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August 14, 2006

プロの代表監督なら当たり前のこと

Ttオシム監督が就任して、一試合めのトリニダート・トバゴ戦が終了しましたね。試合内容についてはまた後日に見てみることにして、今回はその過程ですでに出て来た、いくつかの興味深い談話について考えてみたいと思います。

それらの発言は、「ああ、やっぱりプロの代表監督はこうなのだな」と思わされるものでした。そして、それを聞くと、この監督なら、この4年間に犯した過ちは少なくとも繰り返さないだろう、もしかすると、この4年間に売り渡してしまったものも、取り戻せるかもしれない。私にはそう思え、うれしくなりました。

「プロの代表監督なら当たり前のこと」とは、「強化を商売よりも優先する」ことがまず第一です。それに付随して、いわゆる「スターシステム」を否定したり、マスメディアの際限のない要求に応えなかったり、ということがでてきます。また、強化の仕方についても、経験に基づいた合理的なものを求めていくはずです。具体的には、これまでの会見での発言から、少しずつ見ていきましょう。


■練習の重視、日程のコーディネート

メンバー発表会見

オシム: 代表チームと(他の日程が)バッティングしてしまったので、こういうことになってしまった。今後は、こういうことがないように願いたいものだ。

これは、トリニダート・トバゴ戦がA3とバッティングして必要な選手を呼べないことを問題視したものです。今回は就任の時期もあり、協会側としては仕方がないことではありましたが、今後はオシム監督の意思を重視して、不要な親善試合は組めなくなっていくでしょう。親善試合で収入を上げることよりも、強化のための練習を。この辺は「練習のための合宿」を重視していたトルシェ監督と共通する考え方ですね。

オシム: 本来ならばもっと早い時期にメンバーを発表して、もっと早くトレーニングを開始したいと思っていた。

プロの監督は、自分がトレーニングによってチームに影響を与え、それによって強化していくことができることを知っています。そのための「練習」とは、非常に重要なものなのです。オシム監督も、「練習のための合宿」を組みたいと要求しているとのこと。強化のための合理的な考え方と言えるでしょう。


■競争環境、「負けてもいい?」

試合前日会見

オシム: あらかじめスタメンを発表するのは、相手に失礼に当たる。大体は決まっているが、相手へのリスペクトを示すためにも、(ここで)スタメンは発表しない。

スタメンを訊く記者はそれで楽に記事を書こうとしています。フォーメーションを訊くこともそうですね。オシム監督はそういうことにサービスをしません。

それどころか、試合直前まで選手にもスタメンを伝えないやり方をとりました。これも、トルシェ監督が試合直前まで競争意識を持たせたやり方と同じですね。将来はわかりませんが、立ち上がりは選手間の競争によって、選手たちの力を引き出そうとする方法を採るようです。

オシム: 勝つことには、さまざまなことが含まれている。ただ(結果だけで)勝ってしまえば、そういうことが見えない。敗北は最良の教師である。だが、「だから負けたい」とは私は言えない。

プロの代表監督は、親善試合に対して様々なテーマを持って臨み、勝敗だけではなくそのテーマの達成を重視する、ということがあります。代表チームの「強化」とは、そういうことを通してなされるものだからです。内容の悪い勝利よりも、テーマがきちんと達成され内容がよければ、敗北の方がよいこともある。「明日のために今日を使う」こともあるのが、プロの監督です。


■そして、スターシステム

オシム: 私もキャプテンは大事だと思っている。だが、スポンサーの力やマスコミによってキャプテンが選ばれるわけではない。スポンサーやマスコミに都合のいい人がキャプテンになることを希望していることは多いが、時にその見栄えのいいキャプテンは役に立たないこともある。
 今は、この人がキャプテンだろう、という雰囲気が出てくることを期待している。キャプテンとは育てられるものではなく、持って生まれた特徴のある人。キャプテンとして生まれる、そういう人がキャプテンだ。

