と考えており、それは難しいだろうと推測していた(そのほかのさまざまな要因--たとえばジーコ監督側の--もあるだろうとも考えていたが)。

山本ニッポンの特徴のひとつに、「DFラインの(つなぎの)ミスからの失点」というものがある。今回のパラグアイ戦の最初の失点がもちろんそうであるし、最終予選レバノン戦でも、釜山アジア大会決勝でもミスから失点している。もちろん、これだけでは例が少なすぎるかもしれないし、DFがミスしてしまえば失点を招くのは当然でもある。しかしこれらの失点シーン、あるいはそれ以外の山本ニッポンの被決定機を通じて、私にはそこにある傾向があるように思えるのだ。

これはまだ精密には未検証のひとつの仮説であり、その点を割り引いて読んでいただきたいのだが、

これらの(つなぎの)ミスからの失点は、「低い位置からのダイレクトプレー」という山本ニッポンのコンセプト、およびそれを実践する際の指導のつたなさ、からくるものなのではないだろうか。

ということである。

山本ニッポンの「組織」でも詳述したが、「DFラインで奪って、やや高めに位置するリベロに預け、そこから前線へのダイレクトプレーを志向する」というものが、山本監督のコンセプトのひとつの中核であると私は考える。これはラインをアグレッシブに上下することのリスクを嫌いつつ、現代サッカーの統計から来る「15秒」というものを実現しようと考えたことからくるのだろう。

このコンセプト自体は、しっかりと指導されれば機能するだろうと思う。戦術にも、コンセプトにも、それ自体には優劣はない。重要なのは機能させられるかどうかなのだ。

しかし、これを機能させるには、DFが「奪う前/瞬間、すぐ預ける先を見ている」必要があり、また預けられる側は「奪う時に(前に/同時に)フリーになるためのポジショニング、動き」ができていなくてはならない。それができる人材の登用、それを実践させる指導ができていなければならない。

すべてを狂わせたパラグアイ戦の最初の失点シーンを思い起こそう。ヘッドで折り返されたボールが那須の前で弾む。クリアーなら余裕を持ってできる状態であったと私には見えた。彼は周囲を見回し、ボールの預けどころを探していた。しかし、それが見つからないまま蹴るタイミングを失い、足場も悪いため滑らないように留意して・・・その間にヒメネスに詰められ、シュートを許してしまった。

これと同様のシーンを、山本ニッポンでは何度も見ているように思う。クリアーなら簡単にできるようなところで、一瞬の守から攻への切り替えのために、DFが難しいボールをつなごうとする。奪われ、危機に陥る。あるいは、すでにマイボールになっている時にも、DFラインやボランチの間でのパス回しに、周りの選手が動かなく、パスがノッキング、ミスになって奪われ、失点してしまう。

もちろん、何でもやみくもに「クリヤー!セーフティーファースト!」の時代から脱却し、「メダル候補のチーム」を相手にする時でもつないでいくサッカーを志向するのは、悪いことではない。しかし、それならば奪うときの「預けどころ」の選手のポジショニング、動きなどをしっかりと指導できていなければならない。それができていなかったことが、このチームの「なんでもないボールを処理ミスする」悪癖となって現れたのではないだろうか。

前回に「これで最終」といいましたが、長くなりそうので、やっぱり(笑)いったんここで切ります。

(続く)

03:00 AM [アテネ五輪代表] | 固定リンク | コメント | トラックバック(0)|

August 29, 2004

山本ニッポンの「組織」2

その後も山本監督はこの路線を堅持していた。

しかし、例えば2003年7月のvs韓国戦でも、プレスがかからず、ディフェンスラインが後退してしまい、前方での動き出しが乏しく前へボールを送れないという状態は続き、シュート数にして12対5で圧倒された(試合自体は1-1の引き分け)。確かに韓国は「アテネのメダルに近い(山本監督)」チームではあったが、釜山での課題がそのまま出ていたことを見ても、チームとしての組織の問題が未解決であったと言わざるを得ないだろう。

この路線は1年半かけて続けられたが、結局うまく機能させることはなかなかできなかった。そして9月の韓国五輪代表との再戦でも、後半はいくらかは改善されたものの、試合全体はやはり圧倒されていた。その後、闘莉王の帰化やワールドユース終了などの諸条件の変化を受けて、04年2月のイラン戦から山本監督は、DFセンターに闘莉王、左アウトサイドに森崎(浩)、大型FW平山、中盤に今野と鈴木(啓太)という布陣を基本とし始める。特にセンターラインの闘莉王、今野、平山は合流直後に、一気に中心としての地位を占めるようになった。

ここから、闘莉王の攻め上がりによって回りの選手が強制的に(笑)動かされること、今野の参加によるプレッシングの強化、平山による前線の基点、森崎によるサイドの基点などによって、それまでの問題のいくつかが解決したように見え、最終予選は何とか戦い抜くことができ、アテネ五輪出場権を獲得した。

とはいえ、バーレーン、レバノン、UAEという組み分けは、韓国、イラン、中国が同居するA組、サウジアラビア、オマーン、イラクのC組と比べると、客観的にはむしろ楽な組み合わせと見るべきであった。にもかかわらず、非常に苦戦し、ぎりぎりでの通過になった原因はなんだったのか。

五輪出場決定の祝賀ムード、アウェーでの大量選手の体調不良の問題などで、山本監督の指導の問題は省みられることがなく、苦戦の原因の追求がおろそかになったことは、返す返すも悔やまれるところである。

五輪予選は通過できたが、それは、少数の選手の能力によって、それまでのプレスの連動性のなさ、ラインの下がりすぎ、起点の作れなさ、前線の動き出しのなさなどをなんとか応急処置をしていたためであって、それらを指導によって向上できていないという問題点はそのままになっていたと私は思う。それが一部選手の「代えのきかなさ」につながってしまったのである。そういった部分が(体調不良などをおいておいても)最終予選の試合全体の低内容に現れていたと言えるだろう。

また、DFラインの指導もあいまいなままであり、アジア最終予選レバノン戦では、ふたたび選手同士の連携のイージーミスから失点している。さらに闘莉王の怪我によりセンターが阿部になった試合では、急にDFラインの上下動が増えてコンパクトフィールドを実現しようという志向が現れた。選手の個性がある程度反映されるのは当然だが、DFラインの枢要な行動原理までが変化する山本ニッポンのそれは極端すぎたと思われる。

このように、山本五輪代表は、チームにおける戦い方の原理原則が指導によってしっかりとできないまま、起用する選手によってそれががらりと変わる、「選手依存」のチーム作りに、結果としてなってしまっていた。パラグアイ戦後に私は

新しい選手が入るたびに、その選手頼みになるという、山本監督のチーム作りのつけ

と書いたのだが、それはこのことを意味している。山本監督のチーム作りが(結果としてだが)このようなものであるのだから、OAを使えば、OAが中心のチーム作りになってしまうのは理の当然というべきであろう。そもそも、OAは現五輪世代の選手よりも能力が上だから起用するわけであるからだ。

であるからこそ、山本監督は曽ケ端、小野、高原という、センターラインの、起用すれば中心の中心になるだろう選手をOAに選んだのだ。それは明らかに「彼ら中心の代表を作る」という意思の表明でもあったのだが、同時に「それしかできない」ということでもあったわけである。

したがって、OAの彼らが何らかの理由で参加できなかった場合のために、山本監督が他の選手を選んでいないのも、仕方がないことでもあろう。かつてのフランス代表がジダンの代わりを用意できなかったように、こういうチーム作りは「○○というタイプの選手が必要だから、何人かいるそのタイプの選手たちの中で起用できる選手を選ぶ」ということにはなっていないのだ。

