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July 28, 2004さまざまな見方
もうイラン戦ですね。なかなか更新ができなくてすみません。
タイ戦は、オマーン戦よりは動けていましたが、先制されて動かなくてはならなくなっていたわけで、コンディションがどれほど上向いていたかは今ひとつ、わからないところですね。セットプレーがらみとは言え4得点、結果としてはグループリーグ突破を2試合で決めたのですから、上出来というところでしょうか。
さて、今週のサッカーマガジンでは、当然そのアジアカップに関する記事が多かったのですが、まずは田中誠選手の談話が興味深かったですね。オマーン戦に関して、
実は僕たちは、終始余裕を持って守れていたのだ。見る側はハラハラしたかもしれないが、プレーヤー・サイドとしては「追い付かれるのではないか」といった恐怖感はまったくなかった。むしろ思惑通りの展開だった。
と言っています。私たちは「見る側」ですから(笑)、ハラハラしましたし、Jリーグの選手の談話などでも「追いつかれるとは思っていなかったが、一瞬の隙を突かれた」などという談話はよくあるので、ちょっと「ホントかなあ」と思ってしまいますね。
タイ戦の被先制点には、
明らかに油断があったことを認めなければならない。先制点を許した場面は、相手の攻撃を遅らせるつもりであえてドリブルで持たせた。ところが結果的に寄せが甘くなり、そのままシュートを叩き込まれてしまった。
とのことです。「○○したつもりだったが、結果的に・・・」という言葉は、オマーン戦と真逆(笑)。ちょっと、どのように受け止めればいいのか迷うところです。
私は、いろいろな方と意見交換をして、「オマーン戦では大人の戦い方を目指したが、予想外に押し込まれ、思った以上にピンチを作られた」という見方が、総合すると正しいのではないか、と今では思っています。
さて、後藤健生さんは、オマーン戦の前半については「あのコンディションを考えたら理想的な展開」「日本がいちばん大人のチームだね」と大絶賛です。ところが後半については、「あそこまで攻め込まれ続けていては、リスクは大きい」「引きすぎて苦しい試合にしてしまったのは失敗だった」とのことです。
これはちょっと妙だなあ、と私は思いました。「大人のサッカー」「成熟した試合運び」と評するには、それが90分トータルして、一試合コントロールできてはじめてそう言えるのではないでしょうか?前半は素晴らしい「大人のサッカー」、後半はそうではない、というのは、「大人のチーム」なのかなあ?
後藤さんは前半と後半とを引き合いに出して、
「ジーコ原理主義」の長所と弱点の両者が見えたのがオマーン戦だったのではないか。
とまとめていらっしゃいますが、ちょっと前半だけをもって「大人のサッカー」と言い切るのは強引のような気がしますね。
最後に、どちらかというとジーコ監督を擁護する論説が目立っていた西部謙司さんですが、「こういう試合もある」でいいの?と題して、オマーン戦について、オマーンに押し込まれた理由を分析しています。まずは次の3つの要因をあげ、
1.選手の力量差
2.FWのキープ力不足
3.判断の甘さ
そして、
一番大きな原因は日本選手にあった“予断”だったのではないだろうか。
としています。結びは、
サッカーは言葉ではなんとでも言える。オマーン戦をどう言い表すこともできるが、自分の言葉にごまかされてはいけない。厳しいぞ、油断するなと言いながら、オマーンに圧倒された事実を深刻にとらえる様子もなく、ムードだけが非常にいいという状況に、重慶の暑さの中、多少薄ら寒い感触を覚えた。
チームのムードがいいのはよいことですが、なぜオマーンに圧倒されたのか、の分析も、10月を見据えてしっかりとしておいて欲しいものですね。
以上、なんとも興味深い、三者三様の意見でした。
さて、今日はもうイラン戦です。強敵ですが、よい内容ですっきりと勝つ、という試合がそろそろ見たいですね(笑)。また、グループリーグ突破は決まりましたが、ジーコ監督がメンバーをどうマネジメントするか。それが最終的な、この大会自体の成績につながるだろうことはもちろんですが、この酷暑の大会では、選手のためにも、うまくやって欲しいものだと願わずに入られません。
それではまた。
04:27 PM [ジーコジャパン] | 固定リンク | コメント (2) | トラックバック (2) |
July 23, 2004能動的に引いて守ったのか?
