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November 26, 2004
思い出雲(笑)
solbalou footballさんからコメント欄で質問をいただきました。以下のようなものです。
>>98年の就任時点でトルシェが日本代表にもたらそうとしていたコンセプトは、先進的に過ぎるものだと思っていました。
>>当時の日本代表の実力から離れた高度なコンセプトを実現するには、練習のための合宿がやはり必要でした。
>>「トルシェに引き上げられた日本代表」
など、トルシェ前代表監督が行っていたことが高度で、ジーコ現代表監督が行っていることがあまり高度ではない、代表は後退しているのではないか?という主旨のケット・シーさんの文章を目にすることがあります。このことに関して
1.フラット3は高度なのか(数年来流行っている4-2-3-1と相性も良くないとの印象もあります)?
2.高度ならなぜW杯やチャンピオンズリーグやユーロで見ることが未だにないのか?
3.なぜ自己主張していいのにフラット3の申し子的な宮本が高いライン設定を望まないのか?
と僕が疑問に思っていることを質問します。
コメント欄で書くと長くなりすぎると思いますので、こちらでお返事したいと思います。こちらでも長すぎるかも(笑)?
まずはじめに申し上げておきたいのですが、私は、ジーコ監督がやっていることと引き比べて、「トルシェのやっていたことのほうが高度だ」という趣旨のことは書いた覚えがありません(ありましたら申し訳ないですが)。ジーコ監督の、選手の判断力に期待するというやり方も、方向性こそ違え十分に「高度」なものだとは思っていますよ。
さて、それを前提にして、私の書いた「98年の就任時点でトルシェが日本代表にもたらそうとしていたコンセプトは、先進的に過ぎるものだと思っていました。」ですが、これは「最終ラインが3人のフラットディフェンス」だけを指しているのではないのです。私はそれはあくまでも「手段」に過ぎなかったと思っています。全体のコンセプトについては、「トルシエ革命」の中でトルシェ自身が説明しています。長くなりますが引用してみましょう。
私のコンセプトはいわゆるフラット3をベースにした、組織的なサッカーだ。それは同時に、攻撃的なスタイルでもある。というのも前線から組織的にプレスをかけ、積極的にボールを奪いに行くのも、奪ってからの攻撃を前提としているからだ。守備のための守備ではない、あくまでも攻撃のための守備。それがわれわれのディフェンスだ。
そして攻撃では、フィールドをいっぱいに使ったボール回しから、大きな波を作り出す。大きな波を作るのはリズムで、リズムに乗ったパス回しができれば、例えば楔を入れ損なうなど波が途切れそうになっても、いったん後ろに下げて再び波を作りなおすことができる。動きの質が高ければ高いほど、ボールが効率よく回れば回るほど、作りだす波も大きくなる。(49ページ)
前半は、いわゆるプレッシングサッカーの、そして後半は、ややボールポゼッションからの攻撃を指しているように聞こえますね。最終ラインの上下動は、これを実現するための手段に過ぎないと私は思っています。そして、この全体が「98年当時の日本には先進的過ぎる」と私は感じたのです。
しかし、ユース代表から五輪、A代表へと、技術の高い選手を中心にして戦術を浸透させて行くことで、「先進的過ぎて実現できない」ことはなくなっていきましたね。もちろん、このようなコンセプトが全試合で実現できたわけではありませんが、それが浸透し、実現できていた試合も多かったと私は思っています。
では質問に一つひとつお答えしたいと思います。
1.フラット3は高度なのか(数年来流行っている4-2-3-1と相性も良くないとの印象もあります)?
「フラット3をベースにした上記のようなコンセプト全体」は、「98年当時の日本から見ると」高度なものであったと思います。西野監督は当時、「ラインを上げて戦うのは強者の戦術だ。日本はもっと弱者の戦術を磨くべきだ」という趣旨のことを語っていたと私は記憶しています(ソースは失念しました。すみません)。また、例えば秋田も「ワンランク、ツーランク上のサッカーを目指しているのが良くわかるので、凄く刺激になります」(田村修一「戦地へ」63ページ)と当時語っていたようです。
4-2-3-1の流行はそろそろ終わったのではないかという気もしますが、それはおいておいて(笑)、サイドアタックを重視するここ数年の傾向の中では、3バックは全般によりうまく運用することが必要でしょうね。ただそれは「フラット3」だけのことでもないとは思います。
2.高度ならなぜW杯やチャンピオンズリーグやユーロで見ることが未だにないのか?
