November 18, 2004

消化試合ですから

会社では会議中で見れず、そのまま徹夜(笑)、帰ってきてようやく試合を見ました。結果を知っていたからかもしれませんが「まあ、こんなものでしょう」というところですね。

実戦でコンビネーションを作っていくこのチームが、実戦でほとんど組んだことがない選手たちの組み合わせで戦ったのですから、スムーズに行かなくても当然です。宇都宮さんも、同様の指摘をしていますね。まあ、アジアカップでやっていた3-5-2ならまだましだったかもしれませんが、ここへ来ていきなりスタートから4バックですしね。選手たちも戸惑いが大きかったように見えました。

また、功労者召集の件で妙に注目されましたが、あくまでも消化試合ということで、選手のモチベーションの保ち方も難しいものがあったでしょう。逆に、騒がれたことで、サブの選手たちが「アピールしなきゃ!」と気が入りすぎた可能性もあります。たまにしかアピールの機会がないですからね。

さらには、リーグ戦終盤というのはコンディション的にそうとうきつい時期でもあります。前監督時代も、アジアカップ制覇後、韓国相手にピリッとしない試合をしてしまったことがありましたよね。

もともと私は、ジーコ監督の方針下では、サブ組にとって「現レギュラー組とのコンビネーション」を向上させるのでなければ、「テスト」としての意義もあまりない、と考えていました。だって、今日の試合で藤田と小笠原の、あるいは中田浩二と三浦淳の連携がやや向上したからと言って、それが最終予選で実現する可能性はどれほどあるでしょうか?実現したとして、今日得たコンビネーション(そもそも得られたのかどうか)が、そこに役立つ可能性は?

サブの、あるいは新戦力の「テスト」ならば、現在できているチームとフィットするかどうか、という観点で図られなくてはならないはずです。しかし、今回の試合は諸事情により、そうはならない。ただ個人の能力をどう発揮するか、という部分が大きくなってしまうでしょう。しかも、それを十分に見せるための練習期間(話し合いの時間)もしっかり与えられたわけではない。

今日の収穫と言えば、宮本と松田が、そして鈴木(たぶんレギュラー候補)と大久保がコンビネーションをつくれたことくらいでしょうか。三都主の久々のサイドハーフ起用が、ひさびさに(初めて?)機能したこともありますか。それ以外は、普段サブの選手たちが出場経験を積めたという、そのことだけでしょう。いや、別に現行方針を責めているのではなく(笑)、1次予選の消化試合というのは、「そんなもの」だと私は思う、と言うことです。

試合の方は、序盤はやっぱりシンガポールが妙にラインを上げて、プレスを狙ってきてくれたおかげで裏へのパスが狙いどころになり、よく崩せていたのですが、途中からマークの意識がはっきりしだして、日本は苦しんだ、というところでしょうか。あの「妙にラインを上げる」「妙にゾーンで守る」「意外とプレスを頑張る」というのは、宇都宮さんもレポートされているように、彼らにとって10年後にワールドカップ出場を目指すための、地道な努力なのですね。シンガポールとしては、着実に進歩している自分たちを感じられたことでしょう。国としてのサッカーの「若さ」が感じられて、ちょっとうらやましいです(笑)。

今時間がないので細かいことはまた後日書きますが、あと目立ったのはマツの上がりくらいですか(笑)。しかし、1次予選全勝は文句のない状態ではあります。最終予選へ向けて、いろいろとある課題を一つ一つ解決して行って欲しいですね。

それではまた。

04:53 PM [ジーコジャパン・1次予選] | 固定リンク | コメント | トラックバック(2)|

November 08, 2004

大山鳴動して

本業がてんてこ舞いで、どうにも話題から遅れてしまい申し訳ありません。このタイトルの言い回しも、もうみんな使ってるんだろうなあ・・・・(笑)。

シンガポール戦に向けての代表選手18人が発表になりましたね。ジーコ監督は「これまで控えだった選手の声を聞いて」、いわゆる「功労者」の召集を「しない」という決定をしたと、会見で説明をしています。

これはAFCから届いた「ベストメンバーで戦うように」というレターの影響ではないか、という意見がメディア上をにぎわせているのですが、私にはどうも違和感があります。ジーコ監督がまさに会見で言っているように、選手選考は監督の専権事項、その国の代表監督が自分のチームに選ぼうという選手に対して、何を基準にAFCが「ベストである」「ベストでない」などと判断できるのか、意見を言えるのか、まったく持っておかしな通達だと思います。

したがって私は、仮に若手を試そうと、または海外組を休ませようと、あるいは功労者を呼ぼうと、AFCは何も文句を言わないだろうと考えます。この通達はそういう趣旨のものではない可能性が高い。以前のトルシェ五輪代表監督は、五輪最終予選突破後のタイ戦で、それまでとかなり様変わりしたメンバーをピッチに送り込んでいますね。その時ももちろん何の問題にもなりませんでした。

今回このようなレターが来た背景には、J-KETでボヘミアンさんからご指摘いただいたように、グループ4の香港と中国の関係があるのではないかと思います。こちらの表をご覧ください。

順位  
試合
勝点
得失点差
1 クウェート
5
12
4
0
1
8
2 中国
5
12
4
0
1
6
3 香港
5
6
2
0
3
-3
4 マレーシア
5
0
0
0
5
-11

1次予選最終試合 2004.11.17  クウェートvsマレーシア  中国vs香港

ごらんのように、中国とクウェートは勝ち点12で並び、得失点差では2点差でクウェートがリードしていますね。最終戦、クウェートは勝ち点を一つも取れていないマレーシアと戦い、中国は香港と戦うことになります。基本的にはクウェートが有利なのではないかと思われるのですが、ここで浮上するのが、香港は中国と「同胞」関係にある、ということです。

この記事にあるように、すでに2次予選進出の望みのなくなった香港から、何らかの形で中国が大勝し、クウェートから出場権を奪う、という疑いが、今回のメールの背景にはあるのではないか、と思われるのです。香港側からすると、ただ負けるだけではなく、メンバーを落としておけば、余計な指示(点取られて来いとか?)がなくても目的を達成できるかもしれない。AFCはそれを警戒したのではないでしょうか。

日程や強化のことを考えて選手をローテーションするのならともかく、このような疑いのある状況下で選手を入れ替えることは慎むように、ということではないでしょうか?私たちにはそのレターの中身を精密に知ることはできないわけですが、そのレターが日本の功労者召集問題と関係があるようには、どうも私には思えないのです。

やはり会見でジーコ監督自らが言っているように、「これまで控えだった選手の声を聞いて」それを断念したのだと考えるべきでしょうね。いかにもジーコ監督らしい(笑)。これまでのジーコ監督のチーム作りの方法論、体質などから考えると、実に合点がいくことです。合点は行くのですが、さてそれが日本代表の強化にとってどうなのか、ということになると、なんとも疑問が大きいと言わざるをえませんね。

それはさておき、この「大山鳴動してキャプテンの尻尾出ず」(笑)騒動については、もう少し考えてみたいですね。

それではまた。

10:21 PM [ジーコジャパン・1次予選] | 固定リンク | コメント | トラックバック(1)|

November 05, 2004

「魂の継承」なのかどうなのか?

