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September 07, 2005

いい時期の大苦戦(ホンジュラス戦)

いやー勝ちましたね!TVではさんざん煽っていましたが(笑)、確かに中南米にはここのところ勝っていないので、ここで勝っておいたことは非常によかったと思います。というか、単純にすごくうれしい試合でしたね。4失点かつ5得点という、なかなか見れないスリリングな試合で、もう心臓が疲れました(笑)。以下簡単に感想を。


■「テスト」なのだから

同じホンジュラスが相手ということで、どうしても2002年のホンジュラス戦(3-3で引き分け)と比較する意見が出ると思うが、確かにまるでタイムスリップしたかのように、同じような試合展開だった。ホンジュラスは、全員が三都主かと思うほどに(いい意味で)ボールをキープ、また三都主と同等か、それ以上にボールテクニックがある選手が多く、日本はプレスのかけどころがつかめない。突っ込んでいけばかわされ、ボールを展開されてしまう。これは、3年前も今回も同じだった。

試合序盤のDFラインは、おそらくはコンフェデ杯やイラン戦のイメージで、「アジアカップ仕様の引いて守るスタイル」から、より押上げを積極的にしていくものにトライしていたと思う。私は地上波デジタル放送で見ていたのだが、16:9のワイド画面だと、通常では見えないDFラインまで映ってくるのだ。序盤から確かにそれは高く維持されていた。というか、そうしようという姿勢が見て取れた。しかしそれはやはり「トライ」である以上、機能しない可能性もあり、そこが出てしまったといえるだろう。

1失点目は、ラインを押し上げた中澤と残った選手、引いてくる選手の意識のズレを突かれ、18マルティネスに突破され、折り返しを10ベラスケスに蹴りこまれたもの。この辺は、押し上げ型DFラインをやるなら必ず意識統一をしておかなければならないところだ。宮本はもっと他の選手と密に話し合うべきだろう。2失点目は、14ガルシアが三都主と1vs1を仕掛け、今度はラインが凸の字になったギャップにベラスケスに走りこまれ、そこをパスを通され決められたもの。ベラスケスのマークを誰がするのか、ここではあいまいになってしまっていた。

これは、コンフェデ以来の4バックと、久しぶりの先発となる稲本、中田浩の連携が練れていないことが最大の原因だろう。しかし別に問題視するには当たらない。そもそも親善試合、強化試合というのは何らかのテーマを持ち、それを見極めたり、習熟したりするために使うものでもある。稲本と中田浩二の起用テストを行って、機能のし具合のチェックもできたし、連携も試合中にある程度に詰められただろう。これでいいのだ。

■世界はミスを許してくれない

日本は徐々に試合に入りなおし、ポゼッションを回復、中盤で稲本が強烈なミドルシュートを放つと、それがホンジュラスDFの足に当たってこぼれ、高原の前に。高原はそれを冷静に蹴りこむ。ゴール!1点差に詰め寄る。敵のミスからの得点だが、それを見逃さないのも強いチームの証拠。ジーコ監督が「世界と戦う時は一つのミスが命取りになる」と語っていたが、その逆を行ったカタチだ。よいことだと思う。

しかし、前半ロスタイム、今度は日本がミスを犯してしまう。DFラインから中田ヒデ選手がパスを受け、ビルドアップの第一歩目のパスを出そうとしたところ、ホンジュラス選手に奪われ、今度はマルティネスに決められてしまう。3-1。まさに警戒していたはず、意識付けをしたはずの、選手のミスで失点してしまう。これはいうまでもなく、W杯本大会では絶対にあってはならないシーンだ。そのためのよい教訓となったと思う。世界は、ミスを許してくれない。言われつくしたことだが、もう一度肝に銘じよう。


■時期とコンディションという問題

やはり試合に出ていなかったり、シーズン開幕直後だったりすると、選手も人間であるわけで、コンディションが本調子とは言えず、カラダの切れが悪くなるものだ。今回は海外組を総じて試合に出したわけだが、やはり稲本や中田ヒデは、まだ体が重そうに思えた。やはり長いこと試合に出ていない選手が、試合でいきなりトップパフォーマンスを見せるのは難しいのだろう。この問題は、昨年の1次予選の初期に大きくクローズアップされたことでもある。

