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October 25, 2004

お見舞い

台風23号、そして中越地震で被害にあわれたみなさまには、心からお見舞い申し上げます。今年は本当に自然の恐ろしさを知らされるようなことが続きますね。一日も早い復旧をお祈りしています。

そんななか、磐田vs新潟の試合では、磐田サポから心温まるエールもあったようです。また、アルビレックスが募金を集めたりもするそうで、私もできる限りのことをしたいと思います。こんな時、Jリーグっていいな、スポーツクラブっていいな、と感じさせてくれますね。

02:07 PM [日記] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0) |

功労者をめぐる議論百出

しかしまあ、ジーコの功労者招集案は、なんとも賛否両論のようですね。

■私はこの件に関しては基本的に、「騒ぐようなことではない」というスタンスです。

1)まだ召集そのものが発表されたわけではないこと。
2)何と言っても、やはりこれは消化試合の話であること。
3)ジーコ監督が日本におらず、その真意がわかりにくいこと。

というようなことが理由ですね。ジーコ監督は今日本にいないわけで、帰国してからJリーグのビデオを見て、唐突に(笑)大黒と大久保を呼ぶかもしれないじゃないですか。まだ声高な批判には早いのじゃないかと思います。

■この件に関し、中澤が意見を言ったという報道があります。中澤の発言は、

シンガポール戦はこれまで控えだった選手を起用してほしい。アジア杯で勝てたのも彼らが腐らずにチームを支えてくれたから。戦力も底上げできる

ということで、まことにもっともなことと言えます。ただ、これに関しても「功労者」と「これまで控えだった選手」を組み合わせて起用することもできるわけですね。選手発表がない段階で「功労者」か、「サブを起用」か、二者択一で考える必要はないのではないかと思います。

ジーコは「功労者」の候補について、カズ、ゴン、秋田、沢登、小村、というところを考えているようですね。他に山口や名良橋あたりも候補になるでしょうか。仮にジーコの言及した5人が起用されるとすると、

---カズ---ゴン---
--沢登-----藤田--
--小笠原---遠藤---
三都主-秋田-小村-三浦淳
-----曽ケ端-----

というようなことになり、これは「功労者とサブのミックス」ということができるでしょう。これがそれほど問題であるのかどうか?

■確かに、この試合にいわゆる「若手」を呼んで、今後のために日本サッカーの底上げをしておくというのは、一つの合理的な強化法といえます。これは、現状のチームにサブが足りないから、ということでは「なく」ですね。海外のチームとの試合経験を、少しでも多くの選手に経験させておく。それが日本サッカー全体のためになる、ということまで、代表監督は考えてもいい。もちろん、その中から代表にフィットするような人材が現れたら、戦力の底上げにもなるわけですし。

しかし、ジーコ監督は武藤さんが「ジーコ氏は信念を持って『その場主義』を貫いている」とおっしゃるように、あるいはサカマガ997号の西部さんが

(ジーコ監督は)今日がなければ明日はないという1戦必勝主義者だ。前監督がすべては明日のためにと、今日を使ったのとは正反対のアプローチである

と書かれているように、信念を持って「目先の1勝主義」を貫いているのであって、ここでこれまで代表召集経験のない選手を呼んで起用するということは、その範疇には入らないのでしょう。よいか悪いかはともかく、ジーコはそういう監督なのだ、ということです。

■そして、現在の侃々諤々の議論は、やはり「そこ」に起因するものと考えた方がよさそうです。アジア相手にも下がった最終ラインで対応し、セットプレーに頼ってアジアカップで優勝、1次予選も通過しました。が、その内容は、最終予選を見据えて、これでいいのかどうか。「目先の1勝主義」的には、なにも問題がないのでしょう。このままで最終予選も戦える、勝ち抜けると考えている。しかし、現在のチームだけではなく、日本サッカー全体の将来を考え、ドイツでのパフォーマンスも考えた場合、つまり目線を高く持った場合には、やはりよりいっそうの向上を目指して欲しい。そのためにシンガポール戦を使って欲しい、ということになる。その乖離、主義と目線の差が、現在の議論百出を生んでいるのでしょうね。

繰り返しますが、私は、今回の召集案自体は「騒ぐようなことではない」と思っています。しかし同時に、これまでのジーコ監督と、その周辺の議論すべてを集約したような、興味深い事例であることだなあとも思っています。

