« 書評「オシムが語る」 | トップページ | 「素直なチーム」か? »


February 20, 2007

考えて、前進する

オシム日本の2007年頭合宿が終わりました。ジーコ時代にはコンディショニングなどが主となっていた代表の年頭合宿ですが、今回は戦術練習と練習試合が主で、内容的にも興味深いものとなっているようです。

オシム監督: 何か私の言うことを理解し始めたという感じはした

あのひねくれものの(笑)オシム監督がこのように言うとは、ちょっと意外ですね。本当に手ごたえを感じているのか、また記者が切り取っているのか。前者であることを祈りたいところですね。

さて、合宿では、16日と19日に大学チームと練習が行われました。あくまでも練習試合ですから、布陣とかも「狙いがあって」しているもの、そのままペルー戦のピッチに送り出されるとは限らないわけですが、興味深いのでちょっとまとめておきたいと思います。


新顔が輝いた?(16日)

16日はまずvs流経大戦です。選手の組み分けの条件は

・両方が同じくらいの実力になること
・新しい選手が偏らないこと
・どちらが先発で控えかわからないようにすること

ということなので、ここでの組み合わせや起用法が今後に大きな影響を与えるというわけではやはりなさそうです。スタートの布陣は3-5-2。

--我那覇--播戸---
-----野沢-----
相馬-啓太--憲剛-加地
-今野--闘莉王-阿部-
------------
-----山岸-----

このメンツにプラス橋本、矢野、川島というメンバーだったとのこと(加地・相馬以外の選手の左右はわかりません)。

流経大にカウンターから点を奪われると、途中から4バックに変更。今野が左サイドバックに。相馬を前に押し出します。相馬の守備力をカバーしようということでしょうか。ただこういう指示がベンチから出るのはオシム日本では珍しいですね。たいていは選手同士で話してバックの人数を加減していたように思うのですが・・・。なんにせよ、対応力、柔軟性があるのは良いことですね。

--我那覇--播戸---
--相馬----野沢--
---啓太--憲剛---
今野-闘莉王-阿部-加地
------------
-----山岸-----

啓太→橋本、播戸→矢野と交代して

--我那覇--矢野---
--相馬----野沢--
---橋本--憲剛---
今野-闘莉王-阿部-加地
------------
-----山岸-----

ガンバのユーティリティープレーヤー橋本は、啓太のバックアップに名乗りを上げられるでしょうか?個人的には非常に期待しているのですが・・・。

後半途中から我那覇→播戸、野沢→啓太と交代(たぶん憲剛を一列あげて)

---播戸--矢野---
--相馬----憲剛--
---橋本--啓太---
今野-闘莉王-阿部-加地
------------
-----山岸-----

こんな感じだったようです。相馬の2列目(完全に三都主と同じ扱い?)、今野のサイドバック、2トップの組み合わせ(ポスト+セカンドストライカー?)などは興味深いですね。

二本目、筑波大との試合は4-4-2でスタート。これプラス林、寿人、藤本というメンバー(これも選手の左右はわかりませんが)。巻と高松の2トップの組み合わせも見てみたい。

---巻---高松---
--山岸----羽生--
---勇人--遠藤---
駒野-中澤--坪井-隼磨
------------
-----川口-----

後半から山岸→藤本

---巻---高松---
--羽生----藤本--
---勇人--遠藤---
駒野-中澤--坪井-隼磨
------------
-----川口-----

「彼(藤本)は右サイドを次々とえぐって決定的チャンスを作」ったようです。彼はレフティーですが、やはり右での起用がメインなのでしょうか?えぐってチャンスを作るというところは、西部さんタイポロジーでいう「MF2」(前線へ早いサポートのできる選手)的なイメージも感じますね。

