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December 31, 2004

よいお年を

V6010012いよいよ明日はもう新年、天皇杯決勝ですね。皆様いかがお過ごしでしょうか。

さて、今年も年末恒例(?)の、「2004超激論バトル!朝まで日本サッカー応援宣言!」なる番組があったようです。例年出演者の皆さんの意見に納得できないことも多く(笑)、見たことがないのですが、今年もそんな感じでしょうか。一応ハードディスクに勝手に録画されているんですが、「サッカーのある幸せ」「気ままに代表ブランク」「Looseblog」さんのすばらしくまとまった感想を読んだほうがためになるかな(笑)。

もう一つ、年末に驚くべきニュースが飛び込んできました。

先日、あのレアル・マドリーが強化部長にアリーゴ・サッキ氏を迎えただけでも驚いたのですが、今度はバンデルレイ・ルシェンブルゴ氏(ブラジル)の新監督就任が正式に決まったとのこと。ゾーン・プレスを創始した戦術家サッキ氏と、ブラジル代表を率いた「ブラジルきっての戦術派監督」が、あの「戦術よりもスーパースター」というレアル・マドリーでどのようなサッカーを見せるのか。

ロベルト・カルロスはさっそく歓迎のコメントをよせています。

ルシェンブルゴが監督なら本当のサッカーができる。

それはスゴイ(笑)。果たして大きな方針の転換があるのか。これは興味深いことになりましたね。

ところで、今年はこれが最後の更新になりますので、年末のご挨拶をさせていただきたいと思います。

みなさま、今年は本当にお世話になりました。
サッカー的にも、全国的にも、世界的にも、なんとも大変な一年でしたね。
個人的には、みなさまとこうして知り合えるなど、収穫の多い一年でした。
来年は世界的に平和な、災害のない一年になること、そしてみなさまにとってよい年になることをお祈りします。

よいお年をお迎えください。それではまた。

02:15 PM [ご挨拶] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (1) |

December 27, 2004

クリンスマン監督談話

nanten街はとても混んでいましたね。飲食店によると、「今年のクリスマスは長くてよかった」とのことです。23から26までクリスマスディナーが取れたとのこと。まあ景気に貢献してくれたら何よりですが(笑)。

さて、こちらにアジアツアーを終えたクリンスマン監督の談話が出ていますね。若手への切り替え、サッカースタイルの変更、模索、それらが上手く行っているという認識が、誇らしげに語られています。その中でも私が興味を引かれたのは次の一節でした。

大切なのは、選手たちが『すべての約束ごとはチームのためだ』と、私たちの哲学を理解した上で発展していくことだ。積極的、刺激的な攻撃を展開するという、指導陣のアイデアを自ら体得してほしい。

ここで、指導する側が「指導陣」「私たち」と複数形で語られているところが、私には印象深かったですね。ご存知のようにクリンスマン監督は、監督をするのが始めての方です。にもかかわらずチーム変革を成し遂げつつあるわけですが、それはこの「指導陣」「私たち」という言葉にあるように、複数の意思、考えをつむぎ上げた上でなされていることではないか、と思うのです。

ドイツでは、こちらにあるように、サッカー選手の育成から国を挙げて改革しようとしていますね(リンクはアマゾンアフェリエイトです)。この中では、ユース年代から「ボールを中心とした守備」を教えていったりしているわけですが、このような国内の取り組み、知識の集成が、代表チームの「指導陣」に取り入れられ、反映されていっている。そしてそれが、あのドイツ代表の、変革の進んだモダンサッカーに現れている。そういう状態にあるのではないか、と私は思いました。

追記:ここまで、湯浅さんのこのインタビューを読まずに書いたのですが、今日見てみたらその通りのことが書いてありますね。興味深いことです。

思えばこれまでにも、監督経験がなく代表監督になり成功した方々はいくらかはいるのですが、それはこの場合のように、自らが監督する国と同国人であり、 「国内のサッカー界の考え方、取り組みの集成を利用できる、あるいはその先端にいることができる」人々だった場合が多いのではないかと思います。

さて、ジーコ監督はもちろん日本人ではありませんが、Jリーグでプレーし、さらに日本サッカーに長くかかわり、半分以上「日本サッカー人」であると言ってもいいと思います。上に書いたような「日本サッカー界の考え方、取り組みの集成」を利用しているか、あるいはその先端にいることができれば、ジーコ監督もこれからさらに成功することができるかもしれません。

ところで、また悲しい災害のニュースが飛び込んできたわけなんですが、サッカー選手も影響を受けているようですね。イタリア代表のそうそうたる面子の名前が出ています。

選手たちの無事を祈りつつ、被害を受けた皆様には心よりお見舞いを申し上げます。

それではまた。

08:32 PM [サッカー] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0) |

December 24, 2004

SO THIS IS CHRISTMAS・・・

christmasドイツW杯アジア最終予選初戦、北朝鮮戦直前の強化試合、カザフスタン戦、シリア戦に向けた合宿に参加する日本代表メンバー23人が発表になりました。

目新しいところでは、新潟とのチャリティーマッチにも参加した中盤の阿部選手(市原)が収集されており、そして怪我から回復途中で、所属の浦和レッズでも短時間ながら出場を果たした坪井選手、同じく怪我でしばらく代表から離れていた久保選手といったあたりが、再びメンバーに名を連ねています。

この23人に、欧州組の7人(小野、中村、中田英、稲本、高原、柳沢、大久保)を加えたところで、北朝鮮戦は戦っていくのでしょう。基本的にはアジア杯を制したメンバーが中心になる。対アジアの最終予選を考えた場合には、これはきわめてロジカルな選考だと思います。