あれだけのテストを繰り返しながらも、「一部の選手に合わせて/頼ってチームを作る」になってしまっていたのである。それは五輪本大会前の、苦戦したvsオーストラリア戦後に山本監督が「小野が入ることによって、かなり中盤の構成は変わってくる。期待しています」と発言していることでも良く分かる。

私は小野を入れる場合でも、他のOAにFWを使う場合でも、あらかじめチームの戦い方をしっかりと決め、それを作り上げた上で、その中にOAを組み込めるようなやり方をするべきであると考えていた

しかし、山本監督はやはり、「使えるOAにあわせてチームを変える」ということをしてしまったわけだが、それは彼のこれまでを見ていると、予想がついたことでもあるのである。

したがって、小野は「これまでの五輪代表のある一つのポジションを強化した」のではなくて、「小野中心のチームを作ろうとした」ところへ組み入れられてしまったことになる。しかし、いうまでもなくそれには時間がなさ過ぎた。そして、もともと選手の動き出しや、プレスの連動性を指導することに長けていない山本監督は、小野をトップ下に置いた場合のそれを機能させることにもやはり失敗したのである。

それはパラグアイ戦で見事に現れた。負けているのに前方で選手が動き出さない、小野が何をするのかをじっと見ている、小野も小野でボールを引き出すための動きが全然できない。プレスが効かずDFラインがずるずると下がってしまう。それはイタリア戦でも同様で、1失点目の日本の右サイドの破られ方は、中盤での守備の仕方が整備されていれば、あそこまでやすやすとは突破されない類のものであっただろう。

サッカーマガジン8月31日号では、巻頭で「日本はなぜ敗れたのか」と題して特集が組まれ、中で税所真紀子氏は

日本は『組織力』を武器としていた。しかし、この2試合では結果的には『個の強さ』を『組織力』で封じることはできなかった。

としている。私はこれは間違っていると思う。そもそも山本五輪代表は組織をきちんと機能させることは少なく、さらに、合流間もない一人の選手を中心に据えようとしたことで組織的なプレスができなくなり、機能不全に陥った。それがまさに五輪本大会で私たちが見たことである。そして、そういう状態は、山本監督の指導能力、チーム作りの方針から来る必然的なものだったのだと、私には思えるのだ。

大変長くなったが、山本ニッポンの検証は次回で終わりとしたい。

それではまた。

10:14 PM [アテネ五輪代表] | 固定リンク | コメント | トラックバック(1)|

山本ニッポンの「組織」

山本ニッポンの問題について、前回は「大きな大会の初戦」に臨むモチベーション作り、戦い方の準備の不備について指摘した。

しかし、そのようなピンポイントなタイミングの問題ではなく、そもそも山本監督の戦術指導、組織作りの指導に潜む問題についても書いておかなくてはならないだろう。いうまでもなく、それがもっとも大きな問題であろうからだ。

山本監督のコンセプトの特徴は、「基点を高い位置に置かないダイレクトプレー」であると考えられる。

それをやや細かく見ていこう。

山本監督のチームが私たちの前に形を現したのは、まず釜山アジア大会であった。U-21年代(当時)の選手たちで編成されたそのチームにおいて特徴的なのは、3バックのセンターにパス能力の高いボランチの選手である青木(鹿島アントラーズ)を配置しておいたことであろう。この狙いについて、山本監督が「サッカークリニック」誌2003年4月号で(釜山アジア大会終了後)自ら解説している。長くなるが引用してみたい。

U-22代表は3バックを基本にしている。3人の守り方は、まず両ストッパーが相手をスペースのないコーナーに追い込む。リベロは高い位置に上がってクサビ役の選手をマークし、バイタルエリア(ラストパスの基点となるエリア。ボランチとDFラインの間など)をしっかりと抑える。

これでボールが取れて、少し前に出ているリベロに渡れば、ダイレクトプレーにつながるビッグチャンスが生まれる。このとき、リベロは半身でボールを受けて振り向くことになる。

ストッパーが本職の選手は前には強いが、ターンはあまり得意ではない。しかし、ボランチの選手は日常的にターンを繰り返しており、ボールさばきも長けている。前線への長いフィードも出せる。こうした理由から、青木や阿部をリベロに抜擢した。

「DFラインで奪って、やや高めに位置するリベロに預け、前線へのダイレクトプレーを志向する」・・・これが彼の方針の一つの特徴といえるだろう。また、ボランチの一人としてかならず森崎和、阿部、青木といったパスに長けた選手を起用していた。これもそこを基点としようという意図であると考えられる。ボール奪取後の起点を、リベロ、ボランチに置こうという考え方だ。

この方針を同じく3バックを基本としていたトルシェ日本と比べると

・トルシェほどは3バックの上下動、特に押上げを厳密に大胆にはしないこと
・左右のアウトサイドにサイドバックタイプを選んでいること

が異なっていることが見て取れる。

つまり、トルシェ日本では、

ラインコントロールによってコンパクトフィールドを作り、
その中での高密度のプレスにより高い位置でボールを奪取、
攻撃の基点を左アウトサイドに置き、
ダイレクトプレーを中心に攻める

であったのが、山本ニッポンでは

あまりラインコントロールを重視せず、
DFラインで奪ったボールを上がった位置にいるリベロ(青木)か
一人のボランチに預け、そこを基点として
ダイレクトプレーを中心に攻める


ということになる。

(注:トルシェ日本は2000アジアカップで見せたような組織的なボールポゼッションからの攻撃も持っていたのだが、ここでは簡素化のためにダイレクトプレーに話を絞ろう)

しかし、アジア大会では奪って青木や一人のボランチに預けたはいいものの、そこで起点を作った後の、前線の動き出しが未整備に過ぎ、基点からうまく攻撃につなげることができていなかった。また、基点となるべきボランチの選手のポジショニング、動き出し、動きなおしも指導できておらず、ボールを受けることもなかなかできない状態が続いていた。

同時に、左右のアウトサイドをサイドバックに近いタイプの選手とし、絞込みに関する指導もうまくできなかったことで、(もちろんラインコントロールを重視しないためフィールドがコンパクトでなくなることもその一因であったが)、中盤のプレスもうまく効いてはいなかった。これは鶏と卵で、プレスがうまく行かないために、ラインがずるずると下がる、ということでもあるのだが。

釜山アジア大会、山本U-21は結局、「カバーを重視し、低い位置でのライン設定となり、その周辺に多くの選手が集まって人数をかけて何とか守る」という戦いぶりとなっていた。コンセプトである「低い位置からのダイレクトプレー」も、前線でのボールの収まりどころを構築できず、機能しない試合のほうが多かった。準々決勝以降の中国、タイ、イラン戦のすべてにおいて、シュート数で上回られているのである(この数字自体はその証左とは言い切れないが、参考にはなるであろう。具体的には各試合での機能具合をつぶさに検証しなければならない。が、今は先を急ぐ)。

年上の年代に混じってのアジア大会準優勝は評価されるべきであるけれども、このときの山本監督の選手に対する指導能力は、けして高いものを見せていなかったと私は思う。私はパラグアイ戦終了後に、

ディフェンスラインが安定しない、中盤が間延びしてしまう、攻撃時のビルドアップがスムースでないという、山本日本の悪癖が全部出た、実に残念な試合だった。

とこちらに書いたのだが、その悪癖はすでにこのアジア大会で現れていたのである。

(続く)

10:07 PM [アテネ五輪代表] | 固定リンク | コメント | トラックバック(0)|

August 22, 2004

「大きな大会の初戦」

山本ニッポンについて、さらに考察をしてみたい。

私の先日の書き方だと、「育成を選択したことが悪いのであって、山本監督の能力の問題じゃない」とも読めるよ、と指摘のメールをいただいた。これはまったく不本意なことである(笑)。私はやはり(ユースレベルでしか)監督経験のなかった山本氏の監督としての能力は、かなり低いものであると思っている。