■さて、この記事に関連するいくつかの議論ですが・・・。

まず、「フェスタ(お祭り)だ」という部分に関しては、それほど過敏に反応することではないのでは?と思います。もしかしたらブラジルでは、消化試合一般のことをそう呼ぶのかもしれないじゃないですか(笑)。言葉が違うのですから、ニュアンスも違うでしょう。

若手選手らを起用すべきとの声には「失礼な言い方だが(格下の)シンガポールではテストの機会にならない」と反論した。

これについても、「ジーコ監督のやり方ならば」そうでしょう、と思います。選手が話し合って連携を作っていくチームで、いきなりぽっと入れられた若手が、しかもこれまでのサブの選手と組み合わされて、テストになるでしょうか?シンガポールが相手だからということではなく、この試合自体の位置づけとして、私もそう思います。

ジーコである以上、代表の世代交代はゆっくりとしたものになるでしょうし、それによって後続の世代は国際経験が少なくなりますね。一つの代表チームのことだけじゃなく、そういうところまで考えて「日本全体の底上げのために」若手を起用することはあってもいいのですが、もちろんそれはジーコ監督のミッションには入っていないことです。ただ我々サポとしては、「ジーコ以後」のことまで考えなくてはならず、そうすると背筋が薄ら寒くなってきますね(笑・・・えないけど)。

■ところで、私がこの記事を読んでちょっと思ったのは、「少なくとも現時点では、『魂の継承』話は出てきていないなあ」ということでした。「功労者」を呼ぶことは、彼らの最終予選の経験や、代表の重さを体得していること、いわゆる「魂」を、現在の代表選手に注入させるためだ、という意見があるのですが、少なくとも現時点まではジーコ監督はそれを口にしてはいないですね。ただ「日本サッカーの歴史に貢献してくれたことに感謝するため」と言っているようです。ジーコ監督の真意がどの辺にあるのか、これからちょっと注目ですね。

■さて、、その「真意」の問題です。呼ばれる選手はどういう気持ちなのか、ということがあります。カズは、

正直言って予想もしていなかった。Jリーグで活躍しないと呼ばれないと思っていたので(今季はPK1得点)。その部分では複雑。
呼ばれれば、日本代表が勝つためにやりたい。

と、前向きなコメントを残していますが、やはり複雑であることも吐露しています。これは(ソースは失念しましたが)選手が「どういう理由で呼ばれるのか、教えて欲しい」という趣旨のことを語っていたのと同じことであると思います。サカマガの千野さん

噂されている召集組、カズや中山たちにも失礼になる。

 カズや中山らは、代表チームに誇りを持っている。現役である彼らは、今でも代表に呼ばれることを目標にプレーをしているはずである。しかし、代表に呼ばれることはあくまで実力でなければ意味がない。

 今回のプランだと彼らを招集することは、功労者への感謝ではなく、温情になってしまう。

と、書かれているように、

「現役の日本代表は、その時のパフォーマンスが日本最高だから選ばれるのだ」
「だから、自分も他の多くの選手も、それに値するプレーをしようと日々頑張っているのだ」
「今の自分のプレーがそれに値するかどうかは、自分でわかっている」
「にもかかわらず『功労者』として呼ばれるということは、『温情』ということではないか」

ということであると思うのです。これが「呼ばれる選手に失礼」かどうかはわかりませんが、個人的には私だったら、そのような形で自らが誇りを持っていた舞台には立ちたくないなあ、と思います。

私が先日「違和感」として、唯一引っかかったのはこの点ですね。呼ばれる選手たちには、気持ちよくプレーできるように、しっかりと理由を説明してあげて欲しいものです。ジーコ監督が自ら面と向かって話せば、きっと選手たちは理解できると思うのですが、そういう意味では先に新聞辞令が出てしまったことが、今回の問題を複雑にしましたね。現在のこの問題をめぐるサポの議論は、ちょっと本人たちにかわいそうなことになっているように思います。ここはまさに功労者たちへのリスペクトをこめて、少し静観するようにできないものでしょうか。

■最後に、仮にこの召集案が実現したとしても、これで「功労者への感謝」を示すことを終わりにしないで欲しいものだと、協会に強く要望したいと思います。千野さんのコラムにあるように、これを契機に代表引退試合などを整備して、しっかりとした「感謝を示す」機会を作って欲しいですね。その方がよほど大事なことだと思うのですが。