しかし、この試合はあくまでも強化試合。ヒデや稲本を試合に出し、テストする、コンビネーションを詰めていくのが目的なのだ。彼らのコンディションが悪くても、出場させる意味は大いにある。試合全体の低内容は、それから来ている部分はあるわけで、そういう目的のために使われたこの試合なのだから、確かに彼らのプレー内容はそれほどよくなかったが、責めるには当たらないだろう。


■オープンな打ち合い

後半開始直後、日本はFKを中村が蹴り、フリーの柳沢がヘディングシュート。ゴール!3-2!ホンジュラスは前半からセットプレーの守備にもろさを見せていた。ここを突いていけば、もっと点が取れる!ところが、その直後、日本の右サイドに長いパスが送られ、加地は一瞬ボールの落下点を見誤ったか、後ろから走りこんできたマルティネスに追い越されてしまう。中央にラストパスが送られると、ベラスケスが走りこんでおり、また失点してしまう。4-2。

その後ふたたび日本が得たFK、中村が蹴ると、ファーサイドにいた宮本の前に。宮本は後から倒されてPKを得る。やはりセットプレー時の守備が、おそらくトレーニング不足だろう、つめ切れていない印象を受けた。日本の得意なカタチが活きて、得点を取れたことは、今後に向けてポジティブだろう。PKキッカーは中村。これで4-3と追いつめる。

ここで稲本に代えて小笠原投入、ヒデがボランチに下がる。私は彼のベストポジションはここじゃないかと思っているのだが、急にチームに芯が入ったように見えたのは私だけだろうか(笑)?彼のビシッとした縦パスが、「縦へのパスが欲しいですね~」と堀池さんが言っている時に通ったのには笑ってしまった。チーム全体が、まあホンジュラスの時差ぼけから来る失速にも助けられたのだろうが、次第にダイレクトプレー、前への推進力を取り戻し、25分には柳沢が自分で前を向き中へ流れてシュートコースを作り、4点目!4-4!

最後には、完全に足の止まった(にもかかわらず中途半端にラインの高い)ホンジュラスDFの裏へのボールに三都主が抜け出し、折り返しを小笠原がゴール!前半やられた形をやり返してやったようなゴールで、気分よく試合を終えることができた。しかし、ジェットコースターのような、ハラハラとドキドキ、失点の悔しさと得点の歓喜がたっぷり詰まったゲームで、観戦していて本当に疲れましたね(笑)。


■ホンジュラス戦の、その先へ

ブラジルと対戦するジーコジャパンを見ていても感じたのだが、確かに今の日本代表は南米風味になりつつあるように思える。このホンジュラスも、一人一人の細かいところでの技術、フェイントを織り交ぜて、ボールを丁寧につないでくるサッカーをしていた。前半は特に、コネるばかりではなく、周りの選手たちが動き回って、そこをパススピードの速いパスをつないでくる、かなり質のいいサッカーをしていたと思う。こういうチームでも、W杯に出れないのだから、中南米は奥が深い、と思ってしまった。

今回もホンジュラスは、日本のDFラインに対してやや反省点を教えてくれたのだが、同時に「こっちへ行こう」という方向性も見せてくれたような気がする。技術、アイデア、ボール回しに関しては、中南米とかなり近いか、あるいはそれ以上に来つつあるジーコジャパンだが、縦へいれるパスのスピード、選手の動き出し、技術の使いどころ、ペナルティエリアの質、などなどでは、「ポゼッションサッカーの先輩」として、ホンジュラスにも見習うべきところもかなりあったと思う。コンフェデではいい試合をしたジーコジャパン、しかし、まだまだ先へ行ける、発展できる。この時期にこういう苦戦をしたのはいいことだったと、2006年には、きっと思えるだろう。

取り急ぎ、簡単な(そうでもない?笑)雑感でした。それではまた。

10:47 PM [ジーコジャパン] | 固定リンク

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