これも、どこかで聞いたことがあるセリフではないでしょうか(笑)。オシム監督も、「スターシステム」がいかに選手をスポイルするか、チームにとって、強化にとって邪魔であるかを知り抜いていますね。トルシェがあれほど嫌悪し、それから選手を守ろうとした「スターシステム」。この4年で川淵会長、ジーコ監督の下、チームにびっしりとまとわりついてしまったそれを、オシムは引き剥がそうとしています。

「オシムの言葉」(木村元彦著)より

勇人が記者に囲まれているのを見ると、私は頭が痛くなる。若い選手が少しよいプレーをしたらメディアは書き立てる。でも、少し調子が落ちて来たらいっさい書かない。するとその選手は一気に駄目になっていく。彼の人生にはトラウマが残るが、メディアは責任を取らない。

これはジェフの佐藤勇人選手についての言葉ですが、代表ではメディアはもっともっと巨大なスターシステムを構築しています。キャプテンを知りたがり、スタメンを知りたがり、10番を、司令塔を祭り上げたがるでしょう。はやくキャプテンを、司令塔を固定してもらって、次のCM契約の話をしたがっているでしょう。

イエメン戦の召集選手が発表になると、いきなり佐藤兄弟を大きく取り上げようとしています(これでイエメン戦に兄弟ゴールとかあったらどうなることか・笑)。しかし、オシム監督はその弊害を知り抜いている人ですから、心配は要らないように思います。ただ、ここ8年間で日本代表監督に就いた二人のプロの監督が、同じように「スターシステム」を警戒していることを、協会とメディアはもっと真摯に受け止めるべきでしょう。

オシム監督は、日本代表チームを「日本化」することを考えているようです。しかしその前に、日本代表チームの周辺が「商売」によって歪んでしまっていたのを、「正常化」させようとしてくれているように思います。これは、川淵会長としては歓迎できないことではないでしょうか?いずれ川淵氏はオシム監督とこの点で対立し、どこかで言うことを聞かせようとするのではないかと予測します。そして頑固者のオシムがそれを拒否したときには・・・。

私は、サポーターは「正常化される」日本代表の環境、それをなそうとしてくれているオシム監督を、守らなければならない、と感じています。それが、この4年間に対する償いなのだ、と。そのためにも、強化よりも「スターシステム」を推進する協会の現体制に、「NO!」と言うことが必要です。少なくとも、改革を行おうとするオシム監督をしっかりと協会がサポートするように、継続して声をあげ続けていきたいものです。

それではまた。

02:23 AM [オシム日本] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (4) |

August 09, 2006

では国立で!

川淵会長にレッドカードを
 
 
 
 
 
私が「川淵会長にレッドカードを!」デモに参加する一番大きな理由は、
ドイツで感じた「これ以上日本サッカーを汚させてはならない」という感覚がスタートだと思います。

監督未経験者に率いられ、ピッチの上に繰り広げられた選手たちの「困惑」、
試合のための/大会のための準備の恐ろしいほどの不足、
商売のための不要な親善試合、商売のためのキャンプ地/試合時間選定、
スタメン固定/公表、練習完全公開、キャプテン固定/公表などの、商売優先メディアとの過度の馴れ合い、
健全な批判の排除、
それらすべてが「あの」低内容の試合を招いたこと、
そして極めつけは、日本代表が、合宿地ボンの皆さんとほとんど交流をしなかったこと!
2002年に世界中の選手が、あれほど「サッカーの楽しさ」を試合以外の時間にも伝えてくれた、
その恩を忘れてしまった日本。

何が日本サッカーをここまで腐らせてしまったのか?
私たちは「それ」から選手を、監督を、サッカーを、守らなくてはいけないのではないのか?

