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February 08, 2005
決戦前夜2005
もう明日はドイツワールドカップアジア最終予選初戦、北朝鮮戦ですね。エルゲラさんも書かれていますが、またあの、腹が底から沁み透るような、決戦の日々が始まるのですね。
昨年の2月、埼玉スタジアムへ向かう道すがら、私は足の裏がふわふわしたような、腹の底当たりに何か冷たいものが沸いてきているような、そんな感覚にとらわれて驚きました。それが97年の最終予選の試合のたびに、あるいは02W杯ベルギー戦のスタジアムで、あるいは98W杯アルゼンチン戦のスタジアムで感じたものと同じだったと気がついたのは、試合が終わってしばらくしてからのことでした。
あれが、某テレビ局ではありませんが「負けることが絶対許されない、真剣勝負の大舞台」での緊張感というものだったのですね。特に初戦は、どんなにそういう舞台に慣れている選手でも緊張するといいます。観戦者が緊張してもどうにもならないのですが(笑)、それでもそういったゲームでは、サポ席も普段と違い、堅くなっていたような、またはそれを振り払うかのように声を張り上げてるような、そういう状態でしたね。
あの日々がまた始まるのですね。私は今回のワールドカップ予選はきっと突破できるものと、固く信じていますが、それでも対戦相手が日本を研究し、必死に立ちふさがってくる予選は、何があるかわかりません。今回は外せない仕事でスタジアムに行かれないのですが、スタジアムに集う、サポーターの皆さんには、97年の予選の時のような一体感のある応援をして欲しいですね。そして私たちも、TVの前から選手に魂を届けたいと思います。
ところで、何しろ相手が北朝鮮ということで、もういろいろな記事(1)・(2)が出ていますが、私は、
「スポーツとナショナリズムが密接に関係するのは仕方がない部分もある」
「しかし、政治問題をスポーツに持ち込むのは、止めて欲しい」
「また、世界的に敬意を払うことが一般的である国旗、国歌に対しては、北朝鮮のそれであっても敬意を払おう」
「それ以外の時間は、一つ一つのプレーに全力で、日本を勝たせるためのブーイングをしよう」
と思っています。もう時間がないので一つ一つ詳しくは掘り下げませんが、いちばんのポイントは
「国歌が流れている時のブーイングは止めよう」
「政治問題に絡めたダンマクや野次は止めよう」
「プレーに対しては、盛大なブーイングをしよう」
ということですね。特に最後のものが、対戦国に対する最大の敬意だと私は思います。まあ日本のゴール裏サポーターのことですから、そんなことは私なんかが言わなくても重々承知の方ばかりだと思いますけど・・・。
さて、ジーコ監督が中村、高原選手の先発起用がないことを言明した件についてですが、私は特に問題とは思いません。まあ、本当は練習を見てコンディションをチェックしてから起用を考えればいいのにとは思わなくもありませんが、ジーコ監督はもともとそういうことをするタイプではない。
あらかじめ自分の中で先発メンバーを決めて、彼らに対する信頼を全力で表明する。それによって彼らの「信頼にこたえよう」というパワーを最大限引き出す、というやり方。「家族観マネージメント」。したがって、この時期に先発を考えていてもなにも不思議はないです。そしてそういう状態ですから、聞かれれば答えてしまう。これもいつもどおりですね。
ちなみに高原選手の「先発でなければ帰りたくない」は、ジーコ監督のこの発言を受けてのことでは「ない」ですね。2得点した試合の後のことですから「それぐらい状態はいい、意気込みもある」と言っているだけだと思います。それをジーコ発言を「受けて」のもののように書くやり方がいやらしい(笑)。
「これでは海外組のモチベーションが下がる」という声もありますが、それは1年前(の国内組)もアジアカップでも同じことですね。サブに回る選手は、事前にサブと決まっている。それでも腐らずにチームに貢献しなくてはならない、と言うのがジーコジャパンです。2月のオマーン戦ではそれに失敗した。そして、雰囲気のいい「家族」になってきた今ならば、国内組がサブの場合は、それができているわけです。
今回は中村や高原もまた「家族」の一員になっているはず。彼らの発言がまた大きく取り上げられていますが、それもスポーツ新聞が騒いでいるだけで、ジーコ監督と目を見て話せば問題なく納得できることと思いますよ。そして、これは結果的には、スタメン予定の選手たちを振るい立たせる強烈な「信頼の証」になったはずです。彼らのパフォーマンスに期待したいですね。
最後に、いつも前向きな中澤選手の発言。
(ジーコが国内組をスタメンにすると言ったが)うれしいです。国内組はみんなモチベーションが高い。宮崎合宿からみな頑張っている。昨年から見ても気持ちの上でとても充実している。今のチームの状況は、みんないつもリラックスしている。特に力が入っている選手はいない。明日からどう変わるか分からないが、うまくコントロールしていきたい。自分自身もあまり深刻になるのは好きじゃないので、ワイワイやろうと努めている。国内組で作った雰囲気を海外組に違和感なく伝えられればいい。
今の国内組はアジアカップやキリンカップで苦しい戦いをこなしているので、プレッシャーには負けないと思う。このメンバーでやれる期待が大きい。相手がどこだろうと、勝ち点3を取る。
ものすごく雰囲気がよさそうですね。とても頼もしいです。この「家族」としての力を結晶し、油断せず、引き締めて、明日は是非勝ち点3を上げて欲しいと思います。
それではまた。
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