自称評論家のおおやしさんからトラックバックをいただきました。ありがとうございます。

さて、そちらで提起された問題ですが、おおやしさんは「理想型」と「中間型」という風に、物事の批評の仕方をまとめておられます。そして、おおやしさん御自身は「理想型」であり、

だから一歩進んでいいものには「いい」、ダメなものには「ダメ」と言わなければいけないと思います。見守る側が価値基準と批判精神を失っては、そこに発展はない。チームを応援する人は常に高いところを見ていなければならないと思います。サポーターが諦めてどうするんです?

とお考えだとのことです。

私もこれはまったく賛成です。「いいものにはいい、ダメなものには」ダメと言う、いわゆる是々非々の姿勢ですね。私もそうありたいと思うし、基本的にはそれを貫いてきたつもりです。

しかしながら、その中でも、今回の「功労者召集案」は、まだ「ダメなもの」の範疇には入っていないと私には思われる、ということなのです。つまり前回の文章では、「今回の件は(まだ)それほどダメじゃないのではないか」と書いたつもりです。

それ以外の部分でジーコ監督にダメな部分が多々あるのは、私としては指摘済みのつもりなんですね。ただ、これからも継続してそれに対して声を上げていく必要があるということも確かです。おおやしさんがおっしゃるように、サポは諦めてはならない、ですね。

というわけで、ここでおおやしさんの「公式戦を無駄にするな」をベースに、「それほどダメなのか?」をもう一度検証してみたいと思います。おおやしさんは、功労者召集案に「大きな問題点が4つある」とされています。

一つ目は、引退したわけでもない、もしくは代表引退を表明したわけではないのに、こうした「引退試合風」ゲームをやってしまうこと。実際に名前が挙がっている選手にとっては、勝手に幕引きがなされるようで、気分の悪い選手もいるだろう。

これはおっしゃるとおりだと思います。ただ、だからこそ、ジーコが(当該選手に)面と向かって召集の理由を説明するまで、その是非が問われるべきではないのでは?とも思うのです。一部で言われるような、「魂の継承」というような意図がジーコにあり、彼がそれを選手に説明して、選手たちが納得したとしたら、それは「引退試合風」ゲームではなくなりますよね。その点がまだグレーなので、この問題点を厳しく追求するには当たらないのではないかと思うわけです。

2つ目は公式戦をこうしたゲームに使うこと。記念試合は通常の代表活動に影響の無いところで行われるべきだ。シーズンオフ、もしくはリーグ戦の合い間の水曜日あたりにやるべきであり、インターナショナルマッチデーをつぶしてやるような試合ではない。重要なのはシンガポール戦という消化試合がつぶれること以上に、そのゲームの前に確保されている1週間以上の準備期間が無駄になることである。また、公式戦の舞台を若手から奪っての記念試合というのは、出る側も後味が悪いだろう。

準備期間の視点は私も見落としていました。17日のシンガポール戦の前の土日は、少なくともJリーグは休止して、国内組だけで考えれば、試合の前にかなり長い準備期間が取れそうですね。シンガポール戦ではほとんどろくな準備もできない、と私が思っていたことは、確かに訂正の必要があるようです。

そこが公式戦と、親善試合の違いですね。親善試合では通常はこれほどの期間が取れないものです。この準備期間があれば、例えば新戦力を召集したとして、代表になじむ時間はある程度とれそうですね。それが無駄になるのは、いかにももったいないことです。ただこれは、1つめとも3つめとも関係するのですが、ジーコ監督がその合宿こそ、「魂の継承」の場所だと考えている可能性も否定できません。

つまり、「功労者を招集しての試合」を、本当に単純に、彼らを招集してのお祭りとして、彼らに感謝するためだけに行うのか。それとも、そういう機会を設けて、「魂の継承」によって現日本代表を強化する目的があって行うのか。

そこがもっとも大きな点だと思うのです。

もし後者であるのなら、1)功労者たちも喜んで協力してくれるかもしれないし、2)準備期間も無駄にならないだろうし、3)シンガポールにも失礼に当たらないでしょう。日本が、どのような強化策をとろうとも、強化のための策である限りは、他国から文句を言われる筋合いはないように思います。

4つ目は、控え選手から出てくるであろう不満の声だ。

これについては前回も書きましたが、海外組を原則召集しない中では、これまでの控え組みはおそらく召集され、功労者の招集があったとしても、組み合わさってピッチに立つこともできるでしょう。

以上のように、1~3の問題点は、ジーコ監督の意図が「おまつり」にはなく、「強化」にあった場合には、それほど問題ではなくなると思うのです。確かに「フェスタ」という発言はありましたが、私はこういう一部の言葉を切り取って取り上げたスポーツ紙の記事はあまり信用していません(笑)ので、まだ「ジーコが強化のためにこの召集案を考えた」という可能性も捨てきれないと思っています。したがって「現時点では」騒ぐにはあたらない、と思うのです。

もちろん、ジーコが強化のことを考えていなく、本当に浮かれた、ただのお祭りのために功労者召集案を言い出しているのなら、私もそれはおかしいと思います。断固として反対です。しかし、そうではない可能性もある。よって、その真意がわかるまでは静観しておこう、というのが現在の私のスタンスなのです。

私も「ダメなものはダメと言う」姿勢に大いに賛成です。そして、これからもその姿勢で行くために、「ダメかどうかまだわからないものには、ダメと言わない」という考えでやっていこうと私は思っています。もちろん、この点は人それぞれでいいのですが。

有意義な問題提起ありがとうございました>おおやしさん。

今日いよいよ発表ですね。どのような召集があるのか、またそれに対するジーコの意図の説明はどのようになるのか。いろいろな意味で注目ですね。

それではまた。

12:46 PM [ジーコジャパン・1次予選] | 固定リンク | コメント | トラックバック(4)|

October 15, 2004

「現実的」な勝利

何か妙なことになって来ていますが…。

私は個人的には功労者にはいくら酬いてもいいと思っている方ですが、なんとなく今回の件には違和感を感じますね。もし功労者に酬いるという主旨なら、それ専用の試合を組んで、vsアジアオールスターズとかにしたほうが良いのではないでしょうか?それにしても当人たちが引退を表明した後のことでしょうけどね。