私は、2月のオマーン戦では心底落ち込みました。しかし同時に、あれほどひどいサッカーはもう見ないで済むだろう、あそこが「底」だろう、と思っていたのですが・・・。
世間では、いくつかポジティブな意見も見られるみたいですね。
1)優勝をにらんで、グループリーグ初戦にはコンディションのピークを持ってきてない。その状態で勝てたのだから、よしとするべきだ。これからコンディションは徐々に上昇する(それに伴って試合内容も改善するのだ)。
1´)優勝をにらんで、選手が自主的に6試合分のスタミナ配分をしたのだ。つまり「動けなかった」のではなく「動かなかった」のである。もちろん、必要な時はもっと動き、決勝までスタミナは持つのである。
2)このような酷暑の大会では、人もボールも動くサッカー、あるいはスタミナを要するプレッシングサッカーは無理だ。それは放棄し、意図的にわざと引いて、敵を引き出してのカウンターサッカーをしたのだ。それが成熟した大人の戦い方というものだ。
なるほど、どれも一理あるように聞こえます(考えの内容が一部違う、というような場合にはお教えください)。
1)については、「理論的にはありますね」「そうだといいですね」と私も思います。これは実際にこれからの試合での、選手の動きを見ていけばわかることでしょう。
ただ、「チーム・ジーコ」は、コンディションに関して、2月のオマーン戦でも国内の選手が動けていないとか、シンガポール戦へ向けた暑熱対策とか、私から見ると疑問の残る仕事ぶりが多かったのも確かです。大会全体でのコンディショニングがうまくできるのかどうか、ちょっと心配ではありますが、それもこれからの試合を見ていけばおのずと判明することでしょう。
1´)と2)については、どちらも「意図的にそうしたのだ」という点で共通点があるように思います。確かにジーコ監督も、引いて守ってカウンターという指示を出していたようです。特に先制できた場合には、これは間違った戦い方ではないでしょう。
しかし、私はこのやり方が機能していて、「成熟した大人の戦い方」であるとするには、条件があると思います。
A)決定的なチャンスをあまり作らせないこと。
B)跳ね返したボールを有効な攻撃につなげられること。
言うまでもなく、人数をかけて引いて守るのは、ラインを上げて攻撃的に守るのよりも、そちらのほうが守りやすいのでなくては意味がありません。裏を取られることが少なく、DFが前を向いてボールと敵を同時に視野にいれて守れる。だから守りやすく、ピンチになりにくい。それを求めて「人数をかけて引いて守る」わけですね。
また、どれほど実力差があろうと、ゴール前で波状攻撃を受け続けたら、何らかのきっかけ(単純なミス、ボールの跳ね返りなどのちょっとした偶然)で失点してしまう危険性も高くなります。さらには1点はセーフティーリードではない。引いて守るにしても、そこから効率的なカウンターにつなげられないと、やはり問題だと思います。
では、アジアカップでのvsオマーン戦の戦い方は、その2条件に合致していたのでしょうか?
私は、人数かけている割に、ずいぶんと決定的なチャンスを作られているし、また攻撃に関しても、効果的なカウンターはほとんどなく、ゆっくりしたボール回しでポゼッションを回復することもできなかったなあ、という印象を持っています。みなさんはどうでしょうか。
選手の談話を見てみると、
本山:「後ろが薄くなってた。もうすこし守備をしっかりやらないといけない。」
川口:「(反省点は?)相手にボールが渡ったときに近くに寄るのが遅かった。」
宮本:「後半になって、こぼれ球を拾えなくなっていた。ここから攻めに行く、ってときに(ボールを)取られたりしたことが、あんなに攻め込まれた理由だと思う」
福西:「(プレスが甘かったように見えたが?)前(の選手)を使って方向を限定しないと、あれ以上はいけない。そういうのはみんなで直したい。」
中村:「一個一個の寄せが遅れていた。ゴールのあと、もう1点行きたかったけど、自分たちで苦しんでしまった。後ろから押し上げられなくて、孤立してしまった。」
などなど、どうも「自分たちの作戦としてわざと引いて守った」というものには聞こえないものが多いですね。川口の「DFラインはしっかりしていた。攻め込まれたけど、要所要所できっちり対応できていた。」はその中ではポジティブな印象を残すものですが・・・。
「中盤の守りがないと、守備ラインをゴール前まで下げざるを得ない。思い通りの(守備の)陣形も作れない」
と言っているようです。以前からも「ボールの奪いどころ」がこのチームの課題だと彼は語っていましたが、まだ改善されていないのでしょうか。
思えばやはりシンガポール戦も、DFラインが下がりすぎ、バイタルエリアを開けてしまい、そこを利用されてミドルシュートを打たれ、失点していますね。ホームでのオマーン戦でも、バイタルエリアにぽっかりと空間が広がっていました。どうもこの辺はジーコジャパンの伝統(?)であるような気もします。心配なところです。
いずれにしても、この戦い方が意図してわざとした「成熟した大人の戦い方」だったのかどうか、あるいは大会の初戦だからコンディションを上げていないことによるものなのかどうか、それはこの大会を通じて明らかになるでしょうね。私も日本代表があそこまで弱くなったとは思いたくないので、その意見が正しいことを切に祈ります。
アジアカップは始まったばかり、一試合で「結果が出た」ということもないですし、一試合の内容の悪さで「もうダメだ」という必要もない。大会が終わった時点でどういう「結果」になるのか、それを求めるチームマネージメントはどうなのか、ということを、しっかりと見て行きたいと思います。
それではまた。
04:04 PM [ジーコジャパン] | 固定リンク | コメント (2) | トラックバック (1) |
July 20, 2004選手名表記が!