この時期に発表したということは、これからオフを迎える(もう迎えた)選手たちに対して、「君たちの始動は、1月17日だよ」「オフの過ごし方を考えておくように」というメッセージということでしょう。そういう意味で久保、坪井といった選手たちも、メンバー入りということになったのだと思います。

ただ、久保は「1月19日にリハビリ再開」という状態らしく、無理はできそうにないですね。それでも「君たちもファミリーなんだよ」と伝えておくことは意味があるともいえそうです。

小野は、やはり手術ということになったようです。北朝鮮戦も大事ですが、サッカー人生はまだまだ長いわけで、じっくりと治して欲しいですね。

そして、稲本はウエストブロミッジから2部カーディフに1ヶ月の期限付き移籍が決定したとのこと。これで出場試合数が増えれば、北朝鮮戦へ向けて試合勘を取り戻すには、よいことのように思います。

さらに、パラグアイのグアラニに行っていた福田健二選手ですが、メキシコリーグのパチューカに期限付きで移籍らしいですね。欧州に比べて情報が少ないですが、こういう海外で活躍する選手が増えていくのはうれしいです。

応援してくれる皆様に少しでも良いニュースが届けられるようにがむしゃらにやります

コメントも福田らしい(笑)。

世界はクリスマス。戦争もお休みになる日です。こんな日は、敵も味方も関係なく、世界中のサッカー選手の活躍と、あらゆるサッカーファンの幸せを願いたいですね。

Happy christmas!

それではまた。

04:40 PM [サッカー] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0) |

December 20, 2004

目を向ける高さ

ドイツ戦において大変残念だったのが、日本が中盤で完全に劣勢に立っていたことです。そして、格上と戦うときの日本の生命線と考えられたプレッシングも、機能していませんでした。なぜこのようなことが起こったのでしょう。

それを考えようとした時、脳裏に一つの言葉が浮かびました。

若い、技術のある選手を、戦う戦士にしたこと

これは、日本サッカー協会の岡野前会長が、当時のトルシェ監督のどこを評価するか、と言われて答えたことです。てっきり戦術とかコンセプトとかモダンサッカーとか、そういう言葉が出てくるものと思っていた自分は少し意外に思い、そしてしばらくしてから深く得心したものでした。

就任当初から、前監督はメンタル面の強さの必要を説いていましたが、同時に「フィジカル・コンタクトを避けるな」ということも言い続けていましたね。練習では監督自らが選手に体当たりし、まるで格闘のようにフィジカル・コンタクトへの耐性、積極的な姿勢を身につけさせていきました。

フィジカル・コンタクトというと、日本人には苦手なものという意識が強く、体格差があってはそれは仕方がないものと受け止められてきました。しかし、中田英寿選手が欧州に渡ってセリエAにいるオランダやスウェーデンの大男(笑)たちと互角に遣り合っているのを見て、少し認識を改める必要が出てきました。それは「フィジカル・コンタクトも技術」なのだということ、そしてそれは意識やトレーニング、慣れなどによって改善できることだ、ということです。

実際、(トルシェ監督自身が敗因をフィジカルに求めてしまった)サンドニの後、その反省もあって、日本はフィジカル・コンタクトを避けない、深く体を入れ、最後の瞬間まで体を張るプレスを身につけました。そして迎えたコンフェデレーションズカップ、日本は以前よりもコンパクトを徹底したDFラインに加え、ハードなフィジカルコンタクトを含むプレスで、あの身体能力の高いカメルーンにも互角に戦い、決勝以外無失点で終わることができましたね。

それはW杯でも続き、体格面では先日のドイツとほぼ同等のベルギー、ロシアにも、フィジカル・コンタクトで負けず、ハードなプレスでボールを奪うことに成功していました。それは体格の問題ではなく、「苦手」という問題でもなく、プレスの連動性を体に染みこませておくことと、そして選手が「戦う」姿勢をどれだけ持っているか、ということによるものだと思います。

先日のドイツ戦、実は試合内容はシンガポール戦よりもよかった、と私は思います。これまでよりも、選手が前方へプレスをかけ、何とか高い位置で奪おうという意識は出ていました。しかし、この1年、高い位置でのプレスをあまり実行してきていない現代表は、それを上手く機能させることができず、プレスをかいくぐられ、ボールを動かされていってしまいましたね。

germanpress3これには二つの原因があると思います。一つは、やはり全体の連動性、そして小笠原が言うように、最終ラインの押上げなどが足りなかったこと。それによってコンパクトにできず、選手間の距離が離れ、プレスの密度が低下して行ってしまったことが、一つ目の原因でしょう。「プレスの連動性」とは、プレスにかかる2、3人だけのことではありません。1stプレスがかわされてしまったらどうするか、次へのパスコースは誰が切るか、次に展開されたら今度は誰がプレスに行くか、そのためにポジショニングはどうあるべきか、それをチーム全体で意識として共有していなくてはなりません。

しかし、それは選手間の話し合いではなかなか形にすることはさすがに難しく、ジーコ監督の指導下ではプレスの効いていた試合はあまり見られませんでしたね。

もう一つの原因は、やはり最初に書いたような「ハードなフィジカル・コンタクトへの意識」そしてその際の「戦う気持ち」という点でしょう。プレスに行くなら、体を張る。深く差し込み、ファウルになってもいいから相手を止める。それによって、少しでも相手を不自由にさせれば、一緒に囲んでいる仲間がボールを奪える。そういう意識、「不退転の決意(デターミネーション)」とでもいうようなもの。それがドイツ戦の、特に後半の日本代表には欠けていたのではないか、と思います。