「フラット3」の部分に関してはそうですね。かなりオリジナルなようです。まあ前回のコメント欄でレバンテさんの書かれたように、「フラット気味の高い位置の3バック」がないわけではないようですが。
しかし、上記したようなコンセプト全体、「高いラインでの攻撃的な守備」に関しては、けして珍しいものではなく、昨年のポルトやデルネリ・キエーボ、木村さんのコラムによれば最近のバルセロナもそうしたサッカーであると言われているようですね。もちろん、このコンセプトも最終ラインのやり方で、ラインコントロール重視か、押し上げながらもカバーを重視するか、などに分かれているとは思います。
3.なぜ自己主張していいのにフラット3の申し子的な宮本が高いライン設定を望まないのか?
まず、ジーコ監督の要求する「一人余るディフェンス」では、主体的なラインコントロールが難しいということがあるでしょうね。それでも宮本は、なるべく高い位置で奪うのが日本のサッカーだと思っているようで、アジアカップ、バーレーン戦前のコメントで
日本としては、高い位置からボールを奪って、本来のサッカーをしたい。プレスがボールに行けていないので、それを意識したい。
と語っています。また、SPORTS Yeah!105号に田中誠選手のインタビューが載っており、1次予選アウェイのオマーン戦についての話題が出ています。
インタビュアー(三好えみ子):ディフェンス陣にとっては失点はある意味、厳禁の戦いでした。合宿ではラインを上げてコンパクトに、と話していましたが、実際試合では深めをキープしていましたね。
田中誠:本当はコンパクトな日本のサッカーを目指していきたかったんですけどね。前半はオマーンが勢いよくきていたので、防戦一方でラインを下げさせられてしまったという部分は確かにあります。ただ、今回の代表はけが人が多くてコンディションに差があったし、実際合宿に入ってから、選手個々が考えていることにズレがあることに気がついて。練習試合では市原ユース相手に2失点してしまった。それでジーコとツネ(宮本)が話し合って、オマーンの攻撃を止めるために多少ラインを下げざるを得ないということになったようです。
とのことです。私は「現在の宮本が高いライン設定を望まない」というほどのことではなく、本当は高くした方がいい場合もあるのだが、アウェイのオマーン戦では諸条件により低く設定した、という程度のことであると思います。
注記:上掲SPORTS Yeah!のインタビューでは、田中誠選手は引用部分後に「連携もスムーズにできるようになった」他、現代表を肯定する意見も多く語っています、念のため(笑)。
僕はジーコのやっていることは多くの選手に共有されていないのは残念ですが自分たちでしっかり判断してサッカーをするというしごくセオリー通りのことを代表に持ち込んでいるので、それはフラット3を身体に身につけてオフサイドの主張をする練習を繰り返すより意味があるのではないかと考えています。(solbalou footballさん)
ちなみに、代表の練習をよく取材する、あるジャーナリストさんと話をしたときには、「トルシェの場合でもラインの上下動の練習は10%程度だったよ」と言っていました。そこばかり強調して報道されているけど、それよりずっとスクエアパスの練習や、プレスのかけ方の練習の方が多かったそうです。日本のジャーナリストには「ただのパス回し(ウォームアップ)じゃん」とか、「ただのおっかけっこじゃん」としか見えないらしいですが(笑)。
それはともかく、ジーコ監督の「自分たちでしっかり判断してサッカーをするということを持ち込んでいる」ことはよいと私も思いますよ。しかし、あるコンセプトをしっかり持った監督が、それを身につけさせる練習をするということも、別に問題ではないと思います。例えばモウリーニョさんが来ても、ビエルサさんが来ても、そういう練習をするでしょうね。それは監督のタイプの違いに過ぎず、別に優劣があることではないでしょう。
ジーコへの不満とトルシェ時代への回顧が多くの場所で一緒くたに語られていることが多い気がするのでまずフラット3についてあらためて質問してみました。失礼します。(solbalou footballさん)
そうですね。その辺が一緒くたに語られることは多いですが、論点をぼやかしてしまう可能性も高いですね。同時にトルシェ時代への不満と、ジーコへの評価を一緒くたに語ることも避けた方が賢明かもしれません。川淵さんなんかには言ってあげたいですね(笑)。
トルシェの就職先が話題になっているところ、ちょっとタイムリーな話でしたね。それではまた。
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» Good-bye Philippe from SOLVALOU FOOTBALL
今回の文章はKET SEE BLOGへのトラックバックです。ケット・シーさん、前回のコメントへのお返事ありがとうございました。
私は、ジーコ監督がやっているこ... 続きを読む
受信: Nov 27, 2004, 5:33:54 PM
コメント
今回のジーコの目指すサッカーもまた高度なものを求められている事の指摘、
正直ホッとしています。
確かにジーコが目指すサッカーはトルシエやオフトのような難解さはありませ
んが、個々の選手達に自由という対価として課される仕事はある意味以前より
も増えたと認識しています。
これが出来ないと日本は強くなれないという意見がありますが、私はこの手法
を試みたいのであれば、クラブレベルで留めるべきと考えるし、今の日本代表
全体で考えた場合、相性でいうところの『合わない』と考えます。
一部のマスメディアがあたかも自由が何者にも束縛されないものとして誉める
風潮がありましたが、忘れてはいけないのは今の代表にもそして以前の代表に
も『責任』は存在しているということです。
狭義的ですが『責任』の所在しない自由は実社会においても、サッカーにおい
てもあり得ないし、それを享受するには自由を謳歌するだけの『責任』を背負
う事を見落とすべきではないということです。
私は自由とは『無責任』を指す言葉ではないと考えます。
たとえそれがフィールドであれ、実社会であれです。
投稿者: 弥七郎 (Nov 27, 2004, 9:13:17 AM)
う~んいろいろ疑問。
1.ワールドカップの日本はポゼッションをほぼ放棄してた気がします。ロングパスの比率がえらい高かったとか
サイド深くのエリアをえぐる回数も異常に少なかったようですね(これはサイドが機能してないからかな?)