えーと、私の展望は大外しだったのでしょうか(泣笑)。
いや、あの展望は6試合トータルで考えたもの。これからよくなるに違いない!そう思うことにしましょう。
しかし、見ているとなんだか悲しくなる試合でしたね。私は本気で落ち込んでしまいました。
よほど暑いんでしょうね、現地は。そうとしか思えない。そこで90分間戦い抜いた選手たちには、とにもかくにもお疲れさまといいたいです。今日はゆっくりじっくりと休んで欲しいですね。
それと、大会で上位に行くチームは、グループリーグではわざと調子をとしておくことが多いんですよ。日本が戦った仏W杯でのアルゼンチンなんかもそうでしたよね。コンディションを落とした中でも勝ち点3。ある意味、フィジカルトレーナーの狙い通りなのでは?ここからしり上がりに調子を上げていくのでしょう。きっと、そうでしょう。そう思いましょう。
でも、1次予選のオマーン戦は相当ひどい試合だと思っていましたが、下には下があったとは・・・。
敵にボールを支配され、シュート数もダブルスコアで(8:16)負けている。敵のシュートミスで何とか救われただけ。もちろん勝てばいいんですよ。大会をにらめば、勝ち点3は文句なし!悪い試合内容で勝っても「たくましくなった」という言い方だってできる。でも・・・。
そういえば、オマーン代表はGKを除き、ほぼ全員がアマチュアではなかったでしたっけ。
確か平均年齢、20そこそこではなかったでしたっけ。
オマーンはこれから強くなりそうだなあ。
・・・ということでちょっと調べてみました。
2月の1次予選のときは平均年齢20そこそこでしたが、あれから何人かが誕生日をむかえたようです(笑)。
オマーン代表
FW 8 バデル・ムバラク・サレハ・アル・マイマニ 1984.07.16 20歳
FW 20 イマド・アリ・スレイマン・アル・ホスニ 1984.07.18 20歳
MF 10 フージ・バシル・ラジャブ・バイト・ドゥールビーン 1984.05.06 20歳
MF 21 アハメド・ハディド・トゥワイニ・アル・ムハイニ 1984.07.18 20歳
MF 12 アハメド・ムバラク・オバイド・アル・マハイジリ 1985.02.23 19歳
MF 17 ハサン・ユスフ・ムダフィル・アル・ガイラニ 1980.06.26 24歳
MF 11 ユセフ・シャーバン・ムバラク・アル・ブサイディ 1982.11.04 (後半途中からFWへ) 21歳
DF 4 サイード・アシューン・スワイレム・アル・ラカディ 1983.08.28 21歳
DF 2 モハメド・ラビア・ジャマン・アル・ヌービ(Cap) 1981.05.10 23歳
DF 25 ハリファ・アイル・アル・ナウファリ 1984.03.01 20歳
GK 26 アリ・アブドラ・ハリブ・アル・ハブシ 1981.12.30 22歳
てことで、現在の平均年齢は20.9歳というところですね。
バシールも20なのかあ・・・。
というか、スポナビとNHKの表記がばらばらで困りました。
10番はバシールなのかフージなのかドゥールビーンなのか?
統一してくれー(笑)。
****
試合の中身は、ちょっと触れる気になれません。とりあえず、川口のセーブと、中村のシュートは一本、素晴らしかった、ということだけは確かですね。
ふう。
それではまた。
11:04 PM [ジーコジャパン] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (3) |
アジアカップ展望
あと出しになる前に書いておかなくちゃ(笑)。駆け足ですが。
私は今回のアジアカップ、日本代表はかなりいいところまでいくだろうと考えています。優勝できるかどうかはともかく、特に問題がなければ、おそらくは決勝まではたどりつけるのではないでしょうか。
そう考える理由はいくつかありますが、まずはこの大会が「時間の取れるもの」であるということが一つです。以前から、「選手が話し合いでチームを作る」というジーコジャパンの特質から、時間がない時や急に選手が入れ替わったりした時に機能させるのは難しいのではないか、と指摘してきましたが、今回はそうではありません。欧州遠征から数えなくても、キリンカップの2試合を戦い、ある程度の時間の取れる合宿の後の大会ですから、ジーコジャパンとしてはいいところを見せることができるのではないでしょうか。
次に、戦術的な問題です。ジーコ監督のサッカーは、一人一人がボールを持つ時間が長い、「持ってから考える」ポゼッションサッカーになる傾向があると思います(最近はパターン練習を増やしているようで、その点も改善されているかもしれませんが)。私は、対強豪国ではそれで大丈夫なのか、と不安なのですが、アジア相手ならばそれでちょうどいい(笑)かもしれません。
日本はアジア相手では、個人能力でほとんどの対戦相手よりも上に行くことができるでしょう。インド戦は極端にしても、例えばオマーンとの1次予選でも右サイドでの中村選手の切り返しにオマーンのDF2人がそろって転んだ(笑)ケースとか、高原選手がペナルティエリア内で敵を背中で吹っ飛ばしてシュートまで行ったシーンなど、枚挙に暇がないですね。
このように能力差があれば、そこを生かした、どちらかといえばルーズなフィールドでセーフティーにボールを奪い、1vs1を頻発させてそれを制することで攻撃を作っていく、そういうやり方で問題がない可能性が高いでしょう。少なくとも、ベスト4以上での対戦相手でなければ、それで大丈夫だろうと私は思います。
最後に、オマーン戦やシンガポール戦で見せたジーコ監督のマネジメント上の「悪手」は、さまざまな要因により、欧州遠征以来一応は影を潜めている、というポジティブな要因があげられます。コンディションの悪い海外組を強行起用することも、特定の選手に大きすぎる役割を与えることも、それらによるモチベーション・コントロールに失敗することも、国内組のコンディショニングに失敗することも、ここしばらくは起こっていないようです(最後の部分は酷暑の重慶でどうなるか、不安ではありますが)。
私は、これらがオマーン戦やシンガポール戦で、日本があれほどの苦戦をしてしまった原因だと思っているのですが、それがない現在の状態なら、日本代表の本来の実力を発揮できるでしょう。
さあ、いよいよオマーン戦ですね。この大会を制するためにも、そして1次予選のアウェーでのオマーン戦のためにも、この試合にはすっきりと、いいカタチで勝つことを期待したいと思います。そして、現在の状態ならばそれは可能だと思いますね。不安は選手の怪我や疲労だけでしょう。
それはさておき、今はただ遠い重慶の空の下にいる選手たちに、私たちの応援を届けたいですね。連覇へ向けて、ガンバレガンバレ、日本代表!