まあそれはそれとして、オマーン戦はまったく問題のない勝利でしたね。

まさに、アジアカップの再現のような試合といえますね。アジアカップの優勝の原動力であった、カバーを重視した守備、セットプレー、個人能力、そして落ち着き、がやはり多くを決しました(今回はセットプレーは不発でしたが)。

特に、日本の合宿でも練習していたという、守備を重視したゲームプランは功を奏していたようで、前半はボールをオマーンに支配されても、日本の選手は慌てないで済みましたね。それに参加していなかった高原は結構困っていたようでしたが。

この辺が、2月のオマーン戦、アウェーのシンガポール戦との大きな違いでしょう。2月の試合では、さまざまな理由により苦戦しましたが、その苦戦に対し「こんなはずじゃない」「もっと出来るはずだ」「なぜこんなことに・・・」などと選手たちが(おそらく)考えてしまっていたことが、一つの問題だったのではないでしょうか。それによって、時間が経つにつれ、チームは自分たちで自分たちを追い詰めてしまっていたわけです。

欧州遠征、アジアカップと、ジーコと共に過ごすうちに、選手たちは「そういうことじゃないんだ」「最後に勝てばいいんだ」ということを体得して行ったようです。アジアカップにおいて多くのアジアの国から押された試合展開となったことがもっとも大きいでしょうが、同時に、それがジーコの哲学だ、ということも影響しているでしょうね。

ただ、守備的布陣を練習していたジーコですが、それでもあそこまで押されるのは想定外だったようですね。確かにバイタルエリアを空け渡してミドルを打たれても、オマーンのシュート精度が低いので大丈夫ではあります。しかし、日本のシュートは前半は敵のミスを高原がさらった1本だけじゃなかったですか?ハーフタイムには「もっと前から勝負して行こう」と指示があったようです。

それもあって、後半開始から日本は前に出て、小野の素早いリスタートから俊輔の走り込み、すばらしい2段フェイントから鈴木の豪快なゴール!オマーンは日本のこのシフトチェンジに対応できませんでしたね。

気落ちしたオマーンに対し、日本は心憎いまでの落ち着きを見せます。ボールを奪っても、早く前線へ送らない。ゆっくりとしたボールポゼッションで、じわり、じわりと陣地を回復していく。ジーコ監督のサッカーは「フォーリングバック+ポゼッションサッカー」だと以前J-NETで議論したことがありましたが、ここに来てようやくそれが真剣勝負で見えて来ました。まあ、「引き分けでも通過」という試合だからそれがさらに有効に機能した、という部分はありますけどね。

この「相手をいなす」ボールポゼッションができていたところが、この試合の内容がオマーンとの3試合で一番よかったと私が思ったところです。世間ではこの内容に不満な人もいるでしょうし、2次予選、W杯本大会ではミドルシュートの精度はもっと高いです。この守備でおさえ切れるかどうか?という疑問はありますね。まあそれは2次予選までの課題としましょう。

この試合で私は小野の危険なポイントを読む力、宮本の統率と、中澤の、アジアレベルを越えたすばらしい守備能力に感銘を受けました。また、中村選手もボールを奪われなくなったし、必要な時にはシンプルにはたいてリズムをつくることもできていた。すごくいいプレーでしたね。後半はいいポジションをとって、DFが跳ね返したこぼれだまを、ことごとく中村か小野が拾うという状況も作れていました。

総じて、「現状の(組織力も含めた)戦力で、1次予選を突破するには最適のやり方」ができたことは確かです。「現実的」なたたかいとはそういうことでしょう。2次予選はよりレベルの高い相手との戦いになりますが、アジアカップで優勝できたように、このやり方でもW杯にたどりつくことはできると思います。あとは、本大会でどのようなものを目指すのか、ということになるでしょうか。それは、またいろいろと落ちついたら考えましょう。

それではまた。

06:58 PM [ジーコジャパン・1次予選] | 固定リンク | コメント | トラックバック(0)|

October 14, 2004

一安心

やりましたね!

あんまりにもほっとしたので、力が抜けました(笑)。細かいことはまた後日に書きたいと思います。

しかし、今日の日本は強かったですね。オマーンとの3試合の中で一番内容もよかったのじゃないかな。私は個人的に、小野の守備に感銘を受けました。

いやあ、なにはともあれよかったですね。

それではまた。

03:51 AM [ジーコジャパン・1次予選] | 固定リンク | コメント | トラックバック(3)|

October 11, 2004

さあオマーン戦!

いよいよオマーン戦が近づいてきましたね。

このBLOGでアジアカップの総括がすまないうちにこの日が来てしまったのが申し訳ないのですが、基本的には私は悲観してはいません。「引き分け以上で1次予選突破」ですから。ここへ来ていろいろな不安材料が取りざたされていますが、今の日本には、オマーン相手に引き分ける力は十分以上にあると思いますよ。

ユースに苦戦したのも、メンバーがそろわなかったり、試合直前でフィジカルを追い込んでいたりする時期だからでしょう。一日出発が遅れ、直前の現地入りになりましたが、「気候順応は3日前が一番きつい」と湯浅さんはおっしゃっていますし、「ぱっと現地入りして、現地の悪影響を受ける前に試合をしてしまう」というインド戦方式に、むしろ近くなったとも言えます。

故障者だけがやや気がかりですが、報道を見る限り「本番で試合できない」ほどの選手はいないようですし、藤田や本山らのサブも好調な様子です。アジアカップでも苦しい中、戦い抜いた選手たちですから、心配するには当たらないでしょう。

そして、悲観しすぎるには当たらない理由は、やはりアジアカップでの日本代表の姿があるからです。あの時と同じような試合展開になるかもしれませんが、それでも何とか勝ってしまう力を今の日本代表は持っています。アジアカップの優勝の原動力になったのは、カバーを重視した守備、セットプレー、個人能力、そして落ち着き、だと私は考えているのですが、それは現在でも失われていないでしょう。

カバーを重視した守備は、「自分の前でものごとがおこっていて欲しい」というDFの本能に近い形でプレーをすることができ、基本的には安定させやすい守備です。問題は、引きすぎた時にさらにボランチが引きずり出されてバイタルエリアを空けられ、そこを利用されてしまうことがある点。また、サイドを攻められへCBが一人出ていった時、ペナルティエリア内のファーサイドのケアをアウトサイドの選手(三都主か加地)がしなくてはならない点。これまでの失点はそれらによるものが多いですね。ただ、これにさえ気をつければ、FWの決定力が高くないオマーンのこと。日本が2点以上取られることは考えにくいですね。

セットプレーは、アジアカップを通して日本の強力な武器になりました。主に中村の左足からでしたが、他にもアジアカップでは遠藤や三都主が蹴ったりしていましたし、今回は小野もいます。勝負のかかった拮抗した試合では、しばしばセットプレーが勝敗を分けるものです。今回もこれが日本の頼みになるでしょう。