2.オフサイドルール改正以降ラインの上げ下げでほとんどの局面を守ろうとするトルシエフラット3は明らかに
異質ですよ。
3.ワールドカップ本番の日本は選手の判断で深くラインを下げちゃいました。本番でラインが高く保てないんじゃ意味ない。
バルセロナと一緒にしてますけど、結局同じ方向を向いているだけで、本番で通用するそういった組織を作る
手腕がトルシエにはなかったってことかな?と。
キャラ含めトルシエという人には興味津々でしたし好きな部分も多いけど、その手腕は微妙だったなあと
"現在は"思ってます。
ヤマモトさんとホントによく似ていて、勝負師としての資質に欠ける部分も。
追いつめられたときの采配下手でしたよねぇ。
それでも感謝していますけどね
投稿者: NOVEMBER (Nov 27, 2004, 3:20:16 PM)
NOVEMBERさんの質問の1~3はsolvalou footさんの1~3と対応したものではないですよね?ちょっと唐突ですね。
さて、1.についてですが、ベルギー戦の前半はそうでしたね。そういう練習を事前からしていました。そしてそれはホームでのW杯という特殊な事態で、初戦の過緊張から来る失敗を避けるための一つの手段だったのです。その後は普通にプレスもポゼッションもでき、例えばチュニジア戦の2点目は11本のパスをつないだ後のサイド攻撃からでしたね。
2:ラインの上下動の報道にそうとう惑わされているようですが、「上下動だけ」で守ろうとなんてしていませんよ(笑)。ちゃんとゴール前でのマークの練習もしているし、ストッピングの練習もしている。
また、ラインの上下動を重視する例では、デルネリ・キエーボがありましたね。あれは加藤久さんがフラット3の解説をするときにも使うほど、同じ行動原理で動いていたようです。私が生で見たセネガルも同じ原理でラインを上げ下げしていましたね。
3:どうも「W杯だけが本番だった」としてあれだけで評価しようとする人が多いですが、ユース、五輪、A代表を4年にわたり指揮した人物の「本番」は他にも多くありますよ。例えばジーコにとってアジアカップが本番であるようにね。W杯でベスト16を目指すためのGLの戦い方はもちろん一つの本番ですが、その他の試合でもそのコンセプト、実践力を測ることは妥当だと思いますけどね。親善試合はともかく、アジアカップ、五輪本大会、コンフェデなどがあるわけですから。
W杯本番では選手の判断で下げましたね。それは一つの合理的判断だったと思いますよ。しかしそれ以外の部分、「練習では10%」でしかないラインの上下以外の部分は、そのままキープされたわけです。トルシェの手腕は、その90%によってベスト16を達成したというレベルのところでしょうね。
>弥七郎さん
そういうわけで私は「ジーコをTDに!」論者になってきました(笑)。要副官論者とでも言うか。ジーコが与えてくれるものと、与えてくれないもの(笑)のバランスを取るには、それがベストかもなあ、なんてね。
投稿者: ケット・シー (Nov 27, 2004, 5:57:39 PM)
>「ジーコをTDに!」論者になってきました(笑)
行き着くところ、ジーコを組織に有益に運用する”手段”は『口は出すけど現場に介在しない』役目がベストでしょう。
これ自体はアントラーズで実証されていたように考えます。
悪意は無いのですが、たまにスタッフゲームの助っ人がてら練習中の選手達を洗脳するぶんにはいい人です。(笑)
ただ、やはり良い意味でも悪い意味でも自分の価値観と経験に絶対の自信がある人だけに扱い方が難しい御仁です。
ジーコは常に自らが貢献する事を意識する『プロ意識』の塊です。良い面で働く時は神のような御仁ですが、悪い方向に走るとどうなるかは皆が知るところなので、暴走した時はJFAがきちんと止める方向で動いて欲しい。
本当にジーコ・ジャパン後も『日本の大事な友人』として彼と関係を維持したいのであればなおさらです。