私にはそういう、已むに已まれぬ衝動があります。
私はそれに突き動かされ、BLOGのエントリーを書き、そして今日、デモに参加してきます。

あくまでも自分の意思で。

*****

■「川淵会長にレッドカードを」8月9日デモ実行のお知らせ
川淵会長への意思表明として、日本代表戦試合後、
千駄ヶ谷駅方面行きのデモを企画しました。
所要時間は10分程度を予定していますのでお気軽にご参加ください。
日時 : 8月9日(水) トリニダード・トバゴ戦終了後
時間 : 21時25分(試合終了時間によって前後する可能性あり)
場所 : 日本青年館玄関前 (競技場より徒歩5分)
経路 : 日本青年館前→千駄ヶ谷駅手前にて解散 (所用時間10分)
申請 : 7月28日付けで四谷警察署に申請済み
http://kawabuchi.tv/
なお、当日はチケットの無い方のために、
集合場所にて代表戦テレビ観戦も予定しているそうです。

******

デモの直前情報です。

 一人一人の意思表明が大きな意味を持ちます。皆様の参加を心よりお待ちいたしております。

試合開始前に案内のビラ撒きが行われます
21:00頃から、国立競技場各門にて誘導のプラカード掲示があります
日本青年館への地図が携帯版サイトからリンクされています(アドレス同じ)
(本ページ右下のQRコードからアクセス可)
 
試合終了時間~集合時間~出発時間にあまり余裕がありません
試合終了後、なるべく早く集合地点まで移動お願いいたします
 
雨天決行です(デモ隊列の安全確保が難しくなるような荒天の場合のみ中止いたします)
 
出発前、隊列への整列をお願いいたします
出発後は誘導の指示に従い列を崩さないように歩いてください

********

ではデモで!

それではまた。

05:08 PM [Good Bye!川淵さん] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (3) |

August 08, 2006

あくまでも自分の意思で

川淵会長にレッドカードを

「デモ批判に関して」というエントリーに対する反論をいただきいたので、また少し考えてみたいと思います。
 
 

ケット・シー
私は(私を含め)ネットの前でグダグダ言うだけの人よりも、こういう活動を起こせる人を尊敬します。

z-netさん
そもそもネット主導のデモ企画で、ネットで知り合った人間が集まるデモですから、ネットが最大限の重要性を持っているのに、ネットの前で意見を言うことを揶揄してどうするんだと思うのですが(笑)。

私は自分が「ネットの前でグダグダ派」の代表だと思っていますので(笑)、自分から見て、私たちの意思表示をする場を非常な努力をされて作り上げてくださっている方たちを尊敬する、と書いただけですよ。本当に大変な労力だと思いますし、やむにやまれぬ気持ちでいる人たちに、場を提供することは、大変素晴らしいことだと思っています。


■川淵キャプテンをいただくこと=病気という比喩について

z-netさん
それに対し、組織のトップを下ろす場合、そこに空白(ポスト)ができるわけです。それは病気の例と違い、完全体ではありません。その空白は決して自動的には埋まりません。だからこそヴィジョンが必要なのですよ。

倫理的に気が進みませんが無理矢理病気の例を用いるなら、臓器を摘出するようなものです。この臓器が悪いから取り去ってしまえ、だけではお話になりません。患者と相性がいいドナーを探して臓器移植の準備をする、 あるいは胃の全摘出なら小腸で代用胃を形成するといったヴィジョンがあってはじめて、さあ臓器を摘出しようとなるわけです。

これは少し問題を取り違えていると思いますね。J-KET掲示板のほうで、じーささんが的確な解説をしてくださっていたので引用させていただきます。

また、デモは革命や戦争と違ってただ意思表示をするだけで、武力行使をするわけじゃないので、川淵さんがやめたあとの空白を心配する必要はありません。デモにより川淵さんがやめることになったとしても、それはJFAで用意されている役員交代の手続きに従って行われるはずです。

そして、川淵氏が今は出過ぎているので(笑)、会長職がとんでもない職責であるように感じられるかもしれませんが、野村さん(なぜか降格させられてしまいましたが)をはじめとする副会長職だった人なら、普通に後を継ぎ、それほどの権力を振るわずに現場に権限を委譲しつつ、強化、普及、発展策を粛々と実行していくことが出来ると思います。

それが私なりのヴィジョン、「サッカーの現場を離れて十数年にもなる一人の人物に権限が集中するシステムではなく、現在のサッカーの現場に携わる担当者たちが、粛々と強化を進めていけるシステム」というものです。ただこれは特筆大書するようなものではなく、「当たり前の姿に戻る」というだけのことですけどね(例えば岡野会長時代のような)。だからこそ、「病を治せば健康体に戻る」という比喩が成立するのだと思っています。


