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June 15, 2005

2005後半へ向けて

多忙で北朝鮮戦後の更新ができませんでした。申し訳ない。

簡単に試合を振り返ると、日本が試合運びをうまくやり、完勝したゲームだったといえるでしょう。立ち上がりは、日本もアグレッシブに高めから(FW鈴木から!)ボールを追い回します。これはアジアカップの頃にはなく、2005年になってから時おり選手たちが試みるやり方ですが、荒いピッチに得意のグラウンダーのシュートパスが封じられていた北朝鮮にペースを握らせないためには、うまくはまりました。

前半20分を過ぎる頃から、敵がピッチにも慣れ、また日本が自らの連携ミスからみすみすペースを明け渡したこともあり、日本は前線からのプレッシャーを停止します。それとともに、立ち上がりやりもラインを深めにとる。この辺のメリハリ、使い分けがアジア相手にはできるようになったところが、このチームのよいところでしょう。

後半になると、日本、北朝鮮双方とも攻撃的に出ます。エルゴラッソでは黄慈権さんが「北朝鮮が攻撃的に出たのが残念だった」と振り返ってしていますが、これは「動き出しのいい大黒」を投入した日本にとって、思う壺でした。柳沢、大黒が2人で、あるいはスペースを使い、あるいはそこへ飛び出し、前線を大いに活性化させることができたのです。

1点目は、日本陣内のFKをすばやくスタート、稲本に渡ってそこからのロングフィードを大黒が競り合い、こぼれたところを柳沢がスライディングで決めたもの。これ以前にも後半17分の、中盤で奪ったダイレクトプレーからスペースに抜け出し、強枠内シュート!などのように、「シュートの意識の高まり」を感じさせていた柳沢。バーレーン戦での日本中からの願いが天に届いたのか、ついに「彼の日」(ヒズ・デイ)がやってきたのかもしれませんね。

2点目は田中が前に出ながら奪ったボールを、ダイレクトに前線に送ったロングパスから。北朝鮮が前がかりになったところをついて大黒が抜け出し、素晴らしいドリブルでGKまでかわして2点目!試合を、そして世界で最も早くW杯を決めた、見事なシュートでした。

この日、中田ヒデ、中村、三都主の出場停止を受けて、久しぶりの先発となったのは稲本と、中田浩二ですね。稲本はほとんどOMFのような位置に構え、敵の攻撃をすばやくチェックすることを狙いましたが、そこでの攻撃参加はそれほど機能したようには見えませんでした。まだ連携がこなれていないのですから当然でしょう。中田浩も、三都主に比べると攻撃面での貢献は物足りませんでした。ただ、彼らは前半の守備面ではそれなりに機能し、各所のサブの充実にの一助にはなったとは言えるでしょう。

まあもう、何と言っても、「W杯出場を決めた」ということだけで素晴らしい!ゲームでした。その上にこのような、「格の違い」を見せつける完勝です。日本も強くなったものだと、つくづく思わされる試合でしたね。しかし同時に、試合後に中田ヒデがいみじくも漏らしたように、「このままでは」W杯で勝ち抜いていくだけの実力があるわけでもない、ということも逆にまた見えてきた試合でもあったのではないでしょうか。

「カバーを重視する守備、セットプレー、個人能力、そして落ち着き」という現実路線でアジアカップを制し、1次予選突破を決めた2004年の日本。そこから中田ヒデという偉大な「個」を組み込みながら、4バック、1トップ、バーレーン戦のヒデボランチ、などを試み、そして前からの守備やダイレクトプレーを選手たちが模索し続けた2005年。「このままでは」は、今年前半の選手たちにとってのキーワードでもあったでしょう。

私は、バーレーン戦で見せたような、中田ヒデと小笠原が主導する高い位置での守備や、ダイレクトプレー「も」織り交ぜたジーコジャパンが発展していけば、そして、何人かの中心選手が完調であるならば、2006年にGLを勝ち抜くことも可能であると思っています。もうすぐその絶好の試金石であるコンフェデ杯がやってきますね。楽しみに待ちたいと思います。

それではまた。

06:36 AM [ジーコジャパン] | 固定リンク

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