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April 29, 2004チェコ戦
日本代表が強豪チェコにがっぷり4つに戦い、勝利できたのはやはりうれしいですね。この試合の選手のがんばりは特筆ものでした。
日本側でポイントだったのは、「ここしばらくピッチにたっていない選手」が、今回はほとんどいなかったことが大きいですね。親善試合ということもあり、ケガ気味やコンディションの悪い選手は辞退をしており、これまで大きな問題だった「海外組固定」「コンディションの悪い選手を強行起用」自体が崩れていました。
もともと、国内組をベースにコンディションの良い海外組を起用するべきだ、本番たるアジア1次予選で、無理のある起用をするという方針が間違っている、というのが私たちの主張でしたから、今回はその「間違い」の部分が、選手の辞退などにより改善された事が大きかったわけです。
試合内容的には、格上を迎えた選手が精力的にプレスを敢行したこと、動き回りながらゲームを作っていく藤田や、玉田、後半では本山といった選手が(黄金の4人に代わり)起用されたこと、そして彼らがプレスからのボールを上手く引き出したこと、田中誠がジュビロでやっているように、なるべくラインを高く(少なくとも前半は)保つ3バックを統率したこと、などによって、なかなかよい「プレスからのショートカウンター」による攻撃ができていました。
非常に強いチェコに勝利したという結果は、素直に賞賛されるべきことと思います。
しかし、代表監督の仕事は、一つの親善試合でよい試合を見せることではありません。
継続的に、一つの強化方針の下代表を強化して行き、そして結果を出すべき公式大会で結果を出すことが代表監督のミッションです。そして、ジーコ監督はこれまで(コンフェデ、東アジア選手権で)結果を出すことができていません。アジア1次予選ではグループトップですが、アジア予選は1次、2次がある長丁場であり、それをにらめば1次予選はあくまでも内容を見極める試合というべきでしょう。そしてそこでの試合内容もまた、非常に問題の多いものでした。そしてそれらすべての原因が、ジーコ監督のプロの代表監督としての能力、特に「チームマネージメント」の能力によるものなのです。
私はこれまで2年近く見てきたジーコ監督の能力に対する考えを、この一試合で変えることはありません。彼のチームマネージメント能力が変わらない限り、オマーン戦、シンガポール戦のような試合はまた繰り返されるし、それが2次予選、W杯本大会で出てしまう可能性は相当高いと考えるからです。私は変わらず、ジーコ監督の即刻の解任を求めます。
ただ、現実問題、このような快勝の後では解任も難しいと思いますが、少なくともそのムーブメントを継続し、声を大きくしていくことこそが、「日本代表を応援すること」だと私は現時点では考えています。イングランド遠征、アジアカップでの内容や結果を見守りつつ、しっかりと問題点の指摘をしていきたいと思います。
今日の試合で一つよかったのは、「国内組、海外組にこだわらず、やはりコンディションの良い選手を出すといい試合にできる」という当然のことを、ジーコ監督がようやく認識した可能性があることです。そういう点が改善されていくと、ジーコジャパンも良くなっていくと思うのですが、さて、ジーコ監督、次はどうするでしょうか。できれば、ジーコ監督のこの変化が続いてくれるといいのですが。
しかし、選手たちは本当に良く頑張りましたね。ここでつかんだ自信や感覚をいかして、これからもさらに成長していって欲しいです。そして、それを率いるのは彼らに良質の指導を施せる人物であって欲しいものです。
それではまた。
11:52 AM [ジーコジャパン・親善試合] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (2) |
April 28, 2004女子日本代表に焼肉を♪
アテネへの戦いはまだ終わらない~目指せアベック出場!
日本女子代表
祝!! 女子日本代表、五輪出場
素晴らしい戦いでアテネへの切符を勝ち取り、私たちに大きなおおきな感動をくれた、サッカー女子日本代表。
彼女たちに、焼肉を腹いっぱい分プレゼントしたい。
そういうムーブメント(?)が上記スレッドで盛り上がりました。
それならそれを実際に実現できないか、ということで、およばずながら&差し出がましいのですが、私ケット・シーがそれを取りまとめさせていただこうと思い立ちました。
「サッカー女子日本代表を応援する焼肉券プレゼント」企画。
みなさまから募金を募り、叙々苑のお食事券としてJFAに届けようと思っています。
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〒105-0004
東京都港区新橋5丁目25番1号
「サッカー女子日本代表を応援する会」
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「自分も女子代表に焼肉たくさん食べてもらいたい!」という方、
こちらに定額小為替、あるいは現金書留でお送りください。
(定額小為替のほうが手数料が安いです)
今回は「一口いくら」という形は設けません。
いくらからでもけっこうです。
またもしご自分で叙々苑に出向くことができる方がいらっしゃいましたら、↑のお食事券を購入して送っていただいても大丈夫です。
期限は、「いつまで」という性格のものではないと思うので、いつでもけっこうです。
ただ、一応出場決定のお祝いということで、5月中旬に一回とりまとめ、送ろうと思っています。
もちろん、その後でも受け付けています。
私たちがもらった感動を、何らかの形で彼女たちに届けたい。
こういう活動があってもいいですよね?
こういうことには不慣れですが、精一杯努めますのでよろしくお願いします。
# この活動へリンクしてくださる方、もちろんリンクフリーです。
# バナーは上のほうにあるものをお使いください。
それではまた。
11:54 AM [なでしこジャパン] | 固定リンク | コメント (3) | トラックバック (21) |
April 25, 2004デジャ・ヴュ?
----久保--玉田----
------藤田------
三都主-遠藤--福西---西
--茶野--マコ--坪井--
------楢崎------
はい、予想通りです。いや、予想を外すほうが難しいのですが(笑)。
そしてやはり予想通り、「いい試合」でしたね。セットプレーで2失点の後は、藤田→本山の効果もあり、敵選手が安心したのか足が止まったこともあり、日本選手が「生き返って」、流れの中から2得点。最後は不運なPKから3-2とされてしまったのですが、いや、2得点するあたりの、選手一人一人のがんばりは、なかなかなものでしたよ。
久保はもともと、その類まれな身体能力を活かせばすごい選手だと言われ続けてきましたが、この試合の後半でも、そのスピードにハンガリーの選手はついてこれませんでしたね。あらためて貴重な戦力であることを自ら証明しました。本山も、スペースを見つける動き、走りこむ動き、トラップ、1対1の上手さなどで、完全に試合のリズムを変えましたね。
そういった「もともとわかっている選手」に加え、玉田も後半は(特に点を取られてから)素晴らしかった。ボールを引き出す動き、そこからの仕掛け、大男ゆえに(?)足元の弱いハンガリーのDFを手玉にとっていました。茶野、田中誠もよかったですね。カバーリング重視の3バックで、足元のテクニックのそれほどないハンガリーの選手を押さえ込めていました。
西は最初は良かったんですけどね。藤田も、福西も、やはり磐田組はコンディション的につらかったようです。福西の代わりに投入された三浦淳はよかったですね。敵の動きが落ちたこともあり、動き回りながらボールをつなぐ、本職のウイングのようなところへ飛び出していく彼のよさも出ていました。守備面では、ボランチとしてはちょっとなあ。しかしこの状況では仕方がないでしょう。
三都主は調子が悪そうでしたね。動きの思い切りも悪いし、パスもぶれている。1対1でも、持ってからしかけようとするとファウルで止められてしまいますし、やたらポルトガル語で怒られているし(笑)。
ところでこの試合を見ていて何か懐かしい気持ちがしませんでしたか?何かなあと考えてみたら、キリンカップでした。昔のキリンカップにそっくりでしたよ。ただしホームのハンガリーが、昔の日本で、今回訪れていった日本が、昔日本がキリンカップで招待した国、ということで。
メンバー落ちの招待された国に対し、敵がまだ目が覚めていない間はがつがつと当たってペースを握るホームチーム。そうこうするうちにセットプレーからホームチームが2得点。急に目を覚ました招待国に、ミスにつけこまれ、あるいは個人技で突破され、ホームチームは失点してしまう。最後がPKで結局3-2でホームチームの勝ち。昔のキリンカップの対戦国の、本国向けの放送でも解説者は「これは負けじゃないですよ」とか言っていたのかなあ(笑)。
まあそれぐらい、強化としてはあんまり評価するところのない試合でしたが、その分、普段出番のない選手のがんばりはうれしかったですね。
語るべきことは今日は以上ですかね。いやもう一つあった。玉田の談話、「グラウンドがぬかるんでいたので、後半はスパイクを変えたら、足元にボールがつくようになっていいゲームができた。」これはおもしろかったですね(笑)。いや何か他に良くないものを見たような気もするんだけど、忘れました。
それではまた。
11:40 PM [ジーコジャパン・親善試合] | 固定リンク | コメント (2) | トラックバック (5) |
おめでとう、女子代表!&・・・
女子五輪代表、出場決定、おめでとう!
