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February 29, 2004
「次のステージ」も
よく言われる考え方に、以下のようなものがあります。
「戦術を徹底して戦うやり方は、トルコ戦で限界を見せた」
「その先のステージに行くには、戦術を徹底しないで、自由に戦うやり方が必要だ」
「今、ジーコ監督はそれをやっている、それは正しい」
私はこれは間違っていると思います。というのは、日本よりも強い国(その先のステージにいる国?)も、「戦術を徹底すること」を止めているわけではないからです。
アルゼンチンのビエルサ監督は戦術徹底の緻密さで有名ですし、チェコも、オランダ(アヤックスシステム)も、イングランド、フランスだって、「戦術を徹底せずに、自由に戦うやり方」などは採っていません。あたりまえでしょう。共通したピクチャーを監督が定めることなく、選手の自由に任せるサッカーで、高いレベルの戦いで結果が出るとは思えません。
先にも書きましたが、「戦術を徹底して戦うやり方では、研究されたら終わり」と言われていました。しかし、実際に研究され、戦い方にバリエーションがなく、連動しない行き当たりバッタリの攻撃がマンマークで抑えられてしまったのは、「自由」を標榜する攻撃の方でしたね。
2002年W杯の後、日本が進むべきだった方向とは、トルシェ日本程度の戦術徹底は前提として、その上で個人能力を(育成やクラブで)高めていく、という方向でした。しかし、トルコ戦の敗戦のショックが大きかったためか、それ以前の方針を全否定して、「これからは個のサッカーだ」などと、世界のどこの強豪国もやっていないことを、求めてしまいました。それは大きな誤りであった、日本サッカー界のナイーブさの現れであった、と私は思います。
今でも、朝日の中小路氏のように、「方針は正しい」という方を良く見かけますが、以上のように、「方針も別に正しくない」「W杯でベスト4以上に進む、優勝を争うような強豪国も『戦術を徹底せず、自由に戦って』などいない」と言い切ってよいと思います。また、中小路氏は
http://www.asahi.com/sports/soccer-japan/TKY200402230119.html
において、「ジーコ監督はもともと時間がかかることをしようとしているのだ。」と書かれています。同じようなことをここで主張される方もいましたが、中小路氏に問いたいのは、
「ジーコ監督のやり方をしているチームを他に知っているか」
「そのチームでは、時間はかかったが結果が出たのか」
ということですね。一言でいえば「なぜ時間がかかることを知っているのか?」ということになりますか。もしかして「時間はかかるけどきっと(根拠はないけど)結果が出る」と思っているだけなのではないか?私には、今のジーコのやり方は「時間もかかり、かつ結果が出ない」ものだと思えてならないのです。
(ちなみに、鹿島ではジョアン・カルロス監督がいての結果ですから、現在のように「戦術を徹底せず、自由に戦っていた」わけではないですね)
もう一度言いますが、「次のステージ」でも、世界の強豪国は「戦術を徹底せず、自由に戦うやり方」などを取っていません。そちらにいく方針が、あたかも日本の問題を解決してくれるかのような期待は、トルコ戦ショックの生み出した幻想だと考えるべきでしょう。
日本代表は、きちんとしたチーム作り、戦術徹底、チームマネジメント、モチベーションコントロール、メンタルマネジメントのできる、プロの代表監督に率いられるべきです。現状はそれらの能力が低い監督に率いられることによって、どんどん弱くなっているとしか、私には思えません。
私は、ジーコ監督の解任を求めます。
それではまた。
07:23 PM [ジーコジャパン・考察] | 固定リンク
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