« さあ、最大の決戦へ! | トップページ | 一喜一憂しない »
March 21, 2005
イラン戦は4バックでしょうか
ドイツ合宿中のジーコジャパンは、ドイツの地域リーグ(3部に相当)のチームと練習試合をし、1−0(前半1−0)で勝ったそうです。前半が4バック、後半が3バックとのこと。これは興味深いですね。そしてさらに、
ジーコ監督は「きょうの動きでは、守備は両方やれる感触をつかめた。システムは、欧州組次第で変わる」と語った。
とのことです。またスポニチでは
布陣は欧州組の状態で決まるかとの質問に「その通り」と発言。
ということで、これはやはり前回
もしジーコ監督が[4-4-2]をする時は、守備から考えるよりも、やはり中盤のタレントを生かすためにすることでしょう
と書いたように、中田ヒデの調子がかなり布陣を決定するようです。
最近あまり見られなかった「スタートからの4バック」ですが、これは守備面でも効果があるかも知れません。ご存じのように、イランがダエイを頂点に据えた1トップ、ないし3トップのような形を取ってくる可能性は高いと思われますから、図のように日本が4バックを採ると、ちょうど各所で1vs1が成立し、さらに宮本が余る形を作れるわけです。これは、攻撃力を誇るイラン封じを考えても、有効な形の一つだと思われますね。
(注:選手名のリンクは海外のものが多く、かなり重いです)右のマハダビキアを三浦淳が見て、左のハシュミアン(ここにザンディが来る可能性もあると思います)を加地が見る。ダエイに中澤(コンディション次第で松田とか、茶野の可能性もあり)をぶつけて、そのカバーリングを宮本が担当、もう一つの驚異のカリミ(2004年アジアMVP)には、ネドヴェドをマークして仕事をさせなかった稲本を当てる。こうなると、日本の堅陣はなかなか崩されないような気がしますね。
イラン人の父を持つザンディは、ドイツ生まれでドイツ育ち、ドイツU-21代表にも入った10番タイプの選手ですが、2重国籍のためにイラン代表入り、バーレーン戦でもプレーしましたね。(なかなかカッコイイ顔でも一部で有名です・笑)バーレーン戦ではチームにフィットできず、活躍できなかったようですが、日本同様4日の期間が取れるこの試合ではどうでしょうか。彼が本来の力を発揮すると、もう一つケアしたほうがいいポイントが増えることとなります。ジーコジャパンの[4-4-2]では、どちらかというと左に位置することが多かった中田ヒデ選手を、この図では右に配置しているのはそのためです。彼の守備力でザンディを封じ込めようという意図ですね。
もう一人、驚異になってくるのは、マハダビキアとの連携で上がってくる右SBのカエビでしょうか。彼は、フリーにさせるとさすがに怖いので、今回は守備からはいることを考えているらしい三浦淳にしっかりと抑えてもらいたいところです。ただ引いて守るだけではなく、彼が上がることでカエビとマハダビキア、二人を引っ張って守備させるくらいにできるといいですね。もちろん、それにはボランチ小野やOMF中村、そして宮本の協力も必要になってきますが(ザンディの驚異をあまり心配しない場合には、カエビの対面、日本から見て左にヒデを配することも有効でしょう)。
ジーコ監督はおそらく中田選手の起用面から4バックを考えているのでしょうが、選手の特性や対戦相手との相性などから考えても、実はなかなか合理的な選択かもしれません。ただ、問題となる可能性があるのは、選手も「意外だった」と語るように「これまでの継続性」との兼ね合い、再度の約束事の整備のための選手間の話しあいの時間、そして、選手起用によるチーム内のメンタルのマネジメントでしょうね。アジアカップを経て一つの「ファミリー」のようになっている今の日本代表なら、気にすることはないと思いますが。
そして、アジアカップで見る限り、イランは攻撃も守備も個人頼み。特に攻撃陣は「好きなようにやっている」感が強く、はまれば強力でしょうが、アジアカップにおいて「カバーを重視した守備」と、うまく行かないときでも「落ち着き」を手にした日本ならば、守りきることは不可能ではないでしょう。そして、アジジも言う個人に頼った守備は、おそらく北朝鮮よりも崩しやすいはずです(あれほどの「守備面でのデターミネーション(不退転の決意)」は持っていないでしょう)。欧州から距離的にも近く、海外組もコンディションよく臨めるこの試合。敵は強力ですが、臆することなど無いと感じます。
小野や中田ヒデ、稲本らコンディションが心配された選手たちも、ここに来て90分戦えるようになってチームに合流できそうです。この最大の決戦の場に、ジーコ監督の理想通りの選手がそろうと言うのは、なにか運命的なものも感じますね(笑)。あとは短いですが、合宿を有効に使って各選手のコンディションを見極め、(中澤も心配する)戦術をもうちょっと整備すれば、イラン戦にも勝利できるでしょう。
アウェーの地で、最大の決戦に挑む選手たち。大変でしょうが、是非いい準備をして欲しいですね。
それではまた。
(注:イランがこのような「日本のイラン対策」を読んで、その裏をかこうと別のことを考える可能性もありますね。そこまでは読み切れませんれども・笑)
トラックバック
この記事のトラックバックURL:
この記事へのトラックバック一覧です: イラン戦は4バックでしょうか:
» ダッチロールの理由。 from O lunatic amou no football
久しぶりに代表の話題。ジーコがまた悩んでいる。天王山であるイラン戦に向けて、3バックと4バックのテストを平行して行っているのだ。 デイリースポーツ ジーコ... 続きを読む
受信: Mar 22, 2005, 9:05:27 AM
» vsイラン戦/4バック採用か? from どこか遠くでフッチボル
先日当blogで書いていた先発及びフォーメーション予想が現実を帯びてきた。
4バック採用で、イランの両サイドを抑え込む作戦が濃厚と言う事だ。
今朝の報道で出てい... 続きを読む
受信: Mar 23, 2005, 11:46:59 AM
» イラン主砲・ダエイの平常心 from カフェ バグダッド Cafe Baghdad
サッカーの2006年ワールドカップ(W杯)ドイツ大会アジア最終予選の日本-イラン戦が25日に迫った。日本チームが警戒すべきイラン選手は、多々いるが、そのトップに... 続きを読む
受信: Mar 25, 2005, 2:50:37 PM