それではまた。

12:48 PM [ジーコジャパン・考察] | 固定リンク | コメント (2) | トラックバック (2) |

October 15, 2004

「現実的」な勝利

何か妙なことになって来ていますが…。

私は個人的には功労者にはいくら酬いてもいいと思っている方ですが、なんとなく今回の件には違和感を感じますね。もし功労者に酬いるという主旨なら、それ専用の試合を組んで、vsアジアオールスターズとかにしたほうが良いのではないでしょうか?それにしても当人たちが引退を表明した後のことでしょうけどね。

まあそれはそれとして、オマーン戦はまったく問題のない勝利でしたね。

まさに、アジアカップの再現のような試合といえますね。アジアカップの優勝の原動力であった、カバーを重視した守備、セットプレー、個人能力、そして落ち着き、がやはり多くを決しました(今回はセットプレーは不発でしたが)。

特に、日本の合宿でも練習していたという、守備を重視したゲームプランは功を奏していたようで、前半はボールをオマーンに支配されても、日本の選手は慌てないで済みましたね。それに参加していなかった高原は結構困っていたようでしたが。

この辺が、2月のオマーン戦、アウェーのシンガポール戦との大きな違いでしょう。2月の試合では、さまざまな理由により苦戦しましたが、その苦戦に対し「こんなはずじゃない」「もっと出来るはずだ」「なぜこんなことに・・・」などと選手たちが(おそらく)考えてしまっていたことが、一つの問題だったのではないでしょうか。それによって、時間が経つにつれ、チームは自分たちで自分たちを追い詰めてしまっていたわけです。

欧州遠征、アジアカップと、ジーコと共に過ごすうちに、選手たちは「そういうことじゃないんだ」「最後に勝てばいいんだ」ということを体得して行ったようです。アジアカップにおいて多くのアジアの国から押された試合展開となったことがもっとも大きいでしょうが、同時に、それがジーコの哲学だ、ということも影響しているでしょうね。

ただ、守備的布陣を練習していたジーコですが、それでもあそこまで押されるのは想定外だったようですね。確かにバイタルエリアを空け渡してミドルを打たれても、オマーンのシュート精度が低いので大丈夫ではあります。しかし、日本のシュートは前半は敵のミスを高原がさらった1本だけじゃなかったですか?ハーフタイムには「もっと前から勝負して行こう」と指示があったようです。

それもあって、後半開始から日本は前に出て、小野の素早いリスタートから俊輔の走り込み、すばらしい2段フェイントから鈴木の豪快なゴール!オマーンは日本のこのシフトチェンジに対応できませんでしたね。

気落ちしたオマーンに対し、日本は心憎いまでの落ち着きを見せます。ボールを奪っても、早く前線へ送らない。ゆっくりとしたボールポゼッションで、じわり、じわりと陣地を回復していく。ジーコ監督のサッカーは「フォーリングバック+ポゼッションサッカー」だと以前J-NETで議論したことがありましたが、ここに来てようやくそれが真剣勝負で見えて来ました。まあ、「引き分けでも通過」という試合だからそれがさらに有効に機能した、という部分はありますけどね。

この「相手をいなす」ボールポゼッションができていたところが、この試合の内容がオマーンとの3試合で一番よかったと私が思ったところです。世間ではこの内容に不満な人もいるでしょうし、2次予選、W杯本大会ではミドルシュートの精度はもっと高いです。この守備でおさえ切れるかどうか?という疑問はありますね。まあそれは2次予選までの課題としましょう。

この試合で私は小野の危険なポイントを読む力、宮本の統率と、中澤の、アジアレベルを越えたすばらしい守備能力に感銘を受けました。また、中村選手もボールを奪われなくなったし、必要な時にはシンプルにはたいてリズムをつくることもできていた。すごくいいプレーでしたね。後半はいいポジションをとって、DFが跳ね返したこぼれだまを、ことごとく中村か小野が拾うという状況も作れていました。

総じて、「現状の(組織力も含めた)戦力で、1次予選を突破するには最適のやり方」ができたことは確かです。「現実的」なたたかいとはそういうことでしょう。2次予選はよりレベルの高い相手との戦いになりますが、アジアカップで優勝できたように、このやり方でもW杯にたどりつくことはできると思います。あとは、本大会でどのようなものを目指すのか、ということになるでしょうか。それは、またいろいろと落ちついたら考えましょう。

それではまた。

06:58 PM [ジーコジャパン・1次予選] | 固定リンク | コメント (6) | トラックバック (0) |

October 14, 2004

一安心

やりましたね!

