« バーレーンはそれほど組織的? | トップページ | 日本にもボスマン判決の波が! »


January 20, 2005

北朝鮮ってどんなチーム?

untitile01だんだん北朝鮮戦が近づいてきました。なかなか情報の少ない、われわれにはうかがい知れないチームであったりもするわけですが、各所で出てきた情報を整理しておきたいと思います。





・北朝鮮代表は、W杯1次予選直前に「4・25体育団」という単独チーム中心の編成になったらしい。
・「4・25体育団」は、軍管轄のチーム。
・元スター選手のユン・ジョンス監督が率いる。
・日本から、李漢宰(リ・ハンジュ/広島)、安英学(アン・ヨンハ/新潟→名古屋)の二人が加わっている。
・W杯1次予選では、グループ5(UAE、イエメン、タイと同組)。3勝2分け1敗でトップ通過。

■1次予選での成績

2004/02/18 △1-1 vs イエメン (アウェー)
2004/03/31 △0-0 vs UAE (ホーム)
2004/06/09 ○4-1 vs タイ (アウェー)
2004/09/08 ○4-0 vs タイ (ホーム) ・・・アン・ヨンハ2得点
2004/10/13 ○1-0 vs イエメン (ホーム)
2004/11/17 ●0-1 vs UAE (アウェー)

さて、サッカーダイジェスト767号に慎武宏氏の北朝鮮レポートがあります。その中で、北朝鮮サッカー協会のアシスタント・ゼネラルセクレタリーのリ・ガンホン氏が、北朝鮮のサッカーの特徴を話しています。

朝鮮サッカーの特徴は、スピードと機動力。代表もその伝統を受け継いでいるが、国内では3-5-2を採用するチームが多い中、現代表は4-4-2を基本システムにしている。守備ラインは深く、中盤はダイヤモンド型で、サイド攻撃で相手を崩していくオーソドックスなサッカーです。どちらかというと、カウンターよりもしっかりパスをつないでゲームを組み立てるスタイルです。

とのこと。ただサッカーマガジン1010号では前大韓協会技術委員長のイ・ヨンス氏が、「北朝鮮の伝統的なスタイルはカウンターサッカーです」と語っています。カウンターかつなぐサッカーなのか?イメージ的には後者のような気がしますね。以前にもご紹介したこちらでは、

朝鮮サッカーとは体力をベースとした、全員攻撃・全員守備を身上とするもの

ユン監督は「ロングボール、カウンターがベースのイングランドスタイルを加味している」

とのことですが・・・。

中心的な選手とフォーメーションはこのような感じのようです。

northkorea

注目選手は、2トップのホン・ヨンジュとキム・ヨンス。1次予選で4得点のホン・ヨンジュがポストプレーヤーで、キム・ヨンスがスピードのある選手らしいです。そして、こちらでもふれられていたボランチのキム・ヨンジュン。視野が広く、的確な配給をするようですね。

そして、Jリーガーの李漢宰(リ・ハンジェ)と安英学(アン・ヨンハ)。クラブではどちらかといえば守備的な位置でプレーする二人ですが、こちらのインタビューによると、代表ではトップ下と中盤左サイドを担い、攻撃面でのプレーを求められているようです。リ・ハンジェがトップ下で「得点を挙げることと、前線へのパスやコンビネーションを」、そしてアン・ヨンハが左サイドで、「左からのクロスというよりも、中へ切れ込んでのシュートを」ということのよう。

ポイントはぜんたいに小柄なチームであるらしいこと。2トップがそれぞれ175センチ(ホン・ヨンジョ)、171センチ(キム・ヨンス)、日本ゴール前の制空権は問題なさそうです。中澤がどんなボールでもはじき返してくれるでしょう。そのほかにも、キム・ヨンジュン(180センチ)をのぞくと、小柄な選手が多いということなので、アジアカップ優勝の原動力でもあった「中村の左足から中澤、福西、鈴木などが合わせるセットプレー」が、てきめんに威力を発揮できるかもしれませんね。

もちろん、北朝鮮がどうくるかということ以上に大事なのが、日本がどれだけしっかりと準備をできるか、ということですね。日本ではJ開幕前ということもあり、コンディションの問題があります。そして直前合流となる海外組との連携の問題も。しかし、その部分のチーム・マネジメントについては、現時点ではもう選手も現行のやり方に十分慣れているでしょうから、それで上手くいくことを期待したいと思います。

そしてさらに、もうひとつ重要なことがありますね。守ってカウンター、というチームと対戦するときに一番問題になってくるのは、無得点で過ぎていく中でのあせりです。あせればあせるほど、自分で自分を追い詰めてしまう。そしてそれも、昨年のアジアカップや1次予選の経験を通して、選手は対処法を見つけていますね。「いいサッカーができなくても、最後に勝てばいいんだ」という落ち着きは、頼もしい限りです。

油断はいけませんが、まずは平常心で、昨年のやり方をしっかりと再び発揮することが重要ですね。それさえできれば、よい結果が必ずついてくると思います。

それではまた。

08:13 PM [ジーコジャパン・最終予選] | 固定リンク

トラックバック

この記事のトラックバックURL:

この記事へのトラックバック一覧です: 北朝鮮ってどんなチーム?:

コメント

コメントはBBSの方へお願いします。