選手みんな本当によくやった!監督、関係者の皆さん、お疲れさまでした!男子五輪代表に続き、「魂」の伝わってくる試合でした。私事ですが、友人と見ていて目がうるうるしてしまいましたよ。3-0!しかも最強の北朝鮮相手に!何より試合運びがなんとも堂々としていて、気力、体力が充実しているところが見て取れました。一番大事な試合で一番いい試合ができる。いや~最高ですね。
J-KETの女子代表ツリー1、同2をあらためて見ていると、本当にもう一度泣きそうになりますね。北澤のコメントにもぶんぶん音がするぐらいうなずいてしまいます。こんなに日本のサッカーファンの気持ちが一つになったのは、久しぶりなんじゃないでしょうか。「やれることはやった」、「だから負ける気がしなかった」・・・そういう言葉が、あらゆる年代の、男女を問わない代表チームで聞けるようになる日が早く来ますように。
しかし、個人能力ではかなり勝る北朝鮮も、モチベーションと組織が劣るとあのようになってしまう・・・。日本は全員が献身的に働き、体を張り、気力と体力を充実させて臨んだ。そして、「モチベーションビデオ」を作って見せたり、3点目は練習どおりのCKだったり、いろいろと参考になる戦いでしたね・・・。
さて、今週は超・代表戦ラッシュで、今日はもうフル代表親善試合vsハンガリー戦ですね。テレ東系で19:54分からです。
前々日合流、「15分しか練習できない」海外組を1次予選でスタメン起用する監督ですから、同じようにACL(アジアチャンピオンズリーグ)を戦って飛行機に飛び乗った磐田組を起用することは予想の範囲内でした。しかし、本当にコンディションに関してはほとんど考慮しない監督であるようですね。うーむ。
ということは、布陣は
----久保--玉田----
------藤田------
三都主-遠藤--福西---西
--茶野--マコ--坪井--
------楢崎------
という感じでしょうか。
ハンガリー側もこのあとvsブラジル戦を控えており、海外組はそちらへ召集、国内選手のみで日本と対戦するようです。ハンガリー国内組vsJリーグ国内組ということですね。ハンガリーリーグはUEFAランキング27位らしいです(ちなみにベルギーリーグが11位、ポーランドリーグが17位というところ)ハンガリー代表チームのFIFAランキングは72位(ちなみにオマーンは64位!)。なかなかハンガリーについての情報はないのですが、そこまで敵が自信を持つほどのレベルではないのではないかと思えます(笑)。
私は個人的には、コンディションが悪いとは言え、Jではなんともいえない強さを持つ磐田の選手たちが「戦いのうまさ」を発揮して、意外といい試合をしてくれる(しまう?)のではないかと期待しています。ある意味、両者オールスターでのようなチームですから、グダグダな展開になりそう、という感じですか(←それはいい試合とは言わない・笑)。アクシデントや、こういう外的条件がない限りサブが充実しないジーコジャパンですが、この試合もそういう機会になるといいですね。
本来なら、「ここでジーコ監督のチームマネジメントが試されますね」とか書くところですが、すでに本番たる1次予選で、チームマネジメントが壊滅的であることが見えてしまっているので、この試合の興味は選手一人一人がいかにがんばってくれるか、というところにしかありません。まあ、ハンガリーにあそこまで、なんというか、「舐められる」(笑)のも腹立たしいので、一泡吹かせて欲しいものです。
それではまた。
11:52 AM [サッカー日本代表] | 固定リンク | コメント (3) | トラックバック (1) |
April 23, 2004U-23日本代表vsギリシャの続き
おとといの五輪代表戦について、いろいろなサイトを巡ってみました。
武藤さんは山本さんの「守備ライン連係指導」力が間違いなく高い。」とおっしゃっていますね。私とは見方が違うのですが、興味深いです。
masserさんは私と似た見方のような気がしますね。「シュートを譲る場面」って、どんなのでしょうか。
cocoaさんの戦評は、柔らかくっていい感じ。「ギリシャの選手たちが、神話の神様もしくは恐竜みたいな名前でかっこよかった。」そうそう、私もそれまったくそのまま思っていました!アナウンサー、舌かみそうですね(笑)。
ブランクさんああ、そうですね。左・森崎、右・石川というのは、実は攻撃的な布陣でしたね。(まあDFの絶対数が足りないというところもあるんだけど・笑)。それが逆に森崎に守備の負担を強いた、というところはあるかもしれないですね。
さるねこさんは、あの男やあの男を待望。そうですねえ。私はあの男もいいかなと思いますが、まあ欧州の選手はクラブ優先ですか。
ガゼッタさんの22日は、ギリシャとは差があった、という見方です。私もギリシャは欧州らしい、いい選手、いいチームだと思いました。ただギリシャは最後のところでちょっと弱かったですね。どっかのフル代表と似ていますか(笑)。
湘南蹴鞠屋さん そうですね、このチームがふらふらしながらもなんとなく好感を持ってしまうのは、少なくとも「やれることはきちんとやっている」ことが伝わってくるからなんですよね。いやはや。しかし森崎和は、もっと中心になってもいい選手だと思うんですけどね。最後の一皮をむいて欲しいな、自分で。
そーたさん「この世代、前線に好素材多く、選手選考は難しいだろうが」 面白いですよね。フル代表はいわゆるパッサー系が多い。この年代はシャドータイプが多い、ように思えます。この両者の合体がなると、なかなかいいフル代表になりそうです。OAでそういう選手が合流すると、その雛形ができますね。(中田コ選手、確かになつかしいですね。早く回復して欲しいものです)。
BLOGの横の横断というのに興味があったので、ちょっと一巡りしてみました。けっこう楽しいものですね。もっとみてみたくなりました。他に「こんな人がこんなことを書かれているよ」というものがあったら教えていただけないでしょうか。
最後に、徹底的にシュート練習、日本代表・・・まあ、11人しかいないんじゃあ、できることも限られますよね。ハア・・・。
おっと明日は女子代表の大一番、北朝鮮戦ですね。私はどうしても行けないのですが、国立が満員に埋まって、彼女たちの背中を押してあげられるといいですね。
それではまた。
02:50 PM [アテネ五輪代表] | 固定リンク | コメント (3) | トラックバック (2) |
April 22, 2004ま、こんなものでしょう
U-23日本代表vsギリシャ戦
ギリシャへ遠征しているU-23日本代表がU-23ギリシャと対戦、現地の気候やら環境やら芝やら、いろいろと体験して五輪に備えようという試合です。闘莉王ももともとケガだし、阿部や角田も怪我するし、ACLで横浜や磐田の選手はこの試合欠場するしで、なかなかどたばたですが、それも経験、大会への準備になればいい、というところですか。
スターティングはこんな感じ。
------平山------
---大久保--田中達---
森崎浩-今野--鈴木--石川
--北本--茂庭--徳永--
------林卓------
試合前は、高校時代にリベロの経験もある徳永がセンターでは?といわれていた3バック、驚いたことに茂庭がセンターです。急造でもあり、なかなか息が合わず、3バックの左右に敵FWの侵入を許したりしていましたが、それでも何度かオフサイドを取り、最後は体を張ってぎりぎりで守ります。鈴木や今野も敵の飛び出しによくついて行って対処。
ギリシャは意外とつなぐチームで、うまく日本のプレスの間に顔を出し、それをシンプルに使うというつなぎ方で日本陣内へ入り込み、要所でドリブルやスルーパスを織り交ぜて攻めてくる。欧州らしい、いいチームでした。日本も鈴木や今野を中心にプレス、上手く奪ったりするのですが、そこからのつなぎでギリシャのさらなるプレスにあい、攻守の切り替えがままなりません。
ギリシャは日本のことを研究していたのか元からなのか、日本のボランチ、DFラインにまで激しいフォアチェックをかけてきます。これはアジアレベルではなかなか出会えなかったプレッシャーですが、日本の急造3バック、鈴木と今野にはちょっと荷が重かった。なかなか前にパスが出せず、戻そうとしたボールがパスミスに。18分などにはビッグピンチを迎えてしまいました。これもいい経験、というか、この点を考えるとチーム構成を変えたほうがいいかもしれません。
ところが、やや押されていた日本が、低めでボールを奪ったところから石川が前線へフィード、平山がトラップしたボールをさらに前線へ、走り込んだ田中達はワントラップでシュート!キーパーの足元を抜けてそのままゴール。絵に描いたような速攻が決まりました。
ギリシャはそこからさらに攻撃の圧力を強めます。しかし日本のDFプラス鈴木と今野、さらに両サイドは、下がって体を張ってそれを防いでいく。そして林も何度かファインセーブ!2点くらい助かりました(笑)。それはいいのですが、なかなか日本のボールが前線へつながることは少なかったですね。やはり前述したDFブロックの「攻撃の基点能力」が、選手の特性的にも、チーム戦術の浸透的にも足りないな、という感があります。
前半の終盤にいたり、ギリシャの圧力が弱まったところで、日本は石川を基点に何度もかなりいい攻めを見せました。やはり石川が高い位置でボールを持つと、違いを見せることができますね。彼は完全に通用、というか敵を翻弄していましたし、この時間帯は平山も田中達もよく動いて、ボールをかなりつなぐことができました。こういう攻撃を続けられるといいんですけどね。
(途中で茂庭が痛んでいましたけど、大丈夫でしょうか?)
■後半
------高松------
---大久保---松井---
森崎浩-今野--森崎和-石川
--北本--茂庭--徳永--
------林卓------
後半から、高松、松井、森崎和が投入され、このような布陣となります。これは、経験を重視するテストマッチですから当然のことでしょう。時差やら移動疲れもありますしね。森崎和はパスも得意なよいボランチの選手です。前半の課題の修正の意味もあるのでしょうか。
ところが、今野と森崎和の動きが今ひとつかみ合わずプレスが弱まり、、またDFラインの疲れもあって、さらには審判が全然オフサイドを取ってくれなくなったこともあり(ビデオで見る限りオフサイドのプレーも何度かあり)、後半はDFラインがずるずると下がってしまいました。それにともない、敵にボールを支配され、攻撃を受ける時間が続きます。
ボールを奪っても、前線へ闇雲なフィードをすることが目立ち、確かに前半のようにつなごうとして奪われるよりはよいのですが、なかなかペースを取り戻すことができません。フリーでじっくりキープできるところでもそうなんですよねえ。うむむ。松井もいまいちキープしきれない。まあ、投入直後は敵との間合いも測れないので奪われやすいのだけど。
というところで14分、大久保に代えて山瀬投入。おおこれはツーロンでの2シャドーがそろったではないか。まあ選手はサバイバルに必死でそれどころではないでしょうが。
ここから山瀬の動きがよかったこともあり、日本のよい時間が続きます。選手の競争意識が刺激されましたかね?(笑)森崎浩が左からクロス、流れたのをもう一回石川がクロス、また山瀬のグラウンダーのいいクロスに石川がシュート、さらに松井が25分、ベストエレガントプレイヤー@ツーロンらしい「にょろり」とした突破を見せる。
31分、森崎浩アウト、根本イン。最終的にはこんな感じ。
------高松------
---山瀬----松井---
根本--今野--森崎和-石川
--北本--茂庭--徳永--
------林卓------
ここからまたギリシャの攻勢が強くなり、ちょっと怖い時間が続く。日本は落ち着かせること、押し上げることが出来ない状態。この辺が課題ですね。
38分くらいには松井がペナルティエリア内で粘ったボールのこぼれだまを根本がクロス、山瀬が中央で素晴らしいシュート!惜しくも敵GKに阻まれましたが、いいシュートでした。
ロスタイム表示は5分、ゲストのラモスさん「おいおい、どっから取ったその5分、知りたいわ」怒りのコメント(笑)。今日のラモスさんはみなさんいかがでした?前半は押さえ気味でよかったですね。後半はイライラがつのったのか、ちょっと叱咤のほうが目立つようになりましたが(笑)。
そして、ロスタイム4分、日本の右サイドからのアーリークロスを今野と(さっきまで「茂庭と」としていました。訂正します)北本がかぶってしまい、それをフリーのカペタノスが落ち着いてシュート、同点ゴールを決められてしまいます。惜しい、もうちょっとで勝ちきれたのに。
■総じて
ギリシャは強いチームでしたけど、このレベルでこの内容だと日本は正直メダルは苦しいかもしれません。まあ、攻められながらもふらふら結果を出してしまうのが、山本U-23の発足以来のデフォルトなのですが、もうちょっと何とかしないと。
特に課題だと私が思うのが、攻守の切り替え時のキープ、攻めの第一歩のパスを出せる人材ですね。前代表でいえば、左アウトサイドには必ずそういう選手がいましたし、フラットスリーの中田コ選手や、ボランチの稲本なんかもそういうパスがうまい選手でした。それを期待してDFラインで青木選手や、今日で言えば森崎和選手なんかを使っているのでしょうけれども、チーム全体の共通理解ができていないので、今まであんまり機能してきていないですね。私の中で、山本監督の評価が低いのはこの課題をいっこうに解決できないところにあります。
もう一つは、やはりDFラインのずるずる下がりの傾向が強いこと。急造で仕方なかったとはいえ、今日もやはりそうでした。この二つは監督が戦術指導で解決できるはずのことでもあるのですが、どうにもそれが難しいなら、やはり選手の入れ替え、具体的にはオーバーエイジの起用も必要かもしれませんね。私ならキーパー、DFライン(センターでなくても可)、左アウトサイドかボランチ、に一人ずつ補強(笑)しますが、さてさて。