加茂監督の頃の日本代表も「プレッシングサッカー」を標榜していましたが、確かイングランドでのアンブロカップ(イングランド、ブラジル、スウェーデンと対戦)の後あたりに、「プレスにいったらファウルを取られてもいいから体を張る」、そうすれば、「日本のプレスはブラジル以外には通用した」と選手が語っていたことがあります。かつての日本代表も、そういう教訓から学んでいたし、そしてそれをできていたのです。あの激しいサッカーをいつもやっているイングランド、大男ぞろいのスウェーデン相手にですね。その頃よりも能力の向上した今の代表選手に、できないわけはありません。

サンドニの後の2001年FIFAコンフェデレーションズカップ、日本はフル代表レベルのFIFA主催大会では初めて、準優勝という結果を残しました。その時に、服部選手が、実にいいことを言ってくれています。

(コンフェデ杯での結果のことを)少しでも気持ちのどこかで『良かった』なんて思うなら、本当に痛い目にあうだろうね。

残り一年は、修羅場を自分たちの心の中に、それとチームに、小さなワンプレーごとに刻んでいかないとならないんじゃないかな。チームとして。個人として。ここでボールを止めとけばよかった、思い切り体を張っておけば、シュートしておけば。そういう小さな、見ている人にも、もしかすると他の選手にもわかんないことが目前で起きたとき、どれに対しても、やりきらないといけない。

これを、心に持っていることができるかできないか。「いつもこころにサンドニを」あるいは、「いつもこころに2004・12・16を」持っていられるかどうか。それができれば、ドイツやベルギー、ロシアやカメルーンのフィジカルも恐れることはないはずです。

ドイツ戦では、そうした意識が希薄なように感じ、私はややさびしい思いをしました。そして、試合後の会見でも、

どれだけミスを少なくして、強い相手と戦うか、というのが今日の収穫だった。(三都主)

口々に「ミス」が問題だと口にする選手たち・・・。もちろん、それは大事なことと思いますが、同時に積極的なプレス、相手を恐れずにぶつかって行く「戦う気持ち」も、今よりももっともっと、持って欲しい。それをこそ、ドイツ戦の教訓として欲しい、と私は思うのです。まだまだ日本はチャレンジャー、何かを恐れて戦うよりも、前を向いて上を向いて進んでいって欲しいではありませんか。

それではまた。

03:46 PM [ジーコジャパン・考察] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0) |

December 19, 2004

悔しい&心配なニュース

V6010003なんと、韓国は3-1でドイツに勝ってしまったようです。ちょっと、いやかなり、いやとても悔しいですね(写真は日本vsドイツ戦のドイツサポが国旗を広げているところ)。

コンディションや組織の充実度、モチベーションそのほか、いろいろな要因があるでしょうから、一概には比べられませんが、やっぱり永遠のライバルにいい結果を残されると、うれしくはないですね。

うわさによると、ドイツはこんな具合だったようですね?

-----クローゼ----クラニー------
---------バラック----------
シュバインシュタイガー------シュナイダー
---------エルンスト---------
ラーム--ヴェアンス--フリードリヒ--ヒンケル
---------カーン-----------

クラニーやラームやヒンケルといった、UEFAカップのために日本戦を欠場したシュツットガルト組も、出場しているようですね。時間がたって、日本戦に来ていたメンバーの時差ぼけは解消してきているかもしれませんが、日本戦を終えて深夜に韓国入り、中二日で試合、ということで、メインメンバーのコンディションは低下しているに違いありません。それが大きく影響しているのでしょう。きっとそうだ。そうに決まっています。

ただ、前回も書きましたが、日本戦でもドイツは初代表3人、19歳のポドルスキーや20歳のメルテザッカーを起用した上に3トップを「試す」という「明日のために」モードだったのであって、けして完成度の高いチームだったわけではありませんね。クリンスマン監督になって4試合消化しただけの、まだまだこれから、発展途上のチームでした。そういう意味では、未完成のドイツに対して、韓国がこのような結果を出すのは不思議ではありません。ありませんが、イヤな気分ですね(笑)。

韓国はこんな感じでしょうか?(数字は年齢)

-----------イ・ドング(25)-----------       
キム・ドンヒョン(24)-------------チャ・ドゥリ(24)      
----------キム・ドヒョン(22)-----------
キム・ドンジン(22)------------パク・キュソン(23)
----------キム・サンシク(28)----------
-パク・チェホン(26)-キム・ジンギュ(19)-パク・ドンヒョク(25)-
-----------イ・ウンジェ(31)-----------

こちらも日本と同じく海外組はほとんど呼んでいないのですね。国内組、若手が多いチームのようです。試合展開は、

金東進(キム・ドンジン/ソウル)が先制ゴール、李東国(イ・ドングク/光州)が勝ち越しゴール、チョ・ジェジン(清水)が駄目押しゴールを決め、バラックのFKで反撃したドイツを3-1で下した。

というものだったようです。うーん、見てみたいですね~ホントに。ちなみにドイツ代表クリンスマン監督は、

 3日前に戦った日本との比較については「ジーコとボンフレールがそれぞれやっていることだし、それについてのコメントは避けたい」と心配り(?)をしていた。

とのことで、これはプロの監督同士では当たり前のコメントですね。しかし、ますます「うかうかしていられない」感が強まってきました。日本も危機感を持って、さらにさらに向上していきたいですね。

ところで、もう一つイヤなニュースが飛び込んできました。小野が冬季中断中に足首の古傷の手術をするだろう、というのです。北朝鮮戦出場は微妙だろう、とのこと。いまや日本代表の要ともいえる小野の怪我、とてもとても心配ですね。

私は2月の北朝鮮戦はあまり不安視していないのですが(ホームですし)、代表うんぬん以前に、小野にはプレーヤーとして、一人の人として、怪我を早く治して欲しい気持ちでいっぱいです。

月曜から楽しくない記事でイヤですね。うーん。それではまた。

11:41 PM [ニュース] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0) |

December 17, 2004

明日につながるサッカー

germanこれまで一度も対戦したことのないサッカー大国ドイツ。初めての対戦は0-3の敗北に終わりました(写真はドイツサポーター越しに見える日本代表巨大ユニフォーム・・・のはず)。

ところで、今日のドイツは「ドイツらしかった」でしょうか?

