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July 26, 2006

ここは独裁国家なのか


     

とんでもないことだ。ここは独裁国家なのか。いったいサッカーをどこまで汚せば気が済むのか。川淵キャプテンは辞任するべきだ。

「オシムの言葉」の著者木村元彦氏が、W杯前にジーコ監督批判と取れるような記事を書いた後、協会の圧力によってジェフから取材拒否をされていたというのだ!これではまるで独裁政権下の言論弾圧ではないか!

これだけではない。スカパーでは土田晃之氏が、

僕はサッカー協会の人間ではないので、
どんなに毒を吐こうが、
サッカーの仕事がなくなっても大丈夫な立場なので
どんどん言ってきたいと思います!

と発言し、また向井亜紀さんも自身のブログで次のように書いている。

ワールドカップの裏話は山ほどあるようです・・・。
が、特にテレビ局やスポーツ新聞社の記者は、サッカー協会に嫌われたら大っ変なことになりますから、キツイ記事はご法度になっちゃうみたいですね。

週刊文春6月29日号では

批判的な報道をすると、それ以後情報がもらえなくなったり何かと困るので、記者もぺこぺこするしかないんですよ(運動部記者)

「サイゾー」6月号では覆面座談会で

A「実はテレビや新聞といった大手メディアでは、代表や協会、選手に対する批判的な報道が ほとんどできない。協会の4階に各メディアのデスクもあって、協会サイドが情報をコントロール している。ジーコ批判や、不可解なテストマッチの組み方など、山積みの問題をどこも書けない」

もはや堰を切ったように、これまでのサッカー協会の「報道管制」「言論弾圧」についての告発が相次いでいる。これは報道の自由のある国としては異常事態だ。ここはどこなのか?どこぞの独裁国家なのか?

これまで、川淵キャプテンをその強引な手法から「独裁者」と揶揄する向きは多かった。とはいえ、一応は手続きにのっとって信任された会長であり、そのような呼び方は適当ではないと私は思っていた。しかし、「独裁政権」の一つの特徴は、まさに強権を持って自らへの批判を排除、抑圧するところにある。このような現在の川淵体制のありかたは、まさに独裁政権の言論弾圧そのものではないか。


■日本代表の「私物化」

ここで問題になるのは、川淵氏や協会への批判だけではなく、「ジーコ監督への」批判も同様に(あるいはそれ以上に)弾圧していたことである。

トルシェ監督時代は、多くのジャーナリストから実に彼に対する批判が多かった。人格批判やら言動批判など、的外れなものも存在したが、しかしこれだけの注目の集まる代表チームの監督であるから、そのように監視され、ジャーナリズムからのチェックが働くのは、むしろ必要なことでもある。当然だが、当時の岡野会長はトルシェ監督のために言論弾圧などしてはいない。

そう考えると、現在のこの蔓延する、目に余る言論弾圧は、ジーコ監督就任から、川淵キャプテン体制になってからのものとわかるだろう。なぜ川淵キャプテンは、ジーコ監督を擁護するために苛烈な言論弾圧をするのか。それは畢竟、「自分がその選任に最も影響力を行使した」「責任は自分にある」ということを自覚していたからに他ならない。組織的な手続きを踏んで選ばれた監督なら、批判があってもそれは健全なことと受け止められる。しかし、そうではないからこそ、ジーコ批判が出ることを恐れ、嫌がり、弾圧しようとしたのだ。これこそが、「日本代表の私物化」の最たるものだ。

代表の「私物化」とは、次のようなことである。ルールにのっとって技術委員会が作ったリストを覆し、そこにはなかった、路線のまったく違う「監督未経験者」をリストに加えさせ、彼を選任し、高圧的に擁護し続け、ノルマをなくし、評価機関をなくし、マスコミやファンからの批判を徹底的に弾圧する。また、大住氏が言うように、強化の妨げになるような準備合宿を押し付け、強化の役に立たない、スポンサーのための親善試合をスケジューリングする、などなど、代表を過度に商売、ビジネスに迎合させる。おそろしい、くだらない、私たちの愛するサッカーをこれ以上なく汚す行為だ。

W杯グループリーグで敗退したから、ではない。それをきっかけにすべての膿が噴出して、「代表の私物化」をなした川淵氏の会長不適格が明らかになったからこそ、今、川淵氏は辞任すべきなのである。「監督が辞めたから会長が辞めるというのはサッカー界にはない」などと考える必要はない。もはやことはそれにとどまらない。これまで自分が押し込め、見ない振りをしていたすべてのものが噴出し、自らの身に降りかかっているのだと川淵氏には認識してもらいたい。もはや欺瞞は通用しない。

大丈夫だ、川淵さんがいなくても強化や普及、発展は粛々と進んでいく。また、「失言を含め、いろいろなことの責任を取って辞める」ときちんと声明を出せば、「代表の成績で辞める」という前例にしなくてすむ。言論弾圧まで明るみに出れば、もはやサポーターを納得させうるのはあなたの辞任だけだ。スタジアムに響き渡るブーイング、「辞めろコール」をもう一度聞きたいのか?もう苦しまなくてよい。もう考える必要はないのだ。

もう一度言う。川淵キャプテン、あなたの日本サッカーに対する貢献は非常に大きいと思う。その部分は素直に認めるし、尊敬する。だからこそ、これ以上ご自分の晩節を汚すのはやめたほうがよいと、強く警告する。もし三選を果たしても、そこからの2年間、地位にしがみつけばしがみつくほど、あなたの世間での評価は下がり続けるのだ。ここで「いさぎよさ」を見せるのが、あなたにできる最後のサッカーへの貢献なのだ。

川淵キャプテン、あなたは辞任するべきだ。

それではまた。

03:37 PM [Good Bye!川淵さん] | 固定リンク

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