■利用する、される?

z-netさん
今回のデモに参加意志を示している人は2種類に大別できると思います。両方ともインターネットムラの住民ですが、「ネットで呼びかける」側と「ネットの呼びかけに引っ張られる」側の人間です。私がヴィジョンのないデモに参加するのはやめたほうがいいと言っているのは、主に後者の側に対してです。

私はどうもこの「ヴィジョンのないデモに参加するのは止めよう」というエントリーに違和感を感じていたのですが、それは↑に書かれていることで理解が出来ました。z-netさんは、

それは前者の底意として、今回のデモを"利用"し、暗示をかけてコントロールし、世の中を少しでも自分の思惑に沿うように動かそうというものを感じるからです。

というように感じられているようですが、これが完全に筋違いというか、勘違いなのですね。

私がこのデモの告知を見たときに感じたのは、「私の意思表示の場を作ってもらえた」という感覚なのです。けして誰かに扇動され、理由を用意されて集まるのではない。そういう受身の考え方ではない。すでに自分なりの理由で異議を唱えたいという動機を持ち、その表明の場があるので参加する。それだけのことなのです。

つまり、人から言われて参加するのではなく、自分で考えて参加する、のですよ。おっと、オシムサッカーみたいだ(笑)。このデモにいま賛意を表明してくれている多くの方がそうだと、私は感じています。ほとんどの方が、「扇動されたから集まる」のではなく、自らの意思で行動しようとしている。そう感じます。

そういう意味でサッカー蟻地獄さん

川淵解任デモの理由が弱い件などについて
つーか、あの理由では参加しないので、自分の理由を持って行く。
正直、デモ隊を自分の主張をするために利用させてもらおうとすら思っている。

そのくらいいいでしょw

↑この文章に対する

z-netさん
デモ隊を、暗示にかかりやすく容易に操作しやすい「愚衆」ととらえているわけですよ。

↑これは誤解だと思いますね。

デモはあくまでも主催してくださる方々が、人々の思いの「受け皿」を作ったに過ぎないのです。参加者はみな自分の意思を表明するために、それを「利用する」ことが、正しいのですよ。「川淵キャプテンにレッドカードを」「協会に意思表示を」という大枠に賛成の方が、それぞれの理由を持ち寄ってまったくかまわない。それが、蟻地獄さんの書かれている意味だと思いますよ。

そもそも、今回自分の考えをもって集まる人たちが、暗示にかかりやすく操作しやすい「愚衆」などであるわけがない。私は他人のことをそのように下に見たことなど一度もありません。たぶん実行委員会の方もそうでしょう。ただ、自分たちの意思を表明したい。その場を用意したい。こころざしを同じくする人たちにも、それを提供したい。そういう気持ちから行っていることだと思いますね。

私も、私の理由をもって行きます。自分で考えた人が、自分の理由を持って大同のために集まる。これはそういう運動なのだと思います。

あ、それよりもオシムの初戦を利用して「試合の場を汚してくれるな」という純粋な嫌悪感の方が先に立っているかもしれませんね。

これは考え方の相違ですね。私は川淵体制を放任していることのほうが、オシム監督に対するサポートにならないと思っています。すでに、無益な親善試合を組むことをオシム監督から批判されているように、ね。

オシムの初戦の人波を利用したデモなんて偉くもなんともない。勘違いをなさらぬよう。

誰もこの行動を「偉い」などとは思っていないと思いますよ。偉いからする、しない、ということではまったくなくて、「川淵氏と協会の現状はおかしい、何とか変えていきたい」と思っているために、やむにやまれぬ衝動に駆られて参加するのです(そのための場を用意してくれた方々には大変感謝しておりますが)。

