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October 07, 2004

2002トラウマから脱却しよう

ワールドユース韓国戦が終了しました。

序盤から試合を支配されながら、次第に盛り返し、ロスタイムに同点、さらに延長後半に再び加点されながら、もう一回ロスタイムに同点弾と、あまりの劇的な展開に心臓が止まるかと思いました。が、PK戦では女神は2度は微笑みませんでしたね。残念です。試合の詳しい展開はよそにお任せして、ちょっと思ったことを。

どうも現在の日本サッカーは、2002トラウマ(笑)にとらわれ、低迷の道を歩んでいるように思えてならない。あの男も罪な存在である/あったことだ。

「2002トラウマ」には2種類の意味がある。ひとつは、前監督の奇矯な振る舞いにより「もう外国人監督はいいや」という感覚を、日本の協会関係者、代表関係者に与えてしまったのではないか、ということだ。まあそれがなくても、もともと若年層の代表の監督は日本人であったから、ここに外国人指導者の登用はそれほど現実的ではなかったかもしれないが。少なくとも、フル代表監督が「人格的に優れた」「日本人のことを知っている」人物に落ち着いたのは、これによるところ大だろう。

「もう外国人監督はいいや」・・・そろそろそれから脱却しないと、このまま日本のサッカーはずるずると後退して行ってしまうのではないか。やはり、まだまだ日本のサッカー指導は諸外国に学ぶべきところが多くあるのであって、いかに勉強熱心な協会がスカウティングし、それを日本人指導者同士でフィードバックしたとしても、その指導メソッドにおいてそれは日本レベルの域を出ない。それがここしばらくの、各年代代表の低迷につながっているのではないか(もちろんそれ「だけ」ではないことは言うまでもないが)。

世界には、若年層の育成に長けた指導者はあまたいるであろう。東欧の指導者はそういう面で実績を残しているし、あるいは(あまりに人格が分からないと不安であるというなら・笑)、Jリーグにおいてかつて指揮を取った経験のある人物でもよい。また、日本サッカーが今後取るべきコンセプトを定めたら、それに近いサッカーをしている国の指導者(あるいはその実現に力のあった他国の指導者)を招いてもいいだろう。フランス型なのか、あるいはポゼッションを重視するオランダ型なのか、ブラジル型かもしれないし、メキシコ型かもしれない。彼らから学ぶべきことは、まだ非常に多くあるはずだ。

U-17布監督、U-20大熊監督、どちらも昔の「監督経験のない監督」や、「若年層の代表を監督の育成に使う」という状況からは、ずいぶんと前進し、それぞれ指導経験も実績もある人物の登用で、私は好感を持って迎えていた。しかしここ最近の日本サッカーの現状を見るに、ここに外国人指導者を置き、その豊富な経験によって指導をしていくことが必要だと思えてならない(もちろん、U-17の敗退という問題、U-19の1、2試合の印象からすべてを語るのは、はしょりすぎである可能性もあるが、さらにその上の五輪代表、フル代表を見ていてもそう思えるのだ)。

あるいは、若年層の代表監督が日本人になっているのは、トラウマ(笑)によるものではなく、別の理由があるのかもしれない。若年層の代表では、世界の大会をスカウティングして作成した指導方針をフィードバックし、それに基づいて指導してくれる監督がいい。それには外国人監督は難しい、ということであるのかもしれない。さらにはもちろん、予算の問題もあろう(ただ、予算に関しては、別に有名監督でなくてもいいのだから、それほど目の玉の飛び出るような額でなくてもだいじょうぶではないか)。しかし、そのようなコミュニケーションは、外国人監督であってもけして不可能ではないはずだと思う。オリエンテーションの仕方、ミッションの与え方さえ間違えなければ、外国人は必ずしも扱いがたいビジネス相手ではない(注:一部の奇矯な人物を除く・笑)。

「ワールドユース前に大熊監督を他の外国人監督に」ということが現実的であるかどうか、は現時点では私には分からない。もちろん、チームをワールドユースへ導いた大熊監督の功績は認めた上で、よりポジティブにそれができるのなら、してもいいだろう。また、そうでなくても、若年層の育成全体を考えた上で、今後はもう一度指導者選びの目を世界へ向ける必要がある、と私は強く思うのである。

(続く)

10:58 AM [サッカー日本代表] | 固定リンク

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コメント

日本の社会では良くある事ですが、外国から学ぶ時に、
メソッドばかり熱心で、フィロソフィーには淡白。
それぞれのフィロソフィーに従ったメソッドを
各個に集め、メソッドの優劣を吟味し、優れたものを組み合わせようとするから、さらにフィロソフィーは混乱するように思えます。

投稿者: タクジ (Oct 8, 2004 8:38:40 AM)

監督の人選、という点「だけ」に限っていえば、協会はジェフに指導を受けた方が
いいかもしれませんね〜
低予算ゆえ選手集めには苦労をしていますが、こと「監督」に限っていえば
ジェフフロントはここ数年非常に成果を残していると思います
まあユース年代の監督に関してはイロイロ難しい部分も多いのでしょうが…

投稿者: yellow 6 (Oct 9, 2004 4:11:30 AM)

タクジさん、コメントありがとうございます。そうですね。練習メニューの導入はできたかもしれないけれど、その背後にあるものや、どう運営するか、という部分は、見過ごされているように思えますね。だから「微修正主義」に走ってしまう。特に山本さんを見ているとそれを感じました。

yellow6さん、コメントありがとうございます。いやまったくおっしゃるとおりだと思います。祖母井さんのその方面での活躍はすばらしいですよね。ノウハウを協会にもぜひ伝授して欲しいものだと思いますよ、ホントに。

投稿者: ケット・シー (Oct 10, 2004 11:09:55 AM)

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