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May 14, 2004

五輪OA考察

暑くなってまいりましたね。さて、暑さといえば思い出すのは、真夏に行われるアテネ五輪です(笑)。

そーたさんに話を振っていただきました。

さて、引き出しを数多くもってらっしゃるケット・シーさんはどのように考えるのだろうか興味深い。

この時点で、まずは「私の候補」としてMF小野+FW柳沢+GK曽ケ端の名前を挙げたのだが。

さらっと書いたのに見つけられちゃいましたね(笑)。

五輪のOAの話を考えるにあたり、使うか使わないかという観点では、「メダルを目指す」(まあ多少はリップサービスであるかもしれないけれど)と考えれば、使ったほうがよいと結論づけられると思います。この点にはいろいろと議論があると思いますが、一回それは置いておいて、「使うなら」という前提で人選を考えて見ましょう。

まずは、「これまでのチームの継続を考える」のか、「使えるOAにあわせてチームを変える」のか、という視点がありますね。これは、私は前者のほうがよいと思います。もはやイチからチームを変えるには時間がなさ過ぎる。

すると、「継続されるべきチームはなにか」ということになりますが、私は「五輪予選最終UAE戦の3-4-2-1」であろうと思います。

------平山------
--大久保----田中達--
森崎浩---------徳永
---今野----鈴木---
--那須--阿部--茂庭--
------林卓------

これは、このスタイルが「シャドータイプが多い五輪代表の現状にあっていること」、逆に言えば、いわゆる「トップ下」を一人に任せようとした時にはなかなか好結果が生まれていないことから考えられるところです。実際、UAE戦でのこのチームが見事な戦いぶりを示したのは、記憶に新しいですね。また、先だっての遠征でのギリシア五輪代表との親善試合も、この布陣でスタートしたところを見ると、山本監督もこれを念頭においているところは間違いないと思います。

さて、そこでOAですが、まず一人目は、私なら小野選手を左サイドに欲しいと思います。森崎浩選手もよくこのポジションで機能していましたが、さらにレベルが上がる五輪本大会では、やはり奪った後のボールの預けどころ、攻守の切り替えで鍵となるこのポジションに、経験の豊富な選手がほしい。特にオランダで、守備力も向上している小野ならばうってつけです。

また、一つ考慮したいのは、OAの「リーダー性」です。今ひとつ元気がないといわれているこの世代にOAとして加えるには、、「俺について来い!」というタイプのリーダーではなく、ニコニコと和を作りながら、それで盛り上げて行ける、というようなリーダーがよいのではないか。そういう点で、小野の「太陽のリーダーシップ」が、このチームに入るといいだろうなあ、と思うのです。

クラブとの関係で難しいかもしれませんが、ぜひ合流して欲しい選手ですね。

 

次に私が上げたのは柳沢選手ですが、これってなかなかいいアイデアだと思いません?(笑)

というのは、やはりフル代表との兼ね合いを考えて、なのですが。ジーコ監督は誰でも連れていってほしい、と言っていますが、やはり今この状態(フル代表のFW不足)で「久保をくれ」とは言いにくいのではないか、山本さんも。

1トップ2シャドーの形で行きたいのだけれど、平山がどこまでコンディション的にもフィットするかは未知数なところもあり、1トップ役の人材は確保しておきたい。久保でも高原でもよいのだけれど、上記の問題(ジーコへの気遣い?)もあるし、また久保や高原がこのタイプの1トップに向いているかというと、私はちょっと疑問であったりもします。

そう考えると、私的には日本のFWで適任と思われるのは、柳沢か西澤か、というあたり。西澤の8月時点での調子がどうか、という問題もありますが(これはヤナギも問題は一緒ですが)、もう一つ、先に述べたこのチームのOAのリーダーシップの位置づけを考えても、「背中で見せる」(笑)ヤナギはぴったりなのではないか、と思います。

もちろんヤナギは、平山や西澤のように、高さでポストをするタイプではありませんが、その動き出し、ポジショニングのよさで中盤からボールを引き出し、キープして2列目に落とす能力は高いものがあります。このタイプの1トップを国際レベルでこなす能力はあると言えるでしょう。