誰が監督であっても一番大事なのはやはり二人三脚を組むフロント(=JFA)と考えます。
言葉だけでなく本当にジーコを信じるというのであれば、ジーコのやり方を完全に容認した上で代表のトップから下部も巻き込むぐらいの覚悟でないといけないと考えます。『ウワベだけ』の信頼でやってると、上手くいってるうちはいいでしょうが、結果が伴わなくなると何処かで破綻するように考えます。
・・・レスになってないですが、申し訳ないです。(陳謝)
やはり、ジーコの事は色々感情があるので気持ちの整理が出来ないのが本音なのです。
投稿者: 弥七郎 (Nov 27, 2004, 7:13:38 PM)
うむむ~ 疑問が氷解しませぬ~。
ほとんどラインの上げ下げだけというのは「ほとんどラインコントロールだけ」ってこと
ヨーロッパサッカーばっか普段見ているんだけど、DF4人の駆け引きのためのラインコントロールは
よく見られます。ボックスの前で止めたりは同じだね。
ただあんなほぼ常に3人が上下動してるようなDFラインは珍しいですよ(笑)
なんて言うんでしょう。もっとヨーロッパサッカーのそれは休むところ、引くところ、勝負するところ
抑制するところなど状況に応じて異なる対応をしてる。
だからこそ日本のは研究しやすく、ノルウェーやベルギーからすれば"ザル"と見られていた感が強いです。
そしてトルシエはその後の対応策すらもっていなかった。
ラファエル・ベニテスやデルネーリとはその点では比較にならない・・・というか同一視するのは
無理有りすぎの感強し(笑)。もちろん日本人選手の能力的限界はありますが
”アジアカップがジーコにとっての本番”ってのはよくわからないです・・・。誰がそんなこと言ってるんですか?
今年の試合でも重要度から言って、アジアカップ優勝とワールドカップ予選突破を天秤にかけたら
後者を取る人が大半だと思うし。
やっぱり"本番"はワールドカップでしょう?みんなワールドカップでどういうサッカーをするか、
ってのがジーコ評価の最終結論になるでしょうし。
最終予選やコンフェデで良いゲームをしても本番で転けたら最低の評価を受けるだろうし
コンフェデがいまいちでもワールドカップ本番で躍進すれば最高の評価を受ける結果になるでしょうよ。
トルシエの評価が世間で正直イマイチなのはやはり
・フラット3が結局中途半端に終わったこと、
・トルコ戦の「あ~あやっぱりやらかしたな」という失望感
が大きかったんだと思います。
ロジェ・ルメールがフランスで受けた手厳しい批判の嵐と同じです。
あれだけ周到な準備が評価されていたヤマモトさんが現在どんな評価受けてるか?
"10%"ってのはトルシエにとってあんまりじゃないの(笑)。
トルシエ戦術の根幹でしょう?フラット3の果敢なラインコントロールは。
森島選手がいちばん時間をかけてたと言ってたじゃない。
それを選手が監督の意思に反して下げちゃった事実は結構重いと思うけどなあ。
ワールドカップの日本はラインを下げ、ロシア戦以降宮本がかなり"リベロ的"に動いてたよね
森岡選手のアイディアなんかもあったようで(彼は優秀なリベロ)。
1つ思ったんだが、やっぱりケットシーさんにとってもワールドカップのトルシエJAPANってのは
実はあまり本意じゃない、正直失望感を味わうような内容だったのではないか?(笑)ということ。
僕は2001年までのトルシエは大好きでした。でも2002年を経て、それをあとから振り返ると
イマイチだったなあと。
まあそれよりもっとイマイチだったのはヤマモトさんですけどね(笑)
まさにトルシエのマネばっかりしてましたよねぇ。最後のギャンブル采配もそっくりだったし。
ヤマモトさんと違ってトルシエは日本に大事なモノを残していきましたよ。
投稿者: NOVEMBER (Nov 27, 2004, 10:08:59 PM)
あとsolbalou footballさんの質問の回答のとこですけど
1.
