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November 05, 2004

「魂の継承」なのかどうなのか?

自称評論家のおおやしさんからトラックバックをいただきました。ありがとうございます。

さて、そちらで提起された問題ですが、おおやしさんは「理想型」と「中間型」という風に、物事の批評の仕方をまとめておられます。そして、おおやしさん御自身は「理想型」であり、

だから一歩進んでいいものには「いい」、ダメなものには「ダメ」と言わなければいけないと思います。見守る側が価値基準と批判精神を失っては、そこに発展はない。チームを応援する人は常に高いところを見ていなければならないと思います。サポーターが諦めてどうするんです?

とお考えだとのことです。

私もこれはまったく賛成です。「いいものにはいい、ダメなものには」ダメと言う、いわゆる是々非々の姿勢ですね。私もそうありたいと思うし、基本的にはそれを貫いてきたつもりです。

しかしながら、その中でも、今回の「功労者召集案」は、まだ「ダメなもの」の範疇には入っていないと私には思われる、ということなのです。つまり前回の文章では、「今回の件は(まだ)それほどダメじゃないのではないか」と書いたつもりです。

それ以外の部分でジーコ監督にダメな部分が多々あるのは、私としては指摘済みのつもりなんですね。ただ、これからも継続してそれに対して声を上げていく必要があるということも確かです。おおやしさんがおっしゃるように、サポは諦めてはならない、ですね。

というわけで、ここでおおやしさんの「公式戦を無駄にするな」をベースに、「それほどダメなのか?」をもう一度検証してみたいと思います。おおやしさんは、功労者召集案に「大きな問題点が4つある」とされています。

一つ目は、引退したわけでもない、もしくは代表引退を表明したわけではないのに、こうした「引退試合風」ゲームをやってしまうこと。実際に名前が挙がっている選手にとっては、勝手に幕引きがなされるようで、気分の悪い選手もいるだろう。

これはおっしゃるとおりだと思います。ただ、だからこそ、ジーコが(当該選手に)面と向かって召集の理由を説明するまで、その是非が問われるべきではないのでは?とも思うのです。一部で言われるような、「魂の継承」というような意図がジーコにあり、彼がそれを選手に説明して、選手たちが納得したとしたら、それは「引退試合風」ゲームではなくなりますよね。その点がまだグレーなので、この問題点を厳しく追求するには当たらないのではないかと思うわけです。

2つ目は公式戦をこうしたゲームに使うこと。記念試合は通常の代表活動に影響の無いところで行われるべきだ。シーズンオフ、もしくはリーグ戦の合い間の水曜日あたりにやるべきであり、インターナショナルマッチデーをつぶしてやるような試合ではない。重要なのはシンガポール戦という消化試合がつぶれること以上に、そのゲームの前に確保されている1週間以上の準備期間が無駄になることである。また、公式戦の舞台を若手から奪っての記念試合というのは、出る側も後味が悪いだろう。

準備期間の視点は私も見落としていました。17日のシンガポール戦の前の土日は、少なくともJリーグは休止して、国内組だけで考えれば、試合の前にかなり長い準備期間が取れそうですね。シンガポール戦ではほとんどろくな準備もできない、と私が思っていたことは、確かに訂正の必要があるようです。

そこが公式戦と、親善試合の違いですね。親善試合では通常はこれほどの期間が取れないものです。この準備期間があれば、例えば新戦力を召集したとして、代表になじむ時間はある程度とれそうですね。それが無駄になるのは、いかにももったいないことです。ただこれは、1つめとも3つめとも関係するのですが、ジーコ監督がその合宿こそ、「魂の継承」の場所だと考えている可能性も否定できません。

つまり、「功労者を招集しての試合」を、本当に単純に、彼らを招集してのお祭りとして、彼らに感謝するためだけに行うのか。それとも、そういう機会を設けて、「魂の継承」によって現日本代表を強化する目的があって行うのか。

そこがもっとも大きな点だと思うのです。

もし後者であるのなら、1)功労者たちも喜んで協力してくれるかもしれないし、2)準備期間も無駄にならないだろうし、3)シンガポールにも失礼に当たらないでしょう。日本が、どのような強化策をとろうとも、強化のための策である限りは、他国から文句を言われる筋合いはないように思います。

4つ目は、控え選手から出てくるであろう不満の声だ。

これについては前回も書きましたが、海外組を原則召集しない中では、これまでの控え組みはおそらく召集され、功労者の招集があったとしても、組み合わさってピッチに立つこともできるでしょう。

以上のように、1~3の問題点は、ジーコ監督の意図が「おまつり」にはなく、「強化」にあった場合には、それほど問題ではなくなると思うのです。確かに「フェスタ」という発言はありましたが、私はこういう一部の言葉を切り取って取り上げたスポーツ紙の記事はあまり信用していません(笑)ので、まだ「ジーコが強化のためにこの召集案を考えた」という可能性も捨てきれないと思っています。したがって「現時点では」騒ぐにはあたらない、と思うのです。

もちろん、ジーコが強化のことを考えていなく、本当に浮かれた、ただのお祭りのために功労者召集案を言い出しているのなら、私もそれはおかしいと思います。断固として反対です。しかし、そうではない可能性もある。よって、その真意がわかるまでは静観しておこう、というのが現在の私のスタンスなのです。

私も「ダメなものはダメと言う」姿勢に大いに賛成です。そして、これからもその姿勢で行くために、「ダメかどうかまだわからないものには、ダメと言わない」という考えでやっていこうと私は思っています。もちろん、この点は人それぞれでいいのですが。

有意義な問題提起ありがとうございました>おおやしさん。

今日いよいよ発表ですね。どのような召集があるのか、またそれに対するジーコの意図の説明はどのようになるのか。いろいろな意味で注目ですね。

それではまた。

12:46 PM [ジーコジャパン・1次予選] | 固定リンク

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