スタジアムで観戦してまいりました。寒かったです(笑)。そして、冒頭の疑問がよぎりました。いわゆる根性やゲルマンスピリッツ、走り回る体力サッカー、フィジカルの優位性を押し出すサッカー(まあステレオタイプな見方すぎますけどね)、そういうものを感じました?

最近のドイツが全体としてそういう方向にない、と言うことなのだと思うのですが、それにしてもクローゼのヘッドでの得点がない、ということが、何かを示しているような感じがします。もっと単純に放り込まれた方が、日本としてはイヤだったんじゃないでしょうか。

慣れ親しんだ得意なやり方をしているのではない。昨日のドイツは・・・「先を見据えてこれをやってるんだ」・・・とでも言うようなものを、すごく感じたんですね。いわば「明日のために今日を使う」ということでしょうか。先日のシンガポールにも(レベルこそ違え)似たものを感じました。私たちよりも先を行くドイツでも、EUROの成績を受けて、さらに明日のために努力をしているんですね。うかうかしていられませんね。

ドイツはロングボールは少なく、まあぽんぽんとダイレクトでよくつなぐこと。ダイレクトでパスをはたけるところへ選手が必ず動いているんですね。なんとも組織的な攻撃です。ただ、ドイツは3トップで来ました。しかも両サイドバックが新顔。こういう場合、連携ができていないとサイドが渋滞します。それもあり、あんまりサイド攻撃が機能していないように見えました。ぽんぽんとつなぐ割に、それほどサイドをえぐるわけではない。

german2そして、かつてのドイツらしくなかったところといえば、もう一つ、やたらとコンパクト志向のディフェンスライン。妙に4バックを高く上げてみて、コンパクトフィールドでプレスをかけてみて、その中でダイレクトでパスまわしてみて。カチッ、カチッと音がするようなサッカー。難しいことをしているわけじゃない、ただ正確にやっているだけ、そして正しいことをやっているだけ。動くべきスペースに動いて、そこへパスをダイレクトで送り込む。それだけ。まあ正確だけど、個のファンタジーではないって言う意味ではドイツっぽいと言えるでしょうか(笑)。

前半はいろいろな要因が重なって(ゴールの中からのクリアが何度も!アジアカップを思い出しましたね!)、0-0で終えられました。

後半は楢崎のファンブルでの1点目が、不運だったともいえるでしょう。そこから、ドイツがペースダウンしたこともあって、日本はまあまあ攻めに出て、相手陣内でプレーすることも増えていきましたね。しかし、もちろんそうなるとカウンターを食らう危険も増えるわけで、2点目、3点目ともカウンターから。日本のDF、中盤の戻りの遅さ、カバーすべきスペースの共通意識の薄さが出てしまいましたね。まあ、急増のDFラインですからこんなものでしょう。

日本の攻撃は、これが意外と「飛び出し」や「走りこみ」はありましたね。で、ちょっと「ためた」(例えば)小笠原からそこへパスが通ってチャンスになったりしている。まさにプチ・ブラジルテイストとでもいうか。じっくりボールをまわして、隙ができたら「感じあって」そこをつくという。まあブラジルほどの個人技、決定力がないというだけ。それでも思ったよりもちょっとチャンスの数は多かったと思います。

この、コンパクトフィールドでダイレクトのパスをつなぐ現代欧州スタイルのドイツと、一人一人がちょっと持って、それを感じて周りが動き出す、ブラジルスタイルの日本の対比は、なんとも興味深いものでした。数年前は日本が今日のドイツのようなサッカーの方向を志向していただけに、なおさらコントラストがくっきりしましたね。

もう一つの別のポイントは「明日のために今日を使っている」ドイツ、というところでしょうか。こちらは、日本もコントラストを描くのではなくて、是非同じく「今日の試合を明日につなげる」ようにして欲しいですね。

まずは第1弾の雑感でした。またビデオを見直して、詳しいことを後日に書きます。

それではまた。

02:02 AM [ジーコジャパン・親善試合] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (4) |

December 16, 2004

ザスパ草津!&ドイツ代表戦

今日(もう昨日か)は、すばらしいアップセットを見せてもらいました。ザスパ草津が横浜Fマリノスを、退場選手を出し9人になりながら、延長で破ってしまったのです。とても驚き、そして感動しました(しかし、いい写真ですね・笑)。

横浜Fマリノスはチャンピオンシップを戦い抜いた後で、しかも代表に中澤、松田が招集され(結局二人とも代表の試合にも出られないコンディションのようですが)、サブが主体のメンバー。その疲労とコンビネーション不足もあって、序盤からなかなか試合のペースをつかめない状態で、前半29分にザスパのハンサムなFW、宮川大輔に得点を決められてしまいます。