あんまりにもほっとしたので、力が抜けました(笑)。細かいことはまた後日に書きたいと思います。

しかし、今日の日本は強かったですね。オマーンとの3試合の中で一番内容もよかったのじゃないかな。私は個人的に、小野の守備に感銘を受けました。

いやあ、なにはともあれよかったですね。

それではまた。

03:51 AM [ジーコジャパン・1次予選] | 固定リンク | コメント (3) | トラックバック (3) |

October 11, 2004

さあオマーン戦!

いよいよオマーン戦が近づいてきましたね。

このBLOGでアジアカップの総括がすまないうちにこの日が来てしまったのが申し訳ないのですが、基本的には私は悲観してはいません。「引き分け以上で1次予選突破」ですから。ここへ来ていろいろな不安材料が取りざたされていますが、今の日本には、オマーン相手に引き分ける力は十分以上にあると思いますよ。

ユースに苦戦したのも、メンバーがそろわなかったり、試合直前でフィジカルを追い込んでいたりする時期だからでしょう。一日出発が遅れ、直前の現地入りになりましたが、「気候順応は3日前が一番きつい」と湯浅さんはおっしゃっていますし、「ぱっと現地入りして、現地の悪影響を受ける前に試合をしてしまう」というインド戦方式に、むしろ近くなったとも言えます。

故障者だけがやや気がかりですが、報道を見る限り「本番で試合できない」ほどの選手はいないようですし、藤田や本山らのサブも好調な様子です。アジアカップでも苦しい中、戦い抜いた選手たちですから、心配するには当たらないでしょう。

そして、悲観しすぎるには当たらない理由は、やはりアジアカップでの日本代表の姿があるからです。あの時と同じような試合展開になるかもしれませんが、それでも何とか勝ってしまう力を今の日本代表は持っています。アジアカップの優勝の原動力になったのは、カバーを重視した守備、セットプレー、個人能力、そして落ち着き、だと私は考えているのですが、それは現在でも失われていないでしょう。

カバーを重視した守備は、「自分の前でものごとがおこっていて欲しい」というDFの本能に近い形でプレーをすることができ、基本的には安定させやすい守備です。問題は、引きすぎた時にさらにボランチが引きずり出されてバイタルエリアを空けられ、そこを利用されてしまうことがある点。また、サイドを攻められへCBが一人出ていった時、ペナルティエリア内のファーサイドのケアをアウトサイドの選手(三都主か加地)がしなくてはならない点。これまでの失点はそれらによるものが多いですね。ただ、これにさえ気をつければ、FWの決定力が高くないオマーンのこと。日本が2点以上取られることは考えにくいですね。

セットプレーは、アジアカップを通して日本の強力な武器になりました。主に中村の左足からでしたが、他にもアジアカップでは遠藤や三都主が蹴ったりしていましたし、今回は小野もいます。勝負のかかった拮抗した試合では、しばしばセットプレーが勝敗を分けるものです。今回もこれが日本の頼みになるでしょう。

そして「落ち着き」です。2月のオマーン戦やシンガポール戦には見られた「攻め急ぎ」や「焦り」が、アジアカップから消えてきているように思います。それは宮本が言うような「アウェー・アドバンテージ」が現実化したものでしょう。「こんな環境なら“いいサッカー”ができなくても仕方がない」「悪い内容でも焦らないようにしよう」「最後に勝っていればいいんだよ」このような感覚が、アジアカップを通して次第に成長していったように見えました。これは、「引き分け以上で1次予選突破」である日本にとって、なかなかよい状態であると思います。

そして、アジアカップからのプラスオンもありますね。小野、久保、の復帰です。思えばオマーンは、2月の予選でも、小野とは出会っていないわけで、中盤でためを作れる小野、そして、途中出場だったインド戦でもそのポテンシャルを十分に見せていた久保の存在は、今のチームにとって非常に大きな武器になるでしょうね。小野のパスと、動き出しのよい久保の組み合わせも、相性がとてもよいですしね。