>4-2-3-1の流行はそろそろ終わったのではないかという気もしますが
これは完全にダウト!。433,4312など3CHの微増が"変化の兆し"を
感じさせるくらいで、まだまだ主流の戦術。Euro2004も半分が4-4-2,
半分が4-2-3-1でありました。
で、「数年来流行っている4-2-3-1と相性も良くない」というのは事実で、
だからこそ3バックは欧州で消えたのですよ。
投稿者: NOVEMBER (Nov 27, 2004, 10:47:26 PM)
NOVEMBERさん、一度欧州に行って競技場でそういうコンパクトなサッカーを見てみるといいですよ。僕は仕事の関係上、よく見に行くんですが、高いラインを維持するほとんどのチームが、トルシエジャパンと同じようなラインコントロールをしている。ルイジ・デルネーリのキエーヴォは完全にそうでした。TVでは最後の瞬間しか見せないからわからないが。TVで見ていても見えないものがあるんですよ。
投稿者: レバンテ (Nov 28, 2004, 5:54:38 AM)
レバンテさん
テレビで観ている場面だけ見てもいろいろ違いがあるのなら実際にはもっと大きな違いがあるんではないだろうか。
トルシエのやり方はちょっと古いと思う。オフサイドルール改正前、90年代初頭のVTRなんか見ると結構近い物があるから見てごらんなさい。
あとはまあサッカー経験や知識の問題になるからこれ以上は云わないこととします。
投稿者: ふぁんぶろんくほるすと (Nov 28, 2004, 8:31:27 AM)
>NOVEMBERさん
>うむむ~ 疑問が氷解しませぬ~。
そうですか。しかし、BLOGのコメント欄ではあまり議論を長くしたくないので、これ以上の議論は掲示板の方でお願いします。
>ただあんなほぼ常に3人が上下動してるようなDFラインは珍しいですよ(笑)
そうですか。私はキエーボのラインは似ているなあと思ってみていましたが。加藤久さんもそのようで、フラット3の解説をする時に、キエーボのビデオを使ったりしていましたね。私が生で見た(フランス人監督の・笑)セネガルもそんな感じでした。
>”アジアカップがジーコにとっての本番”ってのはよくわからないです・・・。誰がそんなこと言ってるんですか?
>今年の試合でも重要度から言って、アジアカップ優勝とワールドカップ予選突破を天秤にかけたら
>後者を取る人が大半だと思うし。
>やっぱり"本番"はワールドカップでしょう?
私は「4年に一度しか代表監督の本番がない」という意見には与しません。何度かある公式試合がそれぞれ本番であり、それぞれで評価されるべきと思っています。ジーコで言えばコンフェデ、東アジア選手権、アジアカップ、W杯アジア予選ですね。まあ、「4年に一度しか代表監督の本番がない」という意見もあってよいとは思いますが。
>"10%"ってのはトルシエにとってあんまりじゃないの(笑)。
>トルシエ戦術の根幹でしょう?フラット3の果敢なラインコントロールは。
私はそうは思いません、というだけのことですね。それも重要なパーツだが、それ以外の90%も含めてトルシェのコンセプトだと思っていますよ。ラインコントロールが根幹だと思いたい人は、そう思えばいい、というところですね。
>森島選手がいちばん時間をかけてたと言ってたじゃない。
そうですか、私は読んでいないのですがソースはありますか?練習を見ても、練習を見た私の信頼するジャーナリストの発言を聞いても、カンファレンスの内容を精読しても、そして試合を見ても、それ以外の部分の方にも非常に時間をかけたと私には思えますけどね。
>ワールドカップの日本はラインを下げ、ロシア戦以降宮本がかなり"リベロ的"に動いてたよね
ちなみに、宮本がリベロ的に動くのは、五輪最終予選でも、イタリア戦でもやっていたことですよ。ラインコントロールをしながら、フラットを維持しながら、左右のアウトサイドのフォローまでする。その辺が宮本はすごかったですね、もともと。
>1つ思ったんだが、やっぱりケットシーさんにとってもワールドカップのトルシエJAPANってのは
実はあまり本意じゃない、正直失望感を味わうような内容だったのではないか?(笑)ということ。
へ?ホームのW杯という特殊条件で、強豪ベルギーに引き分け、ロシアに勝ち、チュニジアにはボールポゼッションでも圧倒して勝ち。あれだけの舞台で、4年前の3敗(これもフランスで見ましたよ、私・笑)からの、躍進ですよ。ロシア戦の後には、ずーっとスタジアムに居残りました。私は全然、結果にも内容にも、失望感なんてないですけどね。
「ホーム」の難しさについては最近のジーコのインタビューでもよく出てくるようになりましたね。確かに日本は、ホームであるということは有利な部分もあるけど、若いナイーブな選手にとっては過緊張を生んだり、はやりすぎを生んだりするという部分があります。2月のオマーン戦はそういう状態だったのでしょうね。