それではまた。
06:51 PM [ジーコジャパン] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (2) |
July 16, 2004ちぐはぐな召集劇
今日発表の五輪代表ですが、どうも高原は無理のようですね。ご存知のように、そうなった場合のOAの別の候補は1次エントリー(予備登録)に含まれていません。また、既に現地入りしているフル代表では、FWが鈴木、玉田、本山の3人だけになってしまいました。
なんともちぐはぐな招集劇という感が否めません。
山本五輪代表監督は、早くから小野、高原、曽ケ端の3人以外のOAを考慮しないと明言し、実際に予備登録にエントリーさせませんでした。「五輪に出たいと言う強い気持ちを持っていないと」などと発言していますが、高原には血栓症、小野にはクラブの事情と、出られない可能性は十分にあったわけで、なぜ3人以外を考慮に入れないのかがよくわからないですね。あれだけテスト、オプションの幅を広げておくことが大好きな監督なのに。
ガゼッタさんも書かれていますが、トルシェもテストテストの印象が濃厚であっても(笑)、中核となる構成はきちんと作り上げた上で、そこから枝を伸ばして行ったわけです。それも、五輪代表を組み込んだフル代表で、ハッサン杯などで好成績をあげたあとの五輪でしたから、OAはそこからフィットする選手を選べばいい、という状態でした。山本さんのチーム作りを見ていると、どうも突然合流するOAを中核にしてしまいそうで一抹の不安を覚えますね。
フル代表のほうは、まず、6月16日にアジアカップの予備登録メンバーが発表されました。この時点でFW登録は鈴木、久保、柳沢、永井、玉田、本山、の6人でした。久保はこれ以前の6月9日のインド戦でも、12日、16日のJリーグでも怪我を抱え、騙しだましの出場だったわけで、欠場することは十分に予測できましたね。
ジーコ監督はインド戦後、6月10日に母国ブラジルでの聖火ランナーのために帰国しています。もちろんブラジルでの仕事も大切でしょうから、そのこと自体には問題はないのですが、久保が欠場する可能性が濃い中で、予備登録メンバーにもう少し幅をもたせておくことができなかったのか、という点が悔やまれるところです。
得点ランクの上位に入っている大黒、播戸といったあたりは、少なくとも候補には入れておいてもよかったのではないか、という気がします。さすがに永井の交通事故、ヤナギのキャンプのため辞退、までは予測できなかったでしょうけれども、これまでの主力の一員だった高原も血栓→回復しても五輪、ということでアジアカップは出場できないことは確定していましたしね。
というわけで、来日直後の会見では、「久保もヤナギも呼ぶ」とジーコ監督も言わざるをえなかったわけですが、横浜FMとの確執とか、ヤナギとの話し合いとか、いろいろあった(笑)結果、FWは3人(本山はもともとはMFだよなあ)ということになってしまいました。まあ、何が起こるかわからない、ということを地で行くフル代表のFW選び、鈴木と玉田はフル回転で行かざるをえなくなりそうです。
こうなると、酷暑の重慶での連戦で、一番心配なのが選手の故障です。ジーコ監督のなかでは西や三都主、中澤もFW候補らしいですが、うまく選手に疲労を溜めないように、マネジメントして行って欲しいですね。
それではまた。
09:31 AM [サッカー日本代表] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0) |
アジアカップの私的基準
アジアカップが近づいてきましたね。選手たちも今日(15日)重慶入り、初戦のオマーン戦は20日(火曜日)です。いよいよアジアの頂点を決める大会が始まります。
日本はディフェンディングチャンピオン、その名に恥ずかしくない戦いを見せて欲しいですね。そして、もちろん優勝を狙って欲しい。
思えばこの4年間、日本はアジアチャンピオンとして2回のコンフェデ杯に出場し、またそれ以外でも、「アジアチャンピオンだから」ということでいくつかの親善試合が組めました。そして、実に多くの経験を積むことができましたね。なかなか列強との真剣勝負を組めない日本の強化に、それらが大きく役立っているのは、いうまでもないことだと思います。
ここでアジアチャンピオンになるか否か、それは今後の4年間の強化過程を左右する大きな問題です。それだけではない、もちろんプライドをかけて、ぜひ引き続きアジアに覇を唱えて欲しいものだと思います。なんと言っても、2002W杯ベスト16ホルダーなのですからね。
・・・・という話とは別に、私は個人的にアジアカップの「私的基準」を定めました。
それは、サポ同士の間で支持だ、解任だ、ということでいがみ合っている現状が、やはりよくないことであると考えるからです。
湘南蹴鞠屋さんは以前に、
その一方で監督が誰であれ、自分は日本代表のサポーターの一人です。今回のように代表チームの成長を見ることは大変嬉しいことですし、そもそも監督の人事に関する混乱で、チームの強化が停滞したり、サッカー界全体にネガティブな空気が蔓延することは決して良いことだとは思いません。
そこで私はこう考えます。JFA、ジーコ監督自身、選手達、それからサポーターの中のジーコ擁護派もジーコ解任派も、それぞれが納得し、腹を据えて、日本代表を強化・応援し続けるには、アジアカップにおけるジーコジャパンに明確なノルマ・目標を設定することではないでしょうか?