そのことからくる、アテネ五輪(あるいはそれ以前)における山本ニッポンの問題は、いくつもある。一つ一つ見ていこう。

山本監督はガーナ戦後の会見において、五輪敗退の大きな原因として

この大会に関していえば、一番最初の試合の入り方に悔いが残るのと、やはりこれは運命ですけれども、試合会場で練習ができなかった。

と述べている。試合会場で練習の件に関しては、おそらく芝の問題を言っているのだろうが、それは一回横においておこう。

山本監督の言うとおり、このようなタイトルのかかった大きな大会の初戦での「試合の入り方」、これが大きな大きな問題であるということは、もはや常識と言っていいことだろう。EUROでは開催国ポルトガルがギリシャに負け、先日のアジアカップでも日本は、初戦ではメンタルをうまく作れず、漫然と試合に臨みオマーンに圧倒されてしまっていた。2001年アルゼンチンワールドユースの初戦もそうである。

このような例は枚挙に暇がない。山本監督はそれぐらい知っているはずであろうと思う。そしてそれを避けるために何らかの手段はとったのだろうと思う。いや、思いたい。しかし、監督としての経験が非常に浅い彼は、それに失敗したのだ。そして代表監督には、「モチベーション・コントロール」の能力が非常に重要であることの、逆説的なひとつの証明になってしまった。

湯浅さんは

 監督の本当の仕事は、選手たちの「人間的な弱さとの闘い」・・だからこそ、「瞬間的」に選手たちから恨まれたり憎まれたりすることに「も」余裕をもって耐えられなければならない・・そんな人間心理のダークサイドパワーまでも最大限に活用することができなければ、決してギリギリの勝負に勝つことはできない・・

と書かれている。まさにそういうことなのだと思う。

先に例に述べた、2001ワールドユースであるが、この時のロッカールームについての記述が、中鉢信一氏「進化する日本サッカー」の中にあった。

01年の世界ユース選手権(20歳以下)で、日本ユース代表に同行した日本サッカー協会の幹部は、約3年ぶりとなる「トルシエのいない代表チーム」の雰囲気を敏感に感じていた。帰国後、「トルシエのチームと比べると、ロッカールームにはピリピリとした緊張感が足りなかった。勝つにはトルシエのようなやり方も必要だ」と報告している。トルシエの手腕に対する新しい視点も芽生えている。

もちろん、彼のような「ピリピリさせること」だけがモチベーションコントロール唯一の手法ではない。この場合に必要なのは、初戦の過緊張をいかに軽減できるか、軽減できなくても、それを持ちながらパフォーマンスを発揮できるような手段を講じることができるか、ということだ。それはそういう手段を学び(たとえばオランダの指導者育成コースには「心理学」の項目もある)、経験していかないと向上しない能力であることは言うまでもないだろう。

またそれは、モチベーション、メンタルだけの問題ではない。その例として、もう一つ興味深い事例を紹介しておきたい。「大きな大会の初戦」といえば、直近ではもっとも大きな大会の初戦は「2002年韓日W杯ベルギー戦」であろう。さて、ではあの試合の戦い方はどうだったか?

トルシェ監督は、2002年になってからの親善試合で、「DFラインからのロングボール」を徹底してシミュレーションしていた。それはそれまでの日本のやり方の中にも入ってはいたが、それにしてもその頻度が多くなっていた。左の中田浩二選手や中央の森岡選手からのロングフィードは、もともと日本の武器のひとつであったけれども、2002年になってからは右の松田選手にもそれを重視して求めているように見えた。

そしてそれは、ベルギー戦の前半に顕著に現れた。それは「初戦の過緊張」を織り込んで、

「ベルギーは、日本の中盤のパス回しを狙ってくるだろう」
「そこからお家芸のカウンターを狙ってくるだろう」
「それに対し、大会に慣れていない、過緊張したままで対応すると、失点の可能性が高い」
「それは絶対に避けなければならない」
「前半はDFラインからのロングボールに徹しよう」
「それによって、暑さ、湿気に慣れないベルギーのDFの疲労を誘う」
「ベルギーDFの足が止まった時点で、攻撃的選手を入れて攻勢に出よう」

というゲームプランを数ヶ月前から立案し、それをシミュレーションしておいたものなのだ。

注目の集まる大会の最初の試合で、「まずはロングボールから」という戦い方を選択したことで、「トルシェ日本は最後はロングボール頼りのつまらないサッカーになった」という声があるが、それはこの「大きな大会の初戦の入り方」として、あえてそれを選択したのだ、ということを見落としている意見である。「大きな大会」そのものをまだ少ししか経験していない国の、ナイーブな見方であるといわざるを得ない。「大きな大会での初戦の難しさ」を知っていれば、あの戦い方にも合点がいくはずである。

あの戦い方は、大きな大会の初戦の入りかたとして、ミスが許されない時のためのものだったのだ。そしてそのためにじっくりとシミュレーションし、実践したものでもあった。「大きな大会の初戦」がいかに難しいか、しかも、ホームであり(後押しも受けるが)プレッシャーもさらに強いということをよく知り、それに対処するメソッドを持った「プロの代表監督」だからこそ、それができたのである。

■注記

もちろん、このように書いたからと言って、あのベルギー戦のやり方が唯一絶対の正しいものである、とか、あれを今回のパラグアイ戦で採るべきだった、とか主張しているわけではない、言うまでもないが。それぞれの試合に採るべきゲームプランは異なり、今回の試合では山本監督がそれを読み違え、または指導が十分でなく、あるいは準備が足りなかった、ということに過ぎないのだ。

また、イタリア戦では「開始20分はセーフティーに」という指示も出したようだ。しかし、いつも言うことであるが「口で言うだけでできるならそんな簡単なことはない」のであって、そのやり方の準備、指導、シミュレーションが(これほどの時間を与えられながら)できていなかったということなのだ。またこの部分は、彼の戦術コンセプトからくるものでもあると思う。この部分については後述する。

こんなことは、何世代にもわたって代表のロッカールームを経験してきた山本監督には、十分承知のはずのことだろう。しかし彼はそれに失敗した。そのためのメソッドを持っていなかったか、未経験でもありできなかった。対応したゲームプランも立てていなく、あるいは立てていても、事前に徹底することができなかった。

グループリーグ敗退は、初戦の最初の失点ですべてが狂ってしまったことによる部分が大きい。それは、きつい言い方だが、山本監督の能力の問題なのだ。

「五輪敗退」・・・この苦いテーマについては、もう少し考察してみたい。

それではまた。

12:35 PM [アテネ五輪代表] | 固定リンク | コメント | トラックバック(1)|

August 19, 2004

もう「次」はないのだ

アテネ五輪代表の最後の試合が終わった。

選手たちは素晴らしく集中し、これまでにないほど最終ラインも「クリアはクリア」とはっきりとしていた。攻撃陣も、ボールがないときの動き出し、ボールを持ってからの勝負の姿勢、どちらもこれまでで最高のものだったと思う。

彼らは、自分自身に対して「自分は何ものか」を証明することができた。最後の最後で。それはよいことだった。

すぐまたJがはじまる。サッカーは終わらない。各人がこの大会のことを、昨日の試合のことを胸に刻んで、大人になって行って欲しい。

おつかれさま。選手も、監督も、スタッフ、関係者のみなさまも。


■3試合を総括して

「アテネ経由ドイツ行き」・・・この言葉が、すべてをごまかしてしまったのじゃないかと思う。

もちろん一人一人の選手としてはそういう考えでいいだろう。アテネは終着点ではない、そこで終わるようなところでまとまってはいけない。フル代表へ、ドイツへ、あるいはその先へ、選手は目線を高く持つべきだ。それはその通りだろう。