まあ結果は引き分けですが、芝に慣れたり、環境に慣れたり、それぞれ自分のプレーを競争して監督にアピールしたり、アジア予選レベルよりも強い相手ともう一度戦って課題を再確認したり、という収穫は得られたゲームでした。アウェーですし、急場ですし、こんなものでしょう。大事なのはここから得られた糧をどう身にしていくか、です。次の試合も頑張って欲しいですね。
それではまた。
12:35 AM [アテネ五輪代表] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (3) |
April 21, 2004日記風の続き
チェコ戦についてですが、サカマガでの稲本の移籍記事にあるように、(あとエルゲラさんも書かれているように)現在欧州クラブに所属しながら出場機会のない、「欧州宙ぶらりん組み」(ごめんね)たちにとっては、ここで活躍してスカウトの目にとまり、次のクラブへ、というチャンスでもあります。強豪チェコのEURO直前の親善試合、移籍市場もそろそろ動き始める、となると、スカウトもけっこう集まってくるのでは、と思うのですが。
やはり試合に出ていないと、試合勘だけでなく90分×フルシーズン戦い抜くスタミナという点でも、衰えていってしまうでしょう。プロのサッカー選手として大きな問題を抱えてしまうと思います。中村、高原、柳沢もそうですが、稲本はもう3年間もこんな状態なわけで、とても心配です。幸い欧州での試合は彼らにとって移動の負担や時差などが少なく、アジアでの試合よりもコンディションよく戦えるでしょう。選手のことを考えると、いい試合をして欲しいものだと思わずにいられません。
U-23のDFラインは北本-徳永-茂庭?これまた急造のDFラインになりそうです。練習も十分できないようですけど、北本は神戸のスキンヘッダーズの有力な一員、私も大好きなDFです。またとないチャンス、ガンバレガンバレ。
03:33 PM [日記] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0) |
今日は日記風に
そうでしょうね。ハンガリー戦は欧州リーグと日程が重なり、国内組中心ということですから、東アジア選手権と同じように3バックで行くことは十分考えられますね。
えっ、「マリノスとジュビロの選手が合流してから考えたい(ジーコ監督)」?いやそれではあまりに遅いと思うのですけど(マリノス組合流22日、ジュビロ組合流23日、練習24日、本番25日)。
ヒデは、恥骨結合炎ではなくて、内転筋炎だということが判明しました。まだよかった。ですけれども是非、「無理はさせない」で欲しいですね。もう多くの方から突っ込みを入れられていますが、「体調を見極めて」「チーム合流後に中田英と話し合う」ジーコ監督がこういうことを言っている場合、
ジーコ監督「やれるか」
ヒデ「・・・・・」
ジーコ監督「やれるな」
ということでしかないのではないか、と疑いがあるわけで、心配でたまりません。
せっかくのチェコとの試合なのにね。
高原は内出血?肺血栓のこともあるしね、お大事に。
U-23は3トップ。いいですね。ホームUAE戦はいいサッカーでした。でもあれ、大事なのは発射台たる左アウトサイドだったりするんですけどね(しかしなんでもかんでも「黄金の」とかつけないように、スポニチ)。
「競争に拍車をかけてほしい」山本昌邦監督 なるほどなるほど。フル代表と同じように(あるいはそれ以上に)怪我人等でているんですけど、なんだかこちらのほうがよほどいい準備になりそうですね。
ああ少しは明るいニュース。うれしいですね。彼もシドニー世代。シドニー五輪予選のころ、彼とボンバーがバイキング形式の食事で、うっほうっほとじゃれあっていたのを思い出します。頑張って欲しいです。
最後にマラドーナ病状安定。ほっ・・・。
それにしても、もったいないなあ欧州遠征・・・。
07:54 AM [日記] | 固定リンク | コメント (2) | トラックバック (0) |
April 20, 2004チェコといえばビール
欧州遠征で対戦する予定の、チェコ代表が発表になりましたね。
GK
ペトル・チェフ
(Petr CECH) レンヌ(フランス) 82.5.20 197/87
ヤロミール・ブラゼク
(Jaromir BLAZEK) スパルタ・プラハ 72.12.29 188/82
DF
レネ・ボルフ
(Rene BOLF) バニク・オストラーバ 74.2.25 189/80
バクラフ・ドロブニー
(Vaclav DROBNY) ストラスブール(フランス) 80.9.9 191/83
パベル・マレス
(Pavel MARES) サンクトペテルブルク(ロシア) 76.1.18 185/77
ダビド・ロゼーナル
(David ROZEHNAL) クラブ・ブルージュ(ベルギー) 80.7.5 191/79
トマス・ウイファルシ
(Tomas UJFALUSI) ハンブルガーSV(ドイツ) 78.3.24 185/76
マレク・ヤンクロフスキー
(Marek JANKULOVSKI) ウディネーゼ(イタリア) 77.5.9 182/77
マルティン・イラネク
(Martin JIRANEK) レッジーナ(イタリア) 79.5.25 183/78
MF
カレル・ポボルスキー
(Karel POBORSKY) スパルタ・プラハ 72.3.30 174/72
トマス・ガラセク
(Tomas GALASEK) アヤックス(オランダ) 73.1.15 181/75
トマス・ロシツキー
(Tomas ROSICKY) ボルシア・ドルトムント(ドイツ) 80.10.4 178/67
ロマン・ティーチ
(Roman TYCE) 1860ミュンヘン(ドイツ) 77.5.7 177/70
ウラジミール・スミチェル
(Vladimir SMICER) リバプール(イングランド) 73.5.24 180/74
ステパン・バチョウセク
(Stepan VACHOUSEK) マルセイユ(フランス) 79.7.26 185/80
パベル・ネドベド
(Pavel NEDVED) ユベントス(イタリア) 72.8.30 177/70
FW
ミラン・バロス
(Milan BAROS) リバプール(イングランド) 81.10.28 184/76
ヤン・コラー
(Jan KOLLER) ボルシア・ドルトムント(ドイツ) 73.3.30 202/103
ウラティスラフ・ロクベンツ
(Vratislav LOKVENC) カイザースラウテルン(ドイツ) 73.9.27 192/88
マレク・ハインツ
(Marek HEINZ) バニク・オストラーバ 77.8.4 187/76
これはいわゆる、「マジ」というヤツですか?(笑)
このほぼベストメンバーがそのまま招集に応じるとすると(欧州リーグが佳境だからまだわからない)、さらにチェコのホーム(プラハ)であり、EUROの直前であるということを考えると、実に見ごたえのある試合になるかもしれませんね。ただチェコは親善試合ではテストをすることもあるので、そのへんがどうなるか。
最近のチェコ代表チームについて、ロシツキ、コラー、そしてブリュックナー監督が語っているコラムがありました。実に興味深いですね。どこかの国の・・・いやもうそれは言わない約束(笑)。
ブリュックナー監督は「こんなの(フォーメーション)は試合開始のホイッスル時の立ち方だけだ。」と言いながら、一応は4-1-4-1であるとしています。こんな感じですね。
――――――――――――コラー―――――――――――
――――――――――――――――――――――――――
シュミツェル―ネドヴェド――ロシツキー―ポボルスキー
――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――ガラセク―――――――――――
――――――――――――――――――――――――――
ヤンクロフスキ―ウィファルシ――ボルフ―――イラネク
――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――チェフ―――――――――――――
コラーの後ろから、ネドヴェド、ポボルスキー、シュミツェルたちがどんどん飛び出してくる。素晴らしい攻撃力を持つロシツキーはややそのカバーにまわる。中盤の底にはガラセク。これでEURO予選でオランダを3-1と下しています。
楽しみですね。是非手抜きをしないでぶつかってきて欲しいものです。選手たちには、これ以上ないいい経験となるでしょうね。監督にも、いい経験となって欲しいものですが・・・。
チェコビールでは、プルゼニュスキー・プラズドロイが有名だそうです。それではまた。
01:08 PM [ジーコジャパン・親善試合] | 固定リンク | コメント (5) | トラックバック (9) |
April 19, 2004ようこそジーコジャパンへ
宮本と中澤の辞退を受けて、ジュビロ田中、ジェフ茶野が召集されました。
直前にジーコ監督がジェフvsアルビレックスを観戦されていて、茶野はそこで派手なシュートを決めましたが、それとは関係なくこれまでの観察の蓄積で、DF能力が評価されての召集であったと信じましょう。
それはともかく、これで、ハンガリー戦は普通に田中誠(22日のACL終了後にハンガリーへ向けて出発。合流して練習できるのは前日のみでしょうね)の先発となるような気がします。永田・・・_| ̄|○
----久保--玉田----
---藤田----本山---
----遠藤--福西----
三都主-田中誠-坪井--加地
------楢崎------
先発は、↑ということになりそうです。太字は前日合流の磐田組。サブは永田、茶野、西、三浦、土肥。
攻撃にかかりたい時に切れるカードは西一枚。FWのサブはなし。
(ヤナギが合流できそうという話がありますが)
ハードスケジュールをこなし、前日のみの練習になりそうな磐田組の先発がおそらく3人、
藤田→西という交代はできますし、田中誠は怪我をしたら一応茶野が控えていますが、
ボランチの福西は怪我をしても、過労で90分もたなくても、
ピッチに立ち続けなくてはならないのでしょうか?
(試合に出ていない稲本の早期合流が、心のそこから待ち望まれることです)
これはいったい、真面目に仕事をしている代表監督の率いるチームなのか?
どうにも不思議な代表の遠征となりそうです。
ようこそジーコジャパンへ。このマンガが笑えなくなっているのは、本当に悲しいことです。
うーむ。
それではまた。
05:03 PM [ジーコジャパン・親善試合] | 固定リンク | コメント (4) | トラックバック (1) |
April 18, 2004そしてだれもいなくなった
うーむ、これはすごいことになってきましたね・・・。
もともと、24,25日に試合を抱える欧州組はいつ合流できるかわからない(きちんと試合をこなせばチェコ戦からになるはず)上に、横浜FMは、21日、磐田は22日にそれぞれ、ACL(アジアチャンピオンズリーグ)を戦ってから、前々日、前日の合流となってしまう予定でした。それによって、ただでさえ、ハンガリー戦に間に合う選手が少ないところへ、この辞退劇です。「いったい誰が参加できるのか?」参加できる選手を数えたほうが早いという状態ですね。
GK
楢崎正剛(名古屋)
土肥洋一(FC東京)
川口能活(ノアシェラン)
DF
永田充(柏)
坪井慶介
三都主アレサンドロ(以上、浦和)
宮本恒靖(G大阪)
三浦淳宏(東京V)
加地亮(FC東京)
中澤佑二(横浜M)
MF
遠藤保仁(G大阪)
西紀寛
福西崇史
藤田俊哉(以上、磐田)
稲本潤一(フラム)
中田英寿(ボローニャ)
中村俊輔(レッジーナ)
小野伸二(フェイエノールト)
FW
高原直泰(ハンブルガーSV)
久保竜彦(横浜M)
柳沢敦(サンプドリア)
本山雅志(鹿島)
玉田圭司(柏)
太字が合流が遅れそうな選手(赤字は辞退した選手)なのですが、こうしてみると国内合宿では、楢崎、土肥、永田、坪井、三都主、三浦、加地、遠藤、本山、玉田の10人しかいないことになります。サビシー!(笑・・・えない)
さびしいだけならまだしも、宮本という押しもオサレもせぬDFリーダーを欠き、以前宮本不在の欧州遠征時に茂庭や坪井を引っ張って結果を出した中澤もいないとなると、これはDF陣が相当に不安ということになります。
常識的に考えると、これまでに招集されてジーコ監督の指導も受けてきた永田の先発ということになるのでしょうが、本当にそうなるかどうかというと、非常に疑問ですね。
以前の欧州遠征の時は、先に招集されていた松田の辞退を受けて永田が、その後手島の辞退を受けて茂庭が招集されたわけですが、この時も「先に招集された(=優先順位が高いはず?)」の永田ではなく、茂庭がチュニジア戦に先発しています。
それはもちろん、実際に練習を見てジーコ監督が下した判断だから、それ自体はとやかく言う必要はないのですが、ね。どうも永田は、試合の実績を見ても田中誠や鈴木のジュビロ勢や、鹿島の大岩をはじめとする、Jでしっかりと実績を積んだDFの選手たちを差し置いて、フル代表のピッチに立つことはないんじゃないかと思えるのです。
これから誰が追加招集されるか、そして実際にピッチに立つのは誰か、ここでもジーコ監督が何を考えているのかが、浮き彫りになりそうですね(もはや楽しみ、とはいえませんが)。
しかし、こういうことを含め、やはり今回の招集は不可解です。仮に欧州組が基本的にはハンガリー戦に参加できないとすると、
----久保--玉田----
---藤田----本山---
----遠藤--福西----
三都主-永田--坪井--加地
------楢崎------
という先発メンバーとなり、バックアップは土肥、西、三浦の3人だけとなります(今回の辞退が発生する「まえ」でも、これに永田と中澤が加わるだけ)。紅白戦ができないどころか、欧州に出発後、例えばボランチがひとり怪我したらその「代え」が一人も、(一人も、ですよ!)いないという中で試合をしなくてはならないのです。試合中に誰か足をつらせたらどうするんですか?
