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March 15, 2007

ちぐはぐさの理由?

U-22北京五輪アジア2次予選vsマレーシア戦(アウェー) マレーシア1-2日本

試合は本田圭のグラウンダーのコーナーキックを平山が泥臭く押し込んで1点。後半途中、運動量の落ちた平山に代わった李が、家長の素晴らしいドリブル突破からのクロスに、ニアに入って合わせて追加点。全体に個人の能力でチャンスも作れたが、きれいにやろうとしすぎてピッチに邪魔されフィニッシュしきれない、という流れ。

マレーシアはロングボールで日本のDFラインの裏を狙い続け、日本は間延びさせられて苦しんだ。また、審判がJリーグ水準以上にちょっとしたことでファウルを取るという珍しい人で、そこのアジャストも選手には難しかったようだ。終盤に本田圭の与えたファウルからFK、ゴール前に放り込まれ上田が競り負けて失点。1-2で逃げ切って勝利した。予選であるし、勝ち点3取れたのはなにより、ではあるが・・・。


香港戦後半の継続 [3-4-3]

どうも反町さんのやっていることがちぐはぐだ。

大雨の後のマレーシア、水たまりか沼かという最悪のピッチコンディションの中、日本は、3-4-3でスタート。香港戦の後半と同じようなカタチである。ただ家長が広範囲を動き、布陣図が役に立たない場面も多かったが。

------平山------
---家長----増田---
本田--梶山--青山--水野
--青山--伊野波-水本--
-------林------

3トップと言うよりも、増田、家長というシャドー、ドリブラーを並べて平山の周囲に配するやり方を採った。香港戦の前半のチームに反町監督が非常な不満を抱き、「人選も含めて考え直す」と言っていたので、こうなるのは想像がついたことではあった。家長は自由に動き、増田は平山を孤立させないよう、中盤とのつなぎを意識して動いていたようだ。

香港戦では、李、カレンと平山の3トップがまさに「FW3人」となって裏を狙い続け、前後が分断されロングボールばかりの攻撃になってしまっていた。後半そこに増田が加わり、前後に動くことでようやく狙いとするパスがつなげるようになった。その時間帯をいいイメージとし、その継続で日本は立ち上がったわけだ。

しかし、この劣悪なピッチコンデションで、つなぐサッカーを志向した人選、配置というのはどうなのか。また家長、水野ともにボールを足元でもらおうとする「ドリブラー」であり、裏への飛び出しが少ない選手である。マレーシアは頻繁にオフサイドトラップをかけ、平山が再三それに引っかかっていたが、それは2列目の飛び出しでビッグチャンスになるような状況でもあるはずだ。しかし、それをする選手がいないのだ。


少なかった「飛び出し」「飛び込み」

家長がサイドでボールを持てば、これは本来ならビッグチャンスだ。一人二人は抜けるのであるから、クロスに対して中央に選手が入ってくるべきである。しかし、この試合では平山が中央で待つのみ。前後に間延びしてしまっているため、押上げが遅く、ペナルティエリアに入ってくる選手がいない。

オシム監督は山岸や羽生、加地や駒野を起用する理由として、「逆サイドからのクロスに対し、長距離を走ってゴール前に飛び込む能力」をあげていたと言う。逆に家長、水野にはそこが足りないのだ、と理解できる試合だったのではないだろうか?個人の1vs1の能力は高いのだが、「考えて、走る」部分では彼らは十分ではない。

このチームのことだけを考えるならば、彼らのような「ドリブラー」だけではなく、より「シャドー」であるような選手をもっと混ぜて、2列目からの飛び出しやペナルティエリア内への飛込みなど、ボールのないときの動きを活性化させていくほうがよいだろう。しかし、反町監督は、家長や水野に、「より走れる」ようになることを求めているように見える。それはつまり、「今日よりも明日のことを考えた」起用だということなのかも知れない。


「ちぐはぐ」さ=将来を見据えて、なのか?

冒頭で「ちぐはぐ」と書いたのは、この試合のことだけを考えるならば、この日のピッチコンディションでは、USA戦、香港戦の前半で使った「FW3人の3トップ」の方が機能した可能性が高いのではないか、と思われるからだ。3人の距離を近くし、李や平山にロングボールを当てて、こぼれを3人が相互に拾い、早めに敵ペナルティエリアに迫る。そのやり方はまさにこういう、「つないでる場合じゃない」時に有効なのではないか。

また、香港戦でそうしていたように、李、平山、カレンの3トップは裏を狙う意識も強い。彼らならば、李やカレンが2列目から飛び出していく攻撃もできただろうし、あの頻繁なオフサイドトラップをかいくぐってチャンスを作ることもできただろう。しかし、雨後のマレーシアで反町監督が送り出したのは「つなぎを意識した1トップ2シャドー」であった。

国立の整備されたピッチで放り込みになりやすい3FW、マレーシアの沼のようなピッチでつなぎを志向する。どうも「ちぐはぐ」なやり方の選択に見えて仕方がない。

しかし、「チーム強化」という観点から見ればどうだろうか。本田圭も香港戦に比べて「攻撃はよかったと思う」と語ったとのこと。この試合全般、ぬかるんだピッチでボールが止まり、最後の細かいところでボールを奪われてしまっていたが、確かに香港戦前半のロングボール一辺倒よりも「このチームの志向すること」に近いことはできていたと言える。少なくともそう「しようとしていた」のはわかる。反町監督がもし「2次予選を勝ちながら」「中期的に理想とするチーム強化」をしようと考えているのならば、このちぐはぐさにも一定の意味があるのだ、と言うこともできなくはないのだが・・・。

次はホームでのシリア戦。2次予選最大の難敵ではないかと個人的には思っているのだが、国立のピッチはマレーシアよりも格段にいいはず。香港戦後半と、この日にやりかけた、チームの方向性であるショートパスをつなぐサッカーで、そろそろ魅力的な選手を生かした内容も見せて、そしてもちろん勝ち点3をしっかりと奪って欲しいと思う。

それではまた。

05:32 PM [北京五輪代表] | 固定リンク

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