この日の練習に関するコメントは

オシム監督: 初めて呼んだ選手を含め、全員がやる気を出して戦った。戦術的にも走る部分でも大変いい試合をした。矢野(貴章=新潟)のハットトリックに関しては何ゴールというのは今の時期、あまり大事じゃない。が、競争がますます激しくなったという意味ではいいこと。私の選択肢が増えたということだ


浸透していくコンセプト(19日)

19日の練習試合は東海大と2試合。一試合目の先発は4-4-2のようです。

---高松--巻----
--相馬----遠藤--
---阿部--勇人---
橋本-闘莉王-坪井-加地
------------
-----山岸-----

橋本のサイドバック。クラブでもアウトサイドで起用されることもあるし、今年サイドバックも練習し始めていると聞きましたが、興味深いですね。また、阿部が代表でのボランチをするのはもしかして久しぶりでしょうか?

途中で痛んだ阿部に代わって播戸。播戸はOMFに。こんな感じ?報道では「サイド」となっていて、かなり2列目は張り出してプレーしていたのかもしれません。

---高松--巻----
相馬--------播戸
---遠藤--勇人---
橋本-闘莉王-坪井-加地
------------
-----山岸-----

前日に練習していたという「数的有利を作ってのサイドアタック」は、アジアカップに向けてかなり重要なようです。播戸や寿人がサイドで起用されたのも、そこに意図があるのでしょうね。

後半はGKに林が入ったようです。

2試合目は、4-3-3(?)。これはちょっとこれまでみたことがない形でしょうか?

山岸--我那覇---寿人
--野沢----藤本--
-----憲剛-----
駒野-中澤--今野-隼磨
------------
-----川口-----

4バック、1ボランチ、3トップとは、かなり攻撃的ですね。まあこの辺は、移動便の都合で起用できる選手を決めたと言いますから、あまりペルー戦への参考にはならないでしょうけれども。水を運ぶ選手は足りているのか、ちょっと聞いてみたくなりますね。

川口がふくらはぎを傷め、川島に交代。矢野も途中から出場したようです。この布陣での試合が

山岸: 試合を見てもらえば分かるけど、ワンタッチ、2タッチでパスを回して、動きながらのサッカーができていた。みんなが少しずつオシムさんのサッカーを理解しているということ

と振り返られる、だいぶ内容の良いものだったようです。藤本や野沢、寿人あたりが活躍してそういう内容だとすると、コンセプトを理解した選手の底上げができ、オシム監督が悩むような状態になりつつあるのかもしれません。いいことだと感じますね。


アジアカップはもうすぐそこ(活動日的には)

興味深いのは、練習試合では4バックが多かったこと。大学生側が1トップが多かったからでしょうか?オシム監督のチームは、敵の出方によって最終ラインの人数を変えることは今では良く知られていますね。さて、ペルー戦はどうなるでしょうか。

今野、橋本のサイドバック、相馬の2列目起用も増えましたね。こちらも面白い。播戸や寿人の外での起用は、今後に続いていくのかどうか?いずれにしろ、ポリバレンスという考え方は、すっかり定着しました。

この合宿の成果が、どのようにペルー戦へ、その選手選考に現れてくるのか。そしてアジアカップへの道筋はどのようなものになるのか。楽しみになってきましたね。

オシム監督: あとは試合直前にしか選手を招集できない。準備はもう終わりました

今日は簡単なまとめでした。それではまた。

06:31 PM [オシム日本] | 固定リンク

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/21259/13985897

この記事へのトラックバック一覧です: 考えて、前進する:

» 中澤の囲み記事から from 折り返して逆サイド
 今朝の朝日新聞に、中澤の聞き書き形式の囲み記事があった(asahi.comには無い)。  昨年から朝日新聞は幾人かの代表選手を対象に同様の囲み特集記事を載せている。そこで佐藤兄弟などが代表の様子などを伝えてくれた。それが中澤。  中澤の代表復帰はタイムリーな話題だから、目を引いた。... 続きを読む

受信: Feb 20, 2007 10:39:07 PM