>>4-2-3-1の流行はそろそろ終わったのではないかという気もしますが(ケット・シー)
>これは完全にダウト!。433,4312など3CHの微増が"変化の兆し"を
>感じさせるくらいで、まだまだ主流の戦術。Euro2004も半分が4-4-2,
>半分が4-2-3-1でありました。(NOVEMBERさん)
あ、別にそれでいいですよ。私はもともと数霊術には興味がないので(笑)。「現在でも4-2-3-1は大流行!」ということにしておきましょう。ただ、私も少し潮流が変わってきているなあ、と思って見ているというぐらいのことです。
それと、NOVEMBERさんのことではないんですが、コメント欄でも<ルール>http://www.geocities.co.jp/Athlete-Acropolis/6591/rule.html
に照らして問題があると判断される書き込みは、掲示板と同じ基準で、事前の通告なく削除しますので、あしからずお願いします。
投稿者: ケット・シー (Nov 28, 2004, 9:00:35 AM)
あれれ、ここは管理者モードからコメント投稿のリモートホストが見れるのですが、ふぁんぶろんくほるすとさんとNOVEMBERさんはIPアドレスが同じですね。家が近いと同じになったりするのかな?もし万が一、同じ人が書き込んでいらっしゃるのなら、ハンドルネームは統一してもらった方がわかりやすいのですが・・・。
投稿者: ケット・シー (Nov 28, 2004, 9:04:32 PM)
荒れてきてしまったみたいですね。ケットさんはもう半分有名
人ですから、コメントコーナーに変なのが出てきてしまうのも
仕方がないですね。各所のBLOGでも、コメントコーナーは管
理がゆるいと思って、おかしなことを書く荒しやスパムが多く出
てきています。そういうこともあって、有名人のBLOGには、コ
メントコーナーがないものが多いですね。ご存知のダバデイー
さんのなどもそうでしょう?ケットさんもコメントコーナーを、サイ
トのBBSへのリンクにしてしまったらどうでしょう
か?よろしくご検討ください。
投稿者: 雫石 (Nov 29, 2004, 4:21:59 AM)
雫石さんコメントありがとうございます。
なるほど、そうですね。私もBBSと、コメント欄の両方があることがなんだか複雑な気がしていたんですが、そういう風にしてしまうというのも手ですね。ココログのほうでそれができるかどうか、ちょっと考えて見ます。ご提案ありがとうございました。
投稿者: ケット・シー (Nov 29, 2004, 8:04:35 AM)
いえいえ、NOVEMBER(11月)はもう終わりなのでこの名前で行くことにしました
丁寧に答えてくれて一部疑問は氷解したし、これ以上は平行線だな、ってところもありますなぁ(笑)。
あんま長くなると面倒くさいだろうから今回はこのへんで。
トルシエファンって少しでもトルシエさんにマイナスの評価をすると、批判が許せないのか何なのか
いちいちキレたり、"変なのが出てきた"だの珍妙なコメントしかできない人が結構多いから(笑)
ちゃんと回答してくれるケットシーさんは貴重だな、やっぱ。
トルシエファンがトルシエ時代の問題点を”いま”どう思っているか、どう整理しているか
は興味深いので、かなり面倒くさい思いをさせるだろうなぁということは承知の上
いろいろと訊いてみたってところです。
OMで成功してもらってヒディンクのように早く日本人選手を縁故採用してくれないと(笑)。
投稿者: ふぁんぶろんくほるすと (Nov 29, 2004, 9:37:05 PM)
コメント欄は削ったほうがいいかもしれません。素晴らしい掲示板がありますから。
トルシエに対しては複雑な気持ちが私にはあります。あれは青春でした。だから批判されると皆切れるのです。安保闘争って
こんな気持ちになったのかもしれません(笑)。それでも彼は前衛的でした。行動も言動も。批判は当然あるでしょう。しかし現場のコーチの一人である都波氏は語っていました。「コーチになってトルシエの苦しみや良さがわかった」と。私は一人のサッカー好きな男として彼を信じてついていったのですから後悔はありません。
もちろんヒディングやヴェンゲルのほうが有能だとは思いますが(笑)
投稿者: ブランク (Nov 30, 2004, 12:24:05 AM)
solvalou footballの管理人です。どうも。