私は、デモに行きます。「声をあげなければ、何も変わらない」ですからね。

それではまた。

*****
■「川淵会長にレッドカードを」8月9日デモ実行のお知らせ

川淵会長への意思表明として、日本代表戦試合後、
千駄ヶ谷駅方面行きのデモを企画しました。
所要時間は10分程度を予定していますのでお気軽にご参加ください。

日時 : 8月9日(水) トリニダード・トバゴ戦終了後
時間 : 21時25分(試合終了時間によって前後する可能性あり)
場所 : 日本青年館玄関前 (競技場より徒歩5分)
経路 : 日本青年館前→千駄ヶ谷駅手前にて解散 (所用時間10分)
申請 : 7月28日付けで四谷警察署に申請済み
http://kawabuchi.tv/

なお、当日はチケットの無い方のために、
集合場所にて代表戦テレビ観戦も予定しているそうです。
******

02:45 AM [Good Bye!川淵さん] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (3) |

August 02, 2006

デモ批判に関して

川淵会長にレッドカードを

本当はこんなエントリーばかり書きたくないのですが・・・(笑)。
 
 


「川淵会長にレッドカードを!」デモに対して、「ヴィジョンのないデモに参加するのは止めよう」という意見があるようです。

私は、これは間違っていると思います。

それは、病気の人に対して、「病気を治した後どうしたいのか」と言っているようなものだからです。

この場合はまず「病気を治したい」のが当然であって、治した後はまず「通常の日常生活を送る」ということがヴィジョンになります。これは誰にもごく当たり前のことと認識できると思います。まさか、「病気を治した後、『海外留学をしたい』などの具体的なヴィジョンがなければ病気を治す資格がない!」などとは誰も言わないでしょう?(笑)。

そう、このデモは、「サッカー協会会長に川淵氏をいただくということは、『病気にかかっている』ようなものだ」と思っている、それぐらいにここしばらくの川淵氏の言動を問題視している人、怒りを感じている人が、集まるものなのですよ。「ヴィジョンなきデモ」という批判は、その部分を誤解した的外れなものと言えます。「いや、川淵さんをいただいているということに問題はない、病気ではない」という人もいるでしょう。それは立場の違いです。そういう人は参加する必要はありません。当然のことですね。


■「対案を出せ」という要求の無意味

また、こういう問題提起に対してよく出てくるのは、「対案は?」という質問です。まじめに聞いてくる人もいますが、問題提起をされると困る人が、狙ってその質問をしてくることもあります。この「ヴィジョンなきデモ」という批判も前者の範疇だと思いますが、こちらの観点からも的外れなものです。

わかりやすいのは「川淵氏を辞めさせたとして、後継は誰にするのか」という質問です。これを別のたとえで言うと、墜落しかけた飛行機で、「墜落を回避した後どこへ行きたいか」と言っているようなものです。この場合はまず「墜落を回避するべき」なのが当然であって、回避できた後はじめて、「次にどこへ行く」というヴィジョンが意味を持ちます。墜落回避前に「どこに行く」事についてのディスカッションを始めることが、どれだけ愚かなことか、誰にもわかるでしょう。ホノルルだ、いやNYだ、などとやっているうちに、取り返しがつかないことになります。

後継候補についての質問も同じことです。大仁さんがいいとか、奥寺さんがいいとか、いや岡野さんの復帰が望ましいとか、いろいろな候補をあげる人がいるでしょうが、それによってもっとも大事な目的=「墜落を回避すること」が出来なくなっては困る。こういう状況では、「小異を捨てて大同につく」のが正しいのです。「対案は?」という質問は、「小異を拡大することによって大同を分裂させる」という危険があるために、「狙って」してくる勢力がいるわけです。それに答えるには「今は墜落回避が優先」で終了です。

「いや、墜落しているようには思わない」?それは立場の違いです(以下略)。

ちなみに、私には個人的にビジョンがあります。それは、

「サッカーの現場を離れて十数年にもなる一人の人物に権限が集中するシステムではなく、現在のサッカーの現場に携わる担当者たちが、粛々と強化を進めていけるシステム」

というものです。私にとっては、現状の川淵さんの存在はこれに対する最大の障害物であって、それを排除することが正しい、と思えます。また、その権限を維持、強化するために川淵さんが行うすべてのことが、現在の代表の強化にとって非常に大きな障害となっていると思います(例えば、メディアや技術委員会による健全な評価、検証システムの破壊、など)。それも、川淵キャプテンに辞めてもらい、同時に解決していくべきだと思っています(川淵氏が残る限り、解決は出来ない)。