もう一つ、これはなんというか、私がヤナギファンだからと言うわけなのですが(笑)、彼もここで抜擢すれば「意気に感じる」のではないかということです。思い起こせば、2000アジアカップでも、ベネチアで出場機会をあまり得られなかった名波が帰国したてでありながら、「イタリアにパスタを食いに行っていたわけじゃない」と、その経験を存分に生かしたことがありましたね。今回もそういうケースにできるのじゃないか、と思うのです。

柳沢は今、フル代表では微妙な位置にあり、五輪出場をジーコも肯んじる可能性が高いと思われますし、逆に、コンディションを整える時間もある五輪での活躍で、もう一度代表にも定着、あるいは五輪で世界に対し強烈な印象を残せば、再び欧州へ雄飛、ということまでにらめます。いろいろな意味でいいアイデアだと思うのですが・・・。


さて、私は3人目に曽ケ端選手をあげました。GKは経験が重要なポジションですし、ここにOAを起用することは一つ意味があると思います。しかし、もちろんそれ以外の可能性もありますね。そーたさんは、

今の時点では、可能性は別にして、山本さんなら、ということで、小野、明神、宮本の名を挙げよう。

このように書かれています。これもなるほど、と思いますね。

宮本が入れば守備はたいへん安定するでしょう。先に述べた私の考えるOAのタイプ、「穏やかなリーダーシップ」にも適合していますね。これも有力な選択肢だと思います(フル代表には田中マコがいますし)。

ただ私は、予選最後のUAE戦で見せた阿部の3バックにも魅力を感じているのです。あそこに宮本を入れるのもいいですが、復帰してくる闘莉王を投入するのも捨てがたい。那須-阿部-闘莉王という組み合わせは、かなりよいものになると思います。このチームとしての連続性もある程度は保てますしね。

明神については、今野がいるじゃないですか、ピッチ上に確か二人か三人(笑)。彼の台頭で、「中盤のディフェンス強化要員」は特に必要とは思えなくなりました。もちろん明神の持つ経験や、組織を生かす力は捨てがたいのですが、その点は今野、鈴木啓の成長に託してみたい。問題点は、やはりフィードの正確性を持った後ろめの選手、ということになるでしょうか。本当は青木、森崎和といった選手がいるんですが、最後まで山本さんは彼らを生かしたチームが作れませんでした。その点に対して、経験の豊富な森岡や中田コで補う、ということは考えられますね。

さて、以上で私の考える五輪代表のOA候補は出揃いました。布陣にしてみると、

----平山(柳沢)----
--大久保----田中達--
小野ー---------石川
---今野----鈴木---
--那須--阿部-闘莉王--
------ソガ------

ヤナギと平山は、どっちがサブと言うことなしに、最後まで併用という感じで行って欲しい、と思います。

ちなみに、こちらではOAにある現FW様かな?と思わせるFWが入っています。それはもう最終兵器ですね(笑)。「穏やかなリーダーシップ」どころじゃないですが、彼が入ってくれるなら私も賛成してしまうかもしれません。まあそれぐらい彼のキャラクターは魅力と言うことで(笑)。

それではまた。

04:01 PM [アテネ五輪代表] | 固定リンク

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コメント

これ程までに明確に、しかも論理的に「OA」について展開・反応して下さいまして(笑)素晴らしい、ケット・シーさんの”引き出し”でした(笑)
特に、ヤナギについてはまるでトルシエのような人間洞察力と深い愛情で、感涙ものでした(笑)   深謝!
   

投稿者: そーた (May 14, 2004, 9:31:45 PM)

そーたさん、コメントありがとうございます。
だって私はヤナギファンなんですもん(笑)。

そーたさんのBLOGのほうでのお題「小野がダメな時はどうするか?」についても、また考えてみたいですね。

投稿者: ケット・シー (May 17, 2004, 1:03:09 AM)

イタリアでは「バッジオを五輪代表に」というキャンペーンがありましたが、日本でも「カズをアテネに」というキャンペーンを起こしたいなぁって思ってしまいました。

投稿者: 72年生まれ (May 17, 2004, 4:30:30 PM)

どうか教えてください。
OAのGKとしてまず、
なぜ筆頭(というか唯一)に名の上がるのが
ソガハタ選手ですか?
定説ですか?
すばらしいGKなんですか?

投稿者: A (May 18, 2004, 2:58:40 AM)

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