このように書かれています。私もこれに完全に同意します。そして、以前にJ-NETにも書いたのですが、その私的基準を私は「べスト4」とすることにしたいと思います。
本来はこれはノルマというより、
「その基準をクリアしたら、解任派は解任を要望することを止める」
「その基準をクリアできなかったら、支持派も解任に同意する」
という「サポの分裂を解消するため」の、われわれの内なる基準を決めようということです。
ただ、これには「不公平である」というような異論もありましたし、支持派の方たちからこの基準に同意もいただけませんでした。なかなかこれをコンセンサスとすることは難しかったようです。しかし、私は私個人として、「少しでもサポ間の無用の対立を解消する役に立てば」と考え、この私的基準により、「その基準をクリアしたら、解任を要望することを止める」ことにします。
少しさかのぼって考えますと、私は2003コンフェデ杯で「不支持」を決めました。それは「ジーコ監督のやり方では、『時間が取れないことがわかっている』アジア最終予選が危険だから」でした(アジア1次予選のことはそのときは少しも心配していませんでした)。
しかし、オマーン戦、シンガポール戦で、コンディション、試合勘を無視した海外組の強行起用、熱のある選手の起用、特定の選手に大きすぎる役割を与えること、それによるモチベーションコントロールの失敗、国内組までもコンディショニング(特に暑熱馴化)に失敗、などなどの、とんでもないマネジメント上の「悪手」をジーコ監督は打ちました。それによって、シンガポール戦でさえ、あれほどの苦戦をしてしまいました。
問題は彼がそれを反省し、改善することを考えていないようであったことです。オマーン戦直後に帰国してしまったり、あるいは会見での内容を聞いていても「正しいことをしている」と思い込んでいるようでした。これでは改善が望めない。同じことがオマーンよりも強い敵と戦いアジア最終予選で起こったら、恐ろしすぎる。それが私が「解任希望」を決めた理由です。
しかし、私はトルシェの解任騒動の時に、「やはり解任という二文字は、サッカー界にネガティブなエネルギーを与えすぎる」と感じていました。そのため、長らく「不支持」ではあっても、「解任」という言葉は避けてきたのです(一部の人に煽られながらも、ですね)。あまりに「悪手」がひどかったために私は「解任希望」を決めましたが、その後の各所の掲示板やサポの現状を見ていると、やはりあまり歓迎すべき状態とはいえないと思います。
そこで私は先にも述べたように、「アジアカップでベスト4に入ったら、解任を唱えることを止める」こととしたいと思います。
これは低すぎる目標という人もいるかもしれません。しかし、一応アジア予選をクリアできるはずの目標値ではあるわけです。そして、「解任」という非常にインパクトのあることを要求し続けるのには、「アジア予選がクリアできない」という基準が合理的だと私には思えます。また逆に、さすがに4年前のアジアチャンピオン(当時もヒデ抜きでした)が、このくらいの目標をクリアできなければ、多くの人が解任を納得できるのではないでしょうか。
さて、選手たちはもう戦いの地に赴いています。キリンカップでは、結果もさることながら、雰囲気のよさ、モチベーションの高さを感じられたことが大会への希望でしょうか。ぜひチーム一丸となって、私たちの心配を吹き飛ばすような戦いをして、アジアに日本の実力を見せつけてやって欲しいですね。
それではまた。
12:04 AM [ジーコジャパン] | 固定リンク | コメント (9) | トラックバック (8) |
July 10, 2004キリンカップですねえ
スロバキア戦。
取り立てて言うほど悪くはないし、取り立てていうほどよくもない。
いつもの「キリンカップ」という感じでした(笑)。
前半は少し攻めあぐねましたね。
敵は「チェコを倒した日本」だと思って、ものすごく警戒してきたのでしょう。
さらには日本のホームですし。
あまりプレスはかけず、スロバキア陣内にいったん引いてそこで待ち構えて、入ってきた選手をハードにつぶす、というやりかたでしたね。
攻撃も序盤はなんだかロングボールを蹴ってくるのみで。
そのうちつなごうという意図も出てくるようになりましたが、今度はクロスも明後日のほうへ飛んでいく始末。
そんなスロバキアを攻めきれない日本。
まあ確かに前半はいまいちな試合展開でした。
しかしその終盤にセットプレーで一点取れたことはよかったですね。
後半、フィールドがさらにルーズになって、敵のマークが甘くなると、日本のパスも次第によくつながるようになります
。
ところが、この辺から敵も疲れが出て、後追いの守備になり、ハードなだけではない、明らかにファウル、ラフなチャージが増えていきます。
そのせいもあるのか、日本の守備が一瞬ボールを見てしまうことが多くなり、敵が前に出る機会がやや増え、そこからCKを与え、失点。
あいかわらずセットプレーからの失点が多いジーコジャパンです。
しかし失点直後、セットプレーを素早くリスタートし、鈴木がナイスゴール!!
点が取れないと揶揄される鈴木ですが、意外とやるじゃん、と思った人も多いのではないでしょうか。
この瞬間、敵の集中が切れていましたね。
そこを突けるのは、チームが大人になってきたということでしょうか。
加茂監督時代のメキシコ戦の、素早いリスタートからの得点を思い出しました。
さらに終盤、腰痛を押して投入されたヤナギ、GKがバックパスの処理にもたつく間に奪ってゴール!