そして「落ち着き」です。2月のオマーン戦やシンガポール戦には見られた「攻め急ぎ」や「焦り」が、アジアカップから消えてきているように思います。それは宮本が言うような「アウェー・アドバンテージ」が現実化したものでしょう。「こんな環境なら“いいサッカー”ができなくても仕方がない」「悪い内容でも焦らないようにしよう」「最後に勝っていればいいんだよ」このような感覚が、アジアカップを通して次第に成長していったように見えました。これは、「引き分け以上で1次予選突破」である日本にとって、なかなかよい状態であると思います。

そして、アジアカップからのプラスオンもありますね。小野、久保、の復帰です。思えばオマーンは、2月の予選でも、小野とは出会っていないわけで、中盤でためを作れる小野、そして、途中出場だったインド戦でもそのポテンシャルを十分に見せていた久保の存在は、今のチームにとって非常に大きな武器になるでしょうね。小野のパスと、動き出しのよい久保の組み合わせも、相性がとてもよいですしね。

そして最後に、今回もFixed dates for Official Competition matches(公式試合用Aマッチデー)であり、「時間が取れる」ことも最も大きなファクターの一つであろうと思います。私の常々の持論なのですが、「選手が話し合いながらサッカーを作る」ジーコジャパンでは、その話し合いに参加していなかった選手(または久しぶりの選手)が入ってくると、チームを機能させることがなかなか難しいのではないか、ということです。今回はそうではない。話し合う時間が十分に取れますし、もともとアジアカップで培ったベースもあります。

以上のようなことから私は、2月のオマーン戦、アジアカップでのオマーン戦のような内容にはならないだろうと考えますし、なったとしても、最後には勝てるだろうと思います。とはいえ、一抹の不安もありますから、10月13日はしっかりと応援したいですね。今からモニター前にブルーのユニフォームを置いておきます。

ガンバレガンバレ、ジーコジャパン!

それではまた。

10:41 PM [ジーコジャパン・1次予選] | 固定リンク | コメント | トラックバック(2)|

September 09, 2004

コルカタでの勝利

やりましたね!これでアジア1次予選突破が大きく近づきました。選手、監督、関係者の皆さんお疲れさまでした。

4-0は大きいですね。

オマーン戦引き分け以上でオッケーになりました。これは有利です。オマーンはシンガポールに2-0で、アウェーとは言え、アジアカップで見せたような破壊力は見せることができていないようですしね。

日本は、アジアカップでの勝利の原動力となった、個人能力、セットプレー、カバーを重視した守備、そして落ち着き、といったあたりが、この試合でも有効に機能しましたね(まあ、カバーを重視した守備が必要になったのは数えるほどでしたが)。個人能力ではやはりインドを圧倒していましたし、引いた敵から得点するにはやはりセットプレーが重要になってきます。

ただ、日本の前半は、得点できないことでちょっと落ち着きを失っていたでしょうか?次第にミスも増えていったような印象もあります。10万人のアウェーの雰囲気や、スタジアムそのほかの環境、粘土質のピッチの滑りやすさなどもあるでしょうが、ひとつの大きな原因は「ゲームプランのたて違い」ではないか、と私は思います。

前半の日本は、DFラインからロングボールをサイドへ振る、前方のFWの頭めがけて送る、サイドからはアーリークロスで、などという「省エネ、パワープレイ」を、「フィジカルで勝てる敵を相手にしての、効率よく得点するための手段」として、選択していたように思いました。

それが逆効果で、(前半は)すばらしく集中して体を張ったインドのディフェンスにてこずった、というところででしょう。小野の枠に行っているダイレクトのミドルシュートがインドDFに阻まれること。インドDFのボールから目を放さない集中力はすごかったですね(前半は)。イギリス人のスティーブン・コンスタンチン監督は、環境のよくないなかで、なかなか頑張った仕事をしていましたようです(余談ですが、このインタビューかなり面白いです)。

後半は、たぶん「もっとつないで行け」という指示が出たのではないでしょうか?前半とはかなり変わって、ショートパスの連鎖が出てきました。こうなると、本山の良さも生きていきますね。チームとしても、ゴール近くでのファウルを得たり(→小野のFK)、ペナルティエリア前にポイントを作って崩してフリーを作って得点(福西)などというシーンが増えてきたのは、このようにシフトチェンジしたことによるものではないかと思います。

ところで、「前回は直前合流でよくなかった。今回は反省し日本合宿から欧州組を呼んだ」という記事ですが、これはちょっと微妙ですね(笑)。というのは、いくら反省してもできる時とできない時があるからです。

ちょっと復習しておきましょう。今回のアジア予選はFIFAの定める「国際Aマッチデー」にとびとびに行われます。実は「国際Aマッチデー」には2種類あって、

オマーン戦やシンガポール戦は、Fixed dates for Friendly matches(親善試合用Aマッチデー)
今回のインド戦は、Fixed dates for Official Competition matches(公式試合用Aマッチデー)

なんですね。前者は試合の2日前からしか選手の拘束ができず、そのために海外組みの直前合流という事態になったわけです。今回は、公式試合用ですから、9月4日、5日もリーグ戦が休みで、そのために早く合流することができたのです。「反省したから早く呼んだ」というよりは、このレギュレーションの違いで早く「呼べた」という方が正しいでしょう。

次回のオマーン戦も、Fixed dates for Official Competition matchesです。今回と同じように準備を整えて迎えることができます。ゆるんではいけないけれども、心配しすぎることなく、試合を迎えられますね。

来年の最終予選では、また直前合流しかできない「親善試合用Aマッチデー」に試合をしなければならなくなる可能性が高い。そういう時のために、チーム・マネージメントが重要になってくるわけです。今年のはじめに問題になったのはその部分で、時間の取れている今はあまり表面化しないのですが、来年へ向けては向上しておいて欲しいところです。

いずれにしても、今日の結果はよかったですね。ところで、今日行われたU-17の方は、残念な結果に終わったようですが、最後にいい試合をして見せてくれたとのことなので、深夜の録画放送で彼らの戦いぶりを見届けたいと思います。

それではまた。

(アジアカップ総括や、五輪総括は、遅くなっておりますがまだ続けますので・笑)

追記:台風18号はすさまじい風でしたね。被害にあわれた方には心からお見舞い申し上げます。

01:11 AM [ジーコジャパン・1次予選] | 固定リンク | コメント | トラックバック(3)|

June 10, 2004

1次予選ですね

やりましたね!7-0の快勝、久しぶりに見ていて安心できる1次予選らしいゲームでした。

と思ったら、裏ではオマーンがシンガポールにやはり7-0で勝ってるんですね。申し合わせたかのような点差・・・。TV中継中にアナウンサーが「この後の試合でオマーンが10点差をつけて勝つことも、オマーンの実力を考えるとありえるから、日本ももっと大量得点を」と言っていた時には、「それは視聴者を煽るためとはいえ、言いすぎだろう(笑)」と思っていたのですが、近いところまで行ってしまいましたね。