後半になると、もちろんFマリノスが攻勢を強め、ザスパ草津がしっかりと守ってカウンターという展開に。交代出場したザスパ草津の佐藤が見事に抜け出したのをペナルティエリア内で引っ掛けられ、「あわやPK!」というシーンもありましたが、主審は取りませんでした。私は主審の判定には、どちらかというと異議をさしはさみたくない方なのですが、この試合では他にもかなり疑問の残る判定がありました。そのせいもあって、試合は荒れ模様となっていきます。

そして後半29分、中盤でテクニックを生かしてアクセントをつけていた山口貴之選手が、2枚目のイエローで退場になってしまいます。さすがにこれでは防戦一方にならざるを得ないザスパ草津。それでもよく耐えていましたが、38分、Fマリノスから見て左サイドにポイントを作られたあと、奥選手にミドルシュートを決められて、とうとう追いつかれてしまいました。

そこから崩れるかと思いきや、ザスパはすばらしい精神力で持ちこたえていました。が、後半40分さらにザスパDF籾谷が2枚目のイエローカードで退場になってしまいました。なんてことないショルダーチャージに見えたんですけどねえ・・・。籾谷選手、ピッチサイドで本当に泣いていました。なんと言っていいやら・・・。

試合はそのまま延長に突入。ひざを痛めていたGK小島選手は、足を引きずりながら再三好セーブを見せます。アンブロカップのブラジル戦のころから大好きなGKなんですが、この姿には本当に涙が出てきました。

延長に入るとき、ザスパの植木監督は、4バックとキャプテン鳥居塚選手の5人には「上がるな」と指示したそうです。ところがすごいことに、その5人を除いた3人はむしろカウンターのときに積極的に上がるようになって来ました。前半から必死に守備に奔走し、さらに9人になって走りまくり、そういうチームが延長に入って、カウンター時にあれだけ上がってくる。すごいです。

もちろん基本的には、Fマリノスがボールをもち、攻撃をしています。ところがザスパ草津の何度目かのカウンター、Fマリノスは自陣左サイドでファウルを犯してしまいます。ザスパ草津から見て右サイドからのFK、いったん壁に当たったことで、ゴール前でマークしていたFマリノスDF陣の集中がふっと緩んだでしょうか。もう一度あげなおしたクロスを依田選手がヘディングシュート、それがDFに当たったこぼれがまた依田選手の足元へ、それを再びシュート!タイミングをはずされた榎本(哲也のほう)の脇をするすると抜けて、ボールはゴールに転がり込んでいきました。

判官びいきの日本人ですし、9人になって必死に戦っているザスパを見たら、どうしてもこころから応援してしまいました。そして、このVゴールには本当に感動しました。小島さんは、「9人なら戦術なんてない。気持ちだけだった」とのこと。本当ですよね。そしてそれがどんなに大事か、再び教えてもらいました。

もちろん天皇杯の次の試合はあるのですが、今日だけはザスパ草津に本当におめでとうと言いたいです。お疲れさまでした。いい物を見せてもらいました。

さて、今日はもうドイツ代表戦ですね。選手がそろわないので4バックということになるようですが、先発はこんな感じでしょうか。


----鈴木--高原----
--小笠原-----藤田--
---稲本----福西---
三都主-田中--茶野--加地
------楢崎------

見所としてはやはり稲本の復帰後のパフォーマンスを確認したいというところです。それと、個人的には、鈴木のポストプレーがドイツのDFにどれだけ通用するかも見てみたい気がします。

ちなみにドイツは、こんなチームで来日のようです。格上を迎えると自然にモチベーションも上がり、「やってやろう!」という気になれるものですね。シンガポール戦ではちょっとピリッとしないプレーをしてしまった選手たちも、今日はいい試合を見せてくれるのではないかと期待します。そして、初めての対戦となる2002年準優勝国に、泡を食わせてやりましょう。

それではまた。

03:14 AM [Jリーグ] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (2) |

December 14, 2004

最後のチャンピオンシップ(2)

チャンピオンシップ第2戦、浦和はどのように攻めに変化をつけてくるのか。そして、横浜はどのように受けて立つのか、興味は尽きませんでした。


■ノンコンパクトを強要された2戦目前半の横浜Fマリノス

浦和の変化は、まず布陣に現れましたね。

---エメ--永井---
三都主--山田---平川
---鈴木--長谷部--
-ネネ-闘莉王-アルパイ-
-----山岸-----

1戦目での3トップから、ガンバ戦でもやったように山田をトップ下へ、そして右に平川を入れてきました。田中達也の調子が今ひとつということもあったでしょうし、左右アウトサイドともに攻撃的に行くという意思表示だったかもしれません。

compact4.5前半のレッズはこれに加え、左右のアウトサイドを高めに位置させ、そこへロングボールやサイドチェンジ気味のパスを送り込むという戦略を取ってきました。これは、1戦目の横浜FMのやってきたことを反対にしたわけです(笑)。横浜FM守備陣がラインコントロールでオフサイドゾーンに浦和FWを追いやっても、後ろから走りこんでくるアウトサイドの選手はオフサイドにならないでボールを受けられます。

これによって、2戦目立ち上がり、サイド深くに基点を作られた横浜FMはラインを下げさせられ、コンパクトゾーンを保つことができなくなりました。

浦和はホームの声援の後押しもあり、序盤から飛ばして来ましたが、その勢いだけではなく横浜FM は、こうした「コンパクトの奪い合い」でも主導権を握られていたため、プレスもかけられなかったわけです。また、浦和の左右が高い位置で攻撃参加するため、ドゥトラも隼磨もそれへの対応に追われ、位置取りが低くなってしまっていました。それによって、横浜FMは押し返すことがなかなかできなくなりました。

