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March 15, 2005

さあ、最大の決戦へ!

ついに、日本代表候補が発表になりましたね。このメンバーで17日からドイツ合宿、そして25日のイラン戦、30日のバーレーン戦に臨むわけです。「いよいよ」という感じがしてきましたね。試合自体も後10日後に迫ってきました。

GK
楢崎正剛(名古屋)、土肥洋一(FC東京)、曽ヶ端準(鹿島)

DF
宮本恒靖(G大阪)、三都主アレサンドロ、坪井慶介(以上、浦和)、三浦淳宏(神戸)、加地亮(FC東京)、田中誠、茶野隆行(以上、磐田)、松田直樹、中澤佑二(以上、横浜FM)

MF
中田英寿(フィオレンティーナ)、小野伸二(フェイエノールト)、中村俊輔(レッジーナ)、中田浩二(マルセイユ)、稲本潤一(カーディフ・シティ)、遠藤保仁(G大阪)、小笠原満男(鹿島)、福西崇史、藤田俊哉(以上、磐田)

FW
鈴木隆行、本山雅志(以上、鹿島)、玉田圭司(柏)、高原直泰(ハンブルガーSV)、大黒将志(G大阪)


総勢で26名の大所帯ですね。ここから、各試合のために18人が登録されることになります。三都主と田中マコは累積警告のためにイラン戦には出場できないため、ドイツ合宿にも帯同せず、日本で英気を養う(?)ことになるようです。

GKでは、川口が手の骨折から復帰が間に合わなかったようですね。DFは、気合満々だった松田が怪我から復帰、逆に中澤がひざに問題を抱えてしまっているようです。

このちょっとした不安を会見でジーコ監督に聞いた記者の方がいらっしゃいました。

――ディフェンス陣では、中澤選手がひざをけがしていて、坪井選手と松田選手も故障あがりです。DFに関しても不安はありますか?

ジーコ 確かに不安がまったくないということはありませんが、今回の試合は25日ということで、いつもよりは試合まで時間が残されて、多少余裕を持って状態をチェックできます。(ここから各選手の状態について) もし必要があれば、多少コンバートすることが考えられる選手も何人かいますし、非常に楽観的に考えています。

ジーコ監督のこの答えは興味深いですね。誰かの怪我が悪化した場合は、追加召集なのか、今回選ばれている中でのコンバートなのか。

この「コンバートの可能性」は、今回の代表候補を見る一つのキーワードになるかもしれないですね。

現状では[3-5-2]で、中村選手、小笠原選手がトップ下に入ってやってきたわけですが、これまで怪我をしてきた選手たちのようやくの復帰もあり、中盤にそうそうたるメンバーが集まることになりました。しかし、特に[3-5-2]の場合は、攻撃的中盤のポジションは一つしかなく、残りのメンバーを起用しようとすると別の場所に配置する必要がでてきますね。実際にジーコ監督は中田英選手のポジションを聞かれて、

ジーコ 今の状態で彼が一番貢献できるところ。そういったことを含めてこれから考えますけれど、本当にどこのポジションでも非常にいい力を出してくれるんじゃないかという期待を持っています。

と、さまざまなポジションで起用する可能性があることを匂わせています。

また、メンバーを見て誰もが気づくサイドのバックアップメンバーの不在ですが、記者会見でジーコ監督は、

――アレックス選手がイラン戦ではプレーできませんが、このメンバーにはサイドのバックアップメンバーがいません。それについてはどう考えていますか?

ジーコ 自分の時期ではないですが、2人の選手、あえて名前を挙げれば小野、中村選手がこのポジションを過去にやっています。他にも名前を挙げませんが、自分が考えているバックアップのメンバーがこの中にはいると考えています。

と答えており、小野や中村、それ以外にもバックアップ足りうる想定メンバーがジーコ監督の脳裏にはあるようです。これも興味深いことですね。Jリーグでサイドを担当していいパフォーマンスを見せている選手は何人かいると思うのですが、彼らよりも現メンバーの中でのコンバートを優先するということでしょうか。

いずれにしても、選手と監督が合宿でじっくりとよく話し合って、それぞれのポジションを考えていくのでしょう。よい形を見つけて欲しいですね。

pitchiranそういう意味では、今回のメンバーはこれまでのジーコジャパンにないほど、「誰をどう起用するのか」という点で興味深いものとなっていますね。アジアカップ仕様の[3-5-2]もできる。やろうと思えば、2003コンフェデ仕様の[4-4-2]もできる。練習で連携を深めた国内組はもちろん起用できる。欧州組も、移動距離が短く、また時差も少なく、よいコンディションで試合4日前(オフィシャルAマッチデーなので)には合流できる。彼らを起用することも(合流後の練習時間の問題を除けば)無理がない。

熟成を重ねたフォーメーションで行くのか、起用できるメンバーの特性を重視したカタチを選ぶのか。イランという最終予選上最大の敵と戦うこの時に、このようにメンバーがそろって、ある意味目移りのする(笑)状態になるとは、実に有意義なことと感じます。(これはイランも読みにくいでしょうね・笑)

pitchiran2.5

とりあえず、今考えられるのはアジアカップ仕様に小野や稲本を組み込んだものか、2003コンフェデ仕様の[4-4-2]でしょうか。イランはダエイの1トップのやや後ろにカリミやハシュミアンが控える[4-3-3]ないし、[4-5-1]のようなカタチで来ると予想されますから、日本がここで4バックを採るのも論理的ですね。1トップは、4バックの2人のCBでうまく見ることができますから。

とはいえ、もしジーコ監督が[4-4-2]をする時は、守備から考えるよりも、やはり中盤のタレントを生かすためにすることでしょうね。その場合にも、アジアカップを獲った日本の強み、「カバーを重視する守備、個人能力、セットプレー、そして落ち着き」は維持できるのか。それともそれを継承しながら、新しいものを付け加えていこうとするのか。そこも重要なところですね。

あ、そうそう。この26人という召集人数、イラン戦と5日後の長距離移動後のバーレーン戦という強行軍に、もしかするとかなり明白なターンオーバーを敷くことが考えられているかもしれません。イランでは欧州組中心、日本では北朝鮮戦と同じようなメンバー、とか。うまくそれができると、この苦しいスケジュールも乗り越えられるでしょうね。

早くも今年のジーコジャパンの正念場、この3年間の最初の集大成の場ですね。厳しいスケジュールの中、決戦に向かうこのチーム、後はいい準備をして欲しいと祈るばかりです。

それではまた。

02:55 AM [ジーコジャパン] | 固定リンク

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