ヤナギらしくない(?)、泥臭いゴールでした。
やるじゃん、ヤナギと思った人も(以下略)。
終始試合を支配して、3得点を奪っての勝利はまあ完勝と言えましょう。
でもまあ、キリンカップって昔からこんな感じです(笑)。
やはり本番はアジアカップととらえ、ここから収穫と課題を見つけて、先につなげて行くことが大事でしょうね。
スロバキアの守備陣は、それほどラインは低くないものの、待ち受けてしっかりと守るタイプでした。しかも、身体も大きく、非常にフィジカルが強い。これからアジアカップで、引いて守るチームを攻め崩さなくてはならない日本代表にとっては、いいレッスンとなりました。
やはり(トルシェが言っていたように)正確なキックを持つ中村からのセットプレーが、一つの大きな武器になりましたね。福西、中澤とヘッドの強い選手もそろっています。アジアカップでもここが非常にクローズアップされてくることになるでしょう。
また、遠藤が言うように、「後ろでボールを回す時と、早く攻める時の区別ができた」というところは、一つの収穫といえるでしょうね。
しかし、その早く攻める時に、パスを受けに走っている選手が少ないところが課題といえるでしょうか。中村が下がり目で、前方の選手へのラストパスばっかり狙っているようなところが、それを助長していたと思います。個人的には、改善して欲しい点ですね。
守備、中盤の構成的には、敵の攻撃も少なく、プレスも甘かったのでちょっと収穫、課題というほどのものは出ませんでした。後はお決まりのセットプレーの守備でしょうか。何とかしてもらいたいものですが・・・。
ジーコ監督は、アジアカップをにらんで多くの選手に経験を積ませようという意図が見えました。これはよいことでしょう。坪井が負傷してしまったのは大変残念ですが、次のセルビア・モンテネグロ戦でもいい強化をして、アジアカップに備えて欲しいですね。
それではまた。
03:27 PM [ジーコジャパン] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (1) |
July 08, 2004協会の一貫性
さて、ヤナギのケースには追加で考えておかなくてはならないことがある、と思います。
先に書いたように「協会の対応」という部分です。
だが、広島合宿初日の練習後、ジーコ監督は柳沢について「アジア杯が終わった後なら問題ない。アジア杯は参加させる。話し合い? それは協会の方の問題」
これはジーコ監督の談話ですが、これを聞いて私には疑問がわきました。
「協会の方の問題?」
「だって、久保とは直接話したじゃないか」
「以前に辞退した高原とだって、直接話したじゃないか」
「そして、彼らの場合は、直接の会話で不召集を認めてあげたんじゃないか」
「なぜヤナギの時だけ、そうしないのか?」
?????
結論から言えば、私は先にあげたジーコ監督の言葉は、基本的には正しいものと、今では思うようになりました。
それは、「招集をするのは原則的には協会である」ということに気づいたからでした。
さかのぼってみましょう。今回のヤナギの件と似たような事例がありましたね。そうです、いうまでもなく、中田ヒデ選手の例です。
1999 コパアメリカ 休養のため欠場
2000 アジアカップ セリエAローマに参加するため欠場
2001 コンフェデ杯決勝 ローマでの優勝の瞬間に立ち会うために欠場
このように、ヒデは「日本代表の公式戦を、個人的理由のために欠場する」ということを、けっこうコンスタントに行ってきました。さて、これはなぜ許されたのでしょうか?これを許した「主体」はどこでしょう?
私はそれは「協会」であると思います。
コパアメリカはともかく、アジアカップでも、コンフェデ杯決勝でも、当時のトルシェ監督はヒデに、代表に参加して欲しいと希望していました。また実際、FIFAルールにのっとれば、AFCの公式戦であるアジアカップなどには、クラブに対して強制力のある召集権を行使することもできたのです。
しかしヒデは、彼個人の意志を通し、招集を拒みました。それを「認めた」のは、実際に招集の主体となる「日本サッカー協会」であると私は思います。トルシェは、協会がそのように決定したので、しぶしぶ、おそろしくしぶしぶ(笑)それに従ったのに過ぎないのでしょう。コンフェデ杯決勝の事例などは、その「彼は承服していない」ことを如実に表しているのではないでしょうか。
これは当時、海外組がヒデ一人であり、また彼が日本代表の中で実力的、実績的に突出した存在であったから起こったことだと思います。協会も、関係者も、マスコミも、サッカー専門誌も、ほとんどのファンも、サポも、「ヒデが経験を積むことのほうがアジアカップよりも大事」だと感じていたように、私には思えます。
当時、「ヒデは重みのあるアジアカップに出場すべきだ。それをしないのは、代表軽視であり、けしからん」という論調は、私の知る限り、ほとんど見られませんでした。
協会は、この日本サッカー界の暗黙の総意を受け、いかにトルシェが要望しようとも、ヒデの意思を尊重した形で不出場を認める決定をし、トルシェに対し「協会の決定だから」と伝えたのではないでしょうか。
今回、ジーコ監督は、柳沢の招集を熱望しているように見うけられます。それは、「自分のあずかるチームを最上の状態に持って行くこと」を使命とする代表監督としては、当然のことともいえるでしょう。これは、トルシェ監督がアジアカップ前に、ヒデの合流を熱望していたのと符合します。
しかし、当時は協会は、ヒデの意志を尊重し、アジアカップの欠場を認めています。協会というオフィシャルな意思決定機関は、その対応において、継続性、首尾一貫性、インテグリティを持っていてしかるべきだと私は思います。また、そういう哲学チックなことでなくても(笑)、私たちは日々、特にアナウンスがない限り、ものごとは昨日と同じルールで動いていくはず、と考えて過ごしているはずです。
(そうでなくては、昨日までなかったルールで、しかもそれが周知されていないのに、いきなり裁かれるようなことがあっては、困ってしまうでしょう)