僕はトルシェ時代フロというハンドルネームでほんの少しですがルモンドトルシェ、blue sky blue、サッカーマガジン、サッカーダイジェスト、ワールドサッカーダイジェストにおいてトルシェについてカキコミました。ですがどこでも最後は誹謗中傷、だったら代表応援するな、などのキレル若者達(笑)の登場により掲示板でトルシェを批判することの限界を感じるに至りました(別にトルシェをむやみやたらに批判したいとは思ってやっていたわけではないです)。そこでblogなら最後まで議論出来るかもしれないし、時間が経てばトルシェを語っても冷静な空気になるかもしれないと考えていたのでトラックバックをこちらにつけさせていただいたという経緯があります。
>弥七郎さんへ
今の日本代表に向いているかどうかは分かりませんが、代表選手たちが責任を放棄して自由にピッチに立つことがあったのでしょうか?僕はないと思います。1人1人が責任と誇りを持って闘っているし、それこそが日本代表のフィールドではありませんか?とか思いました。あと、たしかにジーコはTD向きっぽいですね(笑)。それは本当にそういう印象を持ってしまいます。
>NOVEMBER→ふぁんぶろんくほるすとさんへ
言葉遣いやニュアンスの差こそあれ、トルシェジャパンへの意見、トルシェファンの方々への印象、ケット・シーさんの貴重さについて等、僕の分身かと思うほど同じ意見ばかりなのでビックリしました。サイトやブログを持っていたら教えて欲しいです。
>ブランクさんへ
ここでは初めまして。なんか照れくさいですね。願わくばジーコジャパンの今も青春であって欲しいなと思いました。次回のオフ会もよろしくお願いします。
>ケット・シーさんへ
荒れ気味になり申し訳ありませんでした。僕のトラックバックへの返事があるのかどうかを知りたいです。ご迷惑をおかけしまして申し訳ありませんでした。
それこそBBSででしょうけど、トルシェを肯定している方のブログ知っている方がいたら僕のブログのコメント欄にて教えて欲しいです。荒らしは即刻削除しますが(笑)。よろしくお願いします。出来るだけ大きなトコよろしくお願いします。もう少しこの話を続けたかったので。ということでした。失礼します。
投稿者: solvaloufoot (Nov 30, 2004, 9:15:34 AM)
>NOVEMBERさん
>いえいえ、NOVEMBER(11月)はもう終わりなのでこの名前で行くことにしました
ああそうなんですか。それならば最初にそう言っていただけると、荒らしだとかのおかしな誤解を招かなくて済むと思うのですけどね。
>トルシエファンって少しでもトルシエさんにマイナスの評価をすると、批判が許せないのか何なのか
>いちいちキレたり、"変なのが出てきた"だの珍妙なコメントしかできない人が結構多いから(笑)
ちゃんと<ルール>を読んでご利用くださっていますか?こういう発言は本来なら削除です。雫石さんの「変なのが出てきた」は、HN使い分け疑惑や、私が削除するような書き込みへの表現ですから、ぎりぎりでオッケーですが、本来は歓迎ではありません>雫石さんもご理解ください。
>ブランクさん
>コメント欄は削ったほうがいいかもしれません。素晴らしい掲示板がありますから。
そうですね。ここで意見交換をすることは少し難しいですね。
>トルシエに対しては複雑な気持ちが私にはあります。あれは青春でした。だから批判されると皆切れるのです。安保闘争って
こんな気持ちになったのかもしれません(笑)。それでも彼は前衛的でした。行動も言動も。批判は当然あるでしょう。しかし現場のコーチの一人である都波氏は語っていました。「コーチになってトルシエの苦しみや良さがわかった」と。私は一人のサッカー好きな男として彼を信じてついていったのですから後悔はありません。
いいことをおっしゃいますね。誰でしたっけ、「ヨーロッパに来て見て、トルシェの言っていたことの意味がわかった」と言っていた選手は?これからまた10年ぐらいしたら、あの頃の評価も変わってくるかもしれませんね。
>solvalou footさん
>僕はトルシェ時代フロというハンドルネームでほんの少しですがルモンドトルシェ、blue sky blue、サッカーマガジン、サッカーダイジェスト、ワールドサッカーダイジェストにおいてトルシェについてカキコミました。ですがどこでも最後は誹謗中傷、だったら代表応援するな、などのキレル若者達(笑)の登場により掲示板でトルシェを批判することの限界を感じるに至りました
そうですか、災難でしたね。私はちょっとそのお名前に見覚えがないのですが・・・。ルモンドはあんまりそういう荒れた記憶がありません。私の印象では、トルシェ擁護は総じて論理的で、冷静なものが多かったと思っているのですが、これは私の居た環境の故でしょうか?いずれにしても、どちらの意見の人にもそういう人が時たま居るということでしょうね。何とか冷静に議論できる環境を、というつもりで、J-KET(BBS)を設置しています。J-KETでは、冷静なものならトルシェ批判もぜんぜんオッケーなんですけどね。