これで、得失点差は日本が9、オマーンが10と、また上回られてしまいました。グループ3は、日本とオマーンの2強と言う図がはっきりとしてきましたね。ますます加茂さんのときの1次予選と似てきました。ちなみに当時のスコアは、

オマーンラウンド
  日本  1―0  オマーン
  日本  10―0  マカオ
  日本  6―0  ネパール
日本ラウンド
  日本  10―0   マカオ
  日本  3―0  ネパール
  日本  1―1  オマーン

やはりオマーンにだけ苦戦しています。当時から見ると日本ももちろん成長していますが、オマーンもずいぶんと強くなっているようで、この一騎打ちに勝たないと上にあがれないわけです。

今回の予選のレギュレーションは、

2チーム以上が勝ち点で並んだ場合は
1)当該チーム間の勝ち点数
2)同得失点差
3)同総得点
4)全試合の得失点差
5)総得点
6)中立地でのプレーオフにより上位チームを決める。

ということになっているようですので、万が一日本がアウェーでオマーンに1点差で敗れた場合、1)2)3)がすべて同じとなるために、4)の得失点差勝負になるのですね。その時のためには、やはり得失点で上回っておきたいところでしたが・・・(引き分け以上の場合は日本が勝ちあがり、2点差で負けた場合はオマーンが勝ちあがりです)。

とは言え、試合自体は7-0ですから、今回の試合にこれ以上を望むのは酷というものでしょう。

試合自体は、チームの実力差どおりの結果が出たというところでしょうか。しかし、1点目の三都主のアーリークロス気味のパスをシュートした久保のアクロバティックさはどうでしょう!ジャンプしながら、妙な体勢でクロスに足を合わせるだけ。それが見事にコントロールされたシュートとなって、キーパーの横をまっすぐに抜いていく。ちょっとすごいですね。少林サッカーかと思いましたよ(笑)。

2点目のアシストも久保ですが、このカタチは引いた相手とか、組織されたディフェンスから点をとる時に有効なものの一つであると思います。中村選手の精度の高い、サイドチェンジ気味のアーリークロスを、ファーの選手が折り返して、飛び込んできた2列目の選手が(今回は福西でしたが)シュートする。先日のイングランド戦で、開始早々ベッカムのクロスをオーウェンが折り返したものも狙いは同じでしょう。前代表でも、例えばアジアカップサウジ戦の1点目などがそうですね。

これだと、1回目の前をボールが横切ることになるため、DFやキーパーがボールを見てしまい反応が遅れやすいのですね。せっかく中村選手がいるのだから、これは得意な一つの形として磨いていって欲しいものだと思います。

中村選手のフリーキックで3点目。後半は敵がかなり押し上げてきたために、ラインの裏が空き、そこを玉田がドリブルで突き4点目。セットプレーから中澤が2得点。早いサイドへの展開から、加地の絶妙のパスがペナルティエリアに入り込んでいた小笠原に渡って得点。

私は後半から4バックにして欲しいと思っておりまして、その通りになったのですが、どうも選手の動きが重いような・・・。アイスランド戦後半や、シンガポール戦前半の方が、人もボールも良く動いていたような印象があります。インド戦では、一人一人がボールを持って考える時間が妙に長かった。まあ攻め急ぐような状態ではなかったのだというのも正しいのですが、シドニー五輪1次予選での小野の怪我を考えると、気をつけて欲しいと思わずにいられません。

もちろん7点取っているのだから不満を言っている場合ではありません。ただ、その多くの点が個人能力のごり押しである点が気になるといえばなりますね。思い起こせばオマーン戦、高原がマーカーを背中で吹っ飛ばしてペナルティエリア内でフリーになった(シュートはキーパーの正面をついてしまいましたが)シーンがあったように、個人能力に差がある場合には、そこを生かした戦い方をするのは、その試合に勝つことを考えれば理にかなっています。オマーン戦、シンガポール戦も、もう少しそうすればよかったのに、と私は思っていました。

しかし、今後インドよりもマークがしっかりし、個人能力が高い敵が引いてきた場合、やはり個人の能力で押すだけでは勝ちきれない場合が出てくるでしょう。そういう時のためには、しっかりと崩す形も今後はもっと欲しいですね。その意味では中村選手に、よりいっそうの覚醒を求めたいところでしょうか。フリーキック以外でも、もっともっとできるはず。そして、彼を含めた日本の攻撃の連携を高めることが、アジアカップで勝ち上がっていくには絶対に必要でしょう。アジアカップはまた「時間の取れる」中での戦いとなります。よい結果を期待したいですね。

そうそう、皆さん見どころは中村キャプテン事件だったと思われますか?私は「鈴木ルーレット」が気になりました。ただそのすぐ後ファウルを受けているところが鈴木らしいのですが(笑)。

それではまた。

10:14 AM [ジーコジャパン・1次予選] | 固定リンク | コメント | トラックバック(6)|

February 28, 2004

オマーン戦 現地観戦記

オマーン戦をスタジアムで見た後、落ち込んでいる時にJ-NET(本家)を見ていたら、「シュート数も多いし、オマーン戦の内容は悪くなかった」と言う書き込みを見かけました。あまりに私の認識と違うので、ビデオ見直してみました。

そして、「ああ、この中継ではそういう人が出るのも無理はない」と思いました。

中継ではボールのあるところしか映さないので、いかに日本選手が動いていないか、いかに日本のバイタルエリアに危険なスペースが開いているか、それが見えないのです。あれをTVで見たとしたら、「それほど悪くない」と思ったとしても、仕方ないかもしれません。

しかし、実際にはあのTVでみるよりも、ずっと悪いのです、今の日本のサッカーは。

TVで見ていると、一応パスを、走り出したFWや三都主にあわせているように見えます。しかし、「いつ動き出すかが自由なサッカー」ですから、他の選手はそれをまったく感じておらず、どこにも第3の動きがない。A選手がパスを要求し、B選手がパスする、それだけなのです。これでは敵にマンマークで付かれてしまうのもしかたがない。

さらに、B選手がワンタッチでパスできるところに顔を出す選手もいない。だから、しばらく彼はボールを保持しなくてはならず、2人目、3人目が寄って来て、1vs2、1vs3にさらされてしまうのです。私はオマーン選手一人一人の1vs1は、日本代表の平均よりも下手だと思いますが、それでも1vs2で掛かられれば奪われてしまう。まさに、ボールを持ってから考える遅い攻撃は、マチャラ監督のマンマーク戦術に見事にはまってしまったわけです。