しかし、監督という一つのチームを任された人間が、そのようなことを口にする時、そこに起こることはなんだったのか。私たちはそれをこの2週間で見せられたのではなかったか。

プロの代表監督にとって、一つのチームを任されれば、そのチームを強化し、最上の結果を出すことが最大の、そして唯一のミッションとなる。指揮官はすべてのリソースを使ってそれを目指す。それが当然であり、それがあってこそチームは成長し、機能していくのだ。

「アテネ経由ドイツ行き」・・・アテネ五輪代表の指揮官は、プロの代表監督ではなかった。自分に課されたミッションを、「チームとしての強化」ではなく、「選手の育成」としてしまった。それはプロの監督としてというよりも、まるで「協会の育成担当者」としてのふるまいかただった。そして実際「そう」だったのだと思う。

監督経験がない人物、協会内で「仲間」だから起用される人物、結果を出さなくても「仲間」だから協会から「かばわれる」人物、これまでの各年代の代表監督には、そういう人物が多くはなかったか(もちろんいくつかの例外はある)。それは、日本のサッカーがまだまだ仲間内の「日本サッカームラ」の中で、持ち回りのようにして運営されるものだから、という体質があるのではないか。

話がそれた。

そのチームを預かる監督が、「チームとしての強化」よりも、育成を重視する。五輪年代において、それは必ずしも間違いではない、というのがこれまでの日本での認識かもしれない。まだフル代表ではなく、成長途中の選手たちであるから。オーバーコーチングは避けるべきであるから。そのような議論は多くなされた。実際に私も、五輪年代においては「選手育成」と「チーム強化」は両輪である、と思う。

しかし、日本におけるそれは、現状かなりバランスを欠いたものであると私には思われてならない。U-23とは言え、もはやほとんどの選手がJリーグ各チームにおける中核選手である。対戦相手に目をやれば、セリエAをはじめ、ビッグクラブのメンバーも多い。そのような年代のチームに対しては、「育成」ばかりを重視するのではなく、もはやフル年代と同等程度に「チーム作り」の方に比重を移してよいはずだ。

日本人選手が海外に行って一番に言われることは、フィジカルでも、テクニックでもなく、「戦術理解が足りない」であるという。この「戦術理解」とは、特定のチーム戦術の理解ではなく、一般的な各ポジションの役割理解、その実践、さまざまな戦術的要求に対する対応力、などなどであると思う。よく言われる「個人戦術」よりももっと踏み込んだものだ。

なぜこれが足りなくなってしまうのか。それは、日本のサッカー界がいつまでも選手を「子ども扱い」するからではないか。いわく「まだ育成の年代だ」「選手を戦術で縛るのは早い」「自由にやらせて自主性を育むべきだ」そのような言葉が、各国リーグでも主力となるはずのU-23年代でもまかり通っている。そしてその結果「戦術理解の足りない」選手を作り上げ、送り出してしまうのではないか。

パラグアイ戦でも、イタリア戦でも、一人一人がボールを持った時の動き出しが整備されていなかった。守備でも、誰が寄せ、誰がカバーに入るのか、プレスをどのように連動して行うのか、その動きもばらばらだった。2年の時間を与えられながら、チーム組織としての完成度が非常に低い状態で五輪を迎えてしまった。選手に対するコンセプトの徹底をおろそかにし、「選手に自分で考えさせる」などとうそぶき、どのような試合をしても「いい経験になった」と言い続け、「チームとしての強化」よりも、選手の育成を目的にしてきたことが、それを生んだのだ。

例えばイタリア戦の1失点目、サイドのモレッティへのプレス、スクッリの走り込みへのケア、それらがはっきりとしない間に、崩され、点を取られている。「あんなオーバーヘッド、Jじゃ見たことない」から取られたわけではないのである。日本サッカーは組織にこだわりすぎるという意見をよく耳にする。少なくとも、このアテネ五輪代表は、初戦はチームに合流して間もない選手のために、イタリア戦ではこれまで試したことの少なかった4バックにしてしまったため、まったくといっていいほど組織だったサッカーを見せることができなかった。

この年代では、もう「プロの代表監督」が、正面から「チーム強化」をしようという姿勢でいい。そうであるべきだ。そのためにしっかりとトレーニングをし、チーム組織を作っていく。それがあってこそ、世界大会で結果を出せる、より高いレベルで経験を積めるのであるし、そのための選手に対する要求、トレーニングの過程があってこそ、「戦術理解を高める」ことができるのだ。例えばであるが、「各ポジションの役割理解」について、漫然と試合をこなすだけで向上できるわけがないではないか。

「アテネ経由ドイツ行き」・・・この言葉の功罪について、また五輪代表の戦いぶり、強化については、またいずれ検証してみたいと思う。

それではまた。

12:52 PM [アテネ五輪代表] | 固定リンク | コメント | トラックバック(5)|

August 16, 2004

残念だ

-----高松-----
大久保-------松井
-----小野-----
------------
---阿部--今野---
------------
駒野-闘莉王-茂庭-徳永
------------
-----曽ヶ端----

4バックか。駒野と徳永がいればやれるだろうけど、やったことあったんだっけ?おお、北京アジア大会以来の大久保と松井の2シャドー?気持ちはわかる。小野トップ下は難しかった。かといってボランチにしてしまうのも連携を作る時間がない。それじゃあ、というところかな。

実際、パラグアイ戦よりは悪くない立ち上がり。松井も大久保も中に入ってくる、ボール欲しくて下がってくる、小野も自由に動く、高松も左右に流れたり、下がってきたり。そうやって選手たちが動いているので、まあまあボールもまわせる。

1失点目は仕方ない。モレッティがポイントを作ったときにつぶせなかったか、とか、スクッリの走り込みをケアできなかったか、とかあるけれども、なんといってもあのオーバーヘッド。あれは止められないだろう。

2失点目は、ハンドをアピールしてる暇があったらクリア。あたりまえだろう。ジャッジに助けを求めるな。

徳永アウト、那須イン。徳永の怪我?駒野が右に回る。駒野は両方できます。

-----高松-----
大久保-------松井
-----小野-----
------------
---阿部--今野---
------------
那須-闘莉王-茂庭-駒野
------------
-----曽ヶ端----

この辺からの攻撃は悪くない。阿部のリズムを作るパス、松井のドリブルでポイントを作り、小野、駒野、大久保と絡んでいく攻めは、次第にイタリアからチャンスを作っていけるようになる。「あの」イタリアから。松井のミドルは惜しかった。

阿部のFKはすごかったですね。ファンホーイドンクかと思いましたよ。イタリアキーパー一歩も動けず。

3失点目はどうかなあ。今度はモレッティが走りこんでクロス。ジラルディーノの前に闘莉王、後ろに茂庭(だよね)、闘莉王がかぶったとみるか、茂庭が体を寄せるべきと見るか。うまく真ん中に入ったジラルディーノを褒めるべきか。

左サイド那須のクロスから、大久保のヘッド、キーパーダイビングしてはじく。大久保ワントラップで前を向いてシュート。小野がちょこんと出して阿部がまたミドルシュート。こういういい攻撃もできてるんだけどな。

後半、駒野アウト、田中達也イン。NHK地上波デジタルでは「田中は合宿中に軽い怪我をした」と報じられていたが。

-----高松-----
大久保--松井--田中達
------------
---小野--今野---
------------
那須-闘莉王-茂庭-阿部
------------
-----曽ヶ端----

前線はポジションチェンジしすぎでどうなってるのかわからない(笑)。阿部の右サイドバック!このチームでやったことあったのか?いや、クロスがいいから、ここにおく意味はあるけどね。大久保と松井と田中の共存というのも、なかなかなかったんじゃないか、これまで。