柳沢のケースは、これまでに数回あったヒデのケースと、カタチとしては変わらないものです。これについては、特別な理由がない限り、これまでと首尾一貫した対応を、協会は取るべきだと思います。
つまり、柳沢の個人的要望を受け入れ不出場を認め、ジーコ監督に対し「協会の決定だ」と伝えるべきだ、ということです。これまでとの継続性を考えるならば、当然のことでしょう。またそういう一貫性を期待するヤナギの考えは、まったく正当なものであり、責められるたぐいのものではないと考えられます。
(監督の要求、ということに関しては、ジーコもトルシェも、ヤナギ(ヒデ)に参加して欲しい、と要求している点は変わりません)
もし、これまでと「協会の対応」が変わるのならば、その理由、変わった基準などを明確にアナウンスするべきです。
本来ならば「事前に」それはなされるべきでした。それがない状態で、辞退の意思を受けてから「えーっと、これからはそれは認めないことにした。いいね」というのでは、あまりに場当たり的であり、恣意的であり、信頼することのできない対応といわねばなりません。
私が想像するに、柳沢選手から辞退の意思を最初に受け付けた担当レベルでは、彼らも「ヒデの例もあるし、辞退で問題ないだろう」「ジーコ監督は、そういう選手の意思を受け入れる人だし」という予断があったのだと思います。しかし、ジーコ監督のヤナギ招集の考えは予想外に硬かった(私はその要望を責めているわけではありません)。
現場担当レベルは、相当今困っていると思います。トルシェの時は、ある意味彼の要求を突っぱねるのは楽だった(笑)。彼は協会内で孤立していましたからね。しかし、ジーコ監督の場合はそうではない。かんしゃく持ち(ケット・シー私見)の会長のお気に入りですから、その要求を無碍にすると自分の立場がどうなるかわからない。しかし、ここでいきなりこれまでと方針を変えるには、上手い言い訳が考えつかない・・・(笑)。
これは私たちファンの側にとっても同様です。
今回の件で、「ヤナギの考えは甘い」「アジアカップは重要な大会なのだから、辞退などするべきではない」という考えを表明する方がいらっしゃいますが、それならば4年前にも、あるいは01年コンフェデ決勝の時にも同じことを考えているべきです。しかし、そのように考えていた方は、世間を見ても、掲示板を見ても、当時から多くいたとは思えません。
もし当時からずっと、「ヒデはアジアカップにもコンフェデ決勝にも参加して当然だ」という論陣を張っておられたのならともかく、そうでないのなら、「考えが変わった」ことに対して合理的な説明をして、「これまでの流れからするとヤナギの考えはもっともだけれど、これからは選手の考え方も変えていって欲しい」という要望を表明する程度にとどめておくべきではないでしょうか。
確かにアジアカップは、本来はEUROと匹敵するような大会であるはずです。私たちはこれまで、少し軽視しすぎていたという部分はあると思います。ヤナギがどうか、ということとは関係なく、(今回のEUROの興奮も冷めやらぬところですから・笑)、今度はアジアカップをなるべく盛り上げて行きたいところですね。
それではまた。
12:42 AM [ジーコジャパン・考察] | 固定リンク | コメント (5) | トラックバック (4) |
July 07, 2004久保のケース
久保に関しても、怪我の状態を直接見て確かめたい、場合によっては帯同しながら治療、回復具合によってはアジアカップでは起用したい、というのは、間違った考えとは思いません(それを表明する時に、横浜Fマリノスのスタッフを信用していないかのような印象を与える発言をしてしまったのは、マイナスだと思いますが)。
もちろん、「親善試合であるキリンカップで強行起用し、結果アジアカップに出場できないほど悪化させる」などということがあった場合には、そのマネージメント能力が厳しく問われることとなるでしょうが、今はそうなってはいないので、その点を非難するには当たらないと思います。
ただ、メンバー発表記者会見で、コンディションや怪我の状態の把握に関して、あくまでも「本人の言葉」を重視する考えを示していたのが、「あいかわらずだな」と思えて私は心配です。ドクターと本人の言葉を最重要視し、あまり「ジーコ監督の目から見て動けているか」という視点が見えてこない。
当然ながら、代表のユニホームを着てピッチに立ちゲームを戦う選手として送り出す際に、私はけがをして十分に戦える状態にない選手を送り出すことは絶対にありません。(メンバー発表記者会見・ジーコ監督)
これを読んで私は、「ああ、この人は『風邪をひいて十分に戦える状態にない選手を送り出してしまった』と言う『自覚』『反省』がないのだな」と愕然としました。怪我と風邪の違いこそあれ、その際も、ドクターと本人の言葉を最重要視し、ピッチに送り出しましたね。今後も同じことをするのでしょう。私は「チーム・ジーコ」の機能性を今ひとつ信用できないのですが、こういう点もその理由の一つになっています。
オフト監督が修めたオランダのカリキュラムでもそうですが、近代的なコーチ育成カリキュラムには、多くの場合医学の知識がかなり含まれるようです。完全にマスターなんかしなくてもいいですが、そういう予備知識は、監督にとってなるべく持っていて欲しいもののひとつですね。
キリンカップ、アジアカップを通じて、満足に戦える状態にない選手がピッチに立たないで済むことを、怪我を悪化させる選手が出ないことを、そして、「オマーン戦後には選手が入院してしまった」のと同じようなことが、起こらないように祈るばかりです。
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その後、御存知のように広島での面談によって、久保はキリンカップ、アジアカップを免除されたようです。とりあえず、危険な状態の久保を代表スタッフが見ながら大会に帯同する、という、私から見ると非常に怖い事態は避けられました。ちょっと胸をなでおろしています(笑)。
ただ、現代表にも、楢崎、宮本をはじめ、怪我持ちだったり、怪我あがりだったりという選手が複数いますので、その辺は本当にきちんとケア、マネジメントして欲しいものだと思います。