TVでは、ボールを受けた選手を中心に映すので、周りの動き出しは分からないのですが、ボールホルダーがルックアップして遠くを見て、あきらめて隣の選手にボールを渡すシーンが何度もありましたね。あれは、前線が動き出さず、一人が動き出したとしても連動していないため、パスを出すところがないからです。それが本当に、何度も何度もありました。

この試合前、ジーコ監督は一応「カウンターの練習」をしたと報道にありました。私は、それではさすがに守備から攻撃への切り替え時に、多少は動き方を整備して、スムースに一番得点の可能性の高いダイレクトプレーを行えるようにしたのかな、と思ったのですが、「出しどころがない」シーンが頻発するところを見ると、それはまったくできていないと言わざるを得ません。逆に、オマーンの方がそういう点ではるかにスムースに、スペースを開け、開いたスペースを使うボールの運び方ができていました。敵の2トップにもう少し決定力があったら、と想像すると、本当に恐ろしいですね。

また、遠藤が三都主の裏のケアに引っ張り出され、稲本が組み立てに参加してしまうことにより、ボールを奪われた瞬間には恐ろしいほど広大なスペースが、日本のDFラインの前に開いてしまっていました。しかし、オマーンのボールの動かし方を中心に中継が追っていくため、またアナウンサーもオマーンの攻撃の時は世間話などをしているため(笑)、それがいかに危険な状態か、TVではわかりにくいのです。

そうしてオマーンボールが日本ゴールに近づいた時にはじめて、アナウンサーは「危険です!」などというのですが、あの映し方ではなぜ危険になったのか分からない。それはオマーンがスーパープレーを見せたからではなく、日本が布陣のアンバランス、ぽっかり開けたスペースにより、自ら招いてしまった危機だったのです。まあそれでも、オマーンの攻撃における個人技が低いので、失点はしないですみましたが。

半は、久保選手を入れ、ターゲットができたことでヘッドからのチャンスがいくつか生まれ、また小笠原のミドルシュートなどもありました。しかしどれも、連動した動きから生まれたものと言うよりは、選手が個人能力でオマーンを上回ったから生まれたチャンスです。久保のヘッドの高さなどはその典型といえます。25分の久保のミドルシュートもそうでしょう。しかし、個人能力のごり押しでは点になりませんでした。

私が特に悲しかったのは、25分過ぎからの日本の攻撃の迫力のなさです。実際、後半15分から30分の間にはいくつかのチャンスを作っていますが、ごり押しで点にならないということが明らかになった後、30分から45分の間には、シュートはロスタイムの久保のそれを含め、2本しかありませんでした。

この時間帯、日本は「どうしていいかわからない」状態に突入してしまったようで、DFラインでボールをまわしていても、みごとに誰も動き出しません。仕方がないからゆっくりと、「隣の人へパス」を繰り返して、あるいは鈴木へのロングボールで、何とかボールを運びますが、あれほど「読みやすい」パスでは、点につながるわけがありません。この、「どうしても1点が欲しい」というシチュエーションで、なぜ走りださないのか。

監督がピクチャーを与えない、選手が一人一人ボールを持ってからどうしようか考える、回りがいつ動き出すかが自由なサッカー。それは必然的に遅い攻めとなり、連動した動きがなく、マンマークで1vs2、1vs3を作られやすく、攻撃が機能しません。チャンスはいくつか作れましたが、それはほとんどが個人能力で相手を上回った結果できたもの。久保のヘッドもそうですし、前半43分、スローインから高原がマーカーを吹っ飛ばして反転し(技術とフィジカルの強さ!)、キーパー正面のシュート、などなどもそうですね。

しかし、オマーンに対しては優位に立てた個人技も、2次予選ではどうでしょうか?世界と戦うときにはどうでしょうか?今の遅い攻めを続けていて、世界相手に点が取れるのでしょうか?世界は、DFラインの前にぽっかり空いたスペースを見逃してくれるのでしょうか?

日本は、弱くなっている。遅い攻めしか作れない監督、ディフェンスの問題点を修正できない監督によって、これほどまでに弱くなっている。選手のコンディションを考慮した戦いができないチーム・マネジメント、稚拙なモチベーション・コントロール、メンタルマネジメント能力しか持っていない監督によって、弱くなっている。私はそう思います。

2002年のワールドカップ、サウジアラビアはドイツに8-0で敗れました。私は当時、「同じアジアとして恥ずかしい」などと、他人事のような気持ちでそのニュースを聞きました。しかし、そのサウジアラビアはガルフカップで優勝しています。オマーンは同大会で4位です。かつ、日本との対戦では、その時のレギュラーFW2人を怪我で欠いていました。オマーン戦のような試合をしていては、8-0は全然他人事ではありません。

そして、オマーン戦の内容はジーコ監督の指導の特性から来るもので、いつでも再現の可能性があると私は思います。

私はジーコ監督の解任を求めます。それではまた。

07:16 PM [ジーコジャパン・1次予選] | 固定リンク | コメント | トラックバック(0)|

February 23, 2004

高熱選手の先発について

「その時点で高熱のある選手を出場させた」ということに関する責任は、ジーコだけではなくてドクター含め、日本代表チーム全体で対策を考えていって欲しい問題ですね。

しかし、代表監督の能力として問題なのは、「コンディションを重視して起用する選手を考えない」というところでしょう。

コンフェデ杯では、中1日という強行スケジュールだったため、多くの国がターンオーバーをさせて来ました。日本がそれをしないことに対して「生命の危険があるわけじゃないから問題ない」という議論がありますが、そういう問題ではなく、各国は「連戦させると勝てない」という点からも、連戦を避けているのだということに思いをいたるべきです。

「過酷な日程でのグループリーグ突破のための戦略」ということですね。いうまでもなく、怪我やカードで選手が欠けることはいくらもありますし、それに対応した選手層を作っておかなくてはならないわけです。それができていれば、連戦で疲労の溜まった選手よりも、フレッシュな選手のほうを起用できたはずで、そういう選手層がなかったから、3戦連続スタメンがほぼ同じ、という結果になりました。

試合を見ると分かりますが、コロンビア戦後半などは選手全員の足が止まり、1点を返さなくてはいけない状態でこぼれだまさえ拾えない始末でした。目標を達成するためにも連戦は避けるべきだったのです。

なぜジーコ監督はこのようなことをしたのでしょうか?