貴重な代表の強化試合がそんなことでいいのでしょうか????
もちろん、今回の宮本と中澤の辞退を受けて招集される選手は、ほぼ初代表となるでしょうし、初キャップとなるでしょう。そして、選手間の話し合いでできる連携に頼るジーコジャパンで、初めての組み合わせが、1日2日の練習でピッチ上に現出するのです。それも組織で守ることが極めて大事な、CBのコンビで、です。
これも、ジーコ監督がこれまでバックアップの育成を怠ってきたつけです。1年間固定されて強化されてきた森岡、秋田という選手たちを全とっかえし、また無断外出事件で選手を落とし、自分で自分の首を絞めてきたつけです。これが親善試合でまだ良かった。同じことが予選で起こったら、目も当てられません。
この危機管理という概念の欠如した、経験のおっそろしく浅い代表監督。湘南蹴鞠屋さんもおっしゃっておられますが、もう完全に限界なのではないでしょうか。
PS:タイトルはJ-KETでの、Kashimashiiさんの投稿のタイトルから触発されました、というよりいただきました m(_ _)m
それではまた。
11:51 PM [ジーコジャパン・親善試合] | 固定リンク | コメント (5) | トラックバック (0) |
川淵発言と「王道」と
川淵会長の発言(要旨)が、J-NETにアップされていました。これは今日の混迷(と言い切ってしまいますが)を招いた元凶の一つであると言えるでしょう。これはJ-NETでそれについて考えてみた文章です。ここに再録しておきます。
まずは川淵さんの発言を分解してみましょう。
1)前任者の時はまずシステムを決めて監督の言う通りにやっていた。
2)選手は指示待ちだった。
3)これでは世界を勝ち抜けない。自分で考える力を伸ばさないといけない。
4)そのために選手には管理じゃなくて自由を与えて自分で考えられるようにした。
5)その適任者がジーコだった。
これは、一つ一つのテーマも正しいかどうか疑問が残るものですが、ひとつながりの議論としては相当に成立していない、誤った考え方だと思います。
特に1)と2)の間の因果関係、その普遍性が、過度に一般化されていると思われます。
言葉を足して言うと、(そして、あえて悪く言うと・笑)
「トルシェ監督は、自分の決めた戦術を選手に強要する監督だった」
「ゆえに、選手は指示待ちになってしまった」
ということでしょう。これは、川淵氏の頭の中では(笑)、おそらく正しいのでしょう。
しかし、
「よって、トルシェと同じような、戦術を重視する監督ではいけない」
「そのような監督では、選手がまた指示待ちになる」
と考えてしまったことが誤りなのです。
トルシェほどではなくても、戦術を重視する監督は世界中に、そして非常に多くいます。そういう監督の下では、選手は常に指示待ちになるのでしょうか?フランスは、オランダは、イタリアは、アルゼンチンは?日本よりも高度な戦術徹底を行っている国の選手は皆、指示待ちなのでしょうか?
いうまでもなく、答えは、否です。
仮に現状、2)や3)の問題点があったとしても(私はそんなものはないと、磐田や鹿島を見ると思うのですが)、戦術重視型(仮にそう分類します)の監督が来ると常にそうなる、ということではない、ということです。世界には、戦術重視型の監督の下で、選手が自分で考えているチームはいくらでもあります。
さらには、2)や3)の問題点を解決するために、フル代表で4)選手には管理じゃなくて自由を与えて自分で考えられるようにする。のような方法を取る、というところがおかしいと思います。
言うまでもありませんが、代表チームには時間がありません。たまに集まって試合を行うだけの代表チームで、「指示待ちで自分で考える力が足りない」選手を、「指示がなくても自分で考える選手」へと変えていくことは、効果が上がりにくいだけでなく、チーム作りにとって重要な他のことがおろそかになる点で、問題が大きいと私は思います。
(またそもそも、「完成された大人の選手に、管理ではなく自由を与えると自分で考える力が伸びる」というのは幻想ではないかと思います。市原のオシム監督は、多くの選択肢を練習の中で与え、「考えさせる」ようにする高度な練習メソッドを持っていると聞きます。ただ自由を与え話し合いに任せるだけではなく、そのようなプロの監督の技術も、もし本当に「自分で考える力」を伸ばそうというのならば、必要になってくるでしょう)
「選手一人一人の考える力を伸ばす」ことは、育成や時間の取れるクラブで行うべきことです。そして、世界のトップ10の日本よりも上の国は(ブラジルを除いて・笑)、どこも日本よりも上の戦術徹底度を持っています。日本がそれをおろそかにして、上にいけるはずはありません。
川淵さんは、よほどトルコ戦がショックだったのでしょうか。
もちろん私もたいへん胸が痛みましたが、今から思えば、日本よりも強い国が、先制点を奪った後引いてきて攻め崩せなかった、というだけのことなのだ、と思えます。それなのに、なぜか組織サッカーが限界だと思ってしまったり、日本の選手の「自分で考える力」に欠陥があると思いこんでしまった。それは、日本がまだまだワールドカップという舞台に対して、「ナイーブ」であるから起こったことだと私は思います。
トルコ戦ショックは、ナイーブな協会トップに、トルコ戦から逃げ出すことを、とにかくあれとは違う、変わったことをしないと、という意識を植え付け、監督未経験者を代表監督に登用するという、不可思議な人事を行わせてしまいました。それは、きちんとしたチーム作り、戦術徹底、チームマネジメント、モチベーションコントロール、メンタルマネジメントの能力が低い監督に率いられることによって、日本代表をどんどん弱くする道でした。
日本サッカーを強化すること、日本代表を強化すること、そこには近道はありません。抜け道もありません。「管理じゃなく自由」などというお題目を唱えたら、トルコ戦のような試合がなくなるわけではない。ただしっかりと足元を見つめ、育成のレベルを上げ、クラブのレベル、リーグのレベルを上げて、そこから技術の、戦術理解の、そしてメンタルの質の高い選手が、継続的に育つようにしていかなくてはならない。代表では、そういった選手たちを、体系化されたメソッド、教育、経験、実績を持つプロの代表監督が、きちんとした強化方針の下、まとめていかなくてはならない。
オマーン戦、シンガポール戦の苦戦は、私たちにそういった強化の「王道」へもう一度立ち返るべきだと、言ってくれているように思えてなりません。
それではまた。
06:53 PM [ジーコジャパン・考察] | 固定リンク | コメント (2) | トラックバック (1) |
April 17, 2004もういいか、でも続いちゃう(苦笑)
ジーコ 私の采配が悪い。チームがどうしようもない。ネガティブなことばかり取り上げられる。2連勝。勝ち点6でグループ首位なのに?
私がなぜ、ここまで責められなければならないのですか?
さて逆ギレです(笑)。しかし読み返してみると、これは興味深いですね。最初、私は、ジーコ監督は石倉記者のツッコミに対して「なぜそこまで責める?」とキレているのだと思っていました。しかし、「采配が悪い、チームがどうしようもない」などと、今日出ているのではない非難を口にするところを見ると、これは「これまでメディア上で出ていた批判」に対してのものであることがわかります。
日本の記事を通訳の方が訳していたのでしょうか?あるいは英語版や、ポルトガル語に翻訳された「国際ジャーナリスト」の記事に反応しているのでしょうか(笑)。どちらにしても、私たちや大住さんが言っているような批判は、ある程度本人の耳にも届いているようで、一安心(?)ですね。
ジーコ 私がまったく的外れな、及第点も与えられないようなチームづくりをしているのか?私は自分の指導法に自信を持っているし、選手を信頼している。ネガティブな部分にばかり目を向けず、ポジティブな部分にも目を向けて欲しい。勝っているのだから。負けていないのだから。
同じようなことを、FOOTBALL NIPPON2004春号の増島さんによるインタビューでも答えていますね。サポのデモやブーイングについて聞かれたのに対してです。
ジーコ そもそも私を解任せよ、とデモをした60人の理由は何なんだ。私が不正を働き、皆をだまくらかし、間違ったサッカーをしているとでも言うのか。(FOOTBALL NIPPON2004春号)
ジーコさんが不正を働いていないこと、皆に対して誠実であろうとしていることは、特に疑ってはいません。またこの世に「間違ったサッカー」などというものはないでしょう。
ただ、監督能力の低いジーコさんでは日本は弱くなる、と言っているだけなのですよ。
1次予選で勝っていることを錦の御旗にしたいようですが、1次予選で勝つことはかつてより私たちにとっては普通です。
「予選だから勝てばすべてが許される」というふうには、私たちは考えないのです、1次予選では。
この段階では、勝つことはもちろん、その時しているサッカーで2次予選や本大会でどのような戦いができるか、を見ていかなくてはなりません。
そしてそれは、オマーン相手にロスタイムの偶然のゴールまであわや引き分け、というものだったのです。
ジーコ 日本代表は、世界でも圧倒的な実力を持っているわけではない。シンガポールやオマーンは、日本よりもランキングは下かもしれないが、ワールドカップを争うのだから、親善試合とは臨む姿勢が違う。その中で苦しみながらも、われわれは勝っている。日本とそれらの国に、ランキングほどの差はない。にもかかわらず、「何で格下の相手にこんな試合しかできないのか」と言われる。これは自分にとっても選手にとっても、非常に心外だ。
私たちは、選手を責めてはほとんどいないですよ。誤解しないでいただきたいのですが。
あれだけの悪コンディション、あれだけの稚拙なモチベーションコントロール、ああいう中では選手は本当に良くやっていると思っています。
ジーコ なぜ、そこまで言われなければならないのか?日本は世界でもダントツの力を持っているわけではない。これからそうなっていくチーム。そこをよく考えて欲しい。
えーと、「日本とそれらの国にそれほどの差はない」からこそ、監督能力の低いジーコさんでは不安なのですね。
もう一つ、「差はない」からこそ、しっかりとした組織を作るべきだと私は思いますね。
さて、ここまで一気にジーコ監督はまくし立てました。インタビューでこのように長い文章が続いているのを見たことはあまりありません。特にジーコ監督は、あまり長い文章をしゃべる方ではなかったですから。この長さを見ると、ジーコさん、よほど「溜まっていた」ことがわかりますね。
---4人の起用、そのものが疑問なのではありません。わずかな準備期間しかない状況は、現実として2回続けてあった。その両方で起用した結果、2回続けて内容が芳しくなかったことが疑問なのです。彼らが欧州でプレーを続けてるのであれば、今後も同じ状況は起こりえます。結果が出ているのは事実ですが、あなたがまた同じように、短い準備期間で起用し、また同じように芳しくない内容になるのではないか。それを懸念しているのです。
石倉さん、ジーコの切れ始めの最初の反論に対しての質問を返していますね。これ自体は実に的確な反論だと思いますが、この長広舌の中にはもっと突っ込んでいいところもあった(笑)ような気もします。
ジーコ では、国内でプレーしている選手を起用したとしましょう。同じような僅差の結果が出たら、「ほら、海外組を出さないからだ」となる。これでは、いたちごっこだ。
「同じような僅差の結果が出たら」そうかもしれませんね。しかしだからと言って運否天賦というわけでは(以下略・笑)。
ジーコ 私は自分の判断に絶対の自信がある。それも勝手な思い込みではない。これまでの結果などの例から、そう考えている。
いや、それを勝手な思い込みと言うんですが。
---今後も状況は大きく変わらないでしょう。準備期間がどんなに短くても、チームのベースは海外組に置いていくつもりですか。
ジーコ 相手もあるし、試合に向けた状況もある。しかし、基本は変わらない。それは、これまでやってきたことだ。
そうですね。問題点を認識していないのですから、ジーコさんにとっては何を変える必要もないのですね。「ジーコが変わらないのなら、ジーコを代える必要がある」(ジーコジャパン検証番組での発言。発言はDemperWebで読めます)ジーコさんは、まったく変わらないようですよ。
しかし、欧州遠征のメンバー、あそこまで「何も足さない、何も引かない」だとは思いませんでしたよ。とほほ。意固地になっちゃってるのかなあ。
もう後は、誰が首に鈴をつけるか、だと思いますね。川淵さん、自分がやらないと、あなたの首にも鈴がついちゃいますよ(さらりと)。
今日のツッコミはここまでで(笑)。細かすぎ?(笑)それではまた。
01:26 PM [ジーコジャパン・考察] | 固定リンク | コメント (3) | トラックバック (0) |
もういいか(苦笑)
もう時機を逸した感もあるサカマガ「私がなぜここまで責められなければならないのか」ジーコ・インタビューですが、まだ最後までツッコミ入れきっていないので(笑)、続きをやりたいと思います。「もおええがな」と言う方は飛ばして読んでくださいまし。
---そこまで評価が高い海外組に対し、逆に低く見られている選手たちが、いま以上に意欲をかき立てるのは、簡単なことではないと思います。そうした状況であっても、もっと強い意欲を持って臨むことを、代表選手は求められるのですか?