>荒れ気味になり申し訳ありませんでした。僕のトラックバックへの返事があるのかどうかを知りたいです。ご迷惑をおかけしまして申し訳ありませんでした。
いえいえ、一人だけ<ルール>違反の方が登場しましたが、それはsolvalou footさんのせいではありませんよ。お気になさらず。トラックバックへはお返事したいと思いますが、ちょっとお時間をください。
それではまた。
投稿者: ケット・シー (Nov 30, 2004, 1:01:35 PM)
>ケット・シーさんへ
トラックバックへの返事は忙しいと思いますのでのんびり待っています。是非お暇な時にでもよろしくお願いします。あと最終予選が始まる頃にはBBSにも参加させていただきたいなとそう考えています。厳しい最終予選になりそうなので少し怖いですけど(笑)。それからTOTOに関してもアイディアが出て来ていておもしろいですね。大変興味深く読ませてもらっています。それでは失礼します。
投稿者: solvaloufoot (Dec 2, 2004, 3:26:18 AM)
solvalou footballの管理人さん
ブログの方を読ませてもらいましたが、僕もあなたにかなり意見が近いですねえ(笑)
Good-bye Philippe の方で"トルシエ支持派"と称される方とのやりとりがあるけど
"トルシエ支持派"と称される方の意見にはあんまり共感できないなぁ(笑)。
久保や高原や中田や小野や稲本など、あれだけ重要なメンバーが離脱していた
アジアカップの戦いは、あの戦力では十分すぎるでしょ。
4年前のアジアカップは中田以外は勢揃いだったもんね。今年も
イングランド遠征あたりは中田以外は勢揃いか?って感じだったけど、完全なアウェイで
チェコ、アイスランドを下し、イングランドとドローに持ち込むなど立派な戦いしてたもんね。
あのメンバーだったらアジアカップもかなり戦い方も変わったのは間違いないでしょう。
僕も今の代表の方が強いと思います。
で、実際ヨーロッパ、アジアでのゲームの勝率は上がっているんだな、ジーコになってからの方が。
あとそういう数字に表れない部分の勝負強さや試合運びみたいなもの。
そこがえらい伸びたなあって感じ。
今年は久保+欧州組中心メンバーでヨーロッパで結果を出し、鈴木+国内組中心メンバーで
アジアカップ優勝、最終予選進出を果たし、底上げもできたという感じですかな。
投稿者: ふぁんぶろんくほるすと (Dec 5, 2004, 5:24:29 PM)
>ふぁんぶろんくほるすとさん
solvalou footballさんのBLOGのコメント欄での対話に関しては、向こうでお話されたらどうですか?共感できない意見にも、きちんと対峙するほうが、勇気のある振る舞いだと思いますけどね。こんなところで書いているとまるで「陰口」みたいですよ(笑)。
>久保や高原や中田や小野や稲本など、あれだけ重要なメンバーが離脱していた
>アジアカップの戦いは、あの戦力では十分すぎるでしょ。
結果は立派なものですね。文句のないものです。
ただ、あれくらいメンバーが欠けることは、それほど特別なことではなく、2001コンフェデでは、2000アジアカップのメンバーから高原、名波、柳沢、中村、中澤という重要な選手が欠けていました。2004アジアカップでは結果を出しましたからよいですが、これからもサブが出てもあまり力の落ちないチームを作らなくてはいけませんね。
>で、実際ヨーロッパ、アジアでのゲームの勝率は上がっているんだな、ジーコになってからの方が。
相手がこちらを研究してこない、親善試合での勝率はあまり関係ないと思いますよ。
>あとそういう数字に表れない部分の勝負強さや試合運びみたいなもの。
>そこがえらい伸びたなあって感じ。
よくこういう人が居ますね。
私はどちらかというと、今年の年頭のオマーン戦がナイーブ過ぎたのだと思います。
ヒデの言う「戦う集団になっていなかった」のでしょう。
かつても、先制されてきちんと逆転した2000アジアカップ中国戦や、加茂監督時代のキリンカップメキシコ戦、あるいは先制してからわざとラインを下げて逃げ切った2002ポーランド戦など、試合運びの巧みな試合も多くありましたよ。
ところで、このコメント欄は、掲示板へ移行しようと思います。
エントリーと関係のないコメントが長く続いてもちょっと困ってしまうので(笑)。
また向こうでなら逆に、BLOGの記事と関係のないお話でも多少は続けて行ってくださってかまいません。
というわけでこれ以上のコメントは、掲示板の方へお願いします。
それではまた。
投稿者: ケット・シー (Dec 5, 2004, 10:41:54 PM)
コメントはBBSの方へお願いします。