イタリアはスタミナ切れか、カテナチオ発動か、あまり上がってこなくなる。日本は後半序盤から攻勢に出、ペースを握る。いきなり田中達のスルーパスから松井がキーパーと一対一。これ決めてればなあ。

ここから、攻撃陣の顔ぶれを見れば予想のつくとおり、日本の攻撃が中央へ偏り始め、なかなかスムースに機能しない。パス回しの際の動き出しの整備もしていないうえに、初めてやる面子に近いわけで、無理もないのだけど。何度かチャンスを作るも、ボール保持の割りに攻められない、無意味にボールまわしてるだけの時間が長い。

松井アウト、森崎イン。うまくボールが回っていないことで、つなぎ役に森崎がなるのを期待したのだろう。しかし、そういう意思が伝わっていなかったか、森崎も運動量が少なく、相変わらずノッキングが多い。

しかしそれでも、後半は全体を通して日本の攻勢。田中達の左サイドからのシュート、高松のヘッド、大久保のドリブルから田中達のシュート、高松の振り向きざまシュート。日本は何とかしようと攻撃を続ける。しかし、ゴールは遠い。

ロスタイム。左サイドから阿部がFK、ファーサイドで高松が押し込んでゴール!3-2と詰め寄る。ボールを取りに行く高松、大久保。敵GKと小競り合い。その意気やよし。

そのままタイムアップ。日本は2連敗でグループリーグ敗退が決まった。

 

残念だ。残念でしかたがない。

結局、新しい選手が入るたびに、その選手頼みになるという、山本監督のチーム作りのつけが、ここに来て出たということだろう。

小野が加わって、最後になにか化学変化が起こるかと思われたが、いかにも時間がなさ過ぎ、指導も不十分過ぎだった。攻撃時に、誰が持ったら走り出すという共通意識もない、ちょっとした動きでフリーになってもボールホルダーがそれを見てもいない、そういう状態では、いかに小野でも攻撃のタクトを存分に振るうのは難しい。

DFラインで凡ミスが出るのもこのチームの特徴だ。しかも本番では2試合続けてだ。さすがにパラグアイ戦の後では「ペナルティエリア付近ではシンプルに」という指示くらいは徹底しただろうと思ったのだが、それさえもしていないのか。2失点目、ハンドのアピールなどしている暇があったらクリアだろう。

それでも、「あの」イタリア相手にこれだけ攻撃できていたのだから、戦い方によってはもっとやれたはずだ。田中、大久保のスピード、シュート力、松井のドリブル、ボールキープ、阿部のFK、もちろん小野のパス、使い場所さえ間違えなければ、どれもぜんぜん通用していた。あとは戦い方、個人能力の使い場所なのだ。「個を生かす組織」ができているかいないか、そういうことなのだ。

イタリアは攻撃時に、次々にオーバーラップしてくるスムースな攻撃を身につけていた。パラグアイもしかり。プレスから質の高い15秒攻撃をしていたのは、敵のほうだった。ああいうものが「個を生かす組織」だ。それを指導できなかった監督、それを指導できる監督を与えてやれなかった協会。そんな協会を容認している私たち。残念だ。残念で仕方がない。

こうなったら、ガーナ戦は、日本の持てる実力をすべて示してほしい。この選手たちの力はこんなものではない。最後になってしまうが、ここでこそ「自分たちのサッカー」を世界に見せつけて、そして驚かせて欲しい。アテネ戦士たちよ、君たちはもっとできるはずだ。そうだろう?

悔しいです。それではまた。

06:03 AM [アテネ五輪代表] | 固定リンク | コメント | トラックバック(16)|

August 13, 2004

動け、ちょっとでいいから

そーたさんのブログから。「なぜ前半動脈硬化に陥ったのか?

興味深い問題提起がなされています。問題点をほとんど言い尽くしていると思うのですが、今回気になったのは特に4.

このチームの課題は、前でボールがおさまらないこと。
つまり欠落したままの中盤での落ち着きとその展開に対し、小野をあてはめることで解決しようとしていたのではないか。

慧眼ですね。まったくそのとおりだと思います。結局、新しい選手が入るとサッカーががらっと変わってしまう、その選手頼みになる、そういうサッカーなんですね。

引用されているガゼッタさんのご意見を孫引きさせていただきますと、

小野だけじゃなくて中田や中村もそうなんですが、トップ下にスペースが無いのが当たり前の現代サッカーでは、彼らのようなスピードとフィジカルとテクニックが両立していない選手がトップ下をやる場合、よっぽど戦術を緻密に構築しないとほとんどうまく行かないです。

特に今回は、パラグアイがガンガンと前からプレスをかけてきましたからね。

前半、小野、阿部、今野の、マイボール時の「動かなさ過ぎ」が目につきました。湯浅さんの言うような「爆発的ダッシュ」でなくていいから、後ろがボールを持ったら、自分がフリーになるためにスッ、スッと、10メートルほど動く。何人かが連動してスペースを作り、そこを利用するように。それができているからパラグアイはパスが回るんですね。逆にできていないから、プレスをかけられると日本はロングボールを蹴るしかなくなる。

試合前にずいぶんと私は「小野と森崎が試合中にぐるぐるとポジションチェンジするといいかも」と書いたのですが、それをするためには、言うまでもなく移動しなくてはなりません。その移動で、敵のマークの混乱を引き起こし、フリーでボールを受ける機会を作れるわけです。2000アジアカップの名波と中村のイメージですね。そういう風にできればよかったのですが・・・。

この辺は監督がトレーニングで意識付けしておくことができることです。しかし、小野入りのいろいろな布陣を試している間に、もっと重要なそういう「チームとしての動き方」の熟成ができていなかったかもしれません。

だったら、小野はボランチに置いて、ある程度慣れている選手で前方を構成するか、いっそトップ下なしの3トップにするか、というほうが、チームが機能するでしょう。パラグアイ戦はそれに気づくためのレッスンだったというところでしょうか。

また、フィールドがコンパクトではなくなってしまっていたのも問題でした。コンパクトであれば、選手同士の距離も近いですから、フォローやサポートもすぐにできる。小野は特にボールの近くでプレーさせたほうがいいですし、森崎とポジションチェンジするのでも、距離が遠いとままなりません。山本監督もラインコントロールに問題があったと発言されていますし、次戦からは改善されることを期待しましょう。

それではまた。

12:51 PM [アテネ五輪代表] | 固定リンク | コメント | トラックバック(1)|

次だ、次!

あと二つ勝てばいいんです。下向くな、顎を上げろ、お前らならきっとできる!

--大久保--高松---
------------
森崎---小野---徳永
------------
---阿部--今野---
------------
--那須-闘莉王-茂庭-
------------
-----曽ヶ端----

試合直後の山本監督のインタビューでは、(私の聞き間違いでなければ)「この試合会場で練習をさせてもらえなかった」「ピッチコンディションに不安があった」というようなことを言っていた。

君が代の演奏途中、選手の表情が硬いな、と思っていた。明らかに試合の入り方が悪い日本U-23。プレスに行かず、守備でも体を当てず、ずるずる下がり、攻撃でも誰も動き出さない。悪いときの山本日本の悪癖だ。

対照的によく動き、プレスをかけ、ボールを引き出す動き出しの豊富なパラグアイ。日本は翻弄され、ゴール前での那須のミスによって、先制されてしまう。

トップ下に小野が入った新布陣は、どうにも機能しない。小野にマークがついていることもあるが、それをフォローする動きもなく、小野自身もマークをはずす動きがない。やはり現代のトップ下はシャドータイプのほうが適役なのだろうか。

攻撃はどうしてもロングボールからのものになる。高松は競り勝てるものの、大久保とあわない、小野もこぼれを拾える位置にいない。ゲームプランどおりの攻撃なら、もう少し機能してくれないと。