これって普通の、まああんまりインタビューとしては上手くない質問じゃないかと思います。
「強い意欲を持って臨むことを、代表選手は求められるのですか?」
「そうだ、代表選手であるという誇りを持って働いてもらいたい」
これまでのジーコ監督の木で鼻をくくり方では、このように答えられて終わるところでしょう。しかし、今回のジーコ監督の反応は違っていました。「逆ギレ」です。以下に全文引用しつつ、ツッコミ(笑)ます。
ジーコ 私が初めて中盤の4人を並べて起用した時、人々は『黄金の4人』などと大騒ぎしたね。あれは名前で決めたのではない。彼らが日本でやってきたこと、いま海外でやっていることなどを統計的に見て、やはり特別な力を持っていると感じたからこそ、早い段階からずっと起用しているんだ。
それが今になって、マスコミの方々は「こんなのダメじゃないか」「国内組のほうがいいじゃないか」と言う。彼らの力が落ちたのか?私が評価を変えるべきなのか?そうではない。彼らはものすごい潜在能力を持っているし、一発のプレーで試合を変えられる。だかえらこそ私は、彼らを起用している。
チーム作りの段階と本番では違いますね。
ジーコさんも、「予選ではコンディションをみて起用していく」と言っていました。
○当初「4人を起用する」→「黄金の中盤!素晴らしい!」
○いま「4人を起用する」→「だめじゃん!」
という単純な図式ではないんですよ。
○当初「4人を起用してチーム作りを始める」→「これで進んだら良くなるかも」
○いま「本番で4人をコンディションを無視して起用する」→「いいパフォーマンスが見せれていない、だめじゃん」
なのです。
ここの論理がつながっていることをわかってください。
ジーコ みんなが「国内組のほうがいい」と言う。でも私に言わせれば、現在たまたま欧州でプレーしている選手たちに潜在能力があり、試合を決める力があると判断したから、彼らを送り出した。国内の選手でも私が満足できるプレーを見せてくれれば、それこそ明日にでもレギュラーになる可能性はある。
いや、国内だ海外だ、という名前で考えているんじゃないんですよ。
半年も試合に出ていない選手、コンディションの良くない選手、前日に合流した選手、高熱のある選手を無条件で起用することがおかしい、と言っているのです。
ジーコ 海外組の有無に関わらず、同じような問題は起こっている。ほとんど国内組で戦った東アジア選手権でも、香港戦ではあれだけ攻めながらPKの1点だけに終わり、韓国戦では得点できなかった。どちらにしても同じような問題が起こるのであれば、潜在能力の高い、あるいは代表で実績を残してきた選手を起用する、という判断になる。
うわースゴイ結果論ですね。
まず国内海外と言うわけ方をしていることがおかしいです。
香港戦でも久保も小笠原も怪我を抱えていました。
コンディションの悪い国内組を起用して起こる問題点と同じことが、コンディションの悪い海外組を起用しても起こる。
あたりまえですね。
また、彼らはこれまで試合で十分起用されてきたわけではありません(これ自身ジーコ監督のチームマネジメントですが)。
経験もコンビネーションも浅い中での戦いです。
そういう状態と現状を比べて、「どちらにしても同じような問題が起こるのであれば」と言ってしまうのは、「同じような結果」にならないように最大限努力することを放棄することになりはしませんか?
「ギャンブルでは勝つも負けるも五分五分だ。だから何も考えず、運否天賦(運任せ天任せ)で行くのが正しい」
と言っているようなものです。
いったん切ります。
12:54 PM [ジーコジャパン・考察] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0) |
April 16, 2004ネタ
アネクドートじゃないですけど(笑)。某書で拾ってしまったネタ。私なりに解釈。
子羊 「神よ、なぜこのような不平等を見過ごしておられるのですか?」
聖職者 「神の前に跪け、子羊よ。神の前には、一切の不平等は存在しない」
子羊 「そうですよね、このような不平等が存在するのはおかしいですよね」
聖職者 「わかっていないな、神の前には不平等は存在しない、といっただろう。現状で、不平等が存在しないのだから、見過ごすも何もないのだ。神は常に正しく、慈悲深く衆乗を見守っておられる」
えーっと。つまり「間違いが存在することを認識しないと、それを正すことはできない」ということですかね。
_| ̄|○
01:41 AM [日記] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0) |
April 15, 2004東欧遠征メンバー
すでにまた話題の東欧遠征メンバーですが、私もこれを見てかなり驚きました。シンガポール戦の時の試合と、あまりにメンバーの変化がないではないですか。
というのは、21、22日にアジアCL(チャンピオンズリーグ)の試合があり、横浜Fマリノスと磐田の選手はそちらを優先すると聞いていたからです。しかし、よく考えてみると、ハンガリー戦は25日であり、アジアCLの試合を終えてから移動しても、何とか試合には間に合いそうです。なるほど。
これはつまり、ジーコ監督はそういった悪条件下でもこの選手たちで試合をするほうが、新しい選手をいくらか登用して選手層の厚みを生み出すことよりも重要だ、と考えたということになりますね。まあ、「シンガポール戦でサブだった選手のモチベーション維持は?」などと厳しく聞かれていたジーコさんですから、「欧州組の合流が難しそうなハンガリー戦では、これまでの国内サブ組で試合をして、彼らに経験を積ませたい」と考えることは、わからなくはありません。
あと一つ、これはジーコさん自身も意識しているかどうかはわからないのですが、「確かにジーコ監督のやり方で考えると、この方がいいかもしれない」という部分があります。
ご存知のように、ジーコ監督の方法論は「固定したメンバーで何試合もして、話し合いによって連携を作る」というものですね。しかし、コンフェデ杯からその後の親善試合を通じて、いったんできたはずの連携が、オマーン戦、シンガポール戦ではなかなか見られませんでした。
私はそれは、東アジア選手権や、今年の親善試合(マレーシア戦、イラク戦)で、チーム内に別の連携ができてしまったから、ではないかと考えています。そうすると、それ以前の連携についての記憶が薄れてしまう。
もしそうだとすると、この東欧遠征でも(こう言っちゃなんですが)、新たなメンバーを登用して(よけいな?)新たな連携を作りだすよりも、これまでのメンバーでこれまでの連携(少しはできていると仮定して)を深めていくほうが「ジーコ監督の方法論を前提とするなら」より良いのかもしれません。
問題はそれとコンディションのトレードオフの部分ですね。よい強化になることを望みたいものですが・・・。
ところで、「直感で選んだ」問題ですが、そんなに騒ぐほどのことじゃない(笑)と思います。これはせいぜい口が滑った、あるいは言葉の「あや」というものにしかすぎませんよ。その前後では、「私としては、この2試合を戦う上でのベストなメンバーを招集しました。」という普通のコメントもあるわけですし。
それよりこれは質問した人もちょっと意地悪というか、良くないぞ、と思います。「例の処分された8人のうち、久保だけが選ばれたのは久保だけがいいプレーをして他の選手がダメだからか?」そんなことは聞く必要がないことです。
だって、すでに条件は同じとなっている以上、久保以外の7人も他の何百人いるJリーガーと同じように、チーム構想に入っていれば選ばれ、そうでなければ外れる、というだけのことですから。「なんで外れたのか」というのは、する意味がない質問でしょう。「なぜ○○は選ばれない?とは聞かないのか」と言っていたのはトルシェでしたっけ。
しかし、普通じゃない強化法を取ると、普通じゃない遠征になるのですね(毒)。なんだか、ちょっとドキドキしてきました(笑)。そうそう、国内合宿に参加できるのは誰と誰ですか?あれ?意外に少ないぞ・・・ひいふうみい・・・あれれ?ドキドキが治まりません(笑)。
それではまた。
09:40 PM [ジーコジャパン・親善試合] | 固定リンク | コメント (4) | トラックバック (0) |
April 14, 2004ふざけタイトル
サポティスタに晒していただいて、ハッと我に返りました。これまでの4発のタイトルはややふざけすぎです。どうもすみませんでした。だって、本誌読んで私は私なりにショックだったんですよ_| ̄|○
どなたが言っていたのかなあ、このインタビューで一番すごいのは「ジーコ監督がいろいろとわかっていて、あえてこうしているのである、きっとそうだ、そうかもしれない、そうだといいな」という可能性を、自ら叩き潰してしまった、という点ではないだろうか、という気がします。ジーコ監督は「何も間違っていない、次もこれで行く」と思っているわけです、あのオマーン戦後も、シンガポール戦後も。
そうだとすると、仮に最終予選がサウジ、イラク、中国、日本、とかいうことになって、またとびとびのインターナショナルマッチデー、それも親善試合デーで拘束は48時間前、交渉が不調で2月の最初がアウェー、しかもサウジ、というおそろしいことになっても、今回のオマーン戦、シンガポール戦とまったくおんなじことをするということなんですよ。だって今回もあれがベストだったと思っているわけなんですから。かけらも間違っていないと。
いやもちろん、たいていの欧米人(南米人含む)は、日本人と違って簡単に自分の非を認めたりしないし、議論することを好む。その上、監督業なんて90%の嘘をいうことに相場が決まっているわけで、ジーコ監督のこのインタビューの文言を、すべて額面どおりに受け止めるのは愚の骨頂ですよ。それはそうです。
しかし、どうも長くジーコ監督のインタビューを読んでいると、この方はそういう腹芸というか、「非難をかわすためにこういう論法を使おう」とか「今まで言ってきたこととはこういったほうが論理的整合性が取れている」なんてことはこれっぱかしも考えない人なのではないか、というのが私の個人的な印象なのですがどうでしょうか。
私は心のどこかで少しだけ、「実はジーコ監督はいろいろと分かっているけど、それでも『あえて』こうする理由があるんではないか」という期待を、つまり今後は少しだけでもやり方が変わっていくんではないか、という期待を、持っていたみたいなんですね、我ながら意外なことに。
しかしどうも、そうではないようで。まったく心のそこから信じているようで。
ちょっと落ち込んでしまったんですよ。それでこのようなユーモアのある(?)タイトルにしてしまったと言うわけです。まあ、逃避ですね。
続きを書くときはもっとまっとうなタイトルにしますm(_ _)m
それではまた。
ハア。
09:30 PM [ジーコジャパン・考察] | 固定リンク | コメント (5) | トラックバック (1) |
すごすぎて困る
---これまで代表に選ばれながら、なかなか出場機会が巡ってこない選手がこのインタビューを見たとします。今の説明では、今後そうした選手がレギュラーを奪うのは、相当に難しいと思われますが、モチベーションに与える影響などは心配になりませんか?
