April 09, 2004
カズへの手紙
これは素晴らしい記事です。J-KETのほうでも、本誌発売時に話題になっていましたが、いやあもう、泣けてくるくらい、いい話。
練習が始まってまもなく、トゥルシエは僕に話しかけてきた。「君がいろんな経験を積んでいるのは一目でわかる。若い選手も多いから、コミュニケーションをとってチームを引っ張ってくれ」とね。
私は、トルシェ監督のモチベーション・コントロールにおいて、トルシェが「競争政策」を利用してチームを戦う集団にしようとしていた、という趣旨のことを書いていますが(正確にはそれを書いている記事を紹介)、トルシェのしていたことはそれだけにとどまりません。
カズのような、若い選手に影響を与えられる選手を呼び、上記のようにオリエンテーションをし、それによってチームのメンタルにプラスの影響をもたらす。カズの最初に呼ばれたこの合宿は、シドニー五輪予選が終わり、非常に期待された五輪代表がフル代表に融合し始めるちょうどその時期です。つまり、ここでは、カズやゴンのような選手を五輪代表の選手に「お手本」として提示することで、チームのメンタル作りをしようとした、とみることができるわけです。
同じような例が、2002W杯時にもありましたね。トルシェのモチベーション・コントロール手法は「競争政策」だけではない。それが確認できる記事でした。
経験から言えば、いい監督はメンタル面を含めた選手の状態を見抜く目を持っている。トゥルシエも優れた観察眼の持ち主だった。練習、試合、移動や食事の間でさえも選手全員に目を配っていた。
これを今の代表監督にも要求したいのですけどねえ。はあ。
あと昨日のコメント欄へのレスです。
>H-ICHIJYOさん
なるほど。それがもっと根付いていくといいですね。ただ私の言いたかったのは、柏餅や大道芸人に「地元密着感」が感じられないということなんです(笑)。他にいいアイデアはないかなあ。
> 湘南蹴鞠屋さん
まず関西ということは大きいのでしょうね。そして他のプロスポーツが多い大都市は逆に難しい、というのもよくわかります。でもFC東京もだいぶ集客力を高めてきているし、なんとか人を集められるようになって欲しいですね。私も一回行ってみたいです。
それではまた。
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» Number「Dear KAZU」カズへの手紙 from 湘南蹴鞠屋
Numberの話題の記事です。とても感動的なエピソードですね。トルシエが日本サッカー界に残した功績も素晴らしいと思いますが、この記事には「人間カズ」の素晴らしさ... 続きを読む
受信: Apr 10, 2004, 6:35:23 AM
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Numberの話題の記事です。とても感動的なエピソードですね。トルシエが日本サッカー界に残した功績も素晴らしいと思いますが、この記事には「人間カズ」の素晴らしさ... 続きを読む
受信: Apr 20, 2004, 8:57:30 AM
コメント
素晴らしいですよね。本当にトルシエ監督の手腕は。戦術、人間性、観察眼、マネジメント、長期計画の構築と実行、分析・・。
ただし私も復帰には同意しません。新たな監督を探すべきです。
と言うか見たいです。
投稿者: ブランク (Apr 10, 2004, 12:22:37 AM)
トルシエのもよかったけど、この連載はなんか凄い良い話しが多くて困ってしまいます。
http://number.goo.ne.jp/from_number/579/kazu/popup.html
あーカズって若い頃、ドゥンガとチームメイトだったんだ!!
ということも感動しました。
投稿者: おりた (Apr 10, 2004, 4:52:57 AM)
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