それではまた。
03:23 PM [ジーコジャパン・考察] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (1) |
ヤナギのケース
J-NETにも書いたことですが、BLOGにも残しておきたいと思います。
私は、今回の柳沢や久保の招集に関して、直接的にはジーコ監督を責めるつもりはありません。
プロの代表監督であれば、自分に与えられた仕事に最善の結果を出そうとするのが当然のことです。そのために自分が必要と考えることは要求すればいい。私は山本監督の、この春の長期合宿要求にも、そう考えました。ジーコ監督に関しても、同じことだと思います。
思い起こせば、前監督もアジアカップの時、すでに辞退の意思を協会に伝えていたヒデをメンバーに入れて発表し、あらためて辞退の決定を受けてから、北嶋を招集した、と言うことがありました。柳沢の事例はこれと符合しますね(加茂監督時代にはこういう問題はあまり論議されなかったように記憶しています。やはりサポの見る目も厳しくなってきていると言うことでしょうか)。
その時はローマサイドも「FIFAルールがあるから呼ばれれば応じないとならない」と言っていたのに対し、ヒデは彼個人の意志を通し、結局は不参加を決めたわけです。今回、柳沢もそうしたければそうすればいいと思います。
ただ、ヤナギに関してはこの後、アジアカップ、アルゼンチン戦、アウェーのインド戦と、彼を必要とするかもしれない戦いが続きながら、全部に召集することは困難ではないかと思われますから、うまくバランスをとった召集をして欲しいとは思いますが。
ただ、この件に関しては「協会の対応」という部分で問題を残していると思います。
それについては、また項をあらためます。
03:19 PM [ジーコジャパン・考察] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (1) |
July 04, 2004赤い鶏冠のその奥に
みなさまたいへん長いこと更新ができなくてどうもすみません。ちょっといろいろ環境が変化中で・・・。
いよいよEUROが決勝となってしまいましたね。寝不足と至福の時間も今日で終わりですか・・・。素晴らしいものをたくさん見させてくれてありがとう、と今は言いたいですね。
もうどうにもとても興味深いインタビューで、別の意味でいろいろと言いたくなる、なんとも情けないそれに比べるとばかばかしくなってしまいますが、とりあえずまずはその楽しいほうについて取り上げましょう。
一読してまず思うのは、やはり海外での経験によって、戸田のサッカー選手としての「人間力」とでもいうべき部分が、非常に「大きく」なっていると言うことですね。
特にオランダ、デンハーグでは、一時期戸田選手のサッカーが理解されなくて、試合に出られないことがあったわけですが、どうやってそれを切り開いていったか。その部分に素晴らしい人間性を感じました。「サッカーがわかる」すると「チームの状況もわかる」・・・それで「いいすぎないで我慢していれば、チャンスがまた来る」・・・こういったところが大人の選手だなあ、と思わせてくれる点でもあります。
そうやって、最終的には自分を認めてもらって、最後の試合で交代する時の、彼に与えられた賞賛・・・。これは彼自身の言葉で、そしてそれを引き出したインタビュアー・ケンジーニョさんのサイトで読んでいただくのがよいでしょう。読んでいて私も鳥肌が立ちました。
その他には、監督の仕事として「オーガナイズしてマネージメントして方向付けして」と言っているのが印象に残りましたね。オーガナイズとは「組織する」ことですが、「サッカーのチームとしての組織戦術」のことではなく(それは後から言っている「方向付け」のほうだと思います)、ドクターやコーチを含めたチーム全体を「組織として機能するようにしていく」ことではないでしょうか。それは私は「マネジメント」の部分にしていたのですが、彼のほうが言葉を厳密に使っています。脱帽(笑)。
この点以外でも、本当に彼はきちんと経験や考えを言語にしていく能力が高いと思います。広山選手と並んで、将来は解説や指導に当たって欲しい選手のナンバーワンですね。
彼自身、もともとはナイーブなほうだそうで、それは見ていても十分にわかりましたが(笑)、それをあえて鼓舞しようとして真っ赤な髪にしたりしていたのでしょうね。そうしていろいろと考えて、海外ではお互いにわーっと言い合うそうですが、その中でも自分を主張して、「人間力」を一回りもふた周りも大きくしてきた戸田選手。素晴らしいなあ、と思います。
本当はジーコ監督の考える、「選手同士がお互いで言いあって作るサッカー」には、こういう選手がいっぱい必要だと思うんですね。現在のジーコジャパンのサッカーが好転しているのも、藤田選手が(インタビューで言っているように)ずいぶんと話して回っているから、という部分があるようですし。
そういう意味では、「ジーコ監督は戸田選手を呼ぶべきだ」というのは正しいと思うのですが、ただ、選手のこういう部分というのは試合を見ていただけじゃあわからないですからね。プレーを見て、召集して、合宿で一緒にすごしてみて、それではじめてわかるという部分もあるでしょう。
そう考えると、海外でのプレー振りはそのまま「代表に絶対招集されるべきだ」というほどではなかったですから、戸田選手がこれまで招集されなかったのは仕方がないといえばないかもしれません。問題はこれからですよ。このインタビューでもう一つ私が驚いた、うれしかったのは戸田選手が代表への「欲」を表明したことです。さあ、海外でプレー的にもサッカー眼的にも、そして人間としても一回り大きくなった戸田選手、それをJリーグで見せ付けて、代表入りを目指してください。ガンバレガンバレ!
インタビューの最後に、清水に関する思いも聞かれ、戸田選手はしっかりと答えています。これを聞いたインタビュアー氏、しっかりと答えた戸田選手、双方に拍手をしたいです。
それではまた。
07:16 PM [サッカー] | 固定リンク | コメント (2) | トラックバック (0) |