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August 09, 2004
優勝おめでとう!
まずは優勝おめでとうございます、ジーコジャパン!
昨夜は喜びのあまり痛飲、今日はそのまま出かけてしまい、更新が遅くなってしまいました。どうもすみません。
中国戦は、ようやくいい試合ができましたね。優勝は最高の結果です。あれだけの大アウェーで堂々と勝ち抜いた選手たち、素晴らしい戦いぶりでした。ジーコ監督もよく選手たちをまとめてくれました。スタッフ、関係者も素晴らしい働きを示してくれたと思います。おめでとう、そしてありがとうございました。
昨日の追記部分にも書いたように、ジーコの人間性、周囲が完全アウェーであったこと、サブのメンバーの尽力などにより、このチームは完全に一つの家族のようなチームになったように思えます。2月のオマーン戦では、時間もなく、海外組みも急遽合流するだけという条件下で、このようなチームにはできていませんでしたが、ついにさまざまな条件が一つに重なり、なんとも一体感のあるチームになりました。それがなければ今回は優勝できなかったでしょう。この部分に関してはジーコ監督に大きな賛辞を送りたいと思います。
中国は、「トルシェ日本の夢を見る」かのようなチームでしたね(笑)。トルシェ日本と違うのは、組織サッカーを目指しながら、それに適合した選手の数が少ないというジレンマを抱えているところでした。
最終ラインは4人のDFをフラットに並べた形。どんどん押し上げて、コンパクトフィールドで戦おうとしていましたね。ただこの場合、中盤でプレスがかかっていない状態になったらいち早く敵FWのポジショニングやプレー意図を確認しながら後退しはじめなければならないのですが、DFたちの「プレスがかかっている/いない」を見て取る能力が低いという問題がありました。また、バックミラーも真ん中の選手がかろうじてできている程度。一言でいえば、「中国には宮本や森岡がいなかった」というところでしょうか(笑)。
中盤低めででぽんぽんとダイレクトパスをつなぎ、サイドへ展開する組み立ては悪くありませんでしたが、後半日本がサイドへのケアに人数をかけるようになると、とたんに突破の回数が減りました。本当はインサイドへいったん入れてパスアンドゴーなどをしたほうがいい場面でも、ルックアップができていない上に、ボールを受けたときの体勢が悪いから、前方へ突っかけていくしかなくなる。前半はまだしも、後半の中国の攻撃にはほとんど怖さがありませんでしたね。また、コンパクトにしている割にプレスもゆるい。あれではラインを上げている意味がありません。
対して日本は、散発的に攻撃はしているんだけれども、中国がプレスをかけてこない割には攻め手が少ないな、という印象でした。3-5-2でノンコンパクトでは、中村選手が下がってボールを受け、FWへのパス供給にこだわっていると、高い位置でのFWのフォローをする選手が足りなくなります。特に今大会では全体が下がってDFをすることが多く、そこからではボランチの上がりも時間がかかる。高い位置に起点を作りやすいやり方のほうがいいのではないかな、と思いました。
とはいえ、セットプレーという絶対の武器を持っているのは強い!流れ全体では、試合は互角の展開かなと思いましたが、セットプレーのたびにほとんど点になりそうな予感がするというのは素晴らしいものです(笑)。そういう意味では私は意外と中村選手のMVPにも納得気味だったりします。
中国戦は、レベルの高い選手たちが、(アウェーで)現実的にラインを下げつつ守り抜き、セットプレーという自らの強みを生かして勝利するという、ある種理想的な展開でした。アジアカップのこれまでの試合と比べても、特にメンタル面で成長の感じられる、よい試合でした。こういう試合で優勝できたことがなお素晴らしいですね。
大会全体、日本代表の戦い全体の検証はまた後日じっくりとしなければならないと思いますが、いまはとりあえず、優勝という最大の結果を残した日本代表の選手、ジーコ監督、スタッフ、そしてこれらの選手を生んだ日本サッカーに携わるかたがたすべてに、感謝と賛辞を送りたいと思います。ありがとう、おつかれさまでした。しばらくゆっくりと休んでくださいね。
それではまた。
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