それは、「選手を固定し固定された選手間での話し合いに依存する」という強化方針だからです。最初は「連携を作るためには固定しなくては」となり、そのあとは「連携が出来ているのはこいつらだけだから固定しなくては」となる。監督が提示するピクチャーが先にあって、誰もがそれを実践できるように練習するわけでは「ない」のですから、しかたがないことなのです。

今回の予選ではどうでしょう。

ジーコ監督は、予選が始まる前に、「予選では海外組といえどもコンディションを見て起用する」と発言していました。私は、いくらなんでも(笑)「本番」であるW杯予選では、「連携をつくるための固定」は止めて、今までに出来上がっている連携のなかから、コンディションを重視して起用を決めていくのだと思っていました。

しかし、実際にピッチに立ったのは、直前に合流した中田、高原と、怪我からまだクラブでのフル出場もなかった中村、試合から長いこと離れていた稲本、そして39度の熱があった柳沢でした。山田と宮本も、それ以前には熱があったようです。

なぜこのような起用になってしまったのか?

それはジーコ監督が「戦術を理解した選手のプールを用意し、コンディションのいいほうから起用していく」ということを考えない監督だからです。実際に、選手が怪我やカードで欠けた時のバックアップは十分に育っているとはいえません。DFラインのチュニジアセットは、一人一人では現レギュラーと組み合わさって試合に出たことがありませんね。山田の代わりに加地を入れることに躊躇するのは理解できます。しかし、問題なのは、その程度の選手層しか、1年半かけて作れなかったジーコ監督の方針なのです。

熱がある選手が複数でたにもかかわらず、キックオフ時にピッチに立ったのはジーコ監督が前日に発表(?)したのと同じメンバーでした。風邪を引いている柳沢は、コンディション万全の久保に優るのでしょうか?そんなことはあるはずがありません。実際の試合でも柳沢は、効果的な働きが出来ませんでした(柳沢選手個人はいい選手です。この日はコンディションが最悪だったのです。その後入院しなくてはならないほどに)。

ジーコ監督は、コンディションを見極めて選手起用をするということをしない。それよりも、優先されるのは「ジーコ監督のなかの理想のメンバー」です。そしてその中で話し合いでできた連携に頼る。それが今回あらためて明らかになりました。そのやり方で、ぱっと集まって試合をしなくてはならない予選や、数試合戦い抜かなくてはならないW杯のグループリーグで、結果が出るのでしょうか?

39度の熱がある選手を先発させたのは、ドクターの判断の責任も大きいでしょう。しかし問題はそこだけでなく、そういう選手を先発させざるを得ない選手層の薄さ、それを招いた固定方針にあるのです。それは明らかに、ジーコ監督の問題です。

オマーン戦にいたるチーム・マネージメントは壊滅的でした。それがあの試合内容を招いてしまったのです。幸運がなければ、引き分けだったでしょう。そうなっていたら、1次予選突破が危機に陥ったことを意味したのです。

私はジーコ監督の解任を求めます。

それではまた。

06:28 PM [ジーコジャパン・1次予選] | 固定リンク | コメント | トラックバック(0)|

February 20, 2004

オマーン戦の再現可能性

今回のオマーン戦で苦戦した最大の原因は、「ヒデが合流して時間がなかったこと」でしょう。

ジーコ監督のチーム作りは「選手を固定し、固定された選手間での話し合いで約束事をつくる」です。
それ以外の方法を持っていません。
そしてそれは、

>「今回のようにみんなで話合う時間があればいい。でも、そうでない場合や新しいメンバーが入ってきた時に、意見のすリ合わせが十分にできない恐れがある。ディフェンスだけは感覚でできないから」

という選手の談話(コンフェデ後のサッカーマガジン誌)で既に問題点がはっきり分かっていたことでした。(オマーン戦では「ディフェンスだけ」ではなかったことが明らかになりましたが)

しかし、実際に「選手を固定し、固定された選手間での話し合いで約束事をつくる」は、どのように機能するでしょうか?結局それは、選手のサッカー戦術理解のレベルに左右される、ということになります。そして、その点において突出しているヒデの言うことに、みんながついていく、というカタチにならざるをえなかったのではないかと思われます。彼の経験、実績、戦術理解、サッカーに関する言葉の豊富さ、推進力、それらに比肩しうるのは、わずかに宮本のみでしょう。

コンフェデの時のように時間があり、選手を固定して何試合もして、その都度修正していければ、次第にいいサッカーが出来るようになります。コンフェデフランス戦はその集大成でした。

それは、その後すべての試合でベストメンバーを組もうとしてきた方針により、その後もだいたい維持できて来たのだと考えられます。ナイジェリア戦、セネガル戦、チュニジア戦、ルーマニア戦、カメルーン戦、多くの時間こそ取れなかったからかもしれませんが、コンフェデ・ベストメンバーがほぼそろい(遠藤が欠けたり宮本が欠けたりしましたが)、その時の連携が結構残っていたのでしょう。

しかし、問題が生じました。東アジア選手権です。海外組が藤田を除いてほとんど使えなかったこの大会。大会での試合自体は、だれがリーダーシップを取ったか分かりませんが、国内組の中での話し合いによって、そこそこ機能しました。それほど長い合宿は出来なかったものの、何度かの紅白戦と3バックの採用があり、そこであるていどは「選手を固定し、固定された選手間での話し合いで約束事をつくる」ができたからでしょう。

さらに今年になって、また国内組の中で話し合いが続けられます。約束事がいくらか出来ていきます。小笠原が「裏へ走れと今までさんざん言って来た」と三都主に関して語り、イラク戦で(少ないとは言え)いいカタチを見せたのはその現れでしょう。

問題というのは、それによってチームの中に「コンフェデ時の話し合いで出来たもの」とは別のものが育ってきてしまっていた、ということです。DFラインと遠藤は、その両方に適応しなくてはいけなかった。ああ大変そう(笑)。まあ基本的には、コンフェデ時の話し合いを伝えていく、という作業だったかもしれないけれど、それにしても、アレンジが加わり、試合をこなすうちに(5試合ですからね)違うものになって行ってしまった。

そこに海外組が帰って来ました。ヤナギ、俊輔、稲本…しかし彼らではコンフェデ時の約束事を強力に復活させるチカラはない。中田が帰って来たのは、試合の2日前でした。

おそらくチームは、中田がまた新しい話し合いをもたらすだろうと身構えたのではないでしょうか。しかしヒデは、今回はその影響力を発揮する時間がさすがになかった。といいつつ少なくとも、チームの中に、昨日までに培ったものと、それを良く知らない中田ヒデ、ただし影響力は絶大、という二つの、なんと言えばいいのかな、「コンセプト」が存在してしまった、ということなのだと思います。

ヤナギ 遠藤 三都主 山田 宮本 坪井 楢崎(東アジア→2004親善試合組)
高原 俊輔 ヒデ 稲本(コンフェデ→2003親善試合組)

おそらくピッチの上で、この二つの「話し合いで生まれた約束事の理解」が、まるで刷り合わせる時間なく、存在してしまった。それが、オマーン戦の試合内容が、同じ選手をそろえながらコンフェデフランス戦とまるで違うものになってしまった原因ではないかと思います。

