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April 14, 2004

ジーコさん、すごいです

各所で話題のジーコインタビュー、ジーコ監督、

私がなぜ、ここまで責められなければならないのですか?

これではまるで逆切れです(笑)。

とりあえず気になったことを一つずつ。

(フィニッシュのまずさについて)

---何が原因だと思いますか?

ジーコ 技術面ではなく、責任感が強過ぎるためではないかと思う。これだけチャンスがあるのだから、決めなければいけない、という気持ちが、精神面の不安定さにつながるのではないだろうか。

---試合直後は、「メンタルトレーニングまでは考えていない」と言っていましたが・・・。

ジーコ まずはいままで通りの、あるいは新しいパターンで得点の確率をあげる練習に取り組んでいくが、精神面のトレーニングが必要になるのではないか、とも思っている。(後略)


ちょうどこのインタビューが出る前に、J-NET(本家)や掲示板で「シュート精度について」という書きこみをしていたのですが・・・。その指摘が当たってしまっているのでしょうか(苦笑)?

ちょっとその書き込みをさらってきます。


ジーコ監督はシンガポール戦に関し、「シュート数を見れば攻撃のカタチはチームとして作れていることがわかるはずだ。後はシュートを枠にいれてくれ!」という趣旨のことを語っているようです。

確かに代表選手のシュート精度は問題です。SPORTS YEAH!誌では、25本中5本が枠内(20%)と、図解入りで解説されていましたね。また同じ枠内でも、柳沢の、キーパーの足元に力なく転がったシュートなどもあり、枠内ならいいというわけでもないですが(笑)。

それに対し、ジーコ監督は代表の練習でシュート練習を課すようにしているようです。SPORTS YEAH!誌の増島みどりさんの記事では、ジーコ監督は「顔を大きく上げるな、GKの足元を狙う、GKと対面したらまず一呼吸置く」などと、詳細なアドバイスをしているようです。シンガポール戦でのGKと1対1の柳沢のシュートは、私は「ダイレクトで打てばいいのに」と思ったものでしたが、監督の教えに忠実なものだったようですね。

連動していない遅い攻めでは敵DFが帰陣してしまい、シュートが難しくなる。コンディションが悪ければもちろんキック精度は落ちる。さらには、ゴール前でのメンタルコンディションが悪ければ、あせってキックミスをする(注1)。それらは代表監督が解決できる/すべきことです。逆に、時間の限られる代表の合宿でシュート練習をしてもあまり効果がないことは、それこそシンガポール戦が証明しているように思えます。

ジーコ監督は代表監督としてすべきことの優先順位を、見誤っているように思えてなりません。

注1)「落ち着け!」と口で言うだけでは人は落ち着かないものです。集中させるための方法論は、人によってさまざまですが、「落ち着かなくちゃ」と思わせることはむしろ逆効果のことさえあります。

例えば、「自分が落ち着いているか、緊張しているか」などという問題を忘れ去るほどに「怒らせる」こともその手段の一つです。逆に「自分が落ち着いているか」ということに意識を向けすぎると、かえって過緊張に襲われたりします。

またもちろん、選手を観察し、そのメンタルコンディションが試合に向いているかどうかをチェックして、送り出す選手を決めることも重要です。さらには、それぞれの選手の状態や適正を見極めて、適切な言葉をかけることで、ゴール前でのメンタルコンディションを調節することもできます。「落ち着いてあせらず打て」といったほうがいい選手と、「外れても気にせずどんどん打て」といったほうがいい選手と、選手によって変わってくることもあるでしょう。

現代のコーチングライセンスのカリキュラムでは、心理学などを学ぶのは当然のことなのですが、ジーコ監督はその部分でも、メソッドの蓄積がない、経験が浅いのではないかと思います。

インタビューを読むと、シュートの決定率を上げるためにメンタルコンディションが重要だということを、ジーコ監督も認識されたようですね。
(これまではそれを向上させるてだてを講じてこなかったのでしょうか?)
さて、これからジーコ監督をそれができるのでしょうか?
そのような知識、能力、経験はあるのでしょうか?

気になるところです。

続きます。

03:03 AM [ジーコジャパン・考察] | 固定リンク

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