そうこうするうちに、ガマラが高松をペナルティエリア内で引っ掛けてくれ、PK。小野が落ち着いて決めた。小野のキックは素晴らしくコントロールされたもの。この辺は格の違いを感じさせる。

ところが直後、パラグアイのFKが壁にあたり、ゴール。再びリードを許す。

パラグアイは日本の左サイド、那須のあたりをヒメネスが執拗に狙い始める。こういうことは外からはわからないことだから推測に過ぎないが、那須が動揺しているのを見て取られたか?結局左サイドからヒメネスがグラウンダーのクロス、カルドソに決められてしまう。2点差に。

後半、那須アウト、松井イン。

--大久保--高松---
------------
森崎---松井---徳永
------------
---小野--今野---
------------
-茂庭-闘莉王-阿部--
------------
-----曽ヶ端----

阿部のグラウンダーの起点となるパス、小野が前を向いてボールを散らせるようになったこと、松井が前方でフリーになってボールを受けられるようになったことで、日本もリズムを取り戻す。高松にボールを入れると、高松が進もうとしたところをパラグアイDFが体で阻んでしまい、PK。再び小野が決める。

前日の韓国が取られたPKといい、女子のドイツvs中国で中国が取られたのといい、今大会はPKの判定が厳しめであるように思う。今後は日本も注意したほうがいい。

日本の攻勢が続くが、パラグアイも1点差に詰め寄られたことで、反撃の手を強める。すばやい攻撃で数的不利になりそうになったところ、阿部が一発でタックルに行ってしまい、かわされてそのままミドルを決められてしまう。

森崎アウト、田中達イン。

-大久保-高松-田中達-
------------
松井--------徳永
------------
---小野--今野---
------------
-茂庭-闘莉王-阿部--
------------
-----曽ヶ端----

このあと、日本は田中達のスピードを生かして次第に効果的な攻撃を繰り出せるようになる。パラグアイは前半の飛ばしすぎか、動けなくなってきていて、このあたりからの日本の攻勢は山本監督が「やれているところもたくさんある」と発言した部分だろう。

高松アウト、平山イン。

-大久保-平山-田中達-
------------
松井--------徳永
------------
---小野--今野---
------------
-茂庭-闘莉王-阿部--
------------
-----曽ヶ端----

この流れの中で、右サイドで田中達が抜け出しグラウンダーのクロス、大久保が入り込みワントラップからディフェンダーのまた抜きシュート!GKはディフェンスが邪魔でボールが見えなかったね。1点差まで詰め寄る!

その後も松井のクロスから平山とか、CKから闘莉王、平山とか、何度もチャンスを迎える。最後は闘莉王を上げて、パワープレーに出たが、必死の反撃も実らず試合終了。

ディフェンスラインが安定しない、中盤が間延びしてしまう、攻撃時のビルドアップがスムースでないという、山本日本の悪癖が全部出た、実に残念な試合だった。さらには、メンタル的な試合の入り方にも失敗したが、それと同時に相当大きな問題が、選手が「ピッチに慣れていないこと」であったように思う。攻撃に移ってここぞというところで選手がころころと転んでいた。あれがなければもっと拮抗した試合にすることもできたはずだが・・・。この会場で練習できなかったというのが本当なら、その点は実に不運だったといわねばならないだろう。

しかし、小野を基点として、松井のキープや、田中達のスピード、森崎の抜け出しなど、通用するものも多くあったわけで、自分たちの力を信じて、もう一度切り換えて、残り2WINを目指して欲しい。それには、中盤での体を張ったプレス、DFラインの再整備、特にミスをなくすことが必要だ。短い期間だが、選手、監督にはがんばって修正して欲しい(失点がミスがらみということは、減らせるということでもある)。

経験のある選手でも、大きな大会の初戦は難しいものです。大事なのは引きずらないこと。今夜はじっくりとカラダを休めて、あした目覚めたら、開き直って、次戦の勝利を目指してください。大丈夫、君たちなら、きっとできる!

それではまた。

05:29 AM [アテネ五輪代表] | 固定リンク | コメント | トラックバック(6)|

May 14, 2004

五輪OA考察

暑くなってまいりましたね。さて、暑さといえば思い出すのは、真夏に行われるアテネ五輪です(笑)。

そーたさんに話を振っていただきました。

さて、引き出しを数多くもってらっしゃるケット・シーさんはどのように考えるのだろうか興味深い。

この時点で、まずは「私の候補」としてMF小野+FW柳沢+GK曽ケ端の名前を挙げたのだが。

さらっと書いたのに見つけられちゃいましたね(笑)。

五輪のOAの話を考えるにあたり、使うか使わないかという観点では、「メダルを目指す」(まあ多少はリップサービスであるかもしれないけれど)と考えれば、使ったほうがよいと結論づけられると思います。この点にはいろいろと議論があると思いますが、一回それは置いておいて、「使うなら」という前提で人選を考えて見ましょう。

まずは、「これまでのチームの継続を考える」のか、「使えるOAにあわせてチームを変える」のか、という視点がありますね。これは、私は前者のほうがよいと思います。もはやイチからチームを変えるには時間がなさ過ぎる。

すると、「継続されるべきチームはなにか」ということになりますが、私は「五輪予選最終UAE戦の3-4-2-1」であろうと思います。

------平山------
--大久保----田中達--
森崎浩---------徳永
---今野----鈴木---
--那須--阿部--茂庭--
------林卓------

これは、このスタイルが「シャドータイプが多い五輪代表の現状にあっていること」、逆に言えば、いわゆる「トップ下」を一人に任せようとした時にはなかなか好結果が生まれていないことから考えられるところです。実際、UAE戦でのこのチームが見事な戦いぶりを示したのは、記憶に新しいですね。また、先だっての遠征でのギリシア五輪代表との親善試合も、この布陣でスタートしたところを見ると、山本監督もこれを念頭においているところは間違いないと思います。

さて、そこでOAですが、まず一人目は、私なら小野選手を左サイドに欲しいと思います。森崎浩選手もよくこのポジションで機能していましたが、さらにレベルが上がる五輪本大会では、やはり奪った後のボールの預けどころ、攻守の切り替えで鍵となるこのポジションに、経験の豊富な選手がほしい。特にオランダで、守備力も向上している小野ならばうってつけです。

また、一つ考慮したいのは、OAの「リーダー性」です。今ひとつ元気がないといわれているこの世代にOAとして加えるには、、「俺について来い!」というタイプのリーダーではなく、ニコニコと和を作りながら、それで盛り上げて行ける、というようなリーダーがよいのではないか。そういう点で、小野の「太陽のリーダーシップ」が、このチームに入るといいだろうなあ、と思うのです。

クラブとの関係で難しいかもしれませんが、ぜひ合流して欲しい選手ですね。

 

次に私が上げたのは柳沢選手ですが、これってなかなかいいアイデアだと思いません?(笑)

というのは、やはりフル代表との兼ね合いを考えて、なのですが。ジーコ監督は誰でも連れていってほしい、と言っていますが、やはり今この状態(フル代表のFW不足)で「久保をくれ」とは言いにくいのではないか、山本さんも。

1トップ2シャドーの形で行きたいのだけれど、平山がどこまでコンディション的にもフィットするかは未知数なところもあり、1トップ役の人材は確保しておきたい。久保でも高原でもよいのだけれど、上記の問題(ジーコへの気遣い?)もあるし、また久保や高原がこのタイプの1トップに向いているかというと、私はちょっと疑問であったりもします。

そう考えると、私的には日本のFWで適任と思われるのは、柳沢か西澤か、というあたり。西澤の8月時点での調子がどうか、という問題もありますが(これはヤナギも問題は一緒ですが)、もう一つ、先に述べたこのチームのOAのリーダーシップの位置づけを考えても、「背中で見せる」(笑)ヤナギはぴったりなのではないか、と思います。