これは、今後も何度でも起こり得ることです。

そう考えると、ジーコ監督の「2週間」発言は以外と的を射て/得ているということが分かります。2週間あれば、誰かがリーダーシップを取ったりして、一つの「話し合いの結果」が出来あがってくる。そうすれば、まずまずな試合が出来る。

しかし、その時間がないと、難しい。特に今回は間に、別のものを育てる時間/機会があってしまったからなおさらです。おそろしいことに、ジーコ監督の場合、ベストメンバーがそろわない試合機会は意味がないばかりでなく、有害でさえあるのかもしれない、ということになります。あはは。そんな馬鹿な強化法があっていいものでしょうか。

ジーコ監督のやり方は、時間がたてば立つほど選手どうしが慣れてきてうまく行くようになる、と私は思っていました。しかしそれはどうやら間違いであったようです。

そこには、合宿単位での「慣れ」はあっても、1年かけても2年かけても「向上」はない。だって、彼らが習得すべきなにものもそこにはないのですから、当然のことです。彼らがすべきなのは、その時その時のすり合わせ、それだけなのです。

そういうわけで、ジーコ監督の次の危機はシンガポール戦になるでしょう。海外組がいつ合流できるか。特に、ヒデが何時?それが最大の焦点になります。もちろん他の選手もなるべく早く合流した方がいいけど、仮にヒデの合流が今回と同じ前前日だったら…ピッチの上にはまた同じことが再現されるでしょう。もちろん、オマーンとシンガポールの戦力差はありますけどね。

ポイントになるのが「クラブで有用な選手は帰してもらえない」というところでしょうか。今回早期召集可能だった選手たちは、実はクラブでは評価されていないということですから、所属チームの方でも発奮しないといけないはずですね。逆にヒデは、移籍したあと急にボローニャで重要な選手になってしまいましたから、直前まで返してもらえないかもしれません。最も重要なピースが、もっとも使いにくい。これは非常に難しいところですね。

仮に1時予選を突破したとしても、アジア最終予選は今回と同じ、とびとびのインターナショナルマッチデーに行なうことになります。そして、その中の、拘束時間の短いフレンドリーマッチデーにも当然行なわれることになるでしょう。そうした場合は、ジーコ監督のチーム作りの特性上、今回とまったく同じ、なにも向上していないチームがピッチの上に出現するわけです。

そしてもうひとつ、ヒデが怪我でも、カードの累積でもピッチ上からいなくなったら?東アジア選手権や2004の親善試合はヒデがいなかったじゃないか、という人もいるでしょう。それはもともとヒデがいないことが全選手にも分かっていた試合です。そうではなく、いると思って無意識に頼っていたら、急にいなくなった…そう言うことはサッカーでは常にあることです。

ジーコ監督は解任するべきです。それは早ければ早いほどいい。こんなことは言いたくない。でもあのサッカーを見て、そして日本代表チームを、あるいはサッカーを愛している人ならだれもがそう思ったはずだと、私は思います。

それではまた。

ふうう。

05:57 PM [ジーコジャパン・1次予選] | 固定リンク | コメント | トラックバック(0)|

February 02, 2004

苦い味を噛みしめながら

いつまでも落ち込んでいてすみません。

私が心底打ちのめされたのは、オマーンの方が日本よりも、組織的なサッカーで上を行っていたことです。

02年ワールドカップベスト16、98ワールドユース準優勝の選手たちが、今ピークを迎えつつあるところの日本チームが、

平均年齢20歳の、五輪かユースかというオマーン、しかもレギュラーFW2人が怪我で欠けているチームに、

組織で負けていた、ということです。

******

DFレベルからボランチへパスが入る。
そこでボランチが、ほぼワンタッチでスペースへパスを出す。
そこへまさにそのタイミングで他の選手が走りこんでいる。
その選手にボールが渡るタイミングで、前方の選手が動いてスペースを作る。
そのスペースへパスを出すと、また他の選手がそのタイミングでそこに走りこんでいる。

オマーンは、これをスピーディーに繰り返していました。
きちんと組織のできた、パスサッカー。
オートマティックでした。
なぜこれができるのか?
監督がきちんとトレーニングをしているからでしょう。

同じように日本で、DFからボランチへパスが入る。
あるいは低い位置にボールをもらいに来た中村選手へパスが入る。
彼が前を向く。
凄いのは、その瞬間、周りが誰一人、本当に誰一人、パスコースを作ろうという動きをしないことです。
ゼロフリーランニング。
凄い。
凄い。
凄すぎる。
ボールを持った日本の選手は数秒前をうかがい、パスコースがないので仕方なくバックパス。
日本はのろのろと、それを繰り返していました。

バックパスでないときは、前方の止まった選手の足元にパス、ということになります。
さて、何が起こるでしょうか?
何年も前、日本のサッカーは外国人記者から“too predictive”(あまりにも予測可能)と評されていました。
止まった選手から止まった選手へのパスは、まさにそれです。
素人にも、完全に軌道が読める。
当然のように、オマーンは日本のゆるいパスを、後ろから出て行ってインターセプトしていきました。

組織がないと、こういうことになる。その典型例でした。

これほどの悪い内容のサッカーを見たのは、日本代表を応援しはじめて以来、初めてです。
私はそう思っています。

誰かが、パスコースがないので仕方なくドリブルを始める。
オマーン選手が、2人、3人と集まってくる。囲まれる。
さすがに抜けるわけはない。
しかし、また誰一人、フォローにも行かず、パスコースを作る動きもない。
誰一人ですよ。
凄いんですよ。
これは。

逆にオマーンボールになると、本当にひやひやしました。
日本のDFラインの前に、ぽっかりと円形の空間が、いつもいつも×10、空いていたからです。
まるでどうぞここをお使いください、とでも言うかのように。
なぜだ?
一人のボランチは攻撃しに行ってしまい、もう一人はDFラインに入ってしまっている。
バイタルエリアががらんがらん、まるあき。
なんだこりゃ。オールスターでももう少しましですよ、組織が。

********

私は、ジーコ監督は不支持でしたが、解任派ではありませんでした。
「解任」はあまりに大きな、ネガティブなエネルギーをサッカー界に残すと思ったからです。
しかし、昨日の試合を見て、ついに考えを変えました。

解任するべきだ、と思います。

ジーコ監督は日本を弱くしているからです。

世界トップ10を目指すためには、とか、「個」を強化するために、とか、
そういうことがあったとしても、それは最低限オマーンやイラクと
同等レベルの組織があってのこと。最低限。最低限です。
ここまで組織を崩壊させては、トルコ戦と比較など出来るはずもない。

こんなことは書きたくなかった。まだ落ち込んでいるので、文面が荒れていると思います。どうもすみません>ALL

それではまた。

12:22 AM [ジーコジャパン・1次予選] | 固定リンク | コメント | トラックバック(0)|