ジーコ (前略)そういう判断基準であったとしても、今回こそはポジションを奪うんだという気持ち、モチベーションを、いつも持っていて欲しい。それは常にみんなに言ってある。チャンスは全員にある。練習であれ、試合であれ、私を納得させる動きをして欲しい、と。
そのジーコさんの「言ってある」ことと、現実の判断基準に整合性が取れていないから、多くの人が疑問に思っているのですけどね。選手を公平に扱ったり、きちんとモチベーション・コントロールがなされていない現状で、「モチベーションをいつも持っていて欲しい」とジーコさんは「願う」だけなのでしょうか?あなたはそれを扱う責任者ではないんですか?
また、「私を納得させる動きをして欲しい」と言われても、その基準が明確ではないのも問題です。長期間合宿に参加して、親善試合でも活躍をして、紅白戦でも得点を挙げていても、いきなり合流のコンディションの悪い海外組に先発を奪われる。「どうすればジーコさんは納得するのですか」誰か教えて欲しいですね。
かなり困ってきました(笑)。
02:40 PM [ジーコジャパン・考察] | 固定リンク | コメント (4) | トラックバック (2) |
ジーコさんのすごさの続き
---いわゆる海外組の情報は、どのように得ているのですか?
ジーコ まず、テレビやビデオ。手に入る映像はすべて見ている。このほか協会にお願いしたり、私独自のルートなども使い、どんな練習をしているのかといった細かい情報を得られる手段も持っている。
確かに、現地に足を運ばない中ではそれぐらいしかできることはないでしょうね。
---映像といっても、中田と小野以外は出場機会も限られています。その状況で、どうやって状態を判断するのですか?
ジーコ 日本代表での以前の試合や最近の試合で、どんな動きが出来ていたかによります。(後略)
---(前略)今の話だと、海外組を選んだ判断基準は、1ヶ月以上も前に行われたオマーン戦や、それ以前の試合ということになるのですか?
ジーコ (前略)怪我をしていない状態なら、以前の試合ではこれぐらいのプレーができた。クラブではこういう状態だ、などの情報を集めることで、今回はこれぐらいできる、という試算が可能になる。いずれにしても、最終的な判断基準は、以前の代表の試合での動き。それがかなり大きなウェートを占める。
この辺の突込みがインタビューを担当した石倉記者のGood Job!のスタートですか(笑)。「判断基準は以前の代表の試合でのパフォーマンス・・・」何の気なしにジーコ監督は口にしたのだと思いますが、これは大きな矛盾点を秘めています。そこもさらに突っ込まれることになります。
---では今回海外組は、集めた情報を踏まえ、1日か2日の練習で直接見て確認して、大丈夫だと判断して送り込んだ、ということですか?
ジーコ その通り。
---以前の代表の試合での動きが大きな判断基準になるということは、出場機会がない、あるいは少ない選手は、基準そのものを持っていないことになります。
ジーコ すべてではないが、かなりの部分で代表での生産性を考える。以前の試合でどれぐらい生産性を上げていたか。現在の状態。それらを考える。なかなかひとくちでは説明できない。相手にもよる部分があるし、非常に難しい。
ジーコ監督は突っ込まれて少し困ってしまっているようですね。あまり言葉で説明するのが上手くないのでしょう。
追記しておきますと、「以前の代表の試合でのパフォーマンスを元に選手選考をある程度考える」というのは、それほど間違っていないと思います。トルシェもそうしていたでしょう。「彼はチームのオートマティズムを理解している」などと、よく聞いたものですね。
ただそれは、「以前の代表での試合」に、可能性のある選手を多く試している場合にのみ、正論となるものです。ジーコ監督のように「固定した選手の間での連携を育てるため」に、選手起用を硬直化させている上に、「以前の代表チームでの活躍を重視する」のでは、「出場機会がない選手は、判断基準そのものがない」という状態になるわけです。
ずいぶん前、どなたかの戯言で
ジーコジャパン初期 「連携を育てるために海外組を固定」
ジーコジャパン末期 「連携ができているのは彼らだけだから、海外組を固定」
になっちゃうんじゃないか、というものがありました。当時は「まさか、そんなことはあるまい」という冗談だったのですが・・・。
このジーコ監督のインタビューでは、その戯言が現実のものになることを示唆しているように思え、恐怖にかられますね。
続きます。
01:48 PM [ジーコジャパン・考察] | 固定リンク | コメント (2) | トラックバック (0) |
ジーコさん、ホントにすごい
---シンガポール戦の状況は、オマーン戦と似ていました。主力選手が直前に合流し、コンディション、コンビネーションの問題がありながら、あなたは送りだし、苦戦した。
ジーコ あれだけ前半にチャンスを迎えていながら、1点のみだったことで、精神的に難しくなってしまった。2点、3点と入っていれば展開は変わっていたが、後半に同点とされてしまい、欧州から来た選手だけでなく、日本から向かった選手も疲れが出てしまった。ただ、暑さについてはまったく関係がない。絶対に何かやってやろうという気持ちは、全員が持っていたと思う。
あの状態で「暑さについてはまったく関係がない」という事などあろうはずがないと思いますけど・・・。その根拠を教えていただきたいですね・・・。
動きというのは脳から指令が出るわけですから、気持ちの上で絶対負けるな、そうすれば体がついてくる
ということでしょうか、やはり・・・。どうにも、コンディションについての現代的、基礎的な知識が、ジーコさんに十分あるのかどうか、疑問に思えてしまいますね。前回のオマーン戦と、今回と同じことを繰り返し、どちらでも、国内組さえコンディション不良になってしまう・・・。
これから控えるインドや中東でのアウェー、酷暑と伝えられる中国のアジアカップ・・・。ジーコさん、私達はあなたにこれ以上代表選手を託すのが、非常に不安です。
03:10 AM [ジーコジャパン・考察] | 固定リンク | コメント (2) | トラックバック (2) |
ジーコさん、すごいです
各所で話題のジーコインタビュー、ジーコ監督、
私がなぜ、ここまで責められなければならないのですか?
これではまるで逆切れです(笑)。
とりあえず気になったことを一つずつ。
(フィニッシュのまずさについて)
---何が原因だと思いますか?
ジーコ 技術面ではなく、責任感が強過ぎるためではないかと思う。これだけチャンスがあるのだから、決めなければいけない、という気持ちが、精神面の不安定さにつながるのではないだろうか。
---試合直後は、「メンタルトレーニングまでは考えていない」と言っていましたが・・・。
ジーコ まずはいままで通りの、あるいは新しいパターンで得点の確率をあげる練習に取り組んでいくが、精神面のトレーニングが必要になるのではないか、とも思っている。(後略)
ちょうどこのインタビューが出る前に、J-NET(本家)や掲示板で「シュート精度について」という書きこみをしていたのですが・・・。その指摘が当たってしまっているのでしょうか(苦笑)?
ちょっとその書き込みをさらってきます。
ジーコ監督はシンガポール戦に関し、「シュート数を見れば攻撃のカタチはチームとして作れていることがわかるはずだ。後はシュートを枠にいれてくれ!」という趣旨のことを語っているようです。 確かに代表選手のシュート精度は問題です。SPORTS YEAH!誌では、25本中5本が枠内(20%)と、図解入りで解説されていましたね。また同じ枠内でも、柳沢の、キーパーの足元に力なく転がったシュートなどもあり、枠内ならいいというわけでもないですが(笑)。 それに対し、ジーコ監督は代表の練習でシュート練習を課すようにしているようです。SPORTS YEAH!誌の増島みどりさんの記事では、ジーコ監督は「顔を大きく上げるな、GKの足元を狙う、GKと対面したらまず一呼吸置く」などと、詳細なアドバイスをしているようです。シンガポール戦でのGKと1対1の柳沢のシュートは、私は「ダイレクトで打てばいいのに」と思ったものでしたが、監督の教えに忠実なものだったようですね。 連動していない遅い攻めでは敵DFが帰陣してしまい、シュートが難しくなる。コンディションが悪ければもちろんキック精度は落ちる。さらには、ゴール前でのメンタルコンディションが悪ければ、あせってキックミスをする(注1)。それらは代表監督が解決できる/すべきことです。逆に、時間の限られる代表の合宿でシュート練習をしてもあまり効果がないことは、それこそシンガポール戦が証明しているように思えます。 ジーコ監督は代表監督としてすべきことの優先順位を、見誤っているように思えてなりません。 注1)「落ち着け!」と口で言うだけでは人は落ち着かないものです。集中させるための方法論は、人によってさまざまですが、「落ち着かなくちゃ」と思わせることはむしろ逆効果のことさえあります。 例えば、「自分が落ち着いているか、緊張しているか」などという問題を忘れ去るほどに「怒らせる」こともその手段の一つです。逆に「自分が落ち着いているか」ということに意識を向けすぎると、かえって過緊張に襲われたりします。 またもちろん、選手を観察し、そのメンタルコンディションが試合に向いているかどうかをチェックして、送り出す選手を決めることも重要です。さらには、それぞれの選手の状態や適正を見極めて、適切な言葉をかけることで、ゴール前でのメンタルコンディションを調節することもできます。「落ち着いてあせらず打て」といったほうがいい選手と、「外れても気にせずどんどん打て」といったほうがいい選手と、選手によって変わってくることもあるでしょう。 現代のコーチングライセンスのカリキュラムでは、心理学などを学ぶのは当然のことなのですが、ジーコ監督はその部分でも、メソッドの蓄積がない、経験が浅いのではないかと思います。 |
インタビューを読むと、シュートの決定率を上げるためにメンタルコンディションが重要だということを、ジーコ監督も認識されたようですね。
(これまではそれを向上させるてだてを講じてこなかったのでしょうか?)