■3つの理由+それぞれの気持ち、意思

さて、デモのホームページにある3つの理由ですが、私はどれももっともだと思っています。さらに私は独自の観点(1) ・ (2) ・ (3)からも辞任をして欲しいと思っており、それらすべての理由をもって「川淵会長へレッドカードを!」のデモに行くつもりです。たぶん、私と同じように「自分なりの理由で」デモに参加する人が多いのではないでしょうか。そういう意味では、私は「まず意思表示ありき」で考えています。ここでも「小異を捨てて大同につくことが正しい」、ということです。

私なりに3つの理由に補足しておきますと、

●「機密の漏洩」に関しては、人事上の交渉ごとという最重要機密を「うっかり」漏洩したこと。それにによって、ジェフ側が「年末」と考えていた就任時期をずらさざるを得なくなり、ジェフのクラブの運営に多大な損害を与えたこと。そしてそれにより、1億円に上るといわれる違約金を支払わざるを得なくなることなど、協会自身にも大きな損害を与えたこと。それらが問題だと考えられます。

●「ジーコジャパンの総括がない」事に関しては、いわゆる「総括レポート」を発表していないということ「だけ」ではないと、私は思っています。こちらのエントリーで書いたように、「川淵キャプテン・ドイツW杯総括記者会見」が「オシム失言」によって台無しにされたこと、それによってジーコを強権によって選んだ川淵キャプテンが「説明責任」をまったく果たしていない、ということが問題なのです。それが「総括がないこと」の責任です。

●「Jリーグ軽視に思える言動」に関しては、ほぼHPで言い尽くされていると思います。特に、いったん口にした就任時期について、ジェフに一言もないままそれを覆し、オシム監督に即時就任を提示したことは、道義的に許されることではありません。「軽視」を通り越して「侮辱」だと私には思えます。この点からも、「レッドカード」は正当性があると思います。

そして、これらはいわゆる「最大公約数」としてHPに提示されたものだと私は思います。参加する方にとって、それがすべてであると考える必要はないのです。

先に述べたように、これらに加えて私は、私個人の気持ち、意思をもち、それに突き動かされてこのデモに参加しようと思っています。私は(私を含め)ネットの前でグダグダ言うだけの人よりも、こういう活動を起こせる人を尊敬します。そして、私の気持ち、意思を表示できる場を作っていただいたことに深く感謝し、ささやかながら行動を起こそうと思います。これはすべて、「私の意志」によるものです。デモのHPに書かれた理由は大事ですが、それに先立って、「私の気持ち」がもっともっと重要なのです。人生、すべてそうではないでしょうか?

さて、私は、川淵氏個人をいわゆる「叩く」意思はあまりありません。先に書いたように、「一人の人間に権限が集中しすぎるシステム」「それを維持するために非常に大きなゆがみが出ていること」を問題視し、それを是正したいと思うものです。惨敗の焼け跡の中、それを招いたシステムを維持、温存していくことは、自殺行為だ。正常な再出発のためには、川淵キャプテンに辞めてもらうしかない。私はそう思っています。

私は絶対に、デモに行きます。皆さんも、もちろん御自分の意思で、どうぞ。

*****
■「川淵会長にレッドカードを」8月9日デモ実行のお知らせ

川淵会長への意思表明として、日本代表戦試合後、
千駄ヶ谷駅方面行きのデモを企画しました。
所要時間は10分程度を予定していますのでお気軽にご参加ください。

日時 : 8月9日(水) トリニダード・トバゴ戦終了後
時間 : 21時25分(試合終了時間によって前後する可能性あり)
場所 : 日本青年館玄関前 (競技場より徒歩5分)
経路 : 日本青年館前→千駄ヶ谷駅手前にて解散 (所用時間10分)
申請 : 7月28日付けで四谷警察署に申請済み
http://kawabuchi.tv/

なお、当日はチケットの無い方のために、
集合場所にて代表戦テレビ観戦も予定しているそうです。
******

それではまた。

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