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August 01, 2005
次に向かおう!
日本0-1北朝鮮
いやー、残念です。
実力差は歴然だと思うのですが、そういう相手でも時として足元をすくわれるのがサッカー。特に、自分たちのミスで1点を前半に献上してしまうと、敵が守りを固めてきて、こじ開けるのに苦労してしまう。まさにその足元をすくわれる典型的なパターンにはまってしまいましたね。
大黒と玉田との2トップはやはりきついでしょうか。玉田は敵陣にスペースがあれば活きるのですが、スペースがないときは下がってきてポストを試みてつぶされたり、左右に流れてしまったりしてなかなか有効なプレーにつながりませんでした。アジアカップでは日本が下がっていて、敵陣にスペースがあったので活きたのですが。
また、大黒の動き出しのよさは、「ここぞ!」という時にゴールに向かうもの。ヤナギのようにパス回し全体に参加してリズムを作るのはまだもうちょっと、というところ。やはり誰かポスト役のできる選手と組み合わせたほうがより活きるでしょう。それに加えて、小笠原が28日にマンチェスターユナイテッドとの試合をこなして疲労が抜けていなかったこともあり、中盤のパス回しも機能しきれていなく、前半はなかなかチャンスが作れませんでした。
試合を通して気になったのが、「レジスタ」の不在です。中盤の下がり目から長短のパスで試合を作る、ゲームをコントロールする存在。コンフェデ杯での中田ヒデ、以前の日本代表の稲本、小野といった選手たちが担っていた役割が、この試合では空席であるように見えました。
特に、あのUAE戦からコンフェデに至る過程で攻撃が改善された要因として大きかった、中盤の下がり目からFWへの、パススピードの速いビシッとしたクサビのパスが、まったくといっていいほど消えてしまっているのが残念でした。それが入ると、敵バイタルエリアで起点ができ、大黒もゴール近くでの技術を発揮できるわけで、もっとシュートも打てたでしょうに、と思います。
福西も遠藤も、横パスか、でなければ近くにはたいて自分が上がっていく、というプレーを繰り返していました。アジアカップではこれは機能していましたね。しかし、この試合では敵が下がっているところに入っていっても、なかなかチャンスにつながらない。パスはボランチレベルから5メートル程度のものが出て、下がった北朝鮮の前でボールが動いている。これだと、「足元、足元」の遅いサッカーになってしまうのですね。攻撃のスピードアップができない。
これは、福西、遠藤の意識の問題でもあるのですが(能力的には彼らもできるはずです)、同時にヤナギがいなくなったことで、動きながらボールを引き出し、リズムを作る存在が消えたことにもよります。であれば、今後は巻など、クサビのパスのターゲットにある程度なれる選手を起用することを考えた方がいいかもしれません。
失点はミスから。小笠原がペナルティエリア付近でのバックパスをミス。さらに敵が中に入れたボールを、中澤がつなごうとしてミス、グラウンダーで中に流され、9キム・ミョンチョルが落として15キム・ヨンジュンが強シュート!というカタチです。ぺナルティエリア付近で二つミスが重なれば、さすがに失点するでしょう。どうしたのでしょうか、中澤はこんなミスをする選手じゃないと思っていたのですが。
これ以外にも、日本は多くのミスを繰り返していました。コンディションやモチベーションの面で、大会を戦う準備ができていなかったように見えます。何度も言うようですが、大会の初戦は最も難しいもの。今回も漫然と準備し、漫然と試合に臨んでしまった日本代表。この部分は何とか改善して欲しいですね。
もちろん、あと2試合残っています。NEXT TWO WIN!すればいいだけのこと。北朝鮮があと2勝するとは考えにくいですから、勝ち点6を獲れば優勝ができるはずです。切り替えていけば十分に可能でしょう。
ただ、ファミリーのヒエラルキー上位から、順番に出した感のある今日のジーコ采配ですが、これをちょっとでいいから崩した方が、優勝の可能性は高まるように思えます。FW陣をはじめとして、人選をできればもう少し柔軟に考えられないものでしょうか。
それではまた。
データ(日本:北朝鮮)
ボール支配率 61 : 39
シュート数 前半 8(6) : 4(2)
後半 9(5) : 6(2)
全体 17(11) : 10(4)
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