さて、これからジーコ監督をそれができるのでしょうか?
そのような知識、能力、経験はあるのでしょうか?
気になるところです。
続きます。
03:03 AM [ジーコジャパン・考察] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0) |
April 13, 2004波戸と海老沢さん
ちょっと驚きました。怪我が治れば横浜でも主力に戻ると思っていたのですが・・・。「サイドバック」としては本職ですものね。代表を目指すという心意気はとてもいいと思います。
以前にも散々反論しました海老沢さんです。うーん今回も逐一反論したい~(笑)。けれどちょっと時間がありません。
とりあえず一つだけ。その解決策を見出していない国の人を監督にするから、同じ苦しみを味わうのではないでしょうか?(笑)同じように海外に選手が多く出て行っているアルゼンチンは、前回の予選で「圧倒的に」強かったですよ。組織力を高める緻密なタイプの監督の下でね。
それではまた。
11:32 AM [日記] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0) |
April 12, 2004小野が五輪出場を希望 「気持ちは強い
そうかあ、小野は確かにシドニーには行っていないしね。小野が入るとすると、やはり左サイドかな?あそこが安定すると山本五輪としてはそうとう良い補強になると思いますけど・・・。山本さんは「小野が来るなら」とまた突然小野トップ下型のチームを作り始めたりしないでしょうね?・・・ちょっと心配(いや、小野のトップ下は見たいんですけどね、個人的には)。
ただ小野君、クラブのほうは大丈夫なの?五輪は拘束権がないんですね、確か。五輪期間には所属クラブもシーズン前の合宿に入るだろうし・・・。ヒデがローマで2年目レギュラーポジション取りで出遅れたのも、五輪に参加したから、という部分もあるしね。まあ、それでなくてもトッティとの競争は苦しかったですけどね(笑)。
小野のあのチームでの左サイドは見たい、し、機能すると思う。でもちょっと心配、というところかな。続報を持ちたいですね。
03:07 AM [アテネ五輪代表] | 固定リンク | コメント (2) | トラックバック (0) |
April 11, 2004土曜日は
休日出勤と、そのまま外せない用事で、Jリーグを見ることができませんでした。市原vs鹿島という素晴らしいカードもあって、是非見たかったのですが、うーん残念。阿部の怪我は大丈夫かな(心配)。ベルガー監督の大分も順調のようですね?いやー、市原と大分は「今年生で見たいもの」の筆頭です。
ちなみに前に書いた、今年生で見たいもの。
オシムジェフとベルガー大分。
ネルシーニョ名古屋(秋田と角田)。
新井場。
酒井友之。
新生神戸。
横浜FC。
甲府の小倉。
アンと久保。
新潟のサポ。(新潟スタジアムで)
ドゥドゥ。ジャメーリ。
それと最近追加、森本君。
たいへんだ(笑)。
ところで市原は、第2節の (市原-横浜FM) 6,813人(15,338) 44% に比べると、(市原-鹿島) 10,559(15,338) 69%と、観客動員がかなり増えていますね~。あのいいサッカーが多くの観客の目に触れることは、うれしい限りです。
それではまた。
02:23 PM [日記] | 固定リンク | コメント (1) | トラックバック (1) |
レスです
<神戸サポ>さんからのコメントへのレスです。私は「クラブのことはそのクラブのサポの方に聞くのが一番」と思っていまして、こういうコメントをいただけると「ネットやっててよかった」と思ったりします。
無料券は本当にいいのか、という批判はありますが、新潟のこともあるし、この前おにぎりとお茶を配って好評だったので、柏餅もありかと思っています。近所の人が行くか行かないか決める最後の一押しにはかなり役立っている気がします。タレントさんも同じ意味です。
ああこれはなるほどと思いました。「無料券はあるけど行こうかどうしようか」という人への最後の一押し、ということですね。自分も友人をサッカーに誘う時には、付加価値が多いほうが誘いやすいです(笑)。「天気もいいし、ビールはうまいし、帰りに桜も見れるし、今すごくいいサッカーしてるし、あと・・・そうそう、柏餅もくれるんだって」うん、効きそう(笑)。
そういう意味で、自分は神戸のやり方は今は一般人向けのアピールばっかり(会社がやればそうならざるを得ない)だから、もっとサッカーの質を高めてよい試合をしてサッカーの玄人さんも呼ばなければ、会社がここまでしてるんだから選手たちがもっと頑張らねば、と思っているところです。そうすれば、一度来てくれたあまりサッカーに興味のない人も続けて来てくれるかもしれないし。そしてサッカーを好きになってくれるかもしれないし。
あとは、無料券でなんであれ、一回来てくれた人に「もう一回来たい」と思わせる「スタジアム体験」を提供できるかどうか、ということですね。それは良質のサッカーを提供することでもいいし、楽しい、あるいは気持ちを駆り立てられるような応援体験でもいい。または、戸田の言うような「感動させられる、気持ちの入ったサッカー」を見せてくれることでもいい。うん、2番目と3番目はリンクしているようにも思いますね。
今度の始球式は神戸製鋼の選手を呼びます。地元の他のスポーツ選手を持ってくるってのはいいなあと思っています。
それはいいアイデアかも。さすがに阪神の選手は呼べないのでしょうか(笑)。
02:00 PM [Jリーグ] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0) |
一日一桑原運動
個人的に一日一桑原運動を展開しようと決心。なぜかは聞かないでください(笑)。
01:48 PM [Jリーグ] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0) |
戸田
中田徹さんのオランダからのレポートです。「負けてへらへら、練習わいわいは許さない」
こういう精神が、今の日本代表に欲しいなあ、とつくづく思います。戸田がいればヒデもずいぶんと楽だったんじゃないかな。
戸田だけじゃなく、名波や服部、森岡、そしてもちろんゴン中山と、ジーコが今のやり方(選手が自らチームを作っていく)を選ぶのなら、まず選んだほうがいい選手が他にいるように思うのですけどね。ジーコはそういうところを見ないのかが不思議です。
01:41 PM [サッカー] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (1) |
April 09, 2004「まっとうさ」
はてなダイアリーへのトラックバックの送り方がわからないのでただのリンクですが、織田さんの考察「ダバディさん岩佐さんのやりとり続き 」。
この最後のところにある、
監督になってまだ三ヶ月しか経っていない大分のハン・ベルガー監督に15,981票入るということは、決してそういう人が少数派、1%ではなくなっているということだと思います。
おっしゃるとおりですねー。いやー最近のベルガー大分のサッカーはマイブームなのですけど(なんとか生で見たい)、同じように思っている人がけっこう多いということはうれしいなあと思いますね。
「まっとうさ」とはなにか?それはもちろん簡単ではないことですけど、「サッカーの本当の魅力」について、私たちが議論していくことでその叩き台を作っていけるといいな、それがネットの果たす役割の一つになるだろう、そういう感じですね。
私は個人的に、欧州のサッカー中継を見ていてスイッチング(画面の切り替え)に不満を覚えることがほとんどありません。あれをとりあえずは目指して欲しいのですけどねえ。そういう大まかなところから、意見が集まっていくといいなと思います。
01:38 PM [メディア] | 固定リンク | コメント (2) | トラックバック (1) |
ちなみに
私は「トルシェをもう一度日本代表監督に」とはかけらも思っていません。
いや、何らかの条件でいよいよどうしようもなくなったら頼んでもいいかと思いますが、今はそういう状態ではないでしょう。
確かに今彼を呼べば、日本代表が抱えている問題の多くが解決はされるでしょうし、彼が日本の選手を把握していることも強みです。しかし、彼はよかれあしかれ「劇薬」ですから、今の日本代表の状態に、トルシェをぶつけることは私には得策とは思えないのです。
次には、心静かに応援できるプロの代表監督がいいなあと思うのですが。
01:18 PM [サッカー日本代表] | 固定リンク | コメント (2) | トラックバック (1) |
カズへの手紙
これは素晴らしい記事です。J-KETのほうでも、本誌発売時に話題になっていましたが、いやあもう、泣けてくるくらい、いい話。
練習が始まってまもなく、トゥルシエは僕に話しかけてきた。「君がいろんな経験を積んでいるのは一目でわかる。若い選手も多いから、コミュニケーションをとってチームを引っ張ってくれ」とね。
私は、トルシェ監督のモチベーション・コントロールにおいて、トルシェが「競争政策」を利用してチームを戦う集団にしようとしていた、という趣旨のことを書いていますが(正確にはそれを書いている記事を紹介)、トルシェのしていたことはそれだけにとどまりません。
カズのような、若い選手に影響を与えられる選手を呼び、上記のようにオリエンテーションをし、それによってチームのメンタルにプラスの影響をもたらす。カズの最初に呼ばれたこの合宿は、シドニー五輪予選が終わり、非常に期待された五輪代表がフル代表に融合し始めるちょうどその時期です。つまり、ここでは、カズやゴンのような選手を五輪代表の選手に「お手本」として提示することで、チームのメンタル作りをしようとした、とみることができるわけです。
同じような例が、2002W杯時にもありましたね。トルシェのモチベーション・コントロール手法は「競争政策」だけではない。それが確認できる記事でした。
経験から言えば、いい監督はメンタル面を含めた選手の状態を見抜く目を持っている。トゥルシエも優れた観察眼の持ち主だった。練習、試合、移動や食事の間でさえも選手全員に目を配っていた。
これを今の代表監督にも要求したいのですけどねえ。はあ。
あと昨日のコメント欄へのレスです。
>H-ICHIJYOさん
なるほど。それがもっと根付いていくといいですね。ただ私の言いたかったのは、柏餅や大道芸人に「地元密着感」が感じられないということなんです(笑)。他にいいアイデアはないかなあ。
> 湘南蹴鞠屋さん
まず関西ということは大きいのでしょうね。そして他のプロスポーツが多い大都市は逆に難しい、というのもよくわかります。でもFC東京もだいぶ集客力を高めてきているし、なんとか人を集められるようになって欲しいですね。私も一回行ってみたいです。
それではまた。
10:27 AM [トルシェ・考察] | 固定リンク | コメント (2) | トラックバック (2) |
April 08, 2004神戸頑張れ
この問題について、掲示板J-KETのほうで、chihayaさんとmasudaさんが議論をされています。
確かに神戸は質の高いサッカーを目指している。でもそれが直接に集客につながるわけではない(JEFを見よ・笑)。それをどのように伝えて集客を図るべきか?ここでアイデアが必要になってきますね。
また、柏餅や大道芸は確かにサッカーの集客としては「横道」「妙てけれん」なのだけれど、それが悪いかと言うとなんともいい切れない。新潟も無料券の配布が現在の素晴らしいサポータを作るのに貢献したという側面もあるわけですし。
でも新潟と神戸が何か違う感があるのは、「地元密着感」の差かな。神戸も一試合だけでの集客を考えるのではなくて、次へ、将来へつながるような施策だともっといいのですけどね。地元の少年団の無料招待とか(もうやってるか)。