そして最後に、今回もFixed dates for Official Competition matches(公式試合用Aマッチデー)であり、「時間が取れる」ことも最も大きなファクターの一つであろうと思います。私の常々の持論なのですが、「選手が話し合いながらサッカーを作る」ジーコジャパンでは、その話し合いに参加していなかった選手(または久しぶりの選手)が入ってくると、チームを機能させることがなかなか難しいのではないか、ということです。今回はそうではない。話し合う時間が十分に取れますし、もともとアジアカップで培ったベースもあります。

以上のようなことから私は、2月のオマーン戦、アジアカップでのオマーン戦のような内容にはならないだろうと考えますし、なったとしても、最後には勝てるだろうと思います。とはいえ、一抹の不安もありますから、10月13日はしっかりと応援したいですね。今からモニター前にブルーのユニフォームを置いておきます。

ガンバレガンバレ、ジーコジャパン!

それではまた。

10:41 PM [ジーコジャパン・1次予選] | 固定リンク | コメント (2) | トラックバック (2) |

October 10, 2004

ユース監督人事について

「2002トラウマから脱却しよう」へいただいたトラックバックに、お答えしてみたいと思います。

サッカーのある幸せ(エルゲラさん)

で、協会に求めたいものがリスクチャレンジなのですよ。現在のようにサッカー監督経験がない人物に代表監督をさせるようなリスクチャレンジではなく、今の日本サッカーに足りないものを冷静に分析してそれを持っている外国から積極的に学ぶ姿勢、外国人監督を招聘するにともなって発生するリスクに積極的にチャレンジしてほしいですね。

まったく同感です。どんな仕事でもそうですが「やりなれたスタッフと仕事をしたい」という気持ちは、ある程度仕事に慣れると必ず出てくるものですね。しかし、そればかりになっては成長がなくなってしまいます。それは避けたいものですね。

ただ、高校で実績を残した布監督、Jリーグチームを率いたことのある大熊監督の就任は、私はやや「プロとして監督を選び、プロとして評価」に近づいたように思い、けっこう歓迎していたんですけどね。あれ、清雲監督もJチームを率いたことはありましたか_| ̄|○

布監督の就任は、非常に分かりやすい根拠があると思いますが、そういえば大熊監督はどうでしょうか?私は「大熊ボイス」が(前回は)好きだったので、「アンチ大熊」ではないですが、大熊監督に就任要請をした根拠ってやや不鮮明な気がします。FC東京で見せたサッカーをユース代表に導入するべきと考えた?それ以前に若年の指導で実績を見せていた?私の情報収集具合が悪いのかもしれませんが、ちょっと不明です。協会もこの辺に関してもう一度アカウンタビリティを見せて欲しいものですが・・・。

昨日の風はどんなのだっけ?(トロネイさん)

意外な人が意外なところで就職活動していたり、意外な低賃金で働いていることだってあるんですから、どんどん良いものは人でも制度でも物でもどんどん入れてほしいです。

そうですね。マチャラ監督なんてどうです(笑)?。ジョダール監督やピーター・ウィズ監督のような人だっているんですしね。探せばそういう監督はもっともっといるはずだと思います。

texte(quesaisje00さん)

心理学関係者としては,トラウマとかいう言葉を濫用しているのはいかがなものかと思うが,その他の主張はうなづける.

うああ、すみません。わかりやすくしようと思って使ってしまいました。

気ままに代表ブランク(ブランクさん)

昨今の中東を見ていると、すでに各国ともコンパクトにしてプレスをかけるのは常識になりつつある。となれば、対抗策を考えなくてはならないのだが、それが深いライン取りとセットプレイによる得点ではたまらないではないか。

そうなんですよね。フル代表年代を見ていても、中東諸国(特に中堅以下の国)が、だいぶスタイルを変えてきています。日本はその先を行くはずだと思っていたのですが、現状はどうにも・・・ですね。

~友人Sの長征 学習塾経営編~(big flagさん)

DFラインが低いのに、FWが高い位置からプレスをかけるとどうなるか?
FWとDFの距離が非常に開いてしまう。FWがせっかくプレスをかけて、相手の
ミスを誘っても、近くに味方がいないから、ボールが拾えない。つまり無意味なことを
延々と繰り返させている、ということだ。