もちろんヤナギは、平山や西澤のように、高さでポストをするタイプではありませんが、その動き出し、ポジショニングのよさで中盤からボールを引き出し、キープして2列目に落とす能力は高いものがあります。このタイプの1トップを国際レベルでこなす能力はあると言えるでしょう。

もう一つ、これはなんというか、私がヤナギファンだからと言うわけなのですが(笑)、彼もここで抜擢すれば「意気に感じる」のではないかということです。思い起こせば、2000アジアカップでも、ベネチアで出場機会をあまり得られなかった名波が帰国したてでありながら、「イタリアにパスタを食いに行っていたわけじゃない」と、その経験を存分に生かしたことがありましたね。今回もそういうケースにできるのじゃないか、と思うのです。

柳沢は今、フル代表では微妙な位置にあり、五輪出場をジーコも肯んじる可能性が高いと思われますし、逆に、コンディションを整える時間もある五輪での活躍で、もう一度代表にも定着、あるいは五輪で世界に対し強烈な印象を残せば、再び欧州へ雄飛、ということまでにらめます。いろいろな意味でいいアイデアだと思うのですが・・・。


さて、私は3人目に曽ケ端選手をあげました。GKは経験が重要なポジションですし、ここにOAを起用することは一つ意味があると思います。しかし、もちろんそれ以外の可能性もありますね。そーたさんは、

今の時点では、可能性は別にして、山本さんなら、ということで、小野、明神、宮本の名を挙げよう。

このように書かれています。これもなるほど、と思いますね。

宮本が入れば守備はたいへん安定するでしょう。先に述べた私の考えるOAのタイプ、「穏やかなリーダーシップ」にも適合していますね。これも有力な選択肢だと思います(フル代表には田中マコがいますし)。

ただ私は、予選最後のUAE戦で見せた阿部の3バックにも魅力を感じているのです。あそこに宮本を入れるのもいいですが、復帰してくる闘莉王を投入するのも捨てがたい。那須-阿部-闘莉王という組み合わせは、かなりよいものになると思います。このチームとしての連続性もある程度は保てますしね。

明神については、今野がいるじゃないですか、ピッチ上に確か二人か三人(笑)。彼の台頭で、「中盤のディフェンス強化要員」は特に必要とは思えなくなりました。もちろん明神の持つ経験や、組織を生かす力は捨てがたいのですが、その点は今野、鈴木啓の成長に託してみたい。問題点は、やはりフィードの正確性を持った後ろめの選手、ということになるでしょうか。本当は青木、森崎和といった選手がいるんですが、最後まで山本さんは彼らを生かしたチームが作れませんでした。その点に対して、経験の豊富な森岡や中田コで補う、ということは考えられますね。

さて、以上で私の考える五輪代表のOA候補は出揃いました。布陣にしてみると、

----平山(柳沢)----
--大久保----田中達--
小野ー---------石川
---今野----鈴木---
--那須--阿部-闘莉王--
------ソガ------

ヤナギと平山は、どっちがサブと言うことなしに、最後まで併用という感じで行って欲しい、と思います。

ちなみに、こちらではOAにある現FW様かな?と思わせるFWが入っています。それはもう最終兵器ですね(笑)。「穏やかなリーダーシップ」どころじゃないですが、彼が入ってくれるなら私も賛成してしまうかもしれません。まあそれぐらい彼のキャラクターは魅力と言うことで(笑)。

それではまた。

04:01 PM [アテネ五輪代表] | 固定リンク | コメント | トラックバック(5)|

April 23, 2004

U-23日本代表vsギリシャの続き

おとといの五輪代表戦について、いろいろなサイトを巡ってみました。

武藤さんは山本さんの「守備ライン連係指導」力が間違いなく高い。」とおっしゃっていますね。私とは見方が違うのですが、興味深いです。

masserさんは私と似た見方のような気がしますね。「シュートを譲る場面」って、どんなのでしょうか。

cocoaさんの戦評は、柔らかくっていい感じ。「ギリシャの選手たちが、神話の神様もしくは恐竜みたいな名前でかっこよかった。」そうそう、私もそれまったくそのまま思っていました!アナウンサー、舌かみそうですね(笑)。

ブランクさんああ、そうですね。左・森崎、右・石川というのは、実は攻撃的な布陣でしたね。(まあDFの絶対数が足りないというところもあるんだけど・笑)。それが逆に森崎に守備の負担を強いた、というところはあるかもしれないですね。

さるねこさんは、あの男やあの男を待望。そうですねえ。私はあの男もいいかなと思いますが、まあ欧州の選手はクラブ優先ですか。

ガゼッタさんの22日は、ギリシャとは差があった、という見方です。私もギリシャは欧州らしい、いい選手、いいチームだと思いました。ただギリシャは最後のところでちょっと弱かったですね。どっかのフル代表と似ていますか(笑)。

湘南蹴鞠屋さん そうですね、このチームがふらふらしながらもなんとなく好感を持ってしまうのは、少なくとも「やれることはきちんとやっている」ことが伝わってくるからなんですよね。いやはや。しかし森崎和は、もっと中心になってもいい選手だと思うんですけどね。最後の一皮をむいて欲しいな、自分で。

そーたさん「この世代、前線に好素材多く、選手選考は難しいだろうが」 面白いですよね。フル代表はいわゆるパッサー系が多い。この年代はシャドータイプが多い、ように思えます。この両者の合体がなると、なかなかいいフル代表になりそうです。OAでそういう選手が合流すると、その雛形ができますね。(中田コ選手、確かになつかしいですね。早く回復して欲しいものです)。

BLOGの横の横断というのに興味があったので、ちょっと一巡りしてみました。けっこう楽しいものですね。もっとみてみたくなりました。他に「こんな人がこんなことを書かれているよ」というものがあったら教えていただけないでしょうか。

最後に、徹底的にシュート練習、日本代表・・・まあ、11人しかいないんじゃあ、できることも限られますよね。ハア・・・。

おっと明日は女子代表の大一番、北朝鮮戦ですね。私はどうしても行けないのですが、国立が満員に埋まって、彼女たちの背中を押してあげられるといいですね。

それではまた。

02:50 PM [アテネ五輪代表] | 固定リンク | コメント | トラックバック(2)|

April 22, 2004

ま、こんなものでしょう

U-23日本代表vsギリシャ戦

ギリシャへ遠征しているU-23日本代表がU-23ギリシャと対戦、現地の気候やら環境やら芝やら、いろいろと体験して五輪に備えようという試合です。闘莉王ももともとケガだし、阿部や角田も怪我するし、ACLで横浜や磐田の選手はこの試合欠場するしで、なかなかどたばたですが、それも経験、大会への準備になればいい、というところですか。

スターティングはこんな感じ。

------平山------
---大久保--田中達---
森崎浩-今野--鈴木--石川
--北本--茂庭--徳永--
------林卓------

試合前は、高校時代にリベロの経験もある徳永がセンターでは?といわれていた3バック、驚いたことに茂庭がセンターです。急造でもあり、なかなか息が合わず、3バックの左右に敵FWの侵入を許したりしていましたが、それでも何度かオフサイドを取り、最後は体を張ってぎりぎりで守ります。鈴木や今野も敵の飛び出しによくついて行って対処。

ギリシャは意外とつなぐチームで、うまく日本のプレスの間に顔を出し、それをシンプルに使うというつなぎ方で日本陣内へ入り込み、要所でドリブルやスルーパスを織り交ぜて攻めてくる。欧州らしい、いいチームでした。日本も鈴木や今野を中心にプレス、上手く奪ったりするのですが、そこからのつなぎでギリシャのさらなるプレスにあい、攻守の切り替えがままなりません。