もっともっと地域へ、地元へ。アドバルーンじゃダメですよ。山の上への落下傘降下じゃ後が続かない。地道にふもとから登って行かないと。地味に見えても、地元のサポを多くしていくこと。神戸の経営者、現場の方もそこに注目してくれているといいのだけど。
これ実は下の話題にも関連するんですよね。というわけで、両者合わせてまた続きます。
06:55 PM [Jリーグ] | 固定リンク | コメント (3) | トラックバック (0) |
「深さ」と「まっとうさ」
反響があるとうれしいですね。いかん、BOLGが楽しくなってきた(笑)。
初めてトラックバックというものを送ってみました。アズぶログ:勝手に提案こちらで杏葉さんが、F1を例にとって書かれていることが、まさに私の言いたかったことです。しかも私よりわかりやすい_| ̄|○(笑)
そーたさん、そうですね、岩佐さんは愛情を持って語っておられると思います。だからこそ、反応したくなったのですね。ところで↓のタイトルは、岩佐さんの「ダバディに告ぐ」をもじったのですけれどイマイチでしたか_| ̄|○(笑)・・・トラックバック先やリンク先で「告ぐ」で表示されるとなんかスゴイ(笑)感じだったので、改題しました。いやーBLOGのタイトルって一人歩きするんですね。
さて、コメント欄への「レス」です。
・・・涙さんのおっしゃるとおり、岩佐さんのご意見が「大人」のものであることは論を待たないでしょう(私は学生というほどには若くないのですけれども・笑)。でも、「大人」ばっかりでもつまらないでしょう?(笑)私たちでそれを変えられるといいな、と思うのですけどね。
RYUさんとmasuda さんのおっしゃっていることは、私が「深さ」をもとめているとすると、おっしゃる通りだと思います。ただ私は「深さ」を求めているのではなくて、「まっとうさ」を求めているのですよ。それは見ている側が成熟していけば、何とか勝ち取っていけるのではないか。その成熟のために、CSやネットは少しずつでも貢献していくことができるのではないか、と思うのです。
先日のシンガポール戦、試合の映像は日本側が作ったのでしょうか?シンガポール側が作ったのでしょうか?私は情報を持っていませんが、なんとなくシンガポール側のような気がしません?というのは、「今のはオフサイドだったのかどうか」という微妙な判定のシーンを、何度も映像を巻き戻しながらぐりぐりと(セリエA中継で見慣れたように)見せてくれる中継が、ちょっと日本風味ではないな、と思われたのです。
もしシンガポール側だとすると、サッカー人気が高く、欧州の中継を見慣れたシンガポールのファンの日常的な要求がああいう中継を生んでいるのだということだと思いますし、もし日本側が作ったのだとすると、日本の中継担当者さんたちも、「なかなかじゃん」と私は思います。つまり、どちらであったとしても、受けとる側の「成熟」が、作られるものに影響を与えているということではないか。(続きます)
12:42 PM [メディア] | 固定リンク | コメント (8) | トラックバック (1) |
岩佐徹さんに捧ぐ
・・・いや、「捧ぐ」ってほど大上段に構える気もないのだけれど(笑)。
スポーツ実況界の大御所、岩佐徹さんが、過日のダバディさんの意見に対して反論をされています。岩佐さんは私とCAMPERのシューズが好きというところで共通しており、たぶんいい人だと思われます(笑)。
さて、このダバディさんの意見は、主にナショナリズム関連の文脈で大きな波紋をBLOG界に広げたわけですが(その話は今日はしない)、岩佐さんはそれとは違う切り口でダバディさんの意見に切り込んでいます。ダバディさんは、日本のサッカーが進歩するためにはまず環境を変えなくては、と説き、
環境というと、まずいつも訴えるメディアの成熟、メディアが本当にサッカー文化を抱くように、切り口、アプローチを変えないといけない。居酒屋っぽい戦術論や監督論、ナショナリズムや「大衆のあおり」、バラエティっぽいサッカー番組のつくりをやめよう。本当のサッカーを語ろう! 短期間で視聴率が落ちても、「全大衆」を相手にしなくても、長期間で考えろ! 子供のサッカー情熱、文化、その火をつけろ!
と叫んでいます。これに対し、岩佐さんは
気持ちは分かるけど、君が求める、スポーツ新聞や民放テレビの改良、向上、進歩など、100年かかっても実現しないと思いますよ。
と、非常に冷静(?)な、ある意味冷水をぶっ掛ける(笑)ようなことをおっしゃっています。
私は、どちらかと言えばダバディさんの意見のほうに賛同する立場です。今よりもサッカー報道にもっともっと向上して欲しいと思っています。「戦術論やナショナリズム」が「本当のサッカーではない」とするダバディさんの意見の一部には私は疑問を持っているのですが、それ以外の「大衆を煽る」ことや、バラエティっぽい番組のつくりを止めよう、というのはまことに正論であり、まさにそっちの方向に進んで欲しいと思っています。
ところで岩佐さんの文章をよく読んでみると、問題意識はダバディさんや私が思っていることと変わらないことがわかります。
日本のマスメディアは確かに未成熟だと思います。ジャーナリズムとビジネスをハカリにかけるとき、どうしても、ビジネスに傾くし、売るためだったら、「なんでもあり」です。
これはもう、そういう現場に長いこと身を置いてきた人の実感で、ダバディさんや私が問題だと思っていることを指摘しているのだと言えるでしょう。
岩佐さんとダバディさんの最大の違いは、「それを正すことが可能かどうか」という点です。ダバディさんは「日本のサッカー文化のために、革命を。」と、それを変える事が可能であるという立場に立ち、岩佐さんは「100年かかっても実現しない」と言っているわけです。
かつて私は、「サッカー批評」の半田編集長の深いものを求めている読者って、全体の1パーセントもいないわけじゃないですか。という発言に対し、「おーい服屋さーん」というコラムを書いて反論したことがありました。
単純にいえば、現在提供されているようなカタチでの「深いもの」=私やダバディさんの求めるようなもの、を求める人は、全体の1%しかないかもしれないけれども、そうした深いものを「読みやすく、魅力的に」していったものは、この2002W杯後の日本では、10%、20%という受容層があるだろう、ということです。
上記は活字媒体での話ですが、同じことが電波媒体でも言えると私は思っています。ただし、それは簡単には実現しないでしょう。現在のTVの視聴率競争は、現場が血反吐を吐くほど(悲)厳しいと聞きます。そのような中で、ダバディさんが言うように、「短期間で視聴率が落ちても、『全大衆』を相手にしなくても」という番組作りをするのは至難の業です。民放では、ほぼ、無理といってもいい。同じことが毎日の部数で即座に出来、不出来が判断されてしまうスポーツ新聞にもいえます。岩佐さんのおっしゃっているのは、こちらの側面ですね。
しかし、私はこうした状況は変える事ができると思っています。というのは、そうした番組作り、紙面づくりを支えているものは「その方が売れる」という「思い込み」に過ぎないからです。岩佐さんも「彼らは『それこそが大衆の望んでいるもの』と勝手に決め込んでいるのだから。」とおっしゃっていますね。まさにそのとおりなのです。
根拠のない「思い込み」は、実証によって覆されえます。彼らが思い込んでいる手法よりも、もっと他のやり方が、やってみれば、あるいはやり続けていけば、多くの支持を得られる。そういう成功例を多く積み上げていくことが出来れば、民放の現場、スポーツ紙の現場にいる人たち、そのトップの「思い込み」も変えていくことが出来る。
幸いにして、私たちはCSやWebという新時代(もはやそれほど新しくもないですが・笑)のツールを持っています。CSでは世界の放送技術で作られたサッカー中継を見ることができ、好きな人にしっかり伝わればいい、という実況を聞くことが出来ます。Webでは、多種多様な発信元から、さまざまな深さ、切り口のニュース、考察を読むことが出来ます。それらは今はまだそれほど多くない好事家のものであるでしょうけれども、そこで現場のトップに注目させるだけの結果を出すことが出来れば、話は変わってきます。
今はまだ出来ない。出来ていない。現場が現場で変わろうとしてもなかなか簡単なことではない。それならば必要なことは、一つは外の実績、「おい、あれ、いいらしいぞ、俺たちもやろうや」といえるようなものを積み上げていく。もう一つは、外圧、つまり私たちの「声」です。私たちは本当はこういうのが見たいんだよ、こういうのが読みたいんだよ。それをどんどん彼らに届けていく。それが少数ではないことを知らしめていく。
その二つが地道に進んでいけば、いえいえ岩佐さん、100年はかからないですよ。たぶん私の目の黒いうちに(笑)、それは実現すると思いますよ。そのためにも、ダバディさんが声を上げてくれたことはうれしいことです。そして私たちもこれから、声を上げ続けていこうと思います。
100年かかるかどうか、見ていてください。
それではまた。
02:49 AM [メディア] | 固定リンク | コメント (8) | トラックバック (12) |
April 07, 2004心配は尽きぬ
磐田と横浜、代表の東欧遠征、U-23のギリシャ遠征はアジアCL優先だそうです。
フル代表は藤田、福西、西、(久保?)、中澤、といったあたり。
U-23は前田、成岡、菊池、那須、坂田といったあたり。
フル代表は4月25日にハンガリーと、4月28日にチェコと対戦しますが、4月25日(日)は、国際Aマッチデーではなく、各国リーグが開催されます。つまり、ハンガリー戦は国内組のみで戦わなくてはならないわけです。
そこで藤田、福西、西、久保がいないのは痛いなあ。特にニュー(?)リーダーになり始めていた藤田がいないのは痛い。
それに、コラー(202センチ)のいるチェコと対戦する時に中澤がいないのも痛いなあ。まあ、今の固定されたDFラインで彼が使われるかは微妙なのだけれど。
ただ記事にあるように、アジアCLが終わったあとの合流は不可能ではないとは言えるので、誰か途中から、ということもあるかもしれないですが(すごく大変だと思うけど)。
うわー、U-23で那須がいないのも痛いなあ。影のDFリーダーは彼だったですものね。
でも確かにアジアCLも大事です。磐田も横浜も頑張ってください。
でもフル代表、ホント大丈夫なのかな?
シンガポール戦のスターティングメンバー
----柳沢--高原----
---中田----中村---
----遠藤--稲本----
三都主-宮本--坪井--加地
------楢崎------
ハンガリー戦では海外組が基本的に出られないと仮定して、それにプラス、キャバクラ組(苦笑)もいない、アジアCL組みもいないとして、今年に入ってから招集された選手で考えると
----黒部--玉田----
---○○----本山---
----遠藤--○○----
三都主-宮本--坪井--加地
------楢崎------
うーん、選手が足りない。では、キャバクラ組が信頼を回復して招集されたとすると
----黒部--玉田----
---小笠原---本山---
----遠藤--山田卓---
三都主-宮本--坪井--加地
------楢崎------
やっと何とかチームができました(笑)。しかし、紅白戦はどうするんでしょうね???特に中盤がつらい。
結構大変そうですよ、ハンガリー戦は。
10:26 AM [ジーコジャパン・親善試合] | 固定リンク | コメント (3) | トラックバック (1) |
はじめまして
私もBlogをはじめてみる事にしました。
そのアーカイブ性に魅力を感じたと言うところです。
ちゃんとしたBlogというよりは、日記とJ-KETに書いたことを少し残しておく、というカタチになるかと思います。
サッカー以外のことも書くかも知れませんが、まあつれづれな日記のようなものとしてご容赦ください。
それではまた。
10:11 AM [ご挨拶] | 固定リンク | コメント (9) | トラックバック (3) |