FWが高い位置からプレスをかけるなら、それに連動してMFも適切な距離でポジションを取り、DFも適切な距離に位置することができればそれが押し上げになり、コンパクトが実現できるんですけどね。そのときの連動した動き、ポジション取りなどが、もっと上手く指導できているといいと思うのですが、各年代でなかなかできていないですね。

みなさまトラックバックありがとうございました。大熊ユース代表、シリア戦はようやく吹っ切れて、チームとしてもすることが整理でき、またシリアのプレッシャーの少なさにも助けられ、いいサッカーが展開できましたね。これをいつでも、強い相手でもできるようにするために、協会にはもう一度大きな目で課題を整理、次の監督(それはワールドユース後にはどちらにしても必要になることです)の人選に当たって欲しいですね。

それではまた。

12:19 PM [サッカー日本代表] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (2) |

October 07, 2004

2002トラウマから脱却しよう(2)

2002トラウマその2は、「ラインを高くすることへの恐れ」である。

先日の五輪代表の考察にも書いたのだが、U-23もU-20も、結局実現していたのは「低い位置からのダイレクトプレー」であった。トルシェ代表の戦いを見て、「コンパクトに戦ってダイレクトプレーをするのは日本にあっている」「でもラインを上げすぎると裏を突かれるのが怖い」と考えてしまったのだろうか?ラインを押し上げるリスクを負わない、カバーを重視したディフェンスを、どの年代も採用してしまっている。

それ自体は一概に悪いことではない。どのようなコンセプトにもメリットもあればデメリットもあるのである。ラインを低くするディフェンスには、「ディフェンダーが守りやすい」「裏を突かれない」というメリットもあるが、いうまでもなく、「全体が間延びする」というデメリットがある。それにより試合全体を支配される可能性が高くなり、また、バイタルエリアを利用されての失点の危険も出てくる。

「間延びした中盤でパスをつなぐ」というのは、これもまた一概に悪いことではない。そこに出現するのは、ボールをコントロールする余裕と、敵との頻繁な1vs1である。そこで時間をかけてじっくりとポゼッションし、1vs1を制覇していこうというのは、敵との技量レベルに差がある場合は(例えばレアル・マドリーならば)、うまくいくことであろう。あるいは、各選手の「ボールのないところでの動き」がよくトレーニングされ、ボールを上手く引き出していける組織性があれば、これも問題ないであろう。

U-20代表ではどうだっただろうか。間延びしたフィールドで、ボールはつなげなかった。「ボールのないところでの動き」の組織性を高めるトレーニングはできていないようであり、また1vs1にさらされると、それを制していくだけの技量差は、アジアを相手にしても持っていなかった。結果として、ボランチが「序盤は中盤で持ちたくない」という状況になり、平山の頭めがけて蹴るサッカーになってしまっていた。

さらには、敵が高いディフェンスラインを引き、コンパクトフィールドでのプレスを挑んできたカタール戦では、そこにはボールを持った日本選手を複数の選手が取り囲む、1vs多の状況が出現してしまっていた。日本は中盤でのプレス合戦に持ち込めず、かつての中東諸国がやってきたような「ロングボールを放り込む」という時間が長いサッカーになってしまっていたのである。

さて、これは日本全体がとるべき方向性なのだろうか。議論は分かれるところだろう。なお、「ラインの裏が怖い」という意見は根強い。しかし私は、特に若年層において、コンパクトフィールドを高い位置で実現できる技術、その中でボールコントロールし、パスをつないでいく技術を伸ばすことが、日本の今後のためには必要であると思う。そのためには「裏恐怖症」から脱却する必要がある。

重要なのは「ダイレクトプレーかボールポゼッションか」ではなく、「コンパクトフィールドとプレッシング」であり、その中でもボールを繋げるようにするスキル、そしてそれを可能にする第3の動きなどの個人戦術なのだ。そこのところが取り違いされ、「低い位置でセーフティーに守ってダイレクトプレー」では、昔の「べた引きから放り込み」と変わらなくなってしまうではないか。