ギリシャは日本のことを研究していたのか元からなのか、日本のボランチ、DFラインにまで激しいフォアチェックをかけてきます。これはアジアレベルではなかなか出会えなかったプレッシャーですが、日本の急造3バック、鈴木と今野にはちょっと荷が重かった。なかなか前にパスが出せず、戻そうとしたボールがパスミスに。18分などにはビッグピンチを迎えてしまいました。これもいい経験、というか、この点を考えるとチーム構成を変えたほうがいいかもしれません。

ところが、やや押されていた日本が、低めでボールを奪ったところから石川が前線へフィード、平山がトラップしたボールをさらに前線へ、走り込んだ田中達はワントラップでシュート!キーパーの足元を抜けてそのままゴール。絵に描いたような速攻が決まりました。

ギリシャはそこからさらに攻撃の圧力を強めます。しかし日本のDFプラス鈴木と今野、さらに両サイドは、下がって体を張ってそれを防いでいく。そして林も何度かファインセーブ!2点くらい助かりました(笑)。それはいいのですが、なかなか日本のボールが前線へつながることは少なかったですね。やはり前述したDFブロックの「攻撃の基点能力」が、選手の特性的にも、チーム戦術の浸透的にも足りないな、という感があります。

前半の終盤にいたり、ギリシャの圧力が弱まったところで、日本は石川を基点に何度もかなりいい攻めを見せました。やはり石川が高い位置でボールを持つと、違いを見せることができますね。彼は完全に通用、というか敵を翻弄していましたし、この時間帯は平山も田中達もよく動いて、ボールをかなりつなぐことができました。こういう攻撃を続けられるといいんですけどね。

(途中で茂庭が痛んでいましたけど、大丈夫でしょうか?)


■後半

------高松------
---大久保---松井---
森崎浩-今野--森崎和-石川
--北本--茂庭--徳永--
------林卓------

後半から、高松、松井、森崎和が投入され、このような布陣となります。これは、経験を重視するテストマッチですから当然のことでしょう。時差やら移動疲れもありますしね。森崎和はパスも得意なよいボランチの選手です。前半の課題の修正の意味もあるのでしょうか。

ところが、今野と森崎和の動きが今ひとつかみ合わずプレスが弱まり、、またDFラインの疲れもあって、さらには審判が全然オフサイドを取ってくれなくなったこともあり(ビデオで見る限りオフサイドのプレーも何度かあり)、後半はDFラインがずるずると下がってしまいました。それにともない、敵にボールを支配され、攻撃を受ける時間が続きます。

ボールを奪っても、前線へ闇雲なフィードをすることが目立ち、確かに前半のようにつなごうとして奪われるよりはよいのですが、なかなかペースを取り戻すことができません。フリーでじっくりキープできるところでもそうなんですよねえ。うむむ。松井もいまいちキープしきれない。まあ、投入直後は敵との間合いも測れないので奪われやすいのだけど。

というところで14分、大久保に代えて山瀬投入。おおこれはツーロンでの2シャドーがそろったではないか。まあ選手はサバイバルに必死でそれどころではないでしょうが。

ここから山瀬の動きがよかったこともあり、日本のよい時間が続きます。選手の競争意識が刺激されましたかね?(笑)森崎浩が左からクロス、流れたのをもう一回石川がクロス、また山瀬のグラウンダーのいいクロスに石川がシュート、さらに松井が25分、ベストエレガントプレイヤー@ツーロンらしい「にょろり」とした突破を見せる。

31分、森崎浩アウト、根本イン。最終的にはこんな感じ。

------高松------
---山瀬----松井---
根本--今野--森崎和-石川
--北本--茂庭--徳永--
------林卓------

ここからまたギリシャの攻勢が強くなり、ちょっと怖い時間が続く。日本は落ち着かせること、押し上げることが出来ない状態。この辺が課題ですね。

38分くらいには松井がペナルティエリア内で粘ったボールのこぼれだまを根本がクロス、山瀬が中央で素晴らしいシュート!惜しくも敵GKに阻まれましたが、いいシュートでした。

ロスタイム表示は5分、ゲストのラモスさん「おいおい、どっから取ったその5分、知りたいわ」怒りのコメント(笑)。今日のラモスさんはみなさんいかがでした?前半は押さえ気味でよかったですね。後半はイライラがつのったのか、ちょっと叱咤のほうが目立つようになりましたが(笑)。

そして、ロスタイム4分、日本の右サイドからのアーリークロスを今野と(さっきまで「茂庭と」としていました。訂正します)北本がかぶってしまい、それをフリーのカペタノスが落ち着いてシュート、同点ゴールを決められてしまいます。惜しい、もうちょっとで勝ちきれたのに。

■総じて

ギリシャは強いチームでしたけど、このレベルでこの内容だと日本は正直メダルは苦しいかもしれません。まあ、攻められながらもふらふら結果を出してしまうのが、山本U-23の発足以来のデフォルトなのですが、もうちょっと何とかしないと。

特に課題だと私が思うのが、攻守の切り替え時のキープ、攻めの第一歩のパスを出せる人材ですね。前代表でいえば、左アウトサイドには必ずそういう選手がいましたし、フラットスリーの中田コ選手や、ボランチの稲本なんかもそういうパスがうまい選手でした。それを期待してDFラインで青木選手や、今日で言えば森崎和選手なんかを使っているのでしょうけれども、チーム全体の共通理解ができていないので、今まであんまり機能してきていないですね。私の中で、山本監督の評価が低いのはこの課題をいっこうに解決できないところにあります。

もう一つは、やはりDFラインのずるずる下がりの傾向が強いこと。急造で仕方なかったとはいえ、今日もやはりそうでした。この二つは監督が戦術指導で解決できるはずのことでもあるのですが、どうにもそれが難しいなら、やはり選手の入れ替え、具体的にはオーバーエイジの起用も必要かもしれませんね。私ならキーパー、DFライン(センターでなくても可)、左アウトサイドかボランチ、に一人ずつ補強(笑)しますが、さてさて。

まあ結果は引き分けですが、芝に慣れたり、環境に慣れたり、それぞれ自分のプレーを競争して監督にアピールしたり、アジア予選レベルよりも強い相手ともう一度戦って課題を再確認したり、という収穫は得られたゲームでした。アウェーですし、急場ですし、こんなものでしょう。大事なのはここから得られた糧をどう身にしていくか、です。次の試合も頑張って欲しいですね。

それではまた。

12:35 AM [アテネ五輪代表] | 固定リンク | コメント | トラックバック(3)|

April 12, 2004

小野が五輪出場を希望 「気持ちは強い

小野が五輪出場を希望 「気持ちは強い」

そうかあ、小野は確かにシドニーには行っていないしね。小野が入るとすると、やはり左サイドかな?あそこが安定すると山本五輪としてはそうとう良い補強になると思いますけど・・・。山本さんは「小野が来るなら」とまた突然小野トップ下型のチームを作り始めたりしないでしょうね?・・・ちょっと心配(いや、小野のトップ下は見たいんですけどね、個人的には)。

ただ小野君、クラブのほうは大丈夫なの?五輪は拘束権がないんですね、確か。五輪期間には所属クラブもシーズン前の合宿に入るだろうし・・・。ヒデがローマで2年目レギュラーポジション取りで出遅れたのも、五輪に参加したから、という部分もあるしね。まあ、それでなくてもトッティとの競争は苦しかったですけどね(笑)。

小野のあのチームでの左サイドは見たい、し、機能すると思う。でもちょっと心配、というところかな。続報を持ちたいですね。

03:07 AM [アテネ五輪代表] | 固定リンク | コメント | トラックバック(0)|