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March 01, 2007

ま、こんなものでしょう

反町五輪代表、アジア2次予選 初戦香港戦(ホーム) 3-0

重要な五輪予選の初戦、3点取っての勝利は文句なしの結果だが、反町監督本人をはじめ「文句なし」と思えている人はあまり多くないだろう。なぜこのようなフラストレーションがたまるのだろうか。

布陣はやはり3-4-3、USA戦から比べるとボランチの青山が復帰、本田拓に代わって入っているだけで他は変化なしの配置。

--李--平山--カレン-
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本田圭-青山-梶山--水野
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--水本-伊野波-青山--
-------------
-----松井------

前半、香港のラインが高いので、どうしても裏を狙った長めのボールを蹴ってしまう&前線の選手もそれを要求してしまうのだが、、そうするとうまくやらないと攻撃が単発になる。序盤の2発の平山のチャンス以外は、あまりいい組み立てができていなかった。

ただ一応、合宿で手をつけたというDF「3」→ボランチレベル「4」へのビルドアップのパスは、アメリカ戦よりも入るようになっていた。この辺も非常に素直なチームだと思う。本田、梶山、青山、水野が後ろでのボール回しの良く顔を出し、ボールを引き出していた。その部分はちょっと改善されていたと言えるだろう。

ただそこから前方へのパスが、裏狙いになってしまう。3-4-3の「4」のところまではボールを入れさせてくれるので、そこの選手たちが一人ひとり持つ時間が長くなって、「俺が決定的なパスを入れる」とか、FWなら「俺の前にパスを!」とか、あるいは水野の場合は時間をかけてドリブルする、という展開が増えた。これが反町監督がハーフタイムに「個人プレーに走っている」と怒っていたところだろう。

目を転じて守備では、今回はおそらくマイボール時の押し上げに、USA戦以上にチャレンジしていたと思う。基本はマンマークだが、マイボール時にはマークをやめ、押し上げていく。そこで日本がボールを奪われると、あらためてマークを掴まなくてはならない。この辺の不慣れさが、あのいくつかあったDFのミスの原因だろう。マンマークと押し上げの整合性をどう取るか。ここはこれからも問題になりそうな部分だ。


後半 人とボールが動くサッカー

さて後半になると、李に代えて家長投入。この後、選手たちが全体に動きの幅と量を増やしたことで、日本のペースが加速した。やはり、「まず動く」ということがないと、パスも回っていかないもの。水野や本田、家長もよく前後に動き、また中にも切り込み、パスコースを作っていく。そこへ、グラウンダーのビシッとしたパスが通り、そこからまた動いている周りにボールがわたり、いい攻撃ができる。それにより、水野、家長が高い位置でボールを持てるようになり、得点の気配がひしひしと漂っていく。

2点目は、右サイドで粘った水野から梶山。
3点目は、家長から増田(カレンと交代出場)

おそらく、後半の戦いぶりこそが反町監督が狙っていたものだろう。一人ひとりの技術は高い選手がそろっているわけで、きちんとパスコースを作り、組織的に動いていけば引いた相手でも崩せる、という考えだ。後半の戦いぶりを見ればその方針には納得できると言えなくはない。のだが・・・。

仏作って魂・・・

真剣勝負の予選で3-0での勝利は文句ないはずだが、何か釈然としないものが残る。

この世代、というよりも今のJでも屈指の才能の水野や家長、本田の使い方がこれでいいのか、という疑問が残るからか。ただ後半彼らが輝いたのは、チーム全体が上下動を増やし、動き回るようになったからで、頭から起用すればいいという問題でもないだろう。もちろん3トップの両翼が水野、本田圭の頭にフタをしているということもあるが、それもこの二人の動き出し、押上げが遅いせいでもあるのだ。

そういう意味では、このチームはまだディテールの部分での意識の統一がなされていない、と感じる。西部氏に言わせれば、その集積こそが「システム」だという、細かなディテール。例えば、パスはスペースでもらうのか、足元でもらうのか。パス回しの時は、どのようにボールに寄るのか、あるい離れるのか。これらの点で選手の「感覚」が統一されていないことが、多くのパスミスや、本田がシンプルにプレーできないこと、などにつながっているのでないだろうか?

詳しくは西部さんのこの文章(「システムとフォーメーション」)に対する次回の考察に譲りたいと思うが、オシム監督やトルシェあたりがなぜあれほどにパス回し練習や、攻守の切り替え練習などの「デイティ-ルの練習」に時間を費やすのか。もしかするとそれこそが「システムの肝」だからではないのか。そう言えば以前に山本監督がトルシェ路線だといわれたときには、このような言葉が投げかけられたものだ。

「仏作って魂いれず」なのではないか?

チーム戦術以前、グループ戦術以前のチームの細かい「感覚」の統一、もしかするとそれこそが「魂」なのかもしれないですよ、反町さん。ビデオで修正ポイントを伝えるのもいいですが、もっとずっと基礎的な部分をもう一度見直したほうが良くはないですか?オシム監督がやるような2vs2、3vs3の攻守の切り替え練習、あるいは多色ビブス練習は、最近はしていなかったりしませんか?それを復活させたほうがよくはありませんか?その方が、しっかりと「魂」の入ったチームにできる早道かもしれませんよ。

しかし、何はともあれ、予選であるから勝ててよかった。そういえばトルシェ五輪代表も1次予選で香港と当たっているのは、ほとんどの人がお忘れだろう。小野、中村、柳沢、本山、稲本のいた当時のスコアは4-1、ホームで2-0というもの。あの綺羅星のようなチームで、だ。それと比べても、ま、こんなものでしょう。

それではまた。

01:27 AM [北京五輪代表] | 固定リンク

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なんともうちの周りのガンバサポの皆さんは平山に怒り心頭なようで…自分としてもあんなやる気の感じられないプレーじゃなあ、って感じも持ちます。自分はでも、平山がいらないとは思いませんが、何とかやる気を出して実力を発揮して欲しいとは思いますが…なんか、携帯わき..... 続きを読む

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