もちろん、大熊監督の志がそこにあるというつもりはないし、現チームがそれしかできないチームであるというつもりもない。しかし、「コンパクトフィールド、プレス、コンパクトの中でもつなげる連動性」をさらにさらに強調していくようにしないと、強い相手と戦うときには再び同じ状況になってしまうだろう。それではオフト以来の日本サッカーの時計を逆に進めてしまうことになるのではないだろうか。

世界は先に進んでいる。アジア諸国も追いつこう、追い越そうとしている。日本が停滞している暇はない。もっと世界から学び、もっと世界を目指して強化する必要がある。そろそろ2002トラウマから脱却しようではないか。

それではまた。

11:02 AM [サッカー日本代表] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (2) |

2002トラウマから脱却しよう

ワールドユース韓国戦が終了しました。

序盤から試合を支配されながら、次第に盛り返し、ロスタイムに同点、さらに延長後半に再び加点されながら、もう一回ロスタイムに同点弾と、あまりの劇的な展開に心臓が止まるかと思いました。が、PK戦では女神は2度は微笑みませんでしたね。残念です。試合の詳しい展開はよそにお任せして、ちょっと思ったことを。

どうも現在の日本サッカーは、2002トラウマ(笑)にとらわれ、低迷の道を歩んでいるように思えてならない。あの男も罪な存在である/あったことだ。

「2002トラウマ」には2種類の意味がある。ひとつは、前監督の奇矯な振る舞いにより「もう外国人監督はいいや」という感覚を、日本の協会関係者、代表関係者に与えてしまったのではないか、ということだ。まあそれがなくても、もともと若年層の代表の監督は日本人であったから、ここに外国人指導者の登用はそれほど現実的ではなかったかもしれないが。少なくとも、フル代表監督が「人格的に優れた」「日本人のことを知っている」人物に落ち着いたのは、これによるところ大だろう。

「もう外国人監督はいいや」・・・そろそろそれから脱却しないと、このまま日本のサッカーはずるずると後退して行ってしまうのではないか。やはり、まだまだ日本のサッカー指導は諸外国に学ぶべきところが多くあるのであって、いかに勉強熱心な協会がスカウティングし、それを日本人指導者同士でフィードバックしたとしても、その指導メソッドにおいてそれは日本レベルの域を出ない。それがここしばらくの、各年代代表の低迷につながっているのではないか(もちろんそれ「だけ」ではないことは言うまでもないが)。

世界には、若年層の育成に長けた指導者はあまたいるであろう。東欧の指導者はそういう面で実績を残しているし、あるいは(あまりに人格が分からないと不安であるというなら・笑)、Jリーグにおいてかつて指揮を取った経験のある人物でもよい。また、日本サッカーが今後取るべきコンセプトを定めたら、それに近いサッカーをしている国の指導者(あるいはその実現に力のあった他国の指導者)を招いてもいいだろう。フランス型なのか、あるいはポゼッションを重視するオランダ型なのか、ブラジル型かもしれないし、メキシコ型かもしれない。彼らから学ぶべきことは、まだ非常に多くあるはずだ。

U-17布監督、U-20大熊監督、どちらも昔の「監督経験のない監督」や、「若年層の代表を監督の育成に使う」という状況からは、ずいぶんと前進し、それぞれ指導経験も実績もある人物の登用で、私は好感を持って迎えていた。しかしここ最近の日本サッカーの現状を見るに、ここに外国人指導者を置き、その豊富な経験によって指導をしていくことが必要だと思えてならない(もちろん、U-17の敗退という問題、U-19の1、2試合の印象からすべてを語るのは、はしょりすぎである可能性もあるが、さらにその上の五輪代表、フル代表を見ていてもそう思えるのだ)。

あるいは、若年層の代表監督が日本人になっているのは、トラウマ(笑)によるものではなく、別の理由があるのかもしれない。若年層の代表では、世界の大会をスカウティングして作成した指導方針をフィードバックし、それに基づいて指導してくれる監督がいい。それには外国人監督は難しい、ということであるのかもしれない。さらにはもちろん、予算の問題もあろう(ただ、予算に関しては、別に有名監督でなくてもいいのだから、それほど目の玉の飛び出るような額でなくてもだいじょうぶではないか)。しかし、そのようなコミュニケーションは、外国人監督であってもけして不可能ではないはずだと思う。オリエンテーションの仕方、ミッションの与え方さえ間違えなければ、外国人は必ずしも扱いがたいビジネス相手ではない(注:一部の奇矯な人物を除く・笑)。