ここで得られた多くのCKやFK、しかし浦和はなかなか決めることができませんでしたね。ここで得点が奪えていれば、試合展開はまったく違ったことでしょう。


■再びコンパクトを取り戻す前への意識

後半になって横浜FMは、前へ前へとFWやMFがプレスに行く姿勢を取り戻しました。同時に浦和は、パスをつないだり、ドリブルを多く用いたりする攻撃をしはじめました。どちらかといえばこの方が「浦和らしい」(笑)のですが、横浜FMが勢いを取り戻したのとあいまって、逆にプレスに引っかかることも増えてきました。そうなってくると、横浜FMディフェンス陣も、ふたたびラインコントロールに自信を持てるようになり、どんどん押し上げていけるようになって来ました。

offside2ここで重要なのは、横浜がやっているのはオフサイド「トラップ」ではないということです。プレスの状態によってラインを上下動させ、「オフサイドラインを利用してFWの動きを制限する」ということなんですね。さらには、敵MFがボールを持ってFWにパスしようとすると、FWがオフサイドポジションにいるために前方へのパスが出せなくなる。選択肢が制限され、そこで躊躇していると、囲まれ、奪われてしまう(左図)。敵の攻撃をスローダウンさせ、選択肢を奪い、プレスを強化することが重要で、「オフサイドを取ることが目的」ではないですから、オフサイドの数は重要ではないのですね。

さて、浦和の戦略は「前半ロングボールでラインを下げさせておいて、後半からうちらしい攻撃をしよう」というものだったのでしょうか?しかし、横浜FMの守備陣は、いったん下げさせられ、ノンコンパクトを強要された状態からでも、そこからまた押し上げていける共通理解がありました。そうして後半は、コンパクトフィールドでのプレスができるようになったわけです。


■退場と失点

互いに何度もカウンターからゴール前でのチャンスを迎えたあとの74分、やはりカウンターで田中達からエメルソンへパスが通ったところを中西が倒したという判定で一発レッド。そしてそこからのFKで失点。さらに横浜FMは残りの時間を10人で戦わなくてはならなくなりました。しかし、この日のように守備陣に集中力があり、組織も崩れていなくてしっかりと対応できているときは、えてして数的不利になってもそれほど影響がないものです。

それにしても横浜FMの選手たちの落ち着きは見事でした。退場があり、続いて失点、という局面では、選手たちの心理が不安定になっても仕方がないものです。しかし、経験豊富な選手たちは、慌てず騒がず、それまでと同じように対処、むしろ数的有利となった浦和が個人勝負に出たり、オフザボールでの動きがやや緩慢になったりで、攻めあぐねる状態が目立ってきました。

そしてそのまま延長突入、どちらもカウンターからのチャンスを迎えるも、得点はなくタイムアップ。PK戦もいろいろと駆け引きがあり、とても楽しめましたね。しかし最後は、さまざまな局面で「一日の長」を感じさせた横浜FマリノスがPK戦を制しました。

さて、1戦目と2戦目で、見事に「コンパクトの奪い合い」が流れを変えるところを見せてもらい、そこが興味深かったのでこのような考察をしましたが、もちろん、これだけが勝負を決したわけではありません。サッカーにはメンタル、フィジカル、戦術面、さまざまな要素があり、そのどれもが大事なのだと思います。そのちょっとの差が、昨日の勝敗を分けたのでしょうね。

個人的にもう一つ感慨深かったのはこの2試合が実に「激しい」ものとなったことです。ボール際での攻防、そこでぶつかりあい、倒される選手たち。かなり以前には「日本ではちょっと転んだだけですぐにファウルを取ってもらえる」という状態だったのが、ここ数年、だいぶ変わってきたように思います。これなら、あたりの激しい中東勢と試合をするときにも、戸惑わなくてすむでしょうね。個人的にはよいことと思いました。

もう一つの「最後」トヨタカップは「つまらなかった」という声が多いのですね。そうかなあ(笑)。一方のチームがちょっと引きすぎというところは感じましたけれども、局面局面では質の高いプレーもあって、私はけっこう楽しめましたけどね。

それではまた。

02:27 PM [Jリーグ] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0) |

December 13, 2004

最後のチャンピオンシップ(1)

marinos横浜Fマリノスの年間優勝が決まりましたね。最後のチャンピオンシップを制しての年間チャンピオン、おめでとうございます。

この2試合では、Fマリノスの「老獪さ」(笑)が目立ちましたね。平均年齢の差、チャンピオンシップ出場経験の差、そして岡田監督の「自分で考えてプレーする」という指導方針など、多くのものが結実した結果でしょう。得点されても、一人少なくなっても慌てない、その精神的な部分での強さは見事でした。

逆に浦和は、監督を含めて若さ、経験の浅さが出てしまったでしょうか。しかし、ということはこれからまだまだ強くなれるということ。今は悔しいでしょうけれども、山瀬や坪井が帰ってきて、さらに経験をつむ来年以降が、浦和の本当の黄金時代の始まりになるのじゃないかと感じます。


■自分はコンパクトに、敵をノンコンパクトに

チャンピオンシップ開幕前には、「浦和の攻撃陣を横浜FMの守備がどうやって抑えるか」というところがポイントになると思われました。

これに対して、まず第1戦目、横浜FMは二つの方策を採ってきました。ひとつは、「浦和対策」というよりも、岡田監督が言うように「シーズンを通してやってきたことが、シーズンの終わりにできた」ことですが、ラインを下げ過ぎずにきちんとコントロール、中盤をコンパクトにして数的優位を保ち守りきる、ということができていたことです。