「ワールドユース前に大熊監督を他の外国人監督に」ということが現実的であるかどうか、は現時点では私には分からない。もちろん、チームをワールドユースへ導いた大熊監督の功績は認めた上で、よりポジティブにそれができるのなら、してもいいだろう。また、そうでなくても、若年層の育成全体を考えた上で、今後はもう一度指導者選びの目を世界へ向ける必要がある、と私は強く思うのである。

(続く)

10:58 AM [サッカー日本代表] | 固定リンク | コメント (3) | トラックバック (3) |

October 04, 2004

ワールドユース出場決定!

U-19代表、ワールドユース進出決定おめでとう!それと、イチロー選手、年間最多安打記録更新おめでとう!

イチロー選手の記録は本当にすごいですね!その後のスタジアムの祝福振りに、打った本人も驚いているようでしたが、それぐらいすごいことなのですよね。見ていて胸が熱くなりました。

さて、U-19代表はカタールを破り、ワールドユース出場権を獲得しましたね。スターティングメンバーはこんな感じでしょうか。

---平山--カレン--
-----兵藤-----
苔口-高柳--高萩-中村
--水本-増嶋-小林--
-----西川-----

やはり先日まで怪我で別メニューだった兵藤君の動きは、本調子ではなかったようですね。また、増嶋君が試合前に語っていたように、こういう大きなものがかかった試合だから、序盤は無理をせず、ディフェンスもセーフティーに、攻撃も最初はロングボールで平山の頭、ということを徹底していました。ただ、「それだけ」になってしまうとやはり不満ですね。前半は「それだけ」になりそうだったのがどうにもこうにもでしたが・・・。

やはりカタールはグループリーグ3試合で戦った相手とは格が違い、技術もフィジカルもそうとう高いチームでした。そして、ラインをやけに(笑)高く押し上げてこぼれだまを拾いまくる。日本は、暑さもあるのでしょうが、ラインはあまり押し上げず、プレスがなかなかかけられない状態。

奪っても、展開ができなく、ロングボールになってしまう。バランスが悪いため、こぼれだまは敵に収まる。平山の頭経由で裏にカレンが抜けるなど、いいシーンもいくつかありましたが、苦しい展開が続きましたね。もともとのゲームプランとは言え、冷や冷やさせられました。

後半になって、敵も動きが落ち、日本もやや繋げるようになります。そこへ中山(京都)を投入。実況は盛んに「松井2世」と煽り立てます(笑)。兵藤を一列下げて、ボールを奪ったあと彼が一回触ることで、更に繋げるようにして行こう、という意図でしょう。これはある程度奏功し、だんだんと日本のチャンスも増えてきました。しかし、なかなか得点にはつながらない。もっとつないだあと、速いサイドへの展開が欲しいところでした。

延長になって、ようやく森本君登場。彼は正確な技術と、しっかりと周りを見ていることで、いくつかのボールタッチで流れを引き寄せることができました。ただ、監督から言われているようにプレーの「量」が、(今日は見ているこっちにあせりがあるので特に)足りないように見えました。もうちょっと時間をあげたかったかな。延長でも、双方にチャンスがありながら、どちらも決めることができずに、結局PK戦へ。

カタールの4人目を西川が止め、日本は、最後、途中投入の船谷がきっちりと決めました。これでワールドユース出場決定です。いやあ、苦しみましたね。ふう。

日本は今大会、ボランチのボール奪取力、ボランチからの展開が不足気味で、そこが人材で改善されることを(ワールドユースまでには)期待したいところです。しかし、組織的にプレスして、コンパクトに戦う、ボールをきちんと動かして行く、ということがどうにもできていないわけで、この辺は監督の問題でもあるでしょう。特に中盤でボールを奪ったあと、視野が狭い選手が多く、狭い方へ狭い方へボールを運んでしまうことが多いのが気になりました。大熊さんは「大熊ボイス」が特徴的で好きなのですが(笑)、もっと改善して欲しいですね。

次戦からはプレッシャーもないわけで、思い切りよく、のびのびと、「自分たちのサッカー」を見せて欲しいですね。

それではまた。

12:25 AM [ユース代表] | 固定リンク | コメント (1) | トラックバック (1) |