一般的には浦和の俊足攻撃陣を前にすると、ラインを引いてスペースを消すことが安全策と考えられがちですね。実際にそうして浦和のよさを相殺し、競り勝ったチームも今年のリーグ戦、カップ戦にはいくつかありました。しかし、1試合目の横浜FMの選択はそうではなかったわけです。前出の岡田監督は

Q:前半の立ち上がり、かなりアグレッシブにいったと思うが、監督からの指示があったのか

ほとんどのチームが浦和との対戦では怖がって下がってしまう。腰の引けた試合はしたくない、という意思表示のためにも前から行ってくれたのではないかと思う

このように語っています。また、エル・ゴラッソの中澤インタビューでは

守備については浦和の長所を消しながらも、ラインの上げ下げがなくては横浜FMらしさがなくなるので、必要以上に怖がらないように話し合った。チーム全体として守れたと思う。

とのことです。松田が両手を広げてラインを押し上げていくシーンがTV画面にも映っていましたね。エメルソンや田中達也が、オフサイドの網にかけられ悔しがっているのも印象に残りました(例えば前半24分、28分)。そうしてラインを高く保ち、コンパクトを徹底できたことが、選手間の距離の近さ、フォローの密度につながり、浦和の強力3トップに対して数的優位を生かした守備ができた、ひとつの要因なのですね。


■敵をノンコンパクトに

横浜FMのもう一つの策は、サイドの裏へのロングボールでした。これによって浦和のラインを押し下げ、敵のフィールドをノン・コンパクトに、ルーズにしてしまう。そうすると、浦和の持ち味の一つである「プレッシングから高い位置で奪ってカウンター」というカタチが作れなくなるわけですね。プレスの効きも悪くなり、奪えても自陣深くになる。そこからの攻撃は手数がかかりすぎ、横浜FMのプレスの網に、どうしてもかかってしまう。

compact3

自らはコンパクトにして、プレスの効きをよくする。
敵のラインをロングボールで押し下げ、ノン・コンパクトにし、プレスをかけられなくする。

この二つは、前者は中西が「この作戦は今週やってきたことではなく、1年通して積み重ねてきたこと。」と言うように、チームとしての熟成された守備戦術ですが、後者は「スペースにボールを多く蹴っていたのは監督に言われたわけじゃなくて、自分たちで考えてやった。(中澤)」という、選手が自ら考えた策であったようです。あらためて、いいチームだなあ、横浜FMは、と思わされますね。


■浦和の3トップ

1戦目の浦和の方はこの策にまんまとはまった形になってしまったのですが、これは一つには3トップという布陣にも原因があったのではないかなと思います。エメルソン、田中達、永井という3トップは全員に個人技があり、個人でも、また連動しても敵の守備をこじ開けていく力がありますね。しかし、3人ともややタイプがかぶり、変化をつけるのが得意ではないのではないでしょうか。

プレスからそのまま3トップに入れられる時はいいのですが、いったんスローダウンさせられ、さらにはフィールドもコンパクトにされていくと、どうしても構成力が十分ではなくなって来るように思います。リーグ戦ではそういう時、3人のうち一人が下がってボールを受け、そこから展開して速く攻めていく、ということもできていました。エメルソンもいいパッサーじゃん、と思わされたこともありましたね(笑)。しかし、コンパクトフィールドではそこにもプレスがかかってきます。

下がったFWが何とかボールをキープして前を向いてパスを出しても、パス出しのタイミングが単調になり、横浜FMのラインコントロールの前に、オフサイドの網に引っかかってしまっていました。であればさらに、下がったFWをおとりに使って、空いたスペースにボランチが上がっていってそこへパスを入れる、など、組織的に攻めていくやり方もできると思うのですが、第1戦の浦和は、チームとしてはまだそこが十分に意思疎通ができていなかったわけですね。

第2戦目の興味は、「浦和がどう攻めに変化をつけていくか?」ということになりました。

 

すみません、今日は時間切れでここまでです。本当は第2戦のことを書くべきタイミングなんですけど(笑)。

そうそう、トヨタカップも延長までいって最後はPK戦という大変締まった試合でした。これもフットボールの醍醐味を堪能できましたね。

続きはまた明日。それではまた。

01:07 AM [Jリーグ] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0) |

December 09, 2004

最終予選組み分け決定!

ついに最終予選の組み合わせが発表になりましたね!日本、イラン、バーレーン、北朝鮮、という組み合わせです。

イランは、言うまでもなく最大のライバルとなるでしょう。1次予選グループ1を5勝1敗で勝ち抜いてきました。ヨルダン、カタール、ラオスを倒し、22得点4失点。攻撃力はありますが、意外と失点している印象ですね。ただ、アジアカップで対戦しているということは、手の内がわかっているということでもあります。

バーレーンも、アジアカップで対戦済みの相手です。あの時は4-3で勝ちましたね。1次予選ではグループ6、シリア、タジキスタン、キルギスを抑え、4勝2分。15得点4失点というところです。バーレーンは日本の苦手なタイプ、相性のいいウズベキスタンの方がよかったのでは、という声もありますが、ウズベキスタンもイラクを押さえて5勝1分けで突破してきているのですから、両者で特に差があるとはいえないでしょう。

最後に、なんとも情報の少ない北朝鮮。ただ、1次予選ではUAE、タイ、イエメンのグループ5に属し、3勝2分け1敗で突破して来ている、2位のUAEとの勝ち点の差は1だった、ということを考えると、アジアカップで対戦したタイと同じか、少し上くらいの実力というところではないでしょうか。情報が少ない、どんなサッカーをするかわからないのは不気味ですが、恐れすぎる必要はないと思います。

北朝鮮ではピッチ外の問題も気になるところですね。サポーターは応援にいけるのだろうか?北朝鮮側は「規則を守れば問題ない」と言っているとのことですが・・・。

対戦日程は以下のようになります。

2月 9日 vs北朝鮮(ホーム)

3月25日 vsイラン(アウェイ)
中東から日本へ移動
3月30日 vsバーレーン(ホーム)

6月 3日 vs バーレーン(アウェイ)
中東から北朝鮮へ移動
6月 8日 vs北朝鮮(アウェイ)

8月17日 vsイラン(ホーム)

world3月と6月の、中4日で中東と東アジアを行き来しなくてはならない日程がやや不安ですね。かなりな強行軍となりそうです。

また、何度か話題にしているように、これらの試合はFIFAのいわゆる国際Aマッチデーに行われるのですが、そのなかでもフレンドリーマッチデーとオフィシャルマッチデーの問題がありますね。オフィシャルマッチデーだと5日前から拘束できるのですが、フレンドリーマッチデーだとそれが48時間前からとなってしまいます。今年の2月に苦戦したのは、その原因が大きかったですね。

2005年のFIFAのカレンダーはこちら。これで見ると、2月9日がやはりフレンドリーマッチデーです。Jリーグ組は国内でかなりの合宿が組めると思いますが、海外組は、また直前の合流となってしまう可能性もあります。協会は、彼らが早期合流してもらえるように交渉すること、チームとしてはそれがかなわなかったときのために準備をしておくことが大事になってきますね。

3月と6月の連戦は、オフィシャルマッチデーです。ただ、3月は欧州リーグでも19日、20日の週末に試合が入っていることがあり、ちょっと準備期間が短めですね。しかし、3月25日がイランとのアウェーですから、海外組は日本に帰るより距離的にも近く、直接入ればいいわけです。彼らのコンディションがよければ、チュニジア-ルーマニア遠征、東欧遠征、イングランド遠征のようなパフォーマンスが期待できるかもしれません。

6月は各国リーグが休みに入りますから、試合前の準備期間がじっくりと取れそうです。移動がどうも気になりますが、このあたりで出場を決めておきたいものです。

書いていてだんだんドキドキしてきて、「翼をください」のCDを引っ張り出してきて聞いてしまいました(笑)。あれからもう7年、来年で8年経つんですね。あの頃は毎週気が気じゃなく、何も手につきませんでした。しかし、今回の予選は、今年の厳しい経験を経て落ち着きの出てきた日本代表なら、しっかりと勝ち抜いていけるでしょう。それを信じて、応援していきたいですね。

それではまた。

11:04 PM [ジーコジャパン・最終予選] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0) |

December 01, 2004

サッカー三昧

今日は福岡-柏の入れ替え戦、そして新潟-ジーコジャパンドリームチームの中越地震復興チャリティーマッチ、明日はもうチャンピオンシップと、サッカーイベントが盛りだくさんでついていくのがたいへんです(笑)。

まずは入れ替え戦ですが、これはTV中継がなく、ネット中継で観戦しようとしました。ところが、なんとも繋がりが悪く、やっと繋がったと思ったら画面が凍っては時々動く、いわゆる紙芝居状態になってしまって、試合展開がまったくわかりませんでした。アクセス数が予想を大幅に上回ったのでしょうか?入れ替え戦も、やはり多くの人の関心を集めるものですから、TVでの中継をして欲しかったなあと思います。

しかし、音声で聞いただけですが、福岡サポーターの大音量の応援は凄かったですね。胸に迫るものを感じました。私としてはどちらを応援するということもできない、「両方昇格(残留)して欲しい」という複雑な気持ちですが、しかし福岡サポのあの「魂」は、きっと届いているように思えます。次は拍での試合、両チームとも悔いのないよう、力を出し切って欲しいですね。

それから中越地震復興チャリティーマッチ。こちらはNHK総合で中継がありました。カズやゴンを筆頭にする功労選手たちがそろうジーコジャパンドリームチームと、アルビレックス新潟の試合。ジーコ監督は大方の予想通り、功労選手たちをスタートから起用し、徐々に若手へと切り替えていく選手交代を行いました。

駒野、大黒、阿部、村井、といった選手たちが加わって、「ジーコジャパン定着へのアピール」みたいな注目もより集まったわけですが、まあこのような試合でそれをうんぬんし過ぎるのも野暮というものでしょう(笑)。新潟の観客のみなさんが、この試合を楽しんでいただけることが一番です。ジーコをはじめとして選手たちは、被災地への訪問も行っていましたね。これは本当にいいことだと思います。

そして、つくづく思ったのは、「ジーコってこういうことが似合うなあ」ということでした。これはくさしているのではなく(笑)、本当に素直な気持ちですね。交代で下がっていくカズと抱き合って挨拶している時には、ちょっとじんと来ましたよ(カズと城の交代のシ-ンにもうるうる来たのですが・笑)。そういう意味では、ジーコはすでに(日本代表監督就任前から)「日本サッカーの重要な一員」なのですね。

サッカーを文化として扱い、それを社会と有意義にかかわらせていく。こういう活動には、ジーコはまさに適任だなあと感じました。そしておそらく、ジーコの頭の中では、「日本代表」もそれに近い存在なのでしょうね。またすこし、ジーコのことが理解できてきたような気がします。

さて明日はいよいよ「最後の」チャンピオンシップ1戦目ですね。これも見所のある試合となりそうです。楽しみですね。

それではまた